相当深い処まで取材されてからのストーリー構成だと思います。劣悪な労働環境の中でも、何とか奮闘される登場人物を応援し、少しは身体と心を休ませて上げて!!!と言いたくなる内容でした。
具体的な飲食チェーン店の名前は、出せないものの読めば分かります。今も実在していますが、少しは働き方改革されたのでしょうか?
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風は西から (幻冬舎文庫) 文庫 – 2020/8/6
村山 由佳
(著)
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大手居酒屋チェーン「山背」に就職し、張り切っていたはずの健介が、命を絶った。異変に気づけなかった恋人の千秋は自分を責め、悲しみにくれながらも、彼の両親と協力し、健介の名誉を取り戻すべく大企業を相手に闘いを挑む。しかし「山背」側は、証拠隠滅を図ろうとするなど、卑劣極まりない――。小さな人間が闘う姿に胸が熱くなる感動長篇。
- 本の長さ528ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2020/8/6
- ISBN-104344430123
- ISBN-13978-4344430129
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商品の説明
出版社からのコメント
大手居酒屋チェーン「山背」に就職し、張り切っていたはずの健介が、命を絶った。異変に気づけなかった恋人の千秋は自分を責め、悲しみにくれながらも、彼の両親と協力し、健介の名誉を取り戻すべく大企業を相手に闘いを挑む。しかし「山背」側は、証拠隠滅を図ろうとするなど、卑劣極まりない――。小さな人間が闘う姿に胸が熱くなる感動長篇。
著者について
一九六四年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。九三年『天使の卵 エンジェルス・エッグ』で第六回小説すばる新人賞を受賞。二〇〇三年『星々の舟』で第一二九回直木賞受賞。〇九年『ダブル・ファンタジー』で第二二回柴田錬三郎賞、第一六回島清恋愛文学賞、第四回中央公論文芸賞を受賞。「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズ、『ミルク・アンド・ハニー』『はつ恋』『まつらひ』など著書多数。
登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2020/8/6)
- 発売日 : 2020/8/6
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 528ページ
- ISBN-10 : 4344430123
- ISBN-13 : 978-4344430129
- Amazon 売れ筋ランキング: - 306,188位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1964年7月東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、93年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。 2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で第22回柴田錬三郎賞、第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学 賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 明日の約束 おいしいコーヒーの入れ方 SECOND SEASON 2 (ISBN-13: 978-4087465754 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
就活中に読むと働くのが怖くなってしまうので注意。私も転職活動中だったんで読んだらあかんかった。
千秋がずいぶんの無敵のヒロインだなと思った。普通の人間なら多分こうはならない。自分の会社からの攻撃もあっさりしていたし、ツイッターやヤフコメのセカンドハラスメント、どこからともなく飛んでくる電凸とか、周囲からの悪意も考えたら想像できる障壁がありすぎる。とはいえそんなところまで描いたら永遠に終わらないからしょうがないのか。
それはさておき、相変わらずの読みやすさで一気に読めた。恋愛系の小説での艶やかな表現力に定評のある作家さんだけど、恋愛あんまり関係ない話を書いてもやはり素晴らしい文章力。
