仏像の鮮やかさにビックリ!!!
国宝級の作品をデジタル復元する様子が書かれている
最初、てっきり絵画的な二次元作品(屏風図や絵巻等)を復元するのかと思っていた
もちろん、そういった作品も復元されるが、大仏殿や仏像も復元される
復元された屏風図や絵巻も、もちろん素晴らしかった
しかし、復元された仏像が特に印象的だった
こんなにも、緻密な文様が描かれ、カラフルだったことに感嘆した
カラーの図が多様されている点は良かったが、比較的小さいものが多かった
もっと、見開きで復元された作品を載せて欲しかった
国宝級の作品も製作された当時は、必ずしも美術品として製作された訳では無い
「参加する視線」に対する考察は興味深かった
また、復元した「地獄草紙」を水木しげる氏に見てもらった時の様子も載っていた
創作する側の者からの感想も非常に興味深かった
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日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書 375) 新書 – 2008/10/17
小林泰三
(著)
実はカラフルだった大仏殿、ロウソクの下で蠢く地獄絵図......。学術的な根拠にもとづきながら、作品誕生当初の色彩に復元すると、作者の気持ちや時代の空気が見えてくる。
さらに、デジタル技術で実物大のレプリカ作品を作り、ガラス越しでなく身近に作品と接してみよう。私たちは、往時の人びとの目線----屏風やふすま絵など、日常生活に美術を取り入れてきた伝統----を体感することができる。
本書は「地獄草紙」「平治物語絵巻」、そして狩野永徳「檜図屏風」などの国宝作品を題材に、私たちの美術観・時代認識に修正を迫る意欲作である。
さらに、デジタル技術で実物大のレプリカ作品を作り、ガラス越しでなく身近に作品と接してみよう。私たちは、往時の人びとの目線----屏風やふすま絵など、日常生活に美術を取り入れてきた伝統----を体感することができる。
本書は「地獄草紙」「平治物語絵巻」、そして狩野永徳「檜図屏風」などの国宝作品を題材に、私たちの美術観・時代認識に修正を迫る意欲作である。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2008/10/17
- ISBN-104334034780
- ISBN-13978-4334034788
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商品の説明
出版社からのコメント
いとうせいこう氏、激しく推薦。
オールカラーで、多くの日本美術作品を掲載。
復元してはじめてわかる、真のメッセージ。
オールカラーで、多くの日本美術作品を掲載。
復元してはじめてわかる、真のメッセージ。
著者について
小林泰三(こばやし・たいぞう)
1966年生まれ。89年、学習院大学卒業時に学芸員の資格を取得。同年、大日本印刷株式会社に就職。「狩野派の屏風 ・花下遊楽図屏風」(95年制作)、「地獄草紙・生きている地獄」(97年制作)で数々の賞を受賞。2000年、NHK番組「国宝探訪」のCGを3回担当し「花下遊楽図屏風」では案内役として出演。02年、NHKハイビジョン「よみがえる平家物語」に使用される「平治物語絵巻・六波羅合戦巻」をデジタル復元。04年、NHK番組「新日曜美術館」にゲスト出演、「六波羅合戦巻」の鑑賞法を解説。同年、有限会社小林美術科学を設立。06年、NHKハイビジョン「東大寺----よみがえる仏の大宇宙」の創建当時の大仏殿の内装と仏像の色彩復元を担当。08年、WOWOW番組「美術のゲノム」に案内役として出演。
1966年生まれ。89年、学習院大学卒業時に学芸員の資格を取得。同年、大日本印刷株式会社に就職。「狩野派の屏風 ・花下遊楽図屏風」(95年制作)、「地獄草紙・生きている地獄」(97年制作)で数々の賞を受賞。2000年、NHK番組「国宝探訪」のCGを3回担当し「花下遊楽図屏風」では案内役として出演。02年、NHKハイビジョン「よみがえる平家物語」に使用される「平治物語絵巻・六波羅合戦巻」をデジタル復元。04年、NHK番組「新日曜美術館」にゲスト出演、「六波羅合戦巻」の鑑賞法を解説。同年、有限会社小林美術科学を設立。06年、NHKハイビジョン「東大寺----よみがえる仏の大宇宙」の創建当時の大仏殿の内装と仏像の色彩復元を担当。08年、WOWOW番組「美術のゲノム」に案内役として出演。
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2008/10/17)
- 発売日 : 2008/10/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4334034780
- ISBN-13 : 978-4334034788
- Amazon 売れ筋ランキング: - 806,416位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年2月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
