近代中国の新疆統治:多民族統合の再編と帝国の遺産 (慶應義塾大学東アジア研究所選書)
- 慶應義塾大学出版会 (2022年9月17日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766428414
作品紹介・あらすじ
▼「帝国の遺産」はどのように継承されたのか?
「中華」という伝統的アイデンティティ、そして秩序の安定維持のための「自治的状況」の容認。
二つの「帝国の遺産」が近代的再編において新疆統治にもたらした影響を探る。
感想・レビュー・書評
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20世紀前半から50年代までの新疆統治を描く。終章での著者の言葉を借りれば、民族自決的統合と国民的統合がせめぎ合いながら植民地的統合となる動態的な過程だ。
PRC成立前は、盛世才をはじめ個人の意向、影響力が強い印象。そして最初期共産党は、国民党主流派と同様、民族を重視しつつ漢族が導くとの「代行主義」。1950年代後半には反右派闘争の影響もあって「自然な同化・融合」強調に転換。しかしこの楽観的同化論が破綻すると植民地的統合が残る。
本書の範囲を超えるが、本書の枠組みを参考にすれば、近年は強制的な同化だろうか。それとも、植民地的統合の枠内での統制強化だろうか。また、民族を自覚しつつの対等な国民的統合は不可能なのだろうか。そのお手本のような米国でも、民族間の問題は絶えないのだから。 -
東2法経図・6F開架:316.8A/Ki46k//K
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