風を感じる。
ベルリンの街を自転車で走る、ヴェネチアの街で迷子になる、ローマでスクーター2人乗り。。。などなど。
実際に足で体験した空気やその速度 = 風が伝わる文章だと思った。
旅の記録以上に、何か目標に向かって歩き始めた人の背中を押してくれるような本、読後感。
私のお気に入りは、
#15 ガラスに潜むディスコミュニケーションとピナ・バウシュの奇跡
#19 パリの友人
#30 ベルリンの写真散歩と帰国プロジェクト
#19のポンピドゥー・センターは、私自身訪れたことがあり、まさに歩いてポンピドゥー・センターの前に到着した時、広さ、大きさに「アッ」っとなった。さらに傾斜にも「アッ」となった。
建物の中は、人はたくさんいるけれどなんとなくガランとした印象で、私はそこでピカソの彫刻展を見た。
あの広場に立って、「うわー広いなぁ」と思った気持ちが、文章を読んで自分の中に一気に湧いた。
著者は、すごい感度だと思う。全編に流れる著者自身の自己肯定感の高さ。そこから生み出されるパワー。
そのパワーを私も受けとって、自分も目標に向かって歩いていくぞ!という晴れ晴れとした気持ちになる本。
繰り返し読みたい。
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建築武者修行 ―放課後のベルリン 単行本(ソフトカバー) – 2013/9/7
光嶋 裕介
(著)
コルビュジエ、ミース、ガウディ、ズントー……
先人が残した憧れの建築を訪ね歩いた10年間。
行く先々で触れ合った現地の人々、そして
各地の綺羅星のような建築たちとの邂逅を通して
ぼくは建築家になった。
内田樹邸で「宴会ができる武家屋敷」を、レッドブルジャパン本社
オフィスで「路地や縁側まで内包する新しいオフィスの形」を
それぞれ実現させた若き建築家がこれまで重ねてきた研鑽の日々。
膨大なスケッチと写真もフルカラーで収録!
内田樹氏、推薦!
旅の記憶について書くことのリスクは、
一度書いてしまった言葉が書き手自身を呪縛して、
経験の意味を固定化してしまうことにある。
この書物はその陥穽をみごとに免れている。
書き手である青年は、彼の旅の経験を一意的なものに
還元することを自制し、経験から終わりなく意味を
汲み出し続けようとしているからである。
自己抑制と知的貪欲。その緊張のうちにこの本の
文体の魅力は棲まっている。
先人が残した憧れの建築を訪ね歩いた10年間。
行く先々で触れ合った現地の人々、そして
各地の綺羅星のような建築たちとの邂逅を通して
ぼくは建築家になった。
内田樹邸で「宴会ができる武家屋敷」を、レッドブルジャパン本社
オフィスで「路地や縁側まで内包する新しいオフィスの形」を
それぞれ実現させた若き建築家がこれまで重ねてきた研鑽の日々。
膨大なスケッチと写真もフルカラーで収録!
内田樹氏、推薦!
