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中古典のすすめ 単行本（ソフトカバー） – 2020/8/28

4.0 5つ星のうち4.0 47個の評価
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「ベストセラー」以上「古典」未満
読書界の懐メロ=中古典を一刀両断!

一世を風靡した本には、古典に昇格するものもあれば、忘れ去られてしまうものもある──人気文芸評論家が、ひと昔前のベストセラー48点を俎上にのせ、現在の視点から賞味期限を判定する。

【名作度】
★★★ すでに古典の領域
★★ 知る人ぞ知る古典の補欠
★ 名作の名に値せず

【使える度】
★★★ いまも十分読む価値あり
★★ 暇なら読んで損はない
★ 無理して読む必要なし


~各紙誌でぞくぞく紹介!~
・「産経新聞」9月20日付
・「日本経済新聞」9月20日付夕刊
・「女性セブン」9月24日・10月1日号
・「しんぶん赤旗」10月4日付
・「週刊新潮」10月5日号
・「信濃毎日新聞」10月10日付
・「東京新聞」10月19日付
・「週刊文春」「私の読書日記」10月22日号(酒井順子氏)
・「北海道新聞」10月25日付
・「ダ・ヴィンチ」11月号
・「新潟日報」11月1日付
・「女性のひろば」2020年12月号


《目次(抜粋)》
住井すゑ『橋のない川』 水平社運動に向かった少年たちの物語
丸山眞男『日本の思想』 憲法が破壊される時代への警告
中根千枝『タテ社会の人間関係』 どこが名著かわからない
庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』 東大受験生の明るい屈折
土居健郎『「甘え」の構造』 幼児的依存を体現した書
山崎朋子『サンダカン八番娼館』 ルポライターとからゆきさん
小松左京『日本沈没』 天変地異の大盤振る舞い
鎌田慧『自動車絶望工場』 大企業を敵に回した果敢なルポ
片岡義男『スローなブギにしてくれ』 疾走するハードボイルド
山口百恵『蒼い時』 伝説のアイドルの「闘い」の書
浅田彰『構造と力』 ポストモダンって何だったの?
ホイチョイ・プロダクション『見栄講座』 うわべで勝負の最強レジャーガイド
渡辺淳一『ひとひらの雪』 不倫にのめった中年男の夢と無恥
村上春樹『ノルウェイの森』 過剰な「性愛と死」があなたを癒す
etc……


【著者紹介】斎藤美奈子 (さいとう・みなこ)│ 文芸評論家。1994年に文芸評論『妊娠小説』でデビュー。2002年『文章読本さん江』で、第1回小林秀雄賞受賞。軽妙な筆致で綴られるパンチの効いた書評や文芸評論は、幅広いファンをもつ。他の著書に、『文壇アイドル論』『紅一点論』『本の本』『日本の同時代小説』『文庫解説ワンダーランド』『名作うしろ読み』などがある。
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  1. 本の長さ
    320ページ
  2. 言語
    日本語
  3. 出版社
    紀伊國屋書店
  4. 発売日
    2020/8/28
  5. 寸法
    13 x 2 x 18.8 cm
  6. ISBN-10
    4314011521
  7. ISBN-13
    978-4314011525
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商品の説明

著者について

【著者紹介】斎藤美奈子 (さいとう・みなこ)│ 文芸評論家。1994年に文芸評論『妊娠小説』でデビュー。2002年『文章読本さん江』で、第1回小林秀雄賞受賞。軽妙な筆致で綴られるパンチの効いた書評や文芸評論は、幅広いファンをもつ。他の著書に、『文壇アイドル論』『紅一点論』『本の本』『日本の同時代小説』『文庫解説ワンダーランド』『名作うしろ読み』などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 紀伊國屋書店 (2020/8/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2020/8/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本（ソフトカバー） ‏ : ‎ 320ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4314011521
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4314011525
  • 寸法 ‏ : ‎ 13 x 2 x 18.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 47個の評価

