多くの自己啓発や育児の本で提案されているアプローチはもとより
「心を聴く」「感情を無視しない」「余計なことをしない」の重要性を
クライアントの事例を交えて考察・解説してくれています。
私は「聴く」「観察する」という行為とセットで
「判断する」「アドバイスする」「提案する」「同情する」「提供する」などの思考や対応をセットにしていましたし、
それが相手の望む事で、コミュニケーションだと考えていました。
ですが、自分が感情を発信するときをよく思い出してみると
感情は拒否や無視をしないで頂ければそれで気が済んでいるのです。
シンプルですが、非常に重要でメモリ消費が少なくてすむ気付きでした。
著者はイギリス人ですが、日本人の私でも登場する全てのクライアントに同調し、
自分もいちいち過去を思い出してしまうので、読むのに時間がかかりました（笑）
私の生育環境は最低といっていいものでしたので、自分が親になるにあたり
あらゆる方向から情報を仕入れ、自分の中にあるトラウマの棚卸しを試みていましたが、
この本の読了にて、一段落となりそうです。
本の欠点があるとすれば、近年めざましく進化した、多くの人に理解されるための
洗練された文章構成ではないという所でしょうか。
濃厚で巨大なアメリカンパイに1人で挑んでいるような気持ちになりました。
今は謎の達成感と清々しさがあります。
小さな息子を1人の人間として尊重し、愛し、生涯かかわっていく幸せなイメージがわくようになったのです。
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イメージ付きのレビュー
この本を読んで悩むことも正解の一つかも
『自分の親に読んで欲しかった』このタイトルが目にとまり、書店で本書を手に取った。私は50代サラリーマン、2人の娘達は既に成人し独立している。つまり、子育てはおわっている。しかし『これでよかったのかな？』妻との会話に未だに子育て時代の思い出話は持ち上がる。子育ては人生のビッグイベントなのだ。この本を一気に読み上げた。読み物として面白かった。『読んでおけばよかったかも』正直にそう思った。そんな中、長女から『結婚する』と報告があり、婚約者と挨拶に来た。相手は幼馴染の博士課程の大学院生、何やら難しい研究をしている。1LDKの安アパートを借りて、娘が働いて支えるそうだ。2人とも礼儀正しくて幸せそうだ。『我々の子育ても間違っていなかったのだろう』妻と2人で喜んだ。子供との関係に一つの正解は無いかも知れない。この本の通りにする必要は必ずしもないけれどこの本を読んで親が色々考えるのも答えの一つかも知れない。老婆心ながらそんなことを考えた。素敵な本だった。