千秋がずいぶんの無敵のヒロインだなと思った。普通の人間なら多分こうはならない。自分の会社からの攻撃もあっさりしていたし、ツイッターやヤフコメのセカンドハラスメント、どこからともなく飛んでくる電凸とか、周囲からの悪意も考えたら想像できる障壁がありすぎる。とはいえそんなところまで描いたら永遠に終わらないからしょうがないのか。
それはさておき、相変わらずの読みやすさで一気に読めた。恋愛系の小説での艶やかな表現力に定評のある作家さんだけど、恋愛あんまり関係ない話を書いてもやはり素晴らしい文章力。
2021年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
山背側企業視点からを描写したら更に大作になり二転三転の攻防になった気はするが…最後の対面場面の意味が薄れるか・・・後
最も感銘したのは心、気持ちの表現とそれに伴う身体の反応がみごとに描かれていた点です。
最も感銘したのは心、気持ちの表現とそれに伴う身体の反応がみごとに描かれていた点です。
2022年1月16日に日本でレビュー済み
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経営学でまず最初に教えられるのは「売上げが0円で必ず支払うのが『人件費』でありこの支出をとにかく押さえて固定比率を下げるのが経営者の義務」。でもどう考えても違う。人が生活するための費用は給料で賄われている以上、自由主義であろうがマルクス主義であろうが『人材』に投資するのが当たり前の世の中になりますように、強く願います。
小説という形ですがぜひこれがフィクションで日本、いや世界中で今現在、こんな悲劇が二度と繰り返していないことを祈ります。
小説という形ですがぜひこれがフィクションで日本、いや世界中で今現在、こんな悲劇が二度と繰り返していないことを祈ります。
2018年5月2日に日本でレビュー済み
…が、遺族の心が折れるのは、「関係ない所からの悪意」が一番のヤマだ。と思っている自分としては、「大変さ」が物足りなかった
特に千秋の勤め先。ほぼ「手放しで応援」を3年9ヶ月って…無理。みたいな。
1年位の内(←これでも長いと思う)なら休みや早退フォローしてくれると思うけど、段々「こころよく」はしてくれなくなって心折れるのが通常だと。そこいら辺の葛藤がないのが「?」って気がした
↑を入れてしまうと焦点ズレるのかも知れないけど…
後は、金。交通費にしても作戦基地にしても、プロに依頼するにしても、ある程度の蓄えないと、戦う事すらできないからなあ。
生命保険入ってて、保険金全部つぎ込むつもりでやれば↑は何とかなるか?
と、仮に、実際自分がやる事になったら「どこまで持ち堪えられるだろうか?」を想定しながら読んでいた
「頑張って」と言ってしまった息子の彼女を責めず、「戦う相手を間違えんようにせんといかん」という親は「奇跡の存在だ」と、思った
面白く読みました
特に千秋の勤め先。ほぼ「手放しで応援」を3年9ヶ月って…無理。みたいな。
1年位の内(←これでも長いと思う)なら休みや早退フォローしてくれると思うけど、段々「こころよく」はしてくれなくなって心折れるのが通常だと。そこいら辺の葛藤がないのが「?」って気がした
↑を入れてしまうと焦点ズレるのかも知れないけど…
後は、金。交通費にしても作戦基地にしても、プロに依頼するにしても、ある程度の蓄えないと、戦う事すらできないからなあ。
生命保険入ってて、保険金全部つぎ込むつもりでやれば↑は何とかなるか?
と、仮に、実際自分がやる事になったら「どこまで持ち堪えられるだろうか?」を想定しながら読んでいた
「頑張って」と言ってしまった息子の彼女を責めず、「戦う相手を間違えんようにせんといかん」という親は「奇跡の存在だ」と、思った
面白く読みました
2018年5月2日に日本でレビュー済み
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今まで小説を読んで、悲しかったり感動したりして泣いたことはあっても、悔しくて泣いたことはあったかと考える作品でした。グイグイ引き込まれます。久しぶりに読んでいて時間が分からなくなりました。
2021年10月10日に日本でレビュー済み
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ブラック企業「山背」とその山背で正社員として勤務し,過労により自殺した遺族との葛藤をリアルに描いた一冊。
読み応えがとてもあります。
姑息な山背の描き方がリアルで,小説なのに,フィクションなのにイライラします。笑
