- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622095958
作品紹介・あらすじ
冒険家でゴンクール賞作家のテッソンが、シベリアの奥地バイカル湖畔の小屋で半年を過ごした。冬の気温はマイナス32度、村からの距離は120km、小屋は標高2000mの山々の裾にあり、窓からは湖岸が見える。隠遁生活に彩りを与えるのは、雪と森と湖、野生動物、ロシア人猟師たちとの出会い、そして読書。孤独と内省のなかで自然のざわめきと向き合い、人生の豊かさを見つめ直す、現代版『森の生活』。メディシス賞(エッセイ)受賞作。
感想・レビュー・書評
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「隠遁は反逆である。小屋を手に入れること、それは監視画面から消えるということだ。隠遁者は姿を消す。彼はもはやインターネット上に記録を残さないし、通話履歴も銀行の取引データも残さない。彼は逆ハッキングを実践し、パワーゲームから降りるのだ。しかも、森に行く必要はまったくない。革命的な禁欲主義は都市環境でも実践できるからだ。消費社会では、都市環境に適応するという選択肢がある。ちょっとした規律があれば十分やっていける。裕福な社会では、まるまると太るのも自由なら、修道士を真似て本のざわめきに囲まれて痩せたままでいるのも自由だ。したがって、禁欲主義者たちは自分のアパルトマンから出ることなく、自らの内なる森に身を寄せているのである」
俺も俺の「内なる森」を作ってそこに隠遁したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バイカル湖畔の小屋で6ヶ月間ひとりぼっちで生活した日記になります。もっと孤独に苦しむのかと思いましたがそんな感じではなかったです。でも実際にはものすごく寂しい思いをしたんだけど、そうゆう弱音を吐くのではなくもっと書きたいことがあるためだと思います。重要なのは騒がしい都会の生活から離れ、最小のエネルギー消費でインターネットからの情報を遮断して生活する壮大な実験なのでしょう。
ロビンソン・クルーソーのように生きていくためにしなければならない作業があります。彼が小屋に持ち込んだ本60冊の中にもダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』が入っています。ロビンソン・クルーソーは夕食時にスーツを着ていたという記述があるのですが、全然覚えていないのでまた読んでみたいと思いました。