日米地位協定の現場を行く 「基地のある街」の現実 (岩波新書 新赤版 1928)

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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004319283

作品紹介・あらすじ

なぜ日本では米兵の犯罪を取り締まることができないのか。なぜ騒音被害や環境汚染を止められないのか。なぜ基地のそばで暮らしているというだけで数多くの悩みを抱えねばならないのか。――積み重なる「なぜ」の原因は日米地位協定にある。「国の専管事項」である安全保障が私たちの日常を脅かす。その実態と原因に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • ◆「安保のトゲ」許す世論を告発 [評]前泊博盛(沖縄国際大学教授)
    <書評>『日米地位協定の現場を行く 「基地のある街」の現実』山本章子、宮城 裕也(ひろや)著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/187041?rct=book

    日米地位協定の現場を行く - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b605148.html

  • 「騒音も僕は別に気にしていない。でも特に県外の人にはそれが当然の状況とは思われたくない。関心ないだろうなと思うけど、本当は来てもらって、こういうところに住んでいるという現状を知ってほしい」
    本文の最後に置かれたこの独白は一見アンビバレントだが、それは非当事者の勝手なジャッジなのだろう。受けいれることと、押しつけられていることを許すのは違うのだ。
    タイトルを「基地」とせず「日米地位協定」としているところがミソで、基地問題は多くが地位協定の不備と、それを利用しているかのような国の無策を原因とすることがよくわかった。

  • 毎日新聞記者の宮城裕也さんの労作だと思う。共著者の山本章子さんも研究者として力を注いだのだろうが人としての姿が見えない。失礼。
    我が物顔の米軍が暴虐の限りをふるえるのは日本の政治家どもが国民を守ることを二の次にしているからだとはっきりわかる。なあにが国を守るだ。てめえの利益を後生大事にして、クソッタレめ。

  • 「日本にアメリカの基地があるとはどういうことなのか?」もあるけれど、「そもそも誰かが住んでいるところに基地があるとどういうことが起きるのか?」など広く状況を知り、わかりやすく問題を知ることができました。

    どうしようもない部分もあるのかもしれないけれど、それにしても行き過ぎではないのか?ではどこまでなら許されるのか?

    色々難しい状況の今は、基地周辺の人たちと信頼関係が必要なのに逆の対応、行動をしているように思う。

  • なぜ米軍による犯罪・事件を裁くことが難しいのか。なぜ騒音被害や環境汚染を止められないのか−。「国の専管事項」である安全保障が日常を脅かしている実態と原因に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40288738

  • 【請求記号:395 ヤ】

  • 日本の米軍基地の様々なところを取り上げて、その問題を日米地位協定で説明している。山本章子が筆頭者になっているが、実際は宮城裕也が新聞記者として回ったところの説明である。嘉手納基地だけではなく、三沢基地、岩国、築城、新田原、馬毛島、首都圏の基地について書かれている。
     首都圏の基地が手薄であるように感じられるので、厚木基地、横須賀基地、横田基地について、また別の本で、首都圏の基地としての問題を書いてほしい。
     日米地位協定と米軍基地について、ところどころに大学生からのインタビューもはいるので、学生が知るのにはわかりやすい本であり、ところどころに大学生からのインタビューもはいる。

  • 日米安保、日米地位協定、日米合同委員会、などを日本がアメリカの占領家にあるが、如き、在日米軍の様々な動きについて、日ごろからどうして変更できないのか?いつまで第二次大戦の敗戦結果を引きずらなければいけないのか?いろいろ考えてきたことが多いが、三沢基地、横田基地、厚木基地、岩国、飛行場、その他、自衛隊の様々な基地の米軍使用の実態、馬毛島を始めとする沖縄米軍基地のさまざまの問題など改めて教えられることが多かった。

  • 日米地位協定がもたらした、基地のあるまちの犯罪、騒音、環境汚染。国の安全保障がなぜ国民の日常を脅かすのか。丁寧な取材で明らかにする。

  •  研究者と記者の共著者による地位協定の解説と、基地のある自治体の取材。嘉手納以外は沖縄外の基地だ。
     全体としては地位協定の現状に批判的な立場で、様々な不平等さを解説。一方で日米合同委員会の位置づけなど不正確な言説はきちんと指摘。沖縄出身の記者が「基地と共に発展した」三沢で感じる戸惑い、賛成又は反対一色でもない各地の現状、嘉手納では「ネイティブ爆音世代」と高齢世代の温度差など丁寧に描いている。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。 2003年一橋大学法学部卒業、2007年一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。 2007年から2012年第一法規株式会社に編集者として勤務、2015年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)、沖縄国際大学非常勤講師を経て、2018年琉球大学人文社会学部国際法政学科講師、2020年より同准教授。専攻は国際政治史。著書に、石橋湛山賞を受賞した『日米地位協定-在日米軍と「同盟」の70年』 (中公新書 2019年)、『日米地位協定の現場を行く――「基地のある街」の現実』(岩波新書 2022年)、『米国アウトサイダー大統領――世界を揺さぶる「異端」の政治家たち』(朝日選書 2017年)など。共著に『沖縄と海兵隊――駐留の歴史的展開』(旬報社 2016年)などがある。

「2023年 『沖縄のZ世代と考える「基地問題」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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