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この国はどこで間違えたのか ~沖縄と福島から見えた日本~ 単行本(ソフトカバー) – 2012/11/21

3.5 5つ星のうち3.5 21個の評価

沖縄本土復帰40年、福島第一原発稼動40年。高度経済成長の裏面に横たわる中央と地方の歪な主従関を硬派論客が語り尽くす。
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商品の説明

著者について

内田樹/思想家・大学教授。
小熊英二/社会学者・大学教授。
開沼博/社会学者・大学院生。
佐藤栄佐久/元福島県知事。
佐野眞一/ノンフィクション作家。
清水修二/経済学者。
広井良典/大学教授。
辺見庸/ジャーナリスト・詩人。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 徳間書店 (2012/11/21)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/11/21
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 309ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4198635099
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4198635091
  • カスタマーレビュー:
    3.5 5つ星のうち3.5 21個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2012年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
登場する面々の豪華さに惹かれて購入。「沖縄タイムス」で連載されたインタビュー記事が書籍化されたのだとか。テーマは基地と原発。

どういうわけか構成が「第1章」「第2章」ではなく、いきなり名前で飛び込んでくる目次だったので、どこから読んだらいいのか一瞬わからなくなるも、おそらく50音順で掲載しているんだなと思って、頭から読み始める。

私が「なるほど!」と感じたのは、内田樹氏と開沼博氏の項目だった。

内田樹氏。冒頭から「日本をここまでの状態にしてしまったのは自分たちの世代に責任がある」と語る。1950年生まれの内田氏から見ると、72年以降、それまで日本の戦後復興に力を注いできた「明治人」たちがほとんど退場してしまい、自分たちの世代が遺産を食いつぶしてしまったと、内田氏は世代的責任を自ら追及。

内田氏が反体制闘争をあきらめたのは、闘争の敵であった自分たちの父親世代のしたたかさにあった。周囲の「革命戦士」が次々と「産業戦士」になってしまったのは、過激な学生を排除せず取り込んでしまうという懐の大きさがあったからだ。政治家も、財界人も、明治人たちは相当の胆力を備えていた。そういう百戦錬磨の明治人たちを見て、当時の内田氏はエスタブリッシュメントを「悪い奴らだけど任せられる」と考えていた。けれども、今回の原発事故後の政治家たちの対応を見て、内田氏の思いは打ち砕かれてしまった。

正確に言えば大正生まれなのだけど、明治人的な懐の大きさを知らしめるエピソードのひとつとして、田中角栄氏が挙げられている。元革マル派の若者を越山会青年部に入れてしまうという話には驚いた。角栄氏は「革命をやろうとは気骨があってよろしい」と言って、革命戦士を取り込んでしまう。今の政治家・財界人にはできない芸当だ。

「偉い人に任せておけばなんとかなる」という、一般市民のノホホンとした考えを、思考停止という。そうやって沖縄に基地が建設され、原発は稼働し続けてきた(昔はそれでよかったのかもしれないけど)。器量が狭いくせに自己保身だけは周到になった日本のエスタブリッシュメントに対して、私たちは「発言」と「監視」を続けなければならない。

続いて開沼博氏。福島県出身の社会学者である氏のインタビューは、真に迫る当事者の言葉の連続だった。原発事故を「対岸の火事」にしてはいけないという彼の思いが伝わってくる。

「反原発」「脱原発」の声が大きくなるなか、開沼氏の分析は冷静だ。「自然エネルギーは原発と比べて圧倒的に雇用吸収力が小さい」と語る。反対派の表面的な見解だけをすくい取るのではなく、地元が受けてきた「恩恵」ともいうべき部分を現実的な事象を交えてコメントしている。彼が福島県出身者であり、今も福島大学で教鞭をとっている背景を含めて考えると、開沼氏の考えは多角的だ。

また、経済における成長が完全にストップした今、地方が成熟社会を生き抜くための開路について語る部分も興味深い。「威勢よく『地域活性化』ともいわずに、うまく縮小していける方向を探るモデルをたてられるかということも重要」と開沼氏。「過疎化しても幸せ」で「地域活性化しないでもいい」モデルをたてなくてはならないということ。

今、行政や企業の中枢で働いているマネジメント層が1955年から1965年生まれだとすれば、彼らは過剰な競争原理の中で育ってきた世代の人々だ。84年生まれの開沼氏のいう“非・成長社会”の将来像を彼らに描けるだろうか?

