「でもオレは結局曲げちゃうよ」“超能力者”はふてくされたように言った
「よく来てくれた。そしてよく呼んでくれた」恐山のイタコは語り始めた
「現状は、誠実な能力者には不幸でしょう」オカルト・ハンターの返信はすぐに来た
「僕たちはイロモノですから」“エスパー”は即答した
「いつも半信半疑です」心霊研究者は微笑みながらつぶやいた
「わからない」超心理学の権威はそう繰り返した
「批判されて仕方がないなあ」ジャーナリストは口から漏らした
「当てて何の役に立つんだろう」スピリチュアル・ワーカーは躊躇なく言った
「毎日、四時四〇分に開くんです」店主はてらいがなかった
「解釈はしません。とにかく聞くことです」怪異蒐集家は楽しそうに語った
「これで取材になりますか」雑誌編集長は問い質した
「僕はこの力で政治家をつぶした」自称“永田町の陰陽師”は嘯いた
「匿名の情報は取り合いません」UFO観測会の代表は断言した
「今日はダウジングの実験です」人類学者は口火を切った
「今日の実験は理想的な環境でした」ダウザーはきっぱりと言った
「あるかないかではないんです」超心理学者は首をかしげてから応じた
「夢の可能性はあります」臨死体験者はそう認めながら話し出した
「わからないから研究したい」科学者たちは当然のように答えた
「僕らは超能力者じゃありませんから」メンタリストはあっさりと言い放った
パラダイムは決して固着しない。だからこそ、見つめ続けたい