第1部 犠牲者国民という射程
- 第二共和国の誕生と「犠牲者テーゼ」―「オーストリア国民」意識の勝利
- 「ファシズムの犠牲者」を創出する―抵抗運動の犠牲者
- 「ファシズムの犠牲者」を周縁化する―人種・信仰・国民的帰属による迫害の犠牲者 ほか
- 元ナチの再統合と「犠牲者国民」の形成―抑圧される記憶
- 占領軍当局による戦犯追及―英、米、仏の実践
- オーストリア人民裁判による戦犯追及は国民の境界―内発的冷戦の構図から
- 反ファシズム闘争をめぐる想起の文化―マウトハウゼンを例に
- 戦没者の記憶を継承する―オーストリア黒十字協会の活動を例に
- 戦没者記念碑―戦争をめぐる記憶の相克
補論 ブルゲンラント・ロマ迫害の二重構造―近代=国民の境界をまたぐ人びと