- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150124083
作品紹介・あらすじ
巨大戦闘機械に男女ペアで乗り組み、メカ生物と戦う華夏の国。村娘の則天はそのパイロットに志願するが!? 英国SF協会賞受賞作
感想・レビュー・書評
-
ひまわり御師匠が激賞されておりました一作。
メフィスト賞のような趣かと。
なかなか世界観が掴めず、苦戦しました。
ある程度繁栄していた文明が、宇宙からの侵略者渾沌(ふんどん。混沌と同意語)により壊滅。そこから2,000年。人類は、霊蛹機を使い抵抗を続けている。という設定が最後の方でようやく。
登場人物達は、それぞれ中国の歴史上の人物から引用され、その性格等も反映。
蛹は、さなぎ。パイロットの気の力で進化していくからかな。この霊蛹機に男女がペアを組まされて、その互いの気を使い変身したり戦ったり。
根底にあるのが、女性蔑視。中国の纒足をはじめ女子と生まれた子への扱いに嫌悪感が伝わります。
陰陽説かと言われると、陰と陽は同格と思っているので、そこに格差を描かれると、納得しにくい。
五行説かと言われると、相剋のみを取り上げて、相手を生かす相生を表現しないと片手落ちかなと思う。中途半端な扱いです。
ゲームとかアニメとかの世界観を満喫している方には良いかなと思う。
そして、この小説の主人公の女子パイロットが、自分を“あたし”というのが、落ち着かなかった。
英語だとわたしとあたしの違いがあるのかな?
“わたし”だと男女共に使うから、女子主張の表現と理解しておいたけれど、ジェンダーとセクシャリティを描きたいという作者の意思からズレるんのでは?文字を書けない設定だったから、そういう意味合いかな。
小野さんの「十二国記」は、五行説と九星の形状を使っていると思っていますが、この小説で男女パイロットを陰と陽としているという事は、王と麒麟を陰陽としていたかもしれない。また読みたくなってしまった。 -
うぎゃー
すごいぞこれ!
夢中になりました
久しぶりに寝食を忘れて読んだよ
ちょっと登録数少ないんじゃね?
なにやってんのよブクログ民よ!
もう!
もちろんこれは、俺の勝手な推測なんだけど、作者のとんでもない「怒り」のパワーによって書かれた作品なんではないかと
そんでもってすごい綱渡り的な作品
いやそこ突っ込んでいくのか!っていう
もうギリギリ攻めてます
ギリギリの表現、ギリギリの思想
そもそもさー「男尊女卑」って思想はさー
男の過剰な防衛本能から生まれたんじゃねーの?って俺なんかは思っちゃうわけ
いや、よくないよ
肯定はしない、「男尊女卑」なんて思想は爪の先ほども肯定はしないよ
だけどさ、「男尊女卑」から解き放たれた(解き放れつつあるか?)女性たちを見なさいよ
どうよ?
『鋼鉄紅女』じゃん!
いやあれよ
ダメよ、男だとか女だとかでいろいろ良からんことするのは
でもさ〜「男尊女卑」とは言わないまでも、ほんのちょっぴり「亭主関白」に憧れたっていいじゃない
そのくらいは許してほしいわけ
ちょっぴりよ?
ダメ?
鋼鉄にダメ?(どんな比喩やねん!)-
マメムさん
了解です
確認したら文庫の576ページでした
576ページって大長編?
そうか〜大長編の感覚はなかったかもマメムさん
了解です
確認したら文庫の576ページでした
576ページって大長編?
そうか〜大長編の感覚はなかったかも2023/08/16 -
ひまわりめろんさん
576ページと訊くと読めそうな感じですね。並んでいた他の本と明らかに厚さが違ったので、威圧感を抱いちゃったようです。
...ひまわりめろんさん
576ページと訊くと読めそうな感じですね。並んでいた他の本と明らかに厚さが違ったので、威圧感を抱いちゃったようです。
(あれは1000ページモノのオーラを纏っていました)2023/08/16 -
2023/08/16
-
-
めちゃくちゃ面白い。
主人公の怒りは当然。どんどんやったれとい思っているうちに終わっちゃう。500ページもあるのでにあっと言う間。
人名の読み方が覚えられない! -
ほとばしる若さ!パッション!!!なんて眩しい!
