橙書店にて (ちくま文庫 た-101-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 180
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480439215

作品紹介・あらすじ

熊本にある本屋兼喫茶店、橙書店の店主が描く本屋と「お客さん」の物語36篇。書き下ろし・未収録エッセイを増補し待望の文庫化。解説 滝口悠生

感想・レビュー・書評

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  • 「ほどほどに田舎の地方都市にある、橙書店という本屋兼喫茶店が舞台」の本。お客さんとのエピソード、不思議と広がるご縁、ふと訪れる悲しいお別れ。
    おかえりと快く迎えてくれる親戚のお姉さんのお家のような、言葉少なに背中合わせに座っていてくれる親友のような。

  • この橙書店を心の拠り所にしている人が多くいる。もちろん、そんな居場所的な場所があれば言うことはないが、馴染みの本屋というのを持っている人もいるのではないか。そんな、自分にとってのとっておきを一つでいいから持ちたいな。

  •  地元熊本市ではじめ喫茶と雑貨のお店、その後2008年に小さな本屋さん「橙書店」も始めた著者。そんな場所に集まってくるお客さんやイベントのゲスト、スタッフといった人たちとの出会いや関わり、そして別れが優しい文章で綴られる。
     熊本ということで、石牟礼道子や渡辺京二のような高名な人も出てくるが、多くは近所の人や立ち寄るお客、幾ばくかの期間勤めたスタッフとの日常のやり取りが描かれる。
     書店の店主であり、また文芸誌『アルテリ』の編集も担当している著者であるので、もちろん本のことも取り上げられている。橙書店の棚に置かれているのは主に小さな声、かそこき声が聞こえてくる本たち。そうした本のことを語るところも印象に残る。

     タイトル「橙書店にて」の「にて」のとおり、人と人、人と本とが出合う場所がとても大切なものであることを感じさせられた。

  • いつか行ってみたい本屋 橙書店。
    読んだものと思い込んでいたが未読だった。

    橙書店で紡がれる日々は、本のある場所での営みがとても自然でしっかりと続いている。
    それは本と店、店と人、が無理なくあるからだろう。
    読んでいてとても心落ち着く。
    滝口悠生さんの解説でより輪郭がハッキリした思い。
    解説を読む限り滝口さんは橙書店に行って事が無い。
    それなのに。すごい。

  • 熊本市の書店・橙書店の店主と、店を訪れる人々との日々。

    お店には何度か行っているが、なかなかゆっくり見る時間がなく帰ってくることが多い。
    いつかじっくり本を探したい。

  • いつか行ってみたい本屋、ベスト3に入る。

  • 巻き込まれ上手な橙書店の久子さん。こんな本屋が近くにあるだけで、幸せなんだけどなぁと思う。良書。

  • いつか行ってみたい
    本屋さんだ

  • 包容力抜群のエッセイ。熊本の橙書店と言う本屋さんを利用する、お客さんやクリエイターやアーティストの方たちとの日々。著者の性格か熊本の気風か、読んでいると気持ちがほぐれる。だけど取り上げるテーマは軽くはないし、顔を出す方がビックネームばかり。石牟礼道子さん、渡辺京二さん、谷川俊太郎さん、行定勲さん、伊藤比呂美さん、坂口恭平さん、極めつけは村上春樹さん。もちろんスモールネームの方もたくさん出てくる。有名無名にかかわらず、それぞれ等身大の人間として自然体で、知り合いとして平等に書かれていて、その距離感が絶妙。「ヤッホー」ではモエヤンがずっと脳内再生されてました。取り扱う本との向き合い方も、肩肘張って無くて素敵。読みたい本が増える。かそけき声が集う橙書店に私もふらっと行ってみたい。
    友人からたっぷり付箋を貼った状態で借りたので、感動ポイントに共感したり疑問に思ったりしてとても楽しかった。とりあえず我々は生活綴方にお邪魔することになるだろう。

  • 熊本に行きたくなる。

    毎日毎日精魂込めて生活していくことの大切さを、透かして見せてくれるようなエッセイ。

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著者プロフィール

田尻 久子(たじり・ひさこ):1969年熊本市生まれ。橙書店・オレンジ店主。会社勤めを経て、熊本市内に2001年雑貨と喫茶の店orangeを、2008年橙書店を開店。2016年より渡辺京二の呼びかけで創刊した文芸誌『アルテリ』の責任編集をつとめる。2017年、第39回サントリー地域文化賞受賞。2020年、『橙書店にて』(晶文社)で第41回熊日出版文化賞受賞。著書に『猫はしっぽでしゃべる』(ナナロク社)、『みぎわに立って』(里山社)、『橙が実るまで』(写真・川内倫子、スイッチ・パブリッシング)、『これはわたしの物語 橙書店の本棚から』(西日本新聞社)などがある。

「2023年 『橙書店にて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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