小熊英二氏に辺見庸氏など、考えさせられるコメントが多数あるも、あまりに長くなってしまうので割愛。章立てではないので読み手に対して少々不親切な部分があったり、脚注が少なかったりしたが、総じて多くの人に読まれるべき本だと思う。私は東京在住なので地方紙を読むことはほとんどなく、こういう地域メディアにしか載らないものが、全国に広がることに大きな意味を感じる。本の世界も首都圏で売れるものばかりが目立ち、中央集権的になってきているなか、こういう試みに大賛成という意味も含めて、満点の評価をつけた。
195人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本は書き込みもなくきれいで読みやすい
思った以上に面白かった
社会学必修
2017年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
沖縄の新聞記者がインタビュアーを務めていることが大きく起因すると思いますが、対談相手がせっかくの中身のある発言(主に原発問題)をしたにも関わらずそれを掘り下げることなく、文脈を無視し終始沖縄の基地問題に話を持って行く場面が多々みられた。途中からはインタビュアーのコメントは飛ばして読みました。福島と沖縄の問題は重大な問題であると認識しますが、同時並行で進めるのではなく、二部構成にしたほうが論点が整理されやすいのではと感じた。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
究極のNIMBY“Not In My Back Yard”が、日本に存在する。それは、原発と基地。
それらが抱える問題点を色んな視点から筆者達が鋭くえぐる。
福島や沖縄の出身じゃ無いから関係ないとあなたは感じるかもしれない。果たしてそうなのか?

福一の稼働、沖縄の返還から、40年が過ぎた。人間で言うなら、立派な社会人でそれなりに
社会的地位もあり、社会に有為な人材として活躍している年齢だが、この二つに限っては、
これまでで最悪の事態を露呈してると感じる。
なぜそうなってしまったのだろう?
なぜ、日本はこうなってしまったのだろう?

この本は、それらを考えるに十分な内容を与えてくれている。
一歩踏み出すのは、他の誰でもない自分自身であることを。
そこに、日本のみならず、世界の未来があることを。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年10月30日に日本でレビュー済み
私は、2002年2月12日、「福島県エネルギー政策検討会」第13回検討会で、「原子力政策について」と題して講演しました。その内容とハプニングについては著作集に記しました。講演後の質疑応答の際、佐藤栄佐久知事がゲスト講演者の私に失礼な言動があったため、きびしくたしなめました。会場にいた約100名のひとたちが固まってしまいました。以下はその時の発言要旨です。主催者にとって不都合な真実であるため、講演議事録から削除されています。

「この検討会では素人が科学論やエネルギー政策を勉強している。初歩的な勉強のレベルだ。原発から離れた福島市の県庁で業務しているひとたちには原発の本当の怖さの意味が理解できないだろう。本当の意味を理解するには福島第一原発の隣に県庁を建設し、そこで毎日業務することだ。私は原研材料試験炉の炉心核計算業務を8年間にわたり原子炉建屋隣接の管理棟居室で担当していた。原研安全性試験研究センターの居室から東海第二原発が眼下に見えていた。原子炉のすぐ近くで毎日業務して初めて、人間や技術の信頼性、さらに、組織のメカニズムが理解できるようになる。安全性や危険性も理解できるようになる。みなさんは何も理解できていない。いまの知事の発言に接し、福島県は、首都圏ではなく、東北地方だと痛感した。」 彼らが本当のことを理解できたのは2011年3月11日でした。もっと早く気づくべきでした。彼らは意識が低く、レベルが低い。

