東北へ/東北から
歴史を笑え、と幼い詩人に祖父は教えた
サイの河原に、早池峰を仰ぐ児らがいた
ナマハゲの鬼は男鹿の山から来た、という
日時計の向こうに、縄文の夕陽が沈んだ
大同二年に、窟の奥で悪路王は死んだ
その晩、鮭の大助は月光川をのぼる
山に生かされた者らよ、と石の環が囁く
鉱山で、山の神の代官たちが福音を説いた
ネブタ囃しに、遠く異族の血が燃えて騒ぐ〔ほか〕
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<赤坂 憲雄の本>
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