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上位レビュー、対象国： 日本

ばんぺいゆ
5つ星のうち5.0 ビシッと
2023年7月31日に日本でレビュー済み
勘違いオヤジ（オババ）にビシッと物を言ってくれるので気持ちがいい。読んだ本も読んでない本もあったけど、読んでみようと思った本、5冊収穫あり。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
 レポート
nikataro
5つ星のうち4.0 古典とは読まれずにその名だけが流布する
2021年2月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
そこまでは行かなくてもかつてベストセラーになったものの今はもう中古本をていねいに探さないと再読自体が難しい書籍の屍たち。しかも「桃尻娘」「四季・奈津子」「日本沈没」「渡辺淳一モノ」など映画化多数のため映画を観ただけでがっかり、いや満足して読まなかったのか、それとも角川商法「読んでから観るか、観てから読むか」に乗せられて両方ともお金を払っていたのか、今となってはまったく思い出せないが「懐かしさ」満載です。

でも、読まれたからにはそれなりの理由があったのも事実。「日本人は日本人論が大好き」「現実は小説より必ず悲惨（「日本沈没」「復活の日」が荒唐無稽なＳＦではなかった予言性）」など示唆に富むまとめかたは著者ならではです。

個人的には、いまだ現役の片岡義男「スローなブギにしてくれ」（この映画もつまらなかった・・・）に対する考察にうならされた。村上春樹より先に翻訳調ハードボイルド文体を完成させながら「野生時代新人賞」しか受賞していない理由は、短編だけで長編がなく、シーンにこだわり内面を拒否しているから、とのこと。でもいまでも新作がでると必ず読んでいます。

もうひとつは「日本人とユダヤ人」。大学１年生の「基礎文献購読ゼミ」でのテキストでした。法学部でしたが、当時の教授（比較憲法学）はどうしてこの本を選んだのか、自分も違和感をどうして感じなかったのか。謎は深まるばかりです。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
 レポート
amarevi
5つ星のうち4.0 なにか面白い本はないか‼︎（渇望）
2022年12月15日に日本でレビュー済み
なんかこう、著者と気分の点で合うなぁってこと、あるじゃないですか。たま〜に。斎藤美奈子の文章は私にとり、いつもそうなんですね。いつも。この本もやっぱり同じで、橋本治の『桃尻娘』を紹介する中で、

《そんで日本文学は頭のかた〜いオヤジに独占されててさ、いまごろ死んでたと思うわ》

この一文を読んだ瞬間、ナイスと思った。感覚的だけど本質的な理解を促してくれる人なのかな。ついでに言うと、吉本ばななの『キッチン』では、

《大人の男の批評家たちが寄ってたかって何をいおうと、彼女たちにはそんなの、どうでもよかったのである》

だからシステムに辟易していた女子たちにとっては解放感だったのだと。村上春樹の『ノルウェイの森』では、

《世の中が浮かれていればいるほど、祭りから疎外された人々の孤独は深いからだ》

その心の穴に一種の癒しを与えたとされ、ウォラーの『マディソン郡の橋』においては、

《祭りの後の長い停滞の時代のはじまりを、暗示しているかのようだ》

だから「思うだけにしておきな」と極めて冷静に読む。こういうところが好き。全部で48の書評。小説から評論までジャンルはさまざま。時代も1960年代から1990年代まで取り揃えており、各年代のベストセラーを斎藤視点でおすすめしたり、しなかったり。いちばん魅かれたのは高野悦子の『二十歳の原点』評ラスト。

