- 恋の時間―サキサキとセロリ噛みいて
- 青春の日々―雨をひかりと
- デモの隊列―ジグザグのさなかに
- 卒業―校塔に鳩多き日や
- 結婚―木に花咲き
- 出産―いのち二つとなりし身を
- 労働の日々―通勤の心かろがろ
- 貧しかりし日々―扱きためし僅かの麥に
- 子の死・親の死―をさな子のあな笑うふぞよ
- 退職―雁の列より離れゆく一つ雁
- ペットロス―愚かなるこのあたまよと幾度撫でし
- 老いの実感―さくら花幾春かけて
- 病を得て―一日が過ぎれば一日減つてゆく
- ものを忘れて―妻と行くときその妻を
- 介護の日々―かならず逢ひにくるから
- 死を見つめて―つひにゆく道とはかねて