子どもたちがつくる町―大阪・西成の子育て支援

著者 :
  • 世界思想社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790717539

作品紹介・あらすじ

子どもの未来を考える、すべての人へ
「日雇い労働者の町」と呼ばれる大阪・西成(にしなり)。
生活保護受給率は、23%にのぼります(2019年)。

西成の労働者やホームレスの人たちについては、これまでもたくさん注目されてきました。
でも、この本が描くのは、西成の子どもたちと、かれらを支える大人たちです。

このしんどい町の、ゆたかな支援の秘訣とは?

個性的な支援者5人へのインタビューが描く、誰も取り残さない支援の地図!

●50年以上、西成の子どもたちと居場所をつくってきた「こどもの里」の荘保(しょうほ)さん

●ホームレスの人たちも含めて、町のみんなをつなぐ「わかくさ保育園」の西野さん

●単なる食堂ではない、居場所としての「にしなり☆こども食堂」を生んだ川辺さん

●「じゃりン子チエ」の時代に西成で育ち、本人たちに寄り添いつづけるスッチさん

●若くして妊娠・出産したお母さんなどを訪問し、隠れたSOSをキャッチする助産師ひろえさん

日本の子どもの7人に1人が貧困といわれ、「子どもの貧困」が深刻化する時代。

・実父からの性被害から逃れるために、家出をくりかえしていた少女。
・幼いころに両親がいなくなり、熱いうどんを冷ますために息を吹きかけることすら知らなかった少年。
・倒れている人を無視する大人に向かって、「このおばさん死んだらあんたらのせいやで!」と怒鳴りつける少女。

【本文より】
そのときに出会った、その子どもたち、私には想像できない〔状況〕でした、私とは全然違う世界の子どもたち。子どもは言葉は荒い、たしかに、手は出る、しょっちゅうけんかする、「くそばばあ」とか、「ばばあ」とかすごく言われる。だけどすっごいきれいな目してたんですね。もう、その目のことは、私は、すごい気になりましたんです。『なんでこんなすごいきれいな目してるの?』って。

▶子ども支援に携わる方
▶将来、携わりたいと思っている方
▶福祉行政に携わる方
▶学校の先生方
▶子どもへの向き合い方に悩んでいる方
▶貧困問題に取り組んでいる方
▶コミュニティ創成に関心のある方
▶地域医療に携わる方
――子どもの未来を考える、すべての方へ

しんどさのなかを必死に生きる子どもたちのまえで、大人の理屈やマニュアルは通用しません。「すばらしいと思うけど、そんなことはうちの地域ではできない」と思う人にこそ読んでほしい、子ども支援のヒントが詰まった共同体論。

感想・レビュー・書評

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  • ほっとけへん~にしなり☆こども食堂の日々~ (4/25放送) MBSドキュメンタリー 映像’21 | MBS
    https://www.mbs.jp/eizou/

    【にしなり☆こども食堂】西成チャイルド・ケア・センター|西成チャイルド・ケア・センター
    https://kodomo-silyokudou.jp/index.html


    『じゃりン子チエ』読みたくなってきた、、、

    子どもたちがつくる町 - 世界思想社
    https://sekaishisosha.jp/book/b571065.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      日雇い労働者の町・西成の子育て支援、大阪大教授が出版:朝日新聞デジタル
      https://www.asahi.com/articles/ASP...
      日雇い労働者の町・西成の子育て支援、大阪大教授が出版:朝日新聞デジタル
      https://www.asahi.com/articles/ASP6K7HMLP64PTIL07F.html
      2021/06/18
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      子どもや若者の〈声〉が響く社会を――アートディレクター小山田育が語る『子どもたちがつくる町』 | せかいしそう
      https://web.s...
      子どもや若者の〈声〉が響く社会を――アートディレクター小山田育が語る『子どもたちがつくる町』 | せかいしそう
      https://web.sekaishisosha.jp/posts/5066
      2022/06/30
  • 文章がひじょうに読みやすく、私のように西成地区や児童福祉に関する知識に乏しい者でも問題を把握しやすい。また、インタビューの取り上げ方が絶妙で、村上先生の考察と合わせて、支援者が何を見てどう感じ行動しているかをありありと知ることができる。

  • 甘えとSOSの構造は、バランスを取るのが難しく感じるとともに、とても重要な視点であると思った。

  • すごい。うちとことどうやって関連付けるか私が何を学べるかが見えない。共倒れを防ぐとどう関連させたらいいんだろう。

  • ここに書かれている事は「書ける事」であり、実際にはもっと複雑な事があるのだと想像していくことが大切だと思う。

  • 配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
    https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01426014

  • ★ 広国大の電子ブック ★
    KinoDen から利用

    【リンク先】
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/hirokoku/bookdetail/p/KP00052193

  • 子育て支援をする上で学ぶことが多々あった。
    登場する支援者の対応の丁寧さと関わり続ける根気強さを尊敬する。
    関わりのスタンスとして、本人らは「支援者」というより、「共に生きていく人」として関わっているような印象。

    特に助産師さんの章が印象的。
    自分は、相手のことを気にかけて対応し、判断しているつもりでも、社会的環境からネガティブな決めつけをしていたなーと反省。直接関わり続ける中でしか見えてこないことって沢山あると思う。
    登場する支援者にはなかなか及ばないけど、「困ったな…どうしよ…」と親子が思った時に「そう言えばあの人いたな」って思い出してSOSを出してもらえるような存在や居場所を作っていきたいと思った。

    買ってから読み始めるまでに時間がかかったけど、これからも大切にしたい考え方が記されていた。

  • 全体的に文章が暖かく、包み込むような目線を感じます。ものすごく厳しい状況を語る部分でも。
    人として見習いたい部分ばかり。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/763263

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著者プロフィール

1970年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程満期退学。基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第7大学)。現在は、大阪大学人間科学研究科教授。専門は現象学、精神医学。著書に『治癒の現象学』(講談社メチエ)『レヴィナス』(河出ブックス)『摘便とお花見-看護の語りの現象学』『在宅無限大』(医学書院)『仙人と妄想デートする 看護の現象学と自由の哲学』(人文書院)などがある。

「2023年 『客観性の落とし穴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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