《高野悦子は命を断ったために有名になった。あまりにもナイーブな内面の告白と、「若気の至り」の極致みたいな革命思想への傾倒と、痛々しい自己否定。彼女はこの本の出版を望んだだろうか。私にはとてもそうは思えないんだよね》
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
 レポート
JayJay
5つ星のうち4.0 60年代から90年代初頭のベストセラーからチョイスした48冊についての斎藤流「３段階評価」
2020年12月5日に日本でレビュー済み
チョイスされた48冊が「いまも再読にたえるかどうか」の斎藤の評価結果は次の通りである。
名作度☆３＋使える度☆３：住井すゑ『橋のない川』など９作品
名作度☆３＋使える度☆２：丸山眞男『日本の思想』など８作品
名作度☆２＋使える度☆３：田辺聖子「感傷旅行」など４作品
名作度☆２＋使える度☆２：柴田翔『されどわれらが日々―』など12作品
名作度☆２＋使える度☆１：森村桂『天国にいちばん近い島』など４作品
名作度☆１＋使える度☆３：ホイチョイ・プロダクション『見栄講座』の１作品
名作度☆１＋使える度☆１：遠藤周作『わたしが・棄てた・女』など10作品

稀有の組合せ（名作度☆１＋使える度☆３）となったホイチョイ・プロダクション『見栄講座』（1983年/小学館）についての記述が面白い。以下に本書を引用してみよう。

「見よ、この人を喰ったカバーの惹句を。＜現代は見栄ライフ・スタイルの時代と申せましょう。地道に生きたって所詮ムダ。適当にやって、いい加減に生き、見かけの体裁さえとりつくろえば、それでいいのです。本書は、ミーハーなあなたが、社会生活のあらゆる局面に於いて、苦労なくして、うわべだけカッコよく見せかける技術を習得するための、画期的実用講座です。＞（中略）いま読むと、しかし、いろいろ思うところは多い。なにより感心するのは、80年代の若者はなんて努力家だったのだろうということである。テニスもスキーもオートバイももちろんただの遊びだが、ただの遊びにかけるカネと時間のエネルギーは半端じゃない。」

「『見栄講座』が描く風俗の数々は高度成長期以来人々が求めてきた豊かさの、いわば「上がり」で、若者たちはこの後、電子ゲーム、映像機器、インターネットなどによって、急速にインドア化、バーチャル化していく。スマホは若い人たちを再び外に連れ出すことに成功したが、かってレジャーに費やされたカネと時間は通信会社に吸い取られ、オンライン・ゲームもネット通販も無料配信動画も外からアクセスできる現在、もはやテニスやスキーの出番はない。（中略）とまあいうわけなので、若者たちの生活スタイルが変わり、レジャーのツールも大きく変わった現在、マニュアルブックとしての本書の実用価値はほぼゼロである。ただし、このセンスと文章技術は学ぶところが大なのだ。絶版なのが残念だわ。リア充のお手本なのに。」

その上でこの項を斎藤は次のように締め括る。「余談だが、ホイチョイ・プロの主力メンバーは小学校から中高大学までの成蹊学園卒業生で、同じ学年には安倍晋三がいた。ホイチョイと安倍の間には何の接点も感じられないが、彼を見てると、「見栄総理」という言葉がふと浮かぶ。「やってるふり」だけの総理大臣の意味である。」
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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榎戸　誠
5つ星のうち5.0 かつてのベストセラー48作品を、斎藤美奈子が縦横無尽にぶった切る
2020年9月22日に日本でレビュー済み
私は、快刀乱麻といった切れ味のいい斎藤美奈子の書評のファンです。その斎藤の『中古典のすすめ』（斎藤美奈子著、紀伊國屋書店）を手にしました。

「中古典」は斎藤の造語で、古典未満の中途半端に古いベストセラーを指しています。その中古典48作品を斎藤独自の「名作度」と「使える度」で評価しています。名作度は、★★★＝すでに古典の領域、★★＝知る人ぞ知る古典の補欠、★＝名作の名に値せず、使える度は、★★★＝いまも十分読む価値あり、★★＝暇なら読んで損はない、★＝無理して読む必要なし――の3段階評価です。