登場人物がとても繊細に書かれているため,遺族側へ感情移入しっぱなしです。
最後は心がカッと熱くなりました。
物語はフィクションですが,居酒屋をチェーン展開している「山背」は,●タミがモデルなんだろうなあ,とか思いながら読んでいました。
今,仕事が辛いと思っている人は自己啓発本なんか読むよりこの小説を読んで,いい方向に「逃げる」という選択肢を見つけて欲しい。人間追い込まれるとダメな方向に「逃げる」。
そして,多くの人の心に一生忘れることのない傷を負わせてしまう。
読み応えがとてもあります。
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登場人物がとても繊細に書かれているため,遺族側へ感情移入しっぱなしです。
最後は心がカッと熱くなりました。
物語はフィクションですが,居酒屋をチェーン展開している「山背」は,●タミがモデルなんだろうなあ,とか思いながら読んでいました。
今,仕事が辛いと思っている人は自己啓発本なんか読むよりこの小説を読んで,いい方向に「逃げる」という選択肢を見つけて欲しい。人間追い込まれるとダメな方向に「逃げる」。
そして,多くの人の心に一生忘れることのない傷を負わせてしまう。
2018年4月10日に日本でレビュー済み
巻末に記されている参考文献は、ブラック企業の被害者にとっては必携の書ばかりである。
そこには、絶対に自死する人間がでないことを目的として被害者が自死してしまったケースを紹介している。
このような参考文献を読んで感動することは全くない。怒りと安堵がこみ上げるだけである。
卑劣極まりない加害企業や加害上司に対して深く憤り、被害者が加害企業から離れて、奪われた利益の何割かを取り
戻せたことに安堵する。
絶対に自死を防ぐために書かれた文献を用いて、被害者が自死する物語を書いても現実の世界でブラック企業に激しく
苦しめられている人間にとっては役に立たない。
現実の世界でブラック企業の被害者を支援している団体(今野氏率いるPOSSE)が今作を全く取り上げていない事を見ると
現実の世界でモラハラ被害者を支援している団体(モラルハラスメント被害者同盟)が「ラヴィエン」を全く取り上げていない
事を思い出す(被害者が不倫した挙句加害者を殺めるのであるから、被害者が加害者になってしまうもし殺めることを挙行して
失敗したらさらに激しい最悪のモラハラに発展する)。
ブラック企業やモラルハラスメントの被害者に感動の物語を求めることなんてとてもできないのだから、感動の物語を作ったとしても
役に立たないのは当然であると思う。被害者と支援者は、加害者からの恫喝、嫌がらせに耐えながらひたすら本当に役に立つ、実行
可能な、高額のお金や長大な時間のかからない方法を心の底から求めているのである。
社会派のエンターテインメントならば本当に役に立たなければ娯楽のモチーフとして深刻な社会問題を使っただけになる。
もう、当代屈指の恋愛小説家の村山先生はモラハラやブラック企業のような深刻な社会問題にはタッチしない方がよいと思う。
そこには、絶対に自死する人間がでないことを目的として被害者が自死してしまったケースを紹介している。
このような参考文献を読んで感動することは全くない。怒りと安堵がこみ上げるだけである。
卑劣極まりない加害企業や加害上司に対して深く憤り、被害者が加害企業から離れて、奪われた利益の何割かを取り
戻せたことに安堵する。
絶対に自死を防ぐために書かれた文献を用いて、被害者が自死する物語を書いても現実の世界でブラック企業に激しく
苦しめられている人間にとっては役に立たない。
現実の世界でブラック企業の被害者を支援している団体(今野氏率いるPOSSE)が今作を全く取り上げていない事を見ると
現実の世界でモラハラ被害者を支援している団体(モラルハラスメント被害者同盟)が「ラヴィエン」を全く取り上げていない
事を思い出す(被害者が不倫した挙句加害者を殺めるのであるから、被害者が加害者になってしまうもし殺めることを挙行して
失敗したらさらに激しい最悪のモラハラに発展する)。
ブラック企業やモラルハラスメントの被害者に感動の物語を求めることなんてとてもできないのだから、感動の物語を作ったとしても
役に立たないのは当然であると思う。被害者と支援者は、加害者からの恫喝、嫌がらせに耐えながらひたすら本当に役に立つ、実行
可能な、高額のお金や長大な時間のかからない方法を心の底から求めているのである。
社会派のエンターテインメントならば本当に役に立たなければ娯楽のモチーフとして深刻な社会問題を使っただけになる。
もう、当代屈指の恋愛小説家の村山先生はモラハラやブラック企業のような深刻な社会問題にはタッチしない方がよいと思う。