旅の記憶について書くことのリスクは、
一度書いてしまった言葉が書き手自身を呪縛して、
経験の意味を固定化してしまうことにある。
この書物はその陥穽をみごとに免れている。
書き手である青年は、彼の旅の経験を一意的なものに
還元することを自制し、経験から終わりなく意味を
汲み出し続けようとしているからである。
自己抑制と知的貪欲。その緊張のうちにこの本の
文体の魅力は棲まっている。
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社イースト・プレス
- 発売日2013/9/7
- 寸法13 x 2.6 x 18.8 cm
- ISBN-104781610560
- ISBN-13978-4781610566
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商品の説明
著者について
光嶋裕介(コウシマユウスケ)
建築家。1979年、米ニュージャージー州生まれ。男三兄弟の次男。8歳までアメリカで育ち、ミドルネームは「ブライアン」。帰国後奈良の小学校を卒業するとまた父の転勤でカナダ、トロントへ。その二年後には、英国のマンチェスターへ。エリック・カントナに惚れ込みサッカーが好きになるも、イギリス英語が肌に合わず単身帰国。
1995年、早稲田大学本庄高等学院に入学。大学時代は毎年夏休みに5、6週間のひとり旅。行き先はいつも憧れのヨーロッパ。2002年、早稲田大学理工学部建築学科を卒業し、同大大学院へ。石山修武研究室に所属。石山さんの自邸兼事務所である「世田谷村」で朝から晩まで図面を描き、模型をつくる。建築の「け」の字から叩き込まれた。2004年、大学院卒業とともにヨーロッパへ。ドイツの建築設計事務所で働き、ベルリン生活を満喫。
2008年に帰国し、事務所を開設。内装設計やコンペに励み、ドローイングや銅版画を描く日々。2011年、思想家の内田樹さんの自宅兼道場(合気道)である凱風館【がいふうかん】が神戸に完成。若手建築家の登竜門である、SDレビュー2011に入選。また、凱風館の竣工とともに内田樹師範の下、合気道を始める。2012年6月、レッドブルジャパン本社オフィスの内装を担当。「社内を"Redbull Town"に見立てた路地や縁側まで内包する新しいオープンオフィスのかたち」を提案。
著書・作品集に『みんなの家。~建築家1年生の初仕事~』(アルテスパブリッシング)、『幻想都市風景』(羽鳥書店)。2010年より桑沢デザイン研究所にて非常勤講師。2012年からは、首都大学東京・都市環境学部に助教として勤務中。
光嶋裕介建築設計事務所 www.ykas.jp
建築家。1979年、米ニュージャージー州生まれ。男三兄弟の次男。8歳までアメリカで育ち、ミドルネームは「ブライアン」。帰国後奈良の小学校を卒業するとまた父の転勤でカナダ、トロントへ。その二年後には、英国のマンチェスターへ。エリック・カントナに惚れ込みサッカーが好きになるも、イギリス英語が肌に合わず単身帰国。
1995年、早稲田大学本庄高等学院に入学。大学時代は毎年夏休みに5、6週間のひとり旅。行き先はいつも憧れのヨーロッパ。2002年、早稲田大学理工学部建築学科を卒業し、同大大学院へ。石山修武研究室に所属。石山さんの自邸兼事務所である「世田谷村」で朝から晩まで図面を描き、模型をつくる。建築の「け」の字から叩き込まれた。2004年、大学院卒業とともにヨーロッパへ。ドイツの建築設計事務所で働き、ベルリン生活を満喫。
2008年に帰国し、事務所を開設。内装設計やコンペに励み、ドローイングや銅版画を描く日々。2011年、思想家の内田樹さんの自宅兼道場(合気道)である凱風館【がいふうかん】が神戸に完成。若手建築家の登竜門である、SDレビュー2011に入選。また、凱風館の竣工とともに内田樹師範の下、合気道を始める。2012年6月、レッドブルジャパン本社オフィスの内装を担当。「社内を"Redbull Town"に見立てた路地や縁側まで内包する新しいオープンオフィスのかたち」を提案。
著書・作品集に『みんなの家。~建築家1年生の初仕事~』(アルテスパブリッシング)、『幻想都市風景』(羽鳥書店)。2010年より桑沢デザイン研究所にて非常勤講師。2012年からは、首都大学東京・都市環境学部に助教として勤務中。
光嶋裕介建築設計事務所 www.ykas.jp
登録情報
- 出版社 : イースト・プレス (2013/9/7)
- 発売日 : 2013/9/7
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 352ページ
- ISBN-10 : 4781610560
- ISBN-13 : 978-4781610566
- 寸法 : 13 x 2.6 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 734,766位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 112,858位ノンフィクション (本)
- - 187,500位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年10月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内田樹先生の『ぼくの住まい論』を読み,凱風館の寺子屋机を著者に注文した者です。本書の元である「マトグロッソ(←web誌)」での連載を,とびとびで読んでいましたが,どうしても,光る画面(少し苦手)より,紙で読みたい。
ソフトカバーの本書の手に馴染む感じ,いいです。内容がいっぱい詰まっているのに重くない,軽やか。前後に行ったり来たりしているだけでも,著者自身によるスケッチや写真が目に入ってきて楽しいです。
じっくり読むと,建築のみならず彫刻,映画,演劇,ダンス,音楽,小説・・・,食べ物,サッカーと,アート全般,他,多方面に著者の関心が向かっていくので,それらが空間を介して有機的に在ること,,,,,,描かれているのはヨーロッパにおける著者の体験なのですが,自分含め,人が体をもって世界?の中に在ることって面白いことだな,ワクワクするな,そんな風に気持ちが高揚しました。
読む人が読む人の関心で色々なところがアンテナにかかると思います。もしこの類書があっとして,それでも恐らく,それらと本書を隔て,際立たせるであろうことは著者の,人との出逢いです。 個人的な話はここにそぐわないかもしれませんが・・・おっそろしく前のこと,ブランクーシを卒論に書いた私め,あれだけ渉猟したけど,"ミューズ"のモデルについての記述に出くわしたことはありませんでした!それがこんな風にさらっと,しれっと―(絶句)!