私の敬愛する井上ひさしの『青葉繁れる』が、名作度＝★、使える度＝★となっているのには、腰が抜けるほど驚きました。斎藤は、「男子高校生たちのあきれた青春」と決めつけ、「ズッコケ高校生の青春だから、エピソードの多くは、思い通りにはいかなかったとか、やりすぎて怒られたとかいう失敗談だ。まあ、それはよい。だが、たとえ失敗談の連続でも『全体にセクハラな小説である』とはいっておこう。だれに対するセクハラかって？　むろん読者に対してだ。作者はこの小説を女性も読むとは考えなかったのだろう。あるいは女性読者もいっしょに笑ってくれると思ったか」と手厳しい。「人気作品だった証拠に、74年には、岡本喜八監督の手で映画化され、テレビドラマ化もされた小説である。物語内容に、誰も疑問をもたなかったということよね。この国の性暴力に対する認識は、長い間、この程度だった。『使える度』は★にしたけど、反面教師としての教材にするには適した素材だ。この本で捧腹絶倒できる人がいたら、自分のセンスを疑いなさい」。うーんと、唸ってしまいました。

一方、私の好きな作家・橋本治の『桃尻娘』は、名作度＝★★★、使える度＝★★★となっています。「そりゃね、青春小説と名のつく作品は世に腐るほどありますよ。あるけど、普通なのに変態な4人を見ればわかるじゃない？　『桃尻娘』は、それまでモノクロだった青春小説を総天然色に変えたのよ。･･･大人になるにしたがって、彼らはちょっとずつ過激さを失っていく。そこが青春の残酷なとこなのよ。でもまあ、できれば（シリーズの）6冊とも読むといいと思うわよ。ハマるわよ」。

森村誠一の『悪魔の飽食――「関東軍細菌戦部隊」恐怖の全貌！』も、名作度＝★★★、使える度＝★★★となっています。本書は、「旧日本軍の暗部を暴いたノンフィクション」です。「捕虜の待遇を定めたジュネーブ条約違反、どころか規模はちがえど、これはナチのホロコーストにも匹敵する戦争犯罪であろう。その事実をカッパ・ノベルスという大衆的なメディアで放った本書の意義は大きかった。それがなぜ、攻撃の対象になったのか。ひとつは『歴史修正主義』の影響である。･･･森村誠一がいう『日本の軍国主義の復活を望みその告発を喜ばない勢力』はすでに出現していたのである。もうひとつの理由は医学界の闇に直結する。隊長の石井四郎はじめ、七三一部隊の隊員は、戦後、一切の責任を問われることなく、医学界や製薬業界、あるいは自衛隊に復帰した。GHQに人体実験データを渡すことと引き替えに、彼らが戦争責任を免れたことは、後に常石敬一『七三一部隊――生物兵器犯罪の真実』や青木冨貴子『731』が明らかにしている。七三一部隊は軍医、医学者、研究者などの軍属で構成されており、慢性的な人手不足を補うために、内地からスカウトした優秀な少年たちに教育を施す『少年隊員』の制度も設けられていた。『悪魔の飽食』の発表時には、こうした事実を知る人がまだ相当数、存命だった。だからこそ、本書の取材は可能になった。しかしまた、だからこそ、攻撃の標的にされたのではなかっただろうか。『あの本を潰せ』くらいの指令が、どこからか出ていたとしても不思議ではない。･･･七三一部隊の研究はその後さらに進み、『NHKスペシャル・731部隊の真実――エリート医学者と人体実験』などにその一部が反映されている。2018年には、国立公文書館に保管されていた七三一部隊の隊員3600人余の氏名と階級が公表された。唯一残る最大の問題は、今日にいたるまで、この事実を日本政府が公式に認めていないことである。その意味でも『悪魔の飽食』の歴史的役割はまだ終わっていないのである」。全く、そのとおりだ。
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be3osaka
5つ星のうち5.0 批評と批判のお手本
2021年3月26日に日本でレビュー済み
筆致が鋭いです。中古典とはそれなりに有名で影響力を持っていた本の総称なのでしょうか。
その中古典を斬りまくるのが本書です。批判的に読むことが好きなので、著者の視点と方法には教えられることが多かったです。
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前の東京五輪生まれ
5つ星のうち1.0 つまらない
2023年4月27日に日本でレビュー済み
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独断と偏見に満ち満ちた本。気分が悪くなった。買って損した。
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