その何年後だったか、福島県議会で「プルサーマルについて」と題する講演をしました。講演の途中で、会場の自民党右派議員から、「東大の先生は安全で何の問題もないと言っていた」と、私の講演内容を揶揄するようなヤジがありました。以下はその時の発言要旨(福島県議会は講演記録を保存しているはず)です。この件についても著作集に記しました。「その東大の先生は、JCO臨界事故が起こる前に、日本の安全規制の欠陥や改善すべきことがあると指摘していましたか?何の問題もなく、日本の原子力は、安全だと言っていたのではありませんか?スリーマイルやチェルノブイリや東海村という地名には、特に悪い意味が込められていたわけではありませんでしたが、ある日突然、宿命を背負わされるのです。みなさんが放射能の海に溺れながら、こんなはずではなかったと後悔しても、すでに、遅いのです。」 彼らは、いま、福島の現状をどのように受け止めているのでしょうか?

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年6月3日に日本でレビュー済み
 東日本大震災後の沖縄タイムスによるインタビュー集。

 福島と沖縄は日本という中央(全体)に対してとても似た一面を持っている。その事実を識者の言葉で再認識することができる一冊。結論というものは出ないが読んでおきたい一冊だと思う。

 福島と沖縄から本当の日本が見える。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年10月29日に日本でレビュー済み
図書館本

インタビューという形での編集 インタビューアーは沖縄タイムスの渡辺豪氏
恥ずかしながら存知ない方も数名(清水、広井の両氏)いた。
どこまでも属国根性(内田樹)
「ムラ」の瓦解は早い(小熊英二)
物語の中に答えはない(開沼博)
自治踏みにじる原発(佐藤栄佐久)
神話にすがる日本人(佐野眞一)
カネの切れ目は好機(清水修二)
「なつかしい」未来を求めて(広井良典)
徹底的な破滅から光(辺見庸)

こんな皆さんである。

福島がフクシマになりFukushimaになる。犠牲のシステムとしてのフクシマとオキナワ。
もちろんミナマタやアオモリ(再処理や廃棄物貯蔵)をはじめとする多くのシステムが東京のために存在しているのだろう。犠牲のシステムとは、「犠牲のシステムでは、或る者(たち)の利益が、他のもの(たち)の生活(生命、健康、日常、財産、尊厳、希望等々)を犠牲にして生み出され、維持される。犠牲にする者の利益は、犠牲にされるものの犠牲なしには生み出されないし、維持されない。この犠牲は、通常、隠されているか、共同体(国家、国民、社会、企業等々)にとっての「尊い犠牲」として美化され、正当化されている」(高橋哲哉)

チェック機構が働かないメディアを国策捜査で逮捕された元福島知事の佐藤さんは指摘する。当時最も原発の問題を熟知していた首長を官報複合体で消し去った経緯は他著に詳しいが、沖縄の問題もまた中央メディアがフィルターをかけて報道する現実であると。

環境負荷の転移(多段階転移の構造)(清水氏)
在日米軍基地の本土から沖縄へのリスク転換
東京へ電気を送るための福島原発、使用済み核燃料は青森へ、青森からの最終廃棄物はさらに別の貧しい農村や離島へ
米軍再編交付金と核燃料サイクル交付金の同一性、電源三法交付金をモデルに。
NIMBYシンドローム(Not In My Back Yard, 自分の家の裏にはあって欲しく無い)

辺見
原発の安全神話、米軍の抑止力神話、経済成長神話、皇軍不敗神話、信じている方が悩まなくてよい
沖縄の記者に一言と頼まれ
「常に例外的存在になれ。それが一番の贅沢なんじゃないか。記者という職能の一番の贅沢は、お前は一人しかいないってことだと思う。それに記者は独りだよ、徹底的に。みんなとつるんで、上とも横ともみんなと仲良くやろうとしても無理。考え方も独りで徹底すること。集団に隠れたらもう終わりだよ。集団に隠れないこと」
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 暇な身だけに、新聞等には目を通しTVも見ているほうですが、内田氏や小熊氏等の言われていることは報道では語られなかったことが多いようです。これは沖縄タイムスで2011.12~2012.7まで『「国策を問う」~沖縄と福島の40年~』と題して連載されたものですが、全国紙等東京発の発言・記事に頼らず、現場の声・取材記事にできるだけ目を向け、耳を傾けることが大切なことだと痛感しました。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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