ライトノベルなんだけどすごく重くて、でも女の子に読んでほしいなあと思う1冊。
主人公の女の子にあらゆるステータスポイントやスキルポイント全振りしてるので、拒否反応出る人はいるかも。私もちょっと出た。一歩間違えるとYouTubeとかでよく見る「虐げられてた私が実は皇女様だった」系のクソみたいなネット漫画になりそうだけどめちゃくちゃギリギリのラインで保ってる。
手放しで好きとは言えないのは私がババアになってしまったからなんだろうなあ。つらい。
続編あるっぽいけどまた主人公ちゃんワッショイなストーリーだったらしんどいなあ。 -
女性主人公の復讐譚でSFに恋愛に人型に変形するロボットにと要素はてんこ盛りで海外のラノベみたいだなと読んでて思った。
主人公の言動はかなり過激なので拒否反応がでる人も多そう、中盤は主人公の思い込みとか何でもかんでも噛み付く姿勢が結構続くので少し辛かった。
あまり読み慣れてないのでなんじゃこれはとなること必須な、やおい的な展開もあり。
物語の展開はスピーディーなので退屈しないし結構面白かったけど、軸になってる異星の機械生物・渾沌との戦闘が単調なこと、人類側が負けているはずがスムーズに勝ち進みラスボスでもそんなに苦戦しないのはちょっと期待はずれ。マブラヴオルタネイティヴまでは行かなくても決死の覚悟で挑むような戦闘は1つもないので、あくまでも男尊女卑の世界をひっくり返すことに重きが置かれていることは中盤までは分からないので、期待したものと違うとなる人も少なからずいそうだと思う。
でも続編は読みたい -
2024/3/7読了。
中華ファンタジーSFであり巨大ロボットSFでありジェンダーSFでもあるという、盛りだくさんで濃いライトノベル。主人公はもっと怒っていい。 -
例によってこの本も、構造的差別(この巻では性差別、おそらく後編は人種差別…がくるのかな?)の中を生きる人々を描く。纏足が復活していたり、構造的に女性が使い捨てになるようにできる人搭載型ロボット兵器が出てきたり…要するに医学部受験で女性だけ減点するようなものだよね…と考えると、この未来が全然あり得ないとは思えない。
-
「じゃあ、はっきり言っておこう。武則天、きみに勇気をもらったんだ。世界の変転に絶望しそうなときは、きみを思い出す。なにを言われても、どんな障害が立ちふさがっても、めざすもののために戦うきみを」
「きみは僕の北辰(北極星)だ。その導きにしたがって僕は行く」
男女をつねに一対とする考え方は、霊蛹機の操縦システムもふくめて画一的すぎると思っていた。
この無理無体なやり口から学んだのは、人生の大抵の問題は金で解決できるということだ。解決できなかったら金がたりなかったのだ。
「よく聞きなさい。施しをする余裕があるとしても、そうする義務はない。とりわけ感謝のかけらもないようなやつらにはね」
「被害者のふりして近づく加害者がいるでしょう。そういう手あいがいちばん危険なのよ、わたしたちみたいな性格にはね」
「どんなに殴られ、どんなに罵倒されても頑強に耐えるけど、やさしい抱擁や甘い言葉にはあっさり陥落する性格」
この世界は敬意を払うにあたいしない。温情や同情にあたいしない。 -
ペラっとめくったらメカのデザインがかっこよかったので手に取りました。
冒頭を読んでアニメっぽいと思ったら巻末にダリフラに影響を受けた、とありナルホドと思いました。とは言え古い話だとイクサー1とか桂正和さんの男女が一体になる漫画とかアクエリオンとかもそんな感じなのかな?モチーフは結構昔からあるのかな。イクサーワンは男女じゃなかったけど。
さらに則天武后もベースにしている、という事なので、昔の逸話をロボ作品にしたような感じなのか、それは面白いよなと思いました。纏足の時代の女性が虐げられ搾取され、それでも次世代の同性に自分と同じような人生を歩むことを願うという業のようなものも読んでいてヒリヒリしました。
金持ちお坊ちゃんがなんで彼女に入れ込むのかはよくわからなかったですが、結果として彼女は権力も好きな男も自分の力でゲットするという力業がすごかったです。
最後のスローリーの返しは、星新一かっつー感じで面白かったんよ。
元々、翻訳物苦手っていう。
最後のスローリーの返しは、星新一かっつー感じで面白かったんよ。
元々、翻訳物苦手っていう。
翻訳ものならではのことばの違和感は...
翻訳ものならではのことばの違和感はわからなくはない
わからなくはないけどそこまで気にしないかな