心理の専門家として「心のケア」をするのではなく、被災地に通い続け、その地に生きる人々、歴史、物語に著者たちこそが学び、被災と復興の証人であろうとし続けた10年が描かれている。
大災害に人が抗えず、抱えざるを得ない痛み、やりきれなさ、理不尽な事実が語られながらも、またそこに希望を見い出す一遍があったり、歴史や民話の力に驚かされたり。ひきこまれて一気に読んだ。
東日本大震災を忘れない、共にあるというのはどういうことなのか。東北からかなり離れて住み、訪れたこともない私にとって、一年に一度、テレビでそれが流されることをどう考えればいいのか、いつも複雑な思いだった。それでいいのかと思いながら、日常に流されてしまっていた。自問しながら学ぶ一冊になった気がする。
心理学者が書いたものと思わず読んだ方がいい。それくらいひとつの学問に留まっていない。
また一方で、支援者の育成に全国で関わってきた著者だからできる、被災地での支援者支援も胸打たれる。
人間のちっぽけな存在を思い知らされる一方で、その力の大きさにも驚かされる。この物語を読むことで自分自身が東北の物語の分有を少しだけでもさせてもらった気がする(これからも続くこの物語なので「少しだけ」という表現にした。まだまだ物語っていないものがたくさんあるのだろう)。
多くの方に読んでもらいたい。
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周辺からの記憶: 三・一一の証人となった十年 単行本 – 2021/7/17
村本邦子
(著)
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東日本大震災は、時代を共有するすべての人に大きな影響を与える歴史的出来事だった。被災地から離れた周辺部にいる私たちも、これを自分事として生き抜く必要があった。被災と復興の証人になろうとプロジェクトを立ち上げ、十年間、東北四県を訪れ、現地の人々と顔の見える関係を結び、それぞれの土地の豊かさとともに、被災がもたらした影響やそれを生き抜く今を記録してきた。本書は、それを、私の小さな物語として語ろうとするものである。
長い歴史において、人類は様々な苦難を生き抜いてきた。願わくば、先人の知恵に学び、人類の愚行を正すことができればと思う。歴史的出来事を、公式に語られる単一の大きな物語としてでなく、一人一人の小さな物語が多声的に重なり合う集合的な物語として捉えたい。私の語る小さな物語のなかには、これまで私が出会ってきた人々の声が含み込まれている。最初は小さな断片の寄せ集めかもしれないが、ここからまた新たな声と物語が生まれていくだろう。そんなふうに被災と復興の物語を共に編み上げ、不協和音をも含めて、ハーモニーが響き渡るように、私たちに起こった大きな歴史的出来事を語り継いでいけたらと願う。
長い歴史において、人類は様々な苦難を生き抜いてきた。願わくば、先人の知恵に学び、人類の愚行を正すことができればと思う。歴史的出来事を、公式に語られる単一の大きな物語としてでなく、一人一人の小さな物語が多声的に重なり合う集合的な物語として捉えたい。私の語る小さな物語のなかには、これまで私が出会ってきた人々の声が含み込まれている。最初は小さな断片の寄せ集めかもしれないが、ここからまた新たな声と物語が生まれていくだろう。そんなふうに被災と復興の物語を共に編み上げ、不協和音をも含めて、ハーモニーが響き渡るように、私たちに起こった大きな歴史的出来事を語り継いでいけたらと願う。
- 本の長さ312ページ
- 言語日本語
- 出版社国書刊行会
- 発売日2021/7/17
- 寸法13 x 2.6 x 18.8 cm
- ISBN-104336071411
- ISBN-13978-4336071415
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商品の説明
著者について
臨床心理士、学術博士
思春期外来の精神科クリニックで心理臨床に携わった後、1990年、女性ライフサイクル研究所を設立、2014年3 月まで所長を務める。現在は顧問。2001年より立命館大学大学院教授。2002年、特定非営利活動法人FLC 安心とつながりのコミュニティづくりネットワークを設立、代表理事。主な著書として、『しあわせ家族という噓』(創元社、1997)、暴力被害と女性-理解、脱出、回復』(昭和堂、2001)、『対人援助学を拓く』(共編著、晃洋書房、2013)、『臨地の対人援助学-東日本大震災と復興の物語』(共編著、晃洋書房、2015)他。
