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百人一首という感情 単行本(ソフトカバー) – 2018/11/24

4.1 5つ星のうち4.1 32個の評価

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[最果タヒ × 百人一首] ふたたび!

記憶が歴史に変わっていく中で消されていった「感性のまたたき」
―― 100の「エモい」を大解剖。

映画、展覧会、WEB、広告、音楽…あらゆる場所へことばを届け、
新しい詩の運動を生み出し続ける詩人・最果タヒ。

清川あさみとの共著『千年後の百人一首』で挑んだ現代語訳では、
千年前から届いた百の思いにどう向き合い、
胸に刺さる詩のような新訳が生まれたのか?

百首を扉にして読む、恋愛談義、
春夏秋冬、生き生きとしたキャラ、人生論。
そして、「最果タヒ」の創作の秘密。

いちばん身近な「百人一首」案内エッセイ、誕生!

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ リトル・モア (2018/11/24)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2018/11/24
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 304ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4898154875
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4898154878
  • 寸法 ‏ : ‎ 12.2 x 1.5 x 18.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 32個の評価

著者について

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最果 タヒ
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さいはて・たひ

詩人

現代詩手帖賞、中原中也賞、現代詩花椿賞。

http://tahi.jp

詩集

『グッドモーニング』

『空が分裂する』

『死んでしまう系のぼくらに』

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』

『愛の縫い目はここ』

『天国と、とてつもない暇』

『恋人たちはせーので光る』

『夜景座生まれ』

『さっきまでは薔薇だったぼく』

エッセイ集

『きみの言い訳は最高の芸術』

『もぐ∞』

『百人一首という感情』

『コンプレックス・プリズム』

『「好き」の因数分解』

『神様の友達の友達の友達はぼく』

小説単行本

『星か獣になる季節』

『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』

『渦森今日子は宇宙に期待しない。』

『少女ABCDEFGHIJKLMN』

『十代に共感する奴はみんな嘘つき』

『パパララレレルル』

絵本

及川賢治+最果タヒ『ここは』

対談集

『ことばの恐竜』

共著

大森靖子+最果タヒ著『かけがえのないマグマ』

清川あさみ+最果タヒ著『千年後の百人一首』

カスタマーレビュー

星5つ中4.1つ
5つのうち4.1つ
32グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2020年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プレゼントに喜ばれました
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年12月31日に日本でレビュー済み
解釈が鋭い。和歌の読まれた背景や状況を鋭く読んでいる。ただの和歌の翻訳本ではない。現代語訳ももちろんしながら、和歌に読まれる男女の関係、詠み人の気持ち、恋愛の機敏、季節の移り変わり、当時の文化など縦横に話が広がる。言葉の語呂というか、言葉の選択にウイットがあって、読んでいて楽しい。

百人一首は学生のころ暗記はした(もちろん全部ではない)が、意味はなかなか分かりにくいところがあった。
この本を読んで百首の解釈が一望できたのはなんだかお得感がある。その解釈は表層が舐めるだけでなく、情景や心情の奥の方をしっかり捉えている。とはいってもお堅い解説ではなく、やわらかい言葉で綴られている(時おり関西弁)。

百人一首が持統天皇の時代から五百年も遡っていく歌集であるというのは、驚きで、永い時間の流れを感じる。私たちが過去に思いを馳せて夢見心地になるように、いにしえの人たちも憧れを抱いて眺めていたのだろうと思う。

p229の崇徳院の歌、瀬をはやみ岩にせかるる滝川の…は哀愁を感じる。崇徳院の境涯もあわせて紹介される。帝位を追われ立場を失った。この歌がその状況を反映しているかはわからないという。しかし、殿上にいられなくなれば、これまで交流のあった人々と会えなくなる。恋の歌ではあるが、そういう背景もあるのではないか。

p119の紀貫之の歌、人はいさ心も知らずふるさとは…
人の記憶は変わるが、香りの記憶は変わらない。
記憶が香りによってよみがえる。嗅覚と記憶。歌の音と香り、和歌が五感に響いてくるというのは面白い。歌が恋をはじめとして感情に訴えるのは大脳の辺縁系に関わってくると思うが、嗅覚も辺縁系に関連するので、香りが歌に読まれるのはつながりを感じる。歌を読んで香りがよみがえる。そう思うと、和歌は単なる文学の枠にとどまらないのだと気づかされる。まあ、あんまり深読みすると、著者曰く、興ざめなんだろうが、気づきを与えてもらえて、読後感はバッチリである。

p65の在原業平の歌、ちはやぶる神代も聞かず竜田川…は歌を詠んだ情景が浮かんでくる。歌それ自体よりもその背景が重要なようだ。背景がわかって歌が生きてくる。

p273の鎌倉右大臣、源実朝の歌、世の中は常にもがもな渚こぐ…の話も人の世の辛さを感じさせる。鎌倉幕府を興した源氏は三代目の実朝の代で、北条氏に政権が奪われる。その権力闘争の中で死の危険、裏切り、信頼の喪失があった。背景を知ると歌は深みを増す。
p207の三条院の歌にも藤原道長との権力闘争が関わっていたようだ。
滅びとその中での生への渇望。朽ちていきながらも生きている。

和歌における技巧の話の中で、彼らを突き動かした「この瞬間を詠みたい」という衝動があったはずだという、著者の言葉にはグッときた。掛詞や本歌どりなどの技巧に目がいって、歌の本質を見失っていた。本来は感情の告白だったり恋文だったりするのに。
意味もよくわからないまま覚えるだけ覚えていたが、こうしてみえてくると、百人一首が全く違うものに変わったようだ。この本は言葉を大切にしていて、読み飛ばさないでじっくり読みたい。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年2月15日に日本でレビュー済み
などと、実に左脳的な表現のタイトルになったけれど、そういうことだと思います。
詠んでいる人が、そのとき、どんな気持ちだったのか…。
歌人がどんな生涯を送ったのだとか、掛詞とか本歌取りとかの技巧など、つい左脳的、分析的に百人一首を読んでいた自分に気づかされました。
まちがいなくその両方を駆使していた歌人たちに近づくための、必読書。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年1月21日に日本でレビュー済み
「秋の田の…」の冒頭からヤラレマシタ。この本は一度手を出したら感情を鷲づかみにされ重力の井戸の底まで一気に引きずり込まれます。いや、現在地が井戸の底である事に気づかせてくれると言うべきか。こういうものを待ち望んでいました。せっかく日本人に生まれたのだから百人一首を楽しみたい。と、常々思ってはいたのです。この本との出会いをくれた、とある本屋さんに感謝します。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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