チャーチルは語る

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309207513

作品紹介・あらすじ

「絶対に屈してはならない。絶対に……」。チャーチルの公式伝記作家による全200篇の「名言集・名演説集」決定版! 発言の時代背景と解説を付し、あらゆる文献から集めた珠玉の言葉。言葉を最大の武器とし、演説の名手でもあったチャーチルの経験、考え、困難の足跡をたどる。

 チャーチルの少年時代の回想をはじめ、従軍記者時代に書いた新聞や雑誌の記事、選挙戦や議会などでの演説、2回の大戦の回顧録など、様々な文献から集められている。これを読むと、彼がどれほど大きな足跡を世界の歴史に残したかか、あらためて知ることができる。本書のように少年時代の回想から晩年の演説にいたるまでを網羅し、200篇もの原稿を年代順にまとめた作品は、日本では類がない。チャーチルは「言葉の力を知り尽くし、巧みに使いこなした」と、編者の序文に記されている。言葉はチャーチルの最大の武器だった。本書は、チャーチルの偉大な足跡を彼自身の言葉でたどる作品だと言える。

 1940年から1945年にイギリス戦時内閣の首相として国家を率い、第二次世界大戦を勝利へと導いたウィンストン・チャーチル。……チャーチルは演説の名手であり、数々の名言を残している。「血と労苦と涙と汗」「我々は海岸で戦い、敵の上陸地点で戦い……決して降伏しない」「絶対に屈してはならない。絶対に、絶対に、絶対に」「鉄のカーテンが降ろされた」などは、あまりにも有名であり、いまでも言及されることが多い。もちろん本書にもこれらの名言は記されているが、本書の特色は、こうした言葉が発せられた時代背景を読者が十分に把握し、演説や文章全体の流れの中でその意味をとらえられるように配慮されている点にある。――「訳者あとがき」より

感想・レビュー・書評

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  • 歴史上の偉人、有能なリーダー、雄弁家、色んな角度からチャーチルを知れる一冊。端的にその時代背景などが解説されており、チャーチルの信念、思考や悩みなどに近付くことを可能にしてくれている。

    彼の信念はわかりやすく、自由な偉大な民主主義国家であるイギリス、さらには人類の平和と発展であったと思う。ヒトラーやムッソリーニ、大日本帝国が非難されているように、独裁国家による民衆の抑圧を許すことができない。今でこそ日本が西側諸国と同様に民主主義国家になっているからチャーチルがある意味英雄としてうつるけれども、旧ソ連の社会主義しか知らない人からしたらどう見えるのか?正義なんてのは常に相対的なもので、戦勝国の主義が優先されるだけで正しいか間違っているかなんて誰にもわからない。その中でもチャーチルに学ぶべきところは、民主主義の正しさを手放しに信じるのではなく、歴史に裏打ちされた最も正しいと考えられるシステムだと考えているところにある。彼は常に歴史から学び、その教訓から常に未来を見据えていた。とりわけ、未来に対する洞察力はかなり高いと思う。例えば第二次世界大戦が始まる前から、第二次世界大戦さらにはおそらくは広島長崎への原爆を予期するような洞察がされていたし、科学技術が人間を「相対的に小さくする」といった現代のITやAI技術の発展によるシンギュラリティ的な現象を予期していた。さらに、彼ほど雄弁に力強く論理的に政策や理念を述べることができる政治家が今いるだろうか?チャーチルも言っているが、ただの詭弁というかうわついた言葉ではなく、感情や思考や理念の詰まった言葉を、わかりやすく魅力的に伝えるというのはなかなか難しい。彼がかなり読書好きといったところから、こうした力が養われたのだろうか?
    要するに、リーダーにとって大事なことは歴史を学び、本を読もう!

  • チャーチルの演説集。この時代の政治家の言葉の力を感じる本。イギリスが大変困難な時代に、国民を率いて鼓舞したチャーチルの言葉は、今読んでも大変感銘を受ける。現代のように、テレビ映像やSNSの書き言葉で情報発信ができない時代の政治家は、言葉で自分の考えを伝えるしかなかった。そういう時代だったからこそ、政治家の一言の重みを感じられたのだと思う。
    チャーチルの演説では、歴史に学ぶこと、将来を見据えること、困難には強気で立ち向かう、意見には耳を貸すこと等の重要性を説いた言葉が多いと思った。

  • 東2法経図・6F開架 289.3A/C67c//K

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著者プロフィール

マーティン・ギルバートは現代世界を代表する歴史家で、ウィンストン・チャーチルの公式な伝記作家。オックスフォード大学メルトン校の名誉フェロー。80冊以上の著書には、『第二次世界大戦――人類史上最大の事件』『ユダヤ人の歴史地図』『ホロコースト歴史地図――1981-1984年』『イスラエル全史』などがある。著者のウェブサイト:www.martingilbert.com

「2015年 『アラブ・イスラエル紛争地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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