格差と闘え:政府の役割を再検討する

著者 :
制作 : オリヴィエ・ブランシャール  Olivier Blanchard  ダニ・ロドリック  Dani Rodrik  吉原 直毅 
  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766428056

作品紹介・あらすじ

▼サエズ、ズックマンなどピケティの共同研究者をはじめ、世界トップクラスの経済学者が格差論を論じあう。
▼格差をなくすための具体的思索から哲学・政治論まで幅広く議論する。
▼喫緊の課題である格差への問題意識を共有し、未来への提言を行う。

ピケティ『21世紀の資本』以降、格差をめぐって理想論や抽象的な正義の問題ではなく、具体的な対策が期待されるようになってきた。その役割として政府による政策の力が見直されるようになってきた。
世界トップレベルの経済学者を中心に、格差の現状、その弊害から具体的な政策論の意見を闘い合わせたシンポジウムの記録。

感想・レビュー・書評

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  • 格差をテーマにしたカンファレンスの論文集。経済だけでなく、政治哲学やジェンダーの話題もあり幅広い。まとまった主張があるわけではないのであまり読み応えはなかったが、格差が左派的な文脈だけでなく経済学においても主流の議論になっているのは良く分かった。

  • 大学の講義で必要だったため購入

    主に新自由主義の作者たちが集まったものだが、中身はマルクス主義に近い。用語が難しく勉強不足を痛感した。アメリカの社会システムを理解していないといけない。

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  • 東2法経図・6F開架:331.85A/B54k//K

  • 朝日新聞202257掲載 評者:神林龍(一橋大学経済研究所教授)
    日経新聞202257掲載
    東洋経済2022528掲載 評者:原田泰名古屋商科大学ビジネススクール教授
    エコノミスト2022531掲載 評者:井堀利宏政策研究大学院大学名誉教授
    読売新聞20221225掲載 評者:牧野邦昭(慶應義塾大学経済学部教授,日本経済思想史)

  • 【書誌情報】
    『格差と闘え――政府の役割を再検討する』
    編者:オリヴィエ・ブランシャール
    編者:ダニ・ロドリック
    訳者:月谷 真紀[つきたに・まき]
    解説:吉原 直毅[よしはら・なおき]
    四六判/上製/400頁
    初版年月日:2022/03/25
    ISBN:978-4-7664-2805-6(4-7664-2805-6)
    Cコード:C3033
    定価 3,520円(本体 3,200円)

    ▼サエズ、ズックマンなどピケティの共同研究者をはじめ、世界トップクラスの経済学者が格差論を論じあう。
    ▼格差をなくすための具体的思索から哲学・政治論まで幅広く議論する。
    ▼喫緊の課題である格差への問題意識を共有し、未来への提言を行う。
     ピケティ『21世紀の資本』以降、格差をめぐって理想論や抽象的な正義の問題ではなく、具体的な対策が期待されるようになってきた。その役割として政府による政策の力が見直されるようになってきた。世界トップレベルの経済学者を中心に、格差の現状、その弊害から具体的な政策論の意見を闘い合わせたシンポジウムの記録。
    https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766428056/

    【執筆者一覧】
    ルカ・シャンセル(Lucas Chancel)[第1章]
    パリ経済学院研究員。パリ政治学院客員教授。専門は格差問題、持続可能な発展など。

    ピーター・ダイアモンド(Peter Diamond)[第2章]
    マサチューセッツ工科大学(MIT)経済学部教授。労働経済学におけるリサーチ理論の発展に寄与。2010年ノーベル経済学賞を受賞。現在は社会保障問題に取り組んでいる。

    ダニエル・アレン(Danielle Allen)[第3章]
    ハーヴァード大学ジェイムズ・ブラウン・コナント教授。専門は古典学、政治学。

    フィリップ・ヴァン・パリース(Philippe Van Parijs)[第4章]
    ルーヴァン大学経済・社会・政治科学部教授。著作に『ベーシックインカムの哲学』(後藤玲子・齊藤拓訳、勁草書房)がある。

    T・M・スキャンロン(T. M. Scanlon)[第5章]
    ハーヴァード大学哲学部アルフォード教授。専門は政治哲学、道徳哲学など。

    ベン・アンセル(Ben Ansell)[第6章]
    オックスフォード大学政治学・国際関係学部教授。専門は比較政治学、教育の政治学など。

    シェリ・バーマン(Sheri Berman)[第7章]
    バーナード・カレッジ政治学部教授。専門はヨーロッパの歴史と政治。特に民主主義、ファシズム、左翼史など。