なかなか著者のようにはいかないかもしれませんが,世界に開いていけ,そうしたら世界が開いてくる!! 活力がわいてきます。
ソフトカバーの本書の手に馴染む感じ,いいです。内容がいっぱい詰まっているのに重くない,軽やか。前後に行ったり来たりしているだけでも,著者自身によるスケッチや写真が目に入ってきて楽しいです。
じっくり読むと,建築のみならず彫刻,映画,演劇,ダンス,音楽,小説・・・,食べ物,サッカーと,アート全般,他,多方面に著者の関心が向かっていくので,それらが空間を介して有機的に在ること,,,,,,描かれているのはヨーロッパにおける著者の体験なのですが,自分含め,人が体をもって世界?の中に在ることって面白いことだな,ワクワクするな,そんな風に気持ちが高揚しました。
読む人が読む人の関心で色々なところがアンテナにかかると思います。もしこの類書があっとして,それでも恐らく,それらと本書を隔て,際立たせるであろうことは著者の,人との出逢いです。 個人的な話はここにそぐわないかもしれませんが・・・おっそろしく前のこと,ブランクーシを卒論に書いた私め,あれだけ渉猟したけど,"ミューズ"のモデルについての記述に出くわしたことはありませんでした!それがこんな風にさらっと,しれっと―(絶句)!
なかなか著者のようにはいかないかもしれませんが,世界に開いていけ,そうしたら世界が開いてくる!! 活力がわいてきます。
2013年9月15日に日本でレビュー済み
放課後のベルリンというサブタイトルではありますが、内容は建築とドイツだけに留まりません。
光嶋さんの圧倒的な体験から螺旋のように、ヨーロッパの各都市、音楽、映画、本、詩集、
マラソンなども散りばめられていてバリエーションに富んでいます。
語りかけるような優しい文体でとても読みやすかったです。
その場所に纏わる歴史や、建築家、芸術家のこと、
著者である光嶋さんの目を通して咀嚼された風景が、体感度の高い文章と
スケッチ、写真を伴って目の前に広大な風景として表れてきます。
読了後は、この本で知った詩人をもっと掘り下げてみたいとか、感じてみたい風景が増え、
尽きない好奇心の渦に巻き込まれるような、自由な気持ちになれました。
とにかく周りの人にオススメしたい本です。
光嶋さんの圧倒的な体験から螺旋のように、ヨーロッパの各都市、音楽、映画、本、詩集、
マラソンなども散りばめられていてバリエーションに富んでいます。
語りかけるような優しい文体でとても読みやすかったです。
その場所に纏わる歴史や、建築家、芸術家のこと、
著者である光嶋さんの目を通して咀嚼された風景が、体感度の高い文章と
スケッチ、写真を伴って目の前に広大な風景として表れてきます。
読了後は、この本で知った詩人をもっと掘り下げてみたいとか、感じてみたい風景が増え、
尽きない好奇心の渦に巻き込まれるような、自由な気持ちになれました。
とにかく周りの人にオススメしたい本です。
2013年10月5日に日本でレビュー済み
「幻想都市風景」の大ファンで、新しい本が出ると知って店頭に並ぶ日に本屋に行って手に入れました。
カラー写真も多くて、テキストも読み応えがありました。
よく「本と会話する」と言いますが、内田さんが建築や町並みを丁寧に眺めて言葉にしている感じがして、建築物との会話ってこんな感じなんだ、と思いました。
