暴力のエスノグラフィー――産業化された屠殺と視界の政治

  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750354477

作品紹介・あらすじ

1日に2500頭の牛が食肉処理される産業屠殺場――その現場に政治学者が覆面労働者として潜入し、不可視化された暴力の実態を明らかにする。さらに屠殺の観察を通して、現代社会における監視と権力、暴力の恩恵を受ける多数者の矛盾と欺瞞、そして〈視界の政治〉の輪郭を浮かび上がらせる。

感想・レビュー・書評

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  • 権力による暴力がどのように監視・隔離されて社会の中に存在しうるのか、ということを知りたくて読んだ。
    そしたら冒頭いっぱつめから屠殺場の事細かな工程と見取り図が出てきて、出鼻を挫かれた。私は屠殺反対論者としてこの本を読むのではないんだ…。

    だが、読み進めていくと、作業工程がどのように分断されているのかがよくわかるし、それゆえ死への一撃を食らわせる担当者以外は屠殺に加担している意識がとても低くなってしまうメカニズムもよく描かれていて興味深かった。
    フーコーをちゃんと読めば、この辺の論理をもっとクリアに理解できるのだろうなと思う。
    今の私のレベルではざっくりレベルの理解。

    そして、自分がこの本を読んでいる最中に焼肉を食べに行ってしまったことによって、私自身も屠殺に加担していることへの意識がどれだけ低いのかを逆に痛感させられ衝撃だった。
    あの日の焼肉は一生忘れないと思う。

  • 東2法経図・6F開架:648A/P11b//K

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著者プロフィール

マサチューセッツ大学アマースト校政治学部教授。イェール大学大学院では人類学・政治学の泰斗ジェームズ・C・スコットに師事し、PhD(政治学)取得。著書にAmong Wolves:Ethnography and the Immersive Study of Power (Routledge)、共著にPolitical Ethnography: What Immersion Contributes to the Study of Power (Universityof Chicago Press).

「2022年 『暴力のエスノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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