    ノーラン・マッカーティ(Nolan McCarty)[第8章]
    プリンストン大学公共国際問題学部スーザン・ドッド・ブラウン政治学公共問題教授。

    ジェシー・ロススタイン(Jesse Rothstein)[第9章]
    カリフォルニア大学バークレー校チャンセラー教授。専門は公共政策、経済学。

    ローレンス・F・カッツ(Lawrence F. Katz)[第9章]
    ハーヴァード大学経済学部エリザベス・アリソン経済学教授。専門は労働経済学、社会問題の経済学。

    マイケル・スタインズ(Michael Stynes)[第9章]
    ジェイン・ファミリー研究所 CEO。

    ターマン・シャンガラトナム(Tharman Shanmugaratnam)[第10章]
    シンガポール上級相兼社会政策調整相、シンガポール金融管理局長などを務める。

    デヴィッド・オーター(David Autor)[第11章]
    マサチューセッツ工科大学(MIT)経済学部フォード財団教授。専門は労働経済学を中心に幅広い分野で多くの論文を発表している。

    クリスチャン・ダストマン(Christian Dustmann)[第12章]
    ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)教授。専門は労働経済学、移民研究など。

    キャロライン・フロイント(Caroline Freund)[第13章]
    ピーターソン国際経済研究所のシニア・フェロー。カリフォルニア大学サンディエゴ校グローバル政策・戦略学部長。

    N・グレゴリー・マンキュー(N. Gregory Mankiw)[第14章]
    ハーヴァード大学経済学部教授。著書に『マンキュー マクロ経済学(第4版)』(足立英之他訳、東洋経済新報社)がある。

    ローレンス・H・サマーズ(Lawrence H. Summers)[第15章]
    ハーヴァード大学チャールズ・W・エリオット教授。世界銀行チーフエコノミスト、財務長官などを務めた。

    エマニュエル・サエズ(Emmanuel Saez)[第16章]
    カリフォルニア大学バークレー校経済学部教授。共著に『つくられた格差』(ズックマンとの共著、山田美明訳、光文社)。

    ダロン・アセモグル(Daron Acemoglu)[第17章]
    マサチューセッツ工科大学(MIT)経済学部エリザベス&ジェイムズ・キリアン記念教授。共著に『自由の命運』(ロビンソンとの共著、櫻井祐子訳、早川書房)などがある。

    フィリップ・アギオン(Philippe Aghion)[第18章]
    コレージュ・ド・フランス教授。専門は経済成長、イノベーション研究。

    ローラ・ダンドレア・タイソン(Laura D’ Andrea Tyson)[第19章]
    カリフォルニア大学バークレー校ハースビジネススクール特別教授。専門は経済学、公共政策。クリントン政権の大統領経済諮問会議議長を務める。

    マリアンヌ・ベルトラン(Marianne Bertrand)[第20章]
    シカゴ大学ブースビジネススクール、クリス・P・ディアリナス経済学教授。専門は応用経済学、労働経済学。

    リチャード・B・フリーマン(Richard B. Freeman)[第21章]
    ハーヴァード大学経済学部ハーヴァード・アッシャーマン経済学教授。専門は労働問題、ワークライフ問題。

    ウィリアム・ダリティ・ジュニア(William Darity Jr.)[第22章]
    デューク大学スタンフォード公共政策学院サニュエル・デュボア・クック公共政策教授。
    専門は人種間、階級間、民族間の不平等。

    デヴィッド・T・エルウッド(David T. Ellwood)[第23章]
    ハーヴァード大学ケネディスクール校イザベル&スコット・ブラック政治経済学教授。
    専門はアメリカの公共政策。

    ハイディ・シアホルツ(Heidi Shierholz)[第24章]
    シンクタンク、エコノミック・ポリシー・インスティテュート所長。

    ジェイソン・ファーマン(Jason Furman)[第25章]
    ハーヴァード大学ケネディスクール校エトナ経済政策実践教授。オバマ政権の大統領経済諮問会議議長を務めた。

    ヒラリー・ホインズ(Hilary Hoynes)[第26章]
    カリフォルニア大学バークレー校公共政策・経済学教授。専門は税制、低所得者への移転問題。

    ヴァイチェフ・コプチュク(Wojciech Kopczuk)[第27章]
    コロンビア大学経済学部教授。専門は国際経済学、公共・非営利分野。

    ステファニー・スタンチェヴァ(Stefanie Stantcheva)[第28章]
    ハーヴァード大学経済学部ナサニエル・ロペス政治経済学教授。専門は財政学。社会調査、実験を用いた研究を行っている。