思春期外来の精神科クリニックで心理臨床に携わった後、1990年、女性ライフサイクル研究所を設立、2014年3 月まで所長を務める。現在は顧問。2001年より立命館大学大学院教授。2002年、特定非営利活動法人FLC 安心とつながりのコミュニティづくりネットワークを設立、代表理事。主な著書として、『しあわせ家族という噓』(創元社、1997)、暴力被害と女性-理解、脱出、回復』(昭和堂、2001)、『対人援助学を拓く』(共編著、晃洋書房、2013)、『臨地の対人援助学-東日本大震災と復興の物語』(共編著、晃洋書房、2015)他。
登録情報
- 出版社 : 国書刊行会 (2021/7/17)
- 発売日 : 2021/7/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 312ページ
- ISBN-10 : 4336071411
- ISBN-13 : 978-4336071415
- 寸法 : 13 x 2.6 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 778,817位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 95,386位社会・政治 (本)
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5 星
被災と復興の証人の物語。記録と伝承の大切さがしみじみ伝わる。
心理の専門家として「心のケア」をするのではなく、被災地に通い続け、その地に生きる人々、歴史、物語に著者たちこそが学び、被災と復興の証人であろうとし続けた10年が描かれている。大災害に人が抗えず、抱えざるを得ない痛み、やりきれなさ、理不尽な事実が語られながらも、またそこに希望を見い出す一遍があったり、歴史や民話の力に驚かされたり。ひきこまれて一気に読んだ。東日本大震災を忘れない、共にあるというのはどういうことなのか。東北からかなり離れて住み、訪れたこともない私にとって、一年に一度、テレビでそれが流されることをどう考えればいいのか、いつも複雑な思いだった。それでいいのかと思いながら、日常に流されてしまっていた。自問しながら学ぶ一冊になった気がする。心理学者が書いたものと思わず読んだ方がいい。それくらいひとつの学問に留まっていない。また一方で、支援者の育成に全国で関わってきた著者だからできる、被災地での支援者支援も胸打たれる。人間のちっぽけな存在を思い知らされる一方で、その力の大きさにも驚かされる。この物語を読むことで自分自身が東北の物語の分有を少しだけでもさせてもらった気がする(これからも続くこの物語なので「少しだけ」という表現にした。まだまだ物語っていないものがたくさんあるのだろう)。多くの方に読んでもらいたい。
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2021年8月9日に日本でレビュー済み
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心理の専門家として「心のケア」をするのではなく、被災地に通い続け、その地に生きる人々、歴史、物語に著者たちこそが学び、被災と復興の証人であろうとし続けた10年が描かれている。
大災害に人が抗えず、抱えざるを得ない痛み、やりきれなさ、理不尽な事実が語られながらも、またそこに希望を見い出す一遍があったり、歴史や民話の力に驚かされたり。ひきこまれて一気に読んだ。
東日本大震災を忘れない、共にあるというのはどういうことなのか。東北からかなり離れて住み、訪れたこともない私にとって、一年に一度、テレビでそれが流されることをどう考えればいいのか、いつも複雑な思いだった。それでいいのかと思いながら、日常に流されてしまっていた。自問しながら学ぶ一冊になった気がする。
心理学者が書いたものと思わず読んだ方がいい。それくらいひとつの学問に留まっていない。
また一方で、支援者の育成に全国で関わってきた著者だからできる、被災地での支援者支援も胸打たれる。