★3つ半です。デジタル復元した国宝のカラー図、復元過程と復元結果とから読み取れること、さらには美術論、日本文化論まで、盛りだくさんで興味深いのですが、いずれも中途半端で残念です(書いてあることは興味深い)....気合入れずぎでしゃべりすぎというか....。著者の見解は作品、復元品を間近に見ることでこそ説得力があると思うのですが、小さい図ではいわれたことを拝聴するみたいで;高尚な説明の前にもっと大きい図版で読者にもしっかり示して欲しかったです。そのためには、思い切って図(それも頁いっぱいを使う)中心の導入本にして欲しかったと思います。
2008年10月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の「美術刑事」ぶりに圧倒される。
復元にあたり「何が描かれていたか」ではなくもう一歩すすんで「何が見えてくるのか」という着眼点に注目したい。
そもそも、絵画や仏像は人間が創造したもの。「何が見えてくるのか」を踏まえた復元であれば、当時の作品を実際に細部まで、時間をかけてトレースしながら復元する著者に当時の製作者の魂が時代を超えて乗り移り、著者に、また現代の人間に何を見てもらいたかったのかを訴えているのではないかと思うほど見事なまでの再現をみせてくれる。
復元すすめる過程でも、実際の作品をとりまく書物や建物、当時の装飾に詳しい学者など多方向から情報を集め、復元に踏襲していく様子など細かく書かれていて興味深い。
なによりも、いままで見慣れていた退色した渋くて存在感のある国宝が、なんと鮮明に本当に鮮やかなカラーで復元され、想像以上の驚きを受ける。人物の表情にしてもはっきりとその人物のその当時の瞬間の感情、また失われていた部分の驚きの再現など、どれも壮大なロマンを感じさせる。適切な解説のなかで、思わずタイムスリップしてその時代のその場所に紛れ込んだ錯覚さえも覚えてしまいそうになる。
修復の過程のストーリーと実際に修復された作品の解説がバランスよく説明してあり美術に明るくない自分にもスムーズに読み進むことができた。
国宝だけでなく、海外の美術品などもぜひ手がけていただき、そこから生み出されるストーリーもぜひ読んでみたい。
復元にあたり「何が描かれていたか」ではなくもう一歩すすんで「何が見えてくるのか」という着眼点に注目したい。
そもそも、絵画や仏像は人間が創造したもの。「何が見えてくるのか」を踏まえた復元であれば、当時の作品を実際に細部まで、時間をかけてトレースしながら復元する著者に当時の製作者の魂が時代を超えて乗り移り、著者に、また現代の人間に何を見てもらいたかったのかを訴えているのではないかと思うほど見事なまでの再現をみせてくれる。
復元すすめる過程でも、実際の作品をとりまく書物や建物、当時の装飾に詳しい学者など多方向から情報を集め、復元に踏襲していく様子など細かく書かれていて興味深い。
なによりも、いままで見慣れていた退色した渋くて存在感のある国宝が、なんと鮮明に本当に鮮やかなカラーで復元され、想像以上の驚きを受ける。人物の表情にしてもはっきりとその人物のその当時の瞬間の感情、また失われていた部分の驚きの再現など、どれも壮大なロマンを感じさせる。適切な解説のなかで、思わずタイムスリップしてその時代のその場所に紛れ込んだ錯覚さえも覚えてしまいそうになる。
修復の過程のストーリーと実際に修復された作品の解説がバランスよく説明してあり美術に明るくない自分にもスムーズに読み進むことができた。
国宝だけでなく、海外の美術品などもぜひ手がけていただき、そこから生み出されるストーリーもぜひ読んでみたい。
2010年6月26日に日本でレビュー済み
堅苦しい美術書ではなく、彫刻や絵画などの国宝がもともとはどんな発色をしていたかをつきつめ、デジタル復元の技術を駆使しています。再現した写真をふんだんに掲載してありますから、誰もが興味を持って読み進められる本に仕上がっていました。
筆者の小林泰三氏は、大日本印刷株式会社に就職し、「狩野派の屏風・花下遊楽図屏風」の制作で数々の賞を受賞した人です。
34ページに復元した新薬師寺の伐折羅像を掲載してあります。写真のサイズが小さいのが難点ですが、見事な色彩が施されていました。学術的にも検証されたものですから、これがオリジナルだったと理解しました。続いて東大寺大仏殿の四天王を復元していますが、なかなか迫力があり、異国情緒が漂うものですね。
「地獄草子」「平治物語絵巻」を詳しく紹介した後、狩野永徳「檜図屏風」を取り上げています。実際その作品を目の当たりにしたこともあり、このCGで永徳の息吹を再現してもらうことにより、本作の魅力がより増したようです。132ページの復元図の迫力と発色は素晴らしいものでした。
永徳の弟、狩野長信作と言われている「花下遊楽図屏風」では、関東大震災で失われた部分があり、その白黒写真を元にオリジナルの色を再現しようとする考証過程が知的好奇心を満たす見事なものでした。CGの知識と学芸員の両方の才能が結実した1点だと思います。192ページの図の美しいこと、拍手喝采です。
筆者の小林泰三氏は、大日本印刷株式会社に就職し、「狩野派の屏風・花下遊楽図屏風」の制作で数々の賞を受賞した人です。