    ガブリエル・ズックマン(Gabriel Zucman)[第29章]
    カリフォルニア大学UCバークレー校経済学部准教授。タックス・ヘブンの研究で知られる。著書に『失われた国家の富』(林晶宏訳、NTT出版)がある。


    【目次】
    序章 格差拡大を逆転させる手段はある(オリヴィエ・ブランシャール&ダニ・ロドリック)

     第Ⅰ部 状況の展望
    第1章 先進国の格差をめぐる10の事実(ルカ・シャンセル)
    第2章 状況についての議論(ピーター・ダイアモンド)

     第Ⅱ部 倫理と哲学の元
    第3章 経済理論に新たな哲学的基盤が求められる時代か?(ダニエル・アレン)
    第4章 経済学者が対処すべきはどんな格差か?(フィリップ・ヴァン・パリース)
    第5章 なぜ格差が問題なのか?(T・M・スキャンロン)

     第Ⅲ部 政治の次元
    第6章 資産格差と政治(ベン・アンセル)
    第7章 格差への対処に必要な政治的条件(シェリ・バーマン)
    第8章 アメリカで経済格差に取り組む際の政治的な障害(ノーラン・マッカーティ)

     第Ⅳ部 人的資本の分配
    第9章 現代のセーフティーネット(ジェシー・ロススタイン、ローレンス・F・カッツ、マイケル・スタインズ)
    第10章 教育の未開拓の可能性(ターマン・シャンムガラトナム)
     
     第Ⅴ部 貿易、アウトソーシング、海外投資に対する政策
    第11章 なぜ「チャイナショック」は衝撃だったのか、政策にとって何を意味するのか (デヴィッド・オーター)
    第12章 貿易、労働市場、チャイナショック――ドイツの経験から何が学べるか(クリスチャン・ダストマン)
    第13章 格差との戦い――先進国の格差縮小政策を再考する(キャロライン・フロイント)

     第Ⅵ部 金融資本の(再)分配
    第14章 (するべきなら)富裕層に増税する方法(N・グリゴリー・マンキュー)
    第15章 資産税は格差との戦いに役立つか?(ローレンス・H・サマーズ)
    第16章 資産に税を課すべきか?(エマニュエル・サエズ)

     第Ⅶ部 技術変化のスピードと方向性に影響を与える政策
    第17章 (過度な)自動化を後戻りさせられるか、させるべきか(ダロン・アセモグル)
    第18章 イノベーションと格差(フィリップ・アギオン)
    第19章 技術変化、所得格差、優良な仕事(ローラ・ダンドレア・タイソン)

     第Ⅷ部 労働市場についての政策、制度、社会規範
    第20章 ジェンダー格差(マリアンヌ・ベルトラン)
    第21章 所有権による格差の解消策(リチャード・B・フリーマン)

     第Ⅸ部 労働市場ツール
    第22章 万人への雇用保障(ウィリアム・ダリティ・ジュニア)
    第23章 仕事を底上げする(デビット・T・エルウッド)
    第24章 労働市場における効果的な政策手段を設計する際の法的執行力の重要性(ハイディ・シアホルツ)

     第Ⅹ部 社会的セーフティネット
    第25章 社会的セーフティネットの向上を基盤にミクロとマクロのレジリエンスを高める (ジェイソン・ファーマン)
    第26章 子供のいる世帯向けの社会的セーフティネット――何が有効か、さらに効果を上げるにはどうするか?(ヒラリー・ホインズ)

     第Ⅺ部 累進税制
    第27章 再分配政策を支援する税制についての考察(ヴォイチェフ・コプチュク)
    第28章 私たちはなぜ再分配の増加を支持しないのか?――経済学的調査からの新しい説明(ステファニー・スタンチェヴァ)
    第29章 資産税に効果はあるか?(ガブリエル・ズックマン)

    『格差と闘え』解説(吉原直毅)
    訳者あとがき
    注と文献
    索引

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著者プロフィール

翻訳者。訳書に、カプラン『大学なんか行っても意味はない?』(みすず書房)、ゲマワット『VUCA時代のグローバル戦略』、シュナイダー『ネクスト・シェア』(以上、東洋経済新報社)他多数。

「2022年 『格差と闘え 政府の役割を再検討する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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