人間のちっぽけな存在を思い知らされる一方で、その力の大きさにも驚かされる。この物語を読むことで自分自身が東北の物語の分有を少しだけでもさせてもらった気がする(これからも続くこの物語なので「少しだけ」という表現にした。まだまだ物語っていないものがたくさんあるのだろう)。
多くの方に読んでもらいたい。
大災害に人が抗えず、抱えざるを得ない痛み、やりきれなさ、理不尽な事実が語られながらも、またそこに希望を見い出す一遍があったり、歴史や民話の力に驚かされたり。ひきこまれて一気に読んだ。
東日本大震災を忘れない、共にあるというのはどういうことなのか。東北からかなり離れて住み、訪れたこともない私にとって、一年に一度、テレビでそれが流されることをどう考えればいいのか、いつも複雑な思いだった。それでいいのかと思いながら、日常に流されてしまっていた。自問しながら学ぶ一冊になった気がする。
心理学者が書いたものと思わず読んだ方がいい。それくらいひとつの学問に留まっていない。
また一方で、支援者の育成に全国で関わってきた著者だからできる、被災地での支援者支援も胸打たれる。
人間のちっぽけな存在を思い知らされる一方で、その力の大きさにも驚かされる。この物語を読むことで自分自身が東北の物語の分有を少しだけでもさせてもらった気がする(これからも続くこの物語なので「少しだけ」という表現にした。まだまだ物語っていないものがたくさんあるのだろう)。
多くの方に読んでもらいたい。
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2021年8月8日に日本でレビュー済み
10年が過ぎた。2011年から、もう10年…
過ぎてしまうと早く感じ、忘れてしまう様々…
筆者は毎年、東北に通い、実際に見てきたことを、この本に記し、忘れてはならない記憶を呼び覚ましてくれる。
大震災、大津波、原子力発電事故…破壊的な出来事に対し、一歩ずつ日常にもどっていく力強さ、他人への思いやり、なるようになるさ、と過ごしゆく受容性。
なかなか取り戻せない今までの日常、失われてしまったものの大きさ、見えない放射能への恐怖、住民、家族内での分裂、一大事には、あとまわしにされがちな子ども達、犠牲になった動物たち…。
想定外のメルトダウン、負けないはずだった戦争、いつの時代も、現在のコロナ禍では、mRNAワクチンという、新技術を治験中、「ただちに影響はない」繰り返されたあの言葉が思い起こされ、重ね合わせながら、これからの10年、何事も起こらないことを祈りながら、読み終えた。
過ぎてしまうと早く感じ、忘れてしまう様々…
筆者は毎年、東北に通い、実際に見てきたことを、この本に記し、忘れてはならない記憶を呼び覚ましてくれる。
大震災、大津波、原子力発電事故…破壊的な出来事に対し、一歩ずつ日常にもどっていく力強さ、他人への思いやり、なるようになるさ、と過ごしゆく受容性。
なかなか取り戻せない今までの日常、失われてしまったものの大きさ、見えない放射能への恐怖、住民、家族内での分裂、一大事には、あとまわしにされがちな子ども達、犠牲になった動物たち…。
想定外のメルトダウン、負けないはずだった戦争、いつの時代も、現在のコロナ禍では、mRNAワクチンという、新技術を治験中、「ただちに影響はない」繰り返されたあの言葉が思い起こされ、重ね合わせながら、これからの10年、何事も起こらないことを祈りながら、読み終えた。
2021年7月31日に日本でレビュー済み
復興五輪で招致したTokyo 2020が始まった。日本選手の活躍は見事とは思うが、東日本大震災の被災地に住む者としては複雑な心境になる。10年前、忘れられたくない、と語る被災者が多くいた。東日本大震災から10年の歳月が流れた2021年、村本邦子氏の著書「周辺からの記憶 3.11の証人となった十年」を手にした。村本氏らは、この10年、被災地に通い続けたという。証人という立ち位置は、私のような被災地に住む者にとって、何よりの励ましとなる。見守り続けてくれた人々がいる、ということの貴重さを改めて思った。この本では、10年の歳月の中で出会った多くの人々の語りが、上質のケースレポートとして示されている。その語りに立ち会った筆者の思いを読み、様々なことを思い出した。被災地支援に、新たな視点を示した本である。