34ページに復元した新薬師寺の伐折羅像を掲載してあります。写真のサイズが小さいのが難点ですが、見事な色彩が施されていました。学術的にも検証されたものですから、これがオリジナルだったと理解しました。続いて東大寺大仏殿の四天王を復元していますが、なかなか迫力があり、異国情緒が漂うものですね。
「地獄草子」「平治物語絵巻」を詳しく紹介した後、狩野永徳「檜図屏風」を取り上げています。実際その作品を目の当たりにしたこともあり、このCGで永徳の息吹を再現してもらうことにより、本作の魅力がより増したようです。132ページの復元図の迫力と発色は素晴らしいものでした。
永徳の弟、狩野長信作と言われている「花下遊楽図屏風」では、関東大震災で失われた部分があり、その白黒写真を元にオリジナルの色を再現しようとする考証過程が知的好奇心を満たす見事なものでした。CGの知識と学芸員の両方の才能が結実した1点だと思います。192ページの図の美しいこと、拍手喝采です。
2011年1月21日に日本でレビュー済み
あまりなじみのないデジタル復元の過程について、素人にもわかりやすく解説されていてよかったです。
今と全然印象の違う大仏殿などは必見です。
しかし、「色」をテーマにするならもっと絵をたくさん挿入してほしかった。
また挿入された絵も小さいので、復元後の作品の味わい方である「参加する視線」は、
よくわからないというのが率直な感想。
間をとって★3つです。
今と全然印象の違う大仏殿などは必見です。
しかし、「色」をテーマにするならもっと絵をたくさん挿入してほしかった。
また挿入された絵も小さいので、復元後の作品の味わい方である「参加する視線」は、
よくわからないというのが率直な感想。
間をとって★3つです。
2008年10月21日に日本でレビュー済み
これは美術ガイドではない、美術エンターテイメントだ!
「デジタル復元」という聞き慣れない言葉に反応して興味をもった。
それがどういう作業なのか?
普段、見ることのできない作業工程など丁寧に書かれていて、とても参考になった。
作者(美術刑事)の"デジタル復元"を通したの美術の解釈は、とても斬新だと思う。
ただパソコンに向かうだけでなく、聞き込みや調査を重ね、推理をしていくのが面白い。
そのなかで、美術品が作られた技法や歴史的背景などアナログな面まで教えてくれる。
なんだか"国宝"というガラスケースに閉じこめられた高貴なものの、敷居を下げてくれたと思う。
この本を読んでから、「参加する視線」で国宝に逢いに行きたくなった。
なんだ、好きに遊んじゃっていいんだ、と思った。
「デジタル復元」という聞き慣れない言葉に反応して興味をもった。
それがどういう作業なのか?
普段、見ることのできない作業工程など丁寧に書かれていて、とても参考になった。
作者(美術刑事)の"デジタル復元"を通したの美術の解釈は、とても斬新だと思う。
ただパソコンに向かうだけでなく、聞き込みや調査を重ね、推理をしていくのが面白い。
そのなかで、美術品が作られた技法や歴史的背景などアナログな面まで教えてくれる。
なんだか"国宝"というガラスケースに閉じこめられた高貴なものの、敷居を下げてくれたと思う。
この本を読んでから、「参加する視線」で国宝に逢いに行きたくなった。
なんだ、好きに遊んじゃっていいんだ、と思った。
2012年2月1日に日本でレビュー済み
玩具修理者などでおなじみの小林泰三(こばやしやすみ)先生とは
別な方のようですね。おせっかいかもしれませんが、ご注意下さい。
別な方のようですね。おせっかいかもしれませんが、ご注意下さい。
2008年11月22日に日本でレビュー済み
あまりススめてないレビューもあったんで悩んだけど、けっきょく買いました。
でも一度読みはじめたら一気に最後までいってしまいました!ほんと「すっげー!」の一言です。
とくに「平治物語絵巻」を実際に手にとってるかのようなところは、シビレました。なるほど、当時のエライ人たちは、こんなふうに楽しんでたのか・・・エライ人たちと同じ体験が、しかも今できるなんて、やっぱりデジタル修復のチカラなんでしょうね。ありがたやデジタルです。
それと、なぜか「おわりに」が感動しました。ちょっとむずかしいし、ひとりよがりな部分もありますが、「日本人の視線が世界をかえる」(とまで言ってかどうかは分かりませんが)という言葉に、なんか励まされた気がします。
なぜかちょっと元気になる変な本です。そういう意味でもオススメです。
でも一度読みはじめたら一気に最後までいってしまいました!ほんと「すっげー!」の一言です。
とくに「平治物語絵巻」を実際に手にとってるかのようなところは、シビレました。なるほど、当時のエライ人たちは、こんなふうに楽しんでたのか・・・エライ人たちと同じ体験が、しかも今できるなんて、やっぱりデジタル修復のチカラなんでしょうね。ありがたやデジタルです。
それと、なぜか「おわりに」が感動しました。ちょっとむずかしいし、ひとりよがりな部分もありますが、「日本人の視線が世界をかえる」(とまで言ってかどうかは分かりませんが)という言葉に、なんか励まされた気がします。
なぜかちょっと元気になる変な本です。そういう意味でもオススメです。