行った事のあるポンピデューセンターやグッゲンハイムも、目的はいつも建築物の中にあって意識をして建物自体を長い時間をかけて眺めたことがない、
ということに気づいて、とても衝撃でした。こんなにかっこよくて美しいものなのに、なんで立ち止まって眺めなかったんだろうと。
自分が住んでいる町にもそういう気づかないで見過ごしている建築物がたくさんあるんだろうなと気づかされました。
今度の週末に散歩途中に探してみようと思います。
旅が好きな人も、美術館によく行く人、海外旅行に行きたいと思っている人、読んでみればどんな人にも刺さる部分があると思います!
カラー写真も多くて、テキストも読み応えがありました。
よく「本と会話する」と言いますが、内田さんが建築や町並みを丁寧に眺めて言葉にしている感じがして、建築物との会話ってこんな感じなんだ、と思いました。
行った事のあるポンピデューセンターやグッゲンハイムも、目的はいつも建築物の中にあって意識をして建物自体を長い時間をかけて眺めたことがない、
ということに気づいて、とても衝撃でした。こんなにかっこよくて美しいものなのに、なんで立ち止まって眺めなかったんだろうと。
自分が住んでいる町にもそういう気づかないで見過ごしている建築物がたくさんあるんだろうなと気づかされました。
今度の週末に散歩途中に探してみようと思います。
旅が好きな人も、美術館によく行く人、海外旅行に行きたいと思っている人、読んでみればどんな人にも刺さる部分があると思います!
2013年11月3日に日本でレビュー済み
建築武者修行。
体当たりで世界に勝負を挑み、ジブンが納得するカタチで一つ一つのことを完結させていく著者の姿は、まさに修験者(日本だと室町以前でしょうか)。
著者自身の思想、知識と、各地を訪れることで得た知見、経験、感情が混ざることで、とても「臨場感」と「すげぇ、この人」感をさそる1冊になっております。
また、若い人には、是非お手に取っていただきたい1冊。今後の世界(5年先くらい)を見通すと、著者の仕事の選択の仕方/遂行の仕方は大きなトレンドになるかもしれません(本書は世界標準で仕事をすることが当たり前になる世界での「道しるべ」になるかも)。
うーん、それにしてもなんというバイタリティ。。。羨ましくもあり、また脅威でもあります。
※訪れた場所の「デッサン」がとても綺麗で見いってしまいました。個人的にはジャコメッティの作品のデッサンがツボに。本人のデッサンと非常に似ています(笑)。
体当たりで世界に勝負を挑み、ジブンが納得するカタチで一つ一つのことを完結させていく著者の姿は、まさに修験者(日本だと室町以前でしょうか)。
著者自身の思想、知識と、各地を訪れることで得た知見、経験、感情が混ざることで、とても「臨場感」と「すげぇ、この人」感をさそる1冊になっております。
また、若い人には、是非お手に取っていただきたい1冊。今後の世界(5年先くらい)を見通すと、著者の仕事の選択の仕方/遂行の仕方は大きなトレンドになるかもしれません(本書は世界標準で仕事をすることが当たり前になる世界での「道しるべ」になるかも)。
うーん、それにしてもなんというバイタリティ。。。羨ましくもあり、また脅威でもあります。
※訪れた場所の「デッサン」がとても綺麗で見いってしまいました。個人的にはジャコメッティの作品のデッサンがツボに。本人のデッサンと非常に似ています(笑)。