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足ふみ留めて---アナレクタⅠ (アナレクタ 1) 単行本 – 2011/3/16

4.2 5つ星のうち4.2 5個の評価

「死屍累々だよう。」
「アナレクタ」シリーズ刊行開始!

彗星のように出現し、透徹した論理と華麗な文体で
思想・文学界を驚倒せしめた孤高の俊傑、佐々木中。
『夜戦と永遠』以前から『切りとれ、あの祈る手を』へ向かう
力強く飄然と舞いふみ留められた躍動する思考の足跡。
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商品の説明

著者について

1973年生。東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了。現在、立教大学、東京医科歯科大学教養部非常勤講師。著書に『夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル』がある

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2011/3/16)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/3/16
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 224ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4309245455
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4309245454
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 5個の評価

著者について

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佐々木 中
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カスタマーレビュー

星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
5グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2011年5月7日に日本でレビュー済み
今までいろいろなところに発表された佐々木 中さんの文章を年代別に並べた作品集です。かなり専門的な部分もあったのですが、やはり面白い方だと思います。その言説すべてが理解できているわけでもありませんが、言葉として話されて、語りかけてくる文章です、なにか古い言い方ですが、べき論というよりアジテーションのように感じました。思想や哲学を扱っているのに、何故か非常に日常的事柄に感じられてしまいます。クライマックスではなくアンチクライマックスを受け入れる覚悟と強さを求められるような。

時系列で古いものから並んでいるのですが、その割合早いところで、何故か村上春樹さんの「1Q84」について言及されているのですが、佐々木さんが文章を書かれるようになってからあまり時間が経ってないのだな、と強く認識させますし、こんなところにまで村上春樹なのかと思うと、複雑です。この作品の評価の仕方もとても佐々木さんぽかったです、切り口としても。

そして、自分の曾祖父の話しから都会に暮らす自分に広がっていく話しがちょっと意外で面白いです。わずか4ページの「魔魅に見(まみ)える」は今までに読んだどの作品とも違った面白さです。まさかそんな所に着地するなんて、です。しかも麻布にいるんですね、あの生き物が。

それから、私の頭が悪くて理解力が無いせいだと思いますが、『暴力の現在』というテーマで討議を行っている市田 良彦、' 秀実、長原 豊たちが語られている内容が難しすぎて分からなかったです。が、何かしら気持ちの悪いモノを行間から感じました。小熊さんの著作に対する異論(私も読んでないので分かりませんが)も、佐々木さんが最後に言及していますが、佐々木さんではなく小熊さんを呼ぶべきところを、佐々木さんを討議メンバーに入れることで『我々だけが言っているのではない』的な雰囲気を醸成させようとしているかのように感じます。当時の事を肌で知る人と、後に資料からあたる方との温度差はあって仕方がないとは思います。反論もその時の個人的印象で語るよりは、こんな資料もある、というような後の人があたれるものを提示しないと、非常に不平等感を感じますし、その当事者でしか語れない、と言っているように感じました。

そして、やはりこの本の中でも特に個人的に楽しかったのが「自己の死をいかに死ぬか」における「どうせ」と「だから」を用いた恫喝と「自分と世界の滅びが一致して欲しいという欲望」の話し、そしてイエスが語ったとされる聖書の原典にある「終末の期限を切る者は悪魔である」という発言は面白かったです。心のどこかにある、終末が私の生きている間に起こってほしいという欲望の根深さも十分理解出来ました。また、原始仏典のいう「諸行無常(いわゆる詠嘆ではなく、ずっとあるものはない、固定かされたものはない)」と「一切皆苦(苦しむのではなく、完璧なものは何も無い、完全な物はないという意味)」の概念からブッダのいう『誰も救われることはない』という突き詰めたラディカルなことを表しているという話しと、そこから「輪廻転生」を飲み込ませ、普通に意味する「輪廻転生」とは違った意味を理解させるくだりはまさに佐々木 中さんのアジテーションの真骨頂のように感じました。その後のライムスターの宇多丸さんとの対談でも話題に挙がっていますけれど、原典をきちんと当たって割合びっくりするような何かは無い、当たり前のことが当たり前ではない、と認識させる強さがありますし、繰り返し、そして繰り返すその強度があります。

「七夕の国」岩明 均著の最後の最後、主人公である南丸 洋二が、精神的に不安定になってしまったヒロインである東丸 幸子を、今のこの世界に留めようとするセリフを、もっときちんとした形で提示し続けている人なんだ、と理解しました。

あと、「科学は無力」的な物言いをする輩に対する宇多丸さんの語り口がかなり笑えました。ごもっともです。

考えることと、知ることに興味がある方に、オススメ致します。
23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年7月20日に日本でレビュー済み
 とにかく読みやすいし面白い。新幹線で東京駅で読み始めたら、面白くて本書を手放せず、大阪に着く前に読み終わってしまった。
 個人的には、死に対する態度を仏教、キリスト教、ハイデッガーとたどって、特にハイデッガー的な「危険思想」へのアンチとしてブランショ(!)が出てくる章は面白かった(面白そうでしょ?)。
 もう一つ個人的に別の意味で面白かったのが、「暴力の現在」の対談。
 他のレビュアーの方が「私の頭が悪いのか、三人の対談が分からなかった」と書いていらっしゃったが、私もさっぱり分からなかった。
 というか、あの章は二重の意味で衝撃。まず佐々木さん以外の方にとっては、きっと同時代だったがゆえに(?評者は70年代生まれなのでよく知らない。誤解かもしれないが)重要なのであろうあの時代について、いまだに熱心に論じられる、そのナルシシズムに。それとあのような「俺はこんなことも知っているぞ競争(知識的なことから部外者にとってはどうでもいい人間関係まで、何の定義づけや説明もなく言葉だけが飛び交う)」を飽きず倦まずに続けられる他者への無配慮に。
 あれを掲載した佐々木さんに、ちょっとした「悪意」を感じる。

 読んで損なし!
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート