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この国はどこで間違えたのか ~沖縄と福島から見えた日本~ 単行本(ソフトカバー) – 2012/11/21
- 本の長さ309ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2012/11/21
- ISBN-104198635099
- ISBN-13978-4198635091
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商品の説明
著者について
小熊英二/社会学者・大学教授。
開沼博/社会学者・大学院生。
佐藤栄佐久/元福島県知事。
佐野眞一/ノンフィクション作家。
清水修二/経済学者。
広井良典/大学教授。
辺見庸/ジャーナリスト・詩人。
登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2012/11/21)
- 発売日 : 2012/11/21
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 309ページ
- ISBN-10 : 4198635099
- ISBN-13 : 978-4198635091
- Amazon 売れ筋ランキング: - 523,790位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 77位日米安全保障
- - 76,434位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1984年福島県生まれ。東京大学大学院情報学環准教授(2021-)。
他に、
福島県立医科大学非常勤講師(2021-)。
東日本大震災・原子力災害伝承館上級研究員(2020-)。
ふくしまFM番組審議会委員(2017-)。
東日本国際大学客員教授(2016-)。
経済産業省汚染水処理対策委員会多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会委員(2016-)。
楢葉町放射線健康管理委員会副委員長(2015-)。
これまでに、
立命館大学衣笠総合研究機構准教授(2016-2021)。
福島県アーカイブ拠点施設調査研究・研修検討委員会委員(2018-2020)。
京都女子大学非常勤講師(2018)。
福島大学客員研究員(2016-2018)。
Yahoo!基金審査委員(2017-2019)。
Yahoo!基金評議委員(2015-2017)。
経済産業省資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会原子力小委員会委員(2014-2017)。
福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員(2012-2016)。
早稲田大学文化構想学部非常勤講師(2014-2015)。
読売新聞読書委員(2013-2014)。
復興庁東日本大震災生活復興プロジェクト委員(2013-2014)。
福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)ワーキンググループメンバー(2011-2012)。
等を歴任。
東京大学文学部卒。同大学院学際情報学府博士課程単位取得満期退学。専攻は社会学。
著書に『日本の盲点』(PHP研究所)『社会が漂白され尽くす前に: 開沼博対談集』(徳間書店)『はじめての福島学』(イースト・プレス)『漂白される社会』(ダイヤモンド社)『フクシマの正義 「日本の変わらなさ」との闘い』(幻冬舎)『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社)『東電福島原発事故 自己調査報告 深層証言&福島復興提言:2011+10』(徳間書店、編著)『福島第一原発廃炉図鑑』(太田出版、編著)『常磐線中心主義』(河出書房新社、編著)『地方の論理 フクシマから考える日本の未来』(青土社、佐藤栄佐久氏との共著)『「原発避難」論 避難の実像からセカンドタウン、故郷再生まで』(明石書店、編著)など。学術誌の他、新聞・雑誌等にルポ・評論・書評などを執筆。
第65回毎日出版文化賞人文・社会部門。
第32回エネルギーフォーラム賞特別賞。
第6回地域社会学会賞選考委員会特別賞。
第36回エネルギーフォーラム賞優秀賞。
第37回エネルギーフォーラム賞普及啓発賞。
2018Openbook年度好書奨(台湾の大手書評サイト「Openbook」の賞)。
尾崎行雄記念財団咢堂ブックオブザイヤー2021総合部門大賞。
(媒体プロフィール・イベント告知などで略歴が必要な場合は上のプロフィールを、近影が必要な場合は隣の写真をご利用下さい)
ご連絡はhiroshikainuma「アット」gmail.comまでお願い致します。
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1950(昭和25)年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想。ブログ「内田樹の研究室」を拠点に武道(合気道六段)、ユダヤ、教育、アメリカ、中国、メディアなど幅広いテーマを縦横無尽に論じて多くの読者を得ている。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第六回小林秀雄賞受賞、『日本辺境論』(新潮新書)で第三回新書大賞を受賞。二〇一〇年七月より大阪市特別顧問に就任。近著に『沈む日本を愛せますか?』(高橋源一郎との共著、ロッキング・オン)、『もういちど村上春樹にご用心』(アルテスパブリッシング)、『武道的思考』(筑摩選書)、『街場のマンガ論』(小学館)、『おせっかい教育論』(鷲田清一他との共著、140B)、『街場のメディア論』(光文社新書)、『若者よ、マルクスを読もう』(石川康宏との共著、かもがわ出版)などがある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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どういうわけか構成が「第1章」「第2章」ではなく、いきなり名前で飛び込んでくる目次だったので、どこから読んだらいいのか一瞬わからなくなるも、おそらく50音順で掲載しているんだなと思って、頭から読み始める。
私が「なるほど!」と感じたのは、内田樹氏と開沼博氏の項目だった。
内田樹氏。冒頭から「日本をここまでの状態にしてしまったのは自分たちの世代に責任がある」と語る。1950年生まれの内田氏から見ると、72年以降、それまで日本の戦後復興に力を注いできた「明治人」たちがほとんど退場してしまい、自分たちの世代が遺産を食いつぶしてしまったと、内田氏は世代的責任を自ら追及。
内田氏が反体制闘争をあきらめたのは、闘争の敵であった自分たちの父親世代のしたたかさにあった。周囲の「革命戦士」が次々と「産業戦士」になってしまったのは、過激な学生を排除せず取り込んでしまうという懐の大きさがあったからだ。政治家も、財界人も、明治人たちは相当の胆力を備えていた。そういう百戦錬磨の明治人たちを見て、当時の内田氏はエスタブリッシュメントを「悪い奴らだけど任せられる」と考えていた。けれども、今回の原発事故後の政治家たちの対応を見て、内田氏の思いは打ち砕かれてしまった。
正確に言えば大正生まれなのだけど、明治人的な懐の大きさを知らしめるエピソードのひとつとして、田中角栄氏が挙げられている。元革マル派の若者を越山会青年部に入れてしまうという話には驚いた。角栄氏は「革命をやろうとは気骨があってよろしい」と言って、革命戦士を取り込んでしまう。今の政治家・財界人にはできない芸当だ。
「偉い人に任せておけばなんとかなる」という、一般市民のノホホンとした考えを、思考停止という。そうやって沖縄に基地が建設され、原発は稼働し続けてきた(昔はそれでよかったのかもしれないけど)。器量が狭いくせに自己保身だけは周到になった日本のエスタブリッシュメントに対して、私たちは「発言」と「監視」を続けなければならない。
続いて開沼博氏。福島県出身の社会学者である氏のインタビューは、真に迫る当事者の言葉の連続だった。原発事故を「対岸の火事」にしてはいけないという彼の思いが伝わってくる。
「反原発」「脱原発」の声が大きくなるなか、開沼氏の分析は冷静だ。「自然エネルギーは原発と比べて圧倒的に雇用吸収力が小さい」と語る。反対派の表面的な見解だけをすくい取るのではなく、地元が受けてきた「恩恵」ともいうべき部分を現実的な事象を交えてコメントしている。彼が福島県出身者であり、今も福島大学で教鞭をとっている背景を含めて考えると、開沼氏の考えは多角的だ。
また、経済における成長が完全にストップした今、地方が成熟社会を生き抜くための開路について語る部分も興味深い。「威勢よく『地域活性化』ともいわずに、うまく縮小していける方向を探るモデルをたてられるかということも重要」と開沼氏。「過疎化しても幸せ」で「地域活性化しないでもいい」モデルをたてなくてはならないということ。
今、行政や企業の中枢で働いているマネジメント層が1955年から1965年生まれだとすれば、彼らは過剰な競争原理の中で育ってきた世代の人々だ。84年生まれの開沼氏のいう“非・成長社会”の将来像を彼らに描けるだろうか?
小熊英二氏に辺見庸氏など、考えさせられるコメントが多数あるも、あまりに長くなってしまうので割愛。章立てではないので読み手に対して少々不親切な部分があったり、脚注が少なかったりしたが、総じて多くの人に読まれるべき本だと思う。私は東京在住なので地方紙を読むことはほとんどなく、こういう地域メディアにしか載らないものが、全国に広がることに大きな意味を感じる。本の世界も首都圏で売れるものばかりが目立ち、中央集権的になってきているなか、こういう試みに大賛成という意味も含めて、満点の評価をつけた。
思った以上に面白かった
社会学必修
それらが抱える問題点を色んな視点から筆者達が鋭くえぐる。
福島や沖縄の出身じゃ無いから関係ないとあなたは感じるかもしれない。果たしてそうなのか?
福一の稼働、沖縄の返還から、40年が過ぎた。人間で言うなら、立派な社会人でそれなりに
社会的地位もあり、社会に有為な人材として活躍している年齢だが、この二つに限っては、
これまでで最悪の事態を露呈してると感じる。
なぜそうなってしまったのだろう?
なぜ、日本はこうなってしまったのだろう?
この本は、それらを考えるに十分な内容を与えてくれている。
一歩踏み出すのは、他の誰でもない自分自身であることを。
そこに、日本のみならず、世界の未来があることを。
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「この検討会では素人が科学論やエネルギー政策を勉強している。初歩的な勉強のレベルだ。原発から離れた福島市の県庁で業務しているひとたちには原発の本当の怖さの意味が理解できないだろう。本当の意味を理解するには福島第一原発の隣に県庁を建設し、そこで毎日業務することだ。私は原研材料試験炉の炉心核計算業務を8年間にわたり原子炉建屋隣接の管理棟居室で担当していた。原研安全性試験研究センターの居室から東海第二原発が眼下に見えていた。原子炉のすぐ近くで毎日業務して初めて、人間や技術の信頼性、さらに、組織のメカニズムが理解できるようになる。安全性や危険性も理解できるようになる。みなさんは何も理解できていない。いまの知事の発言に接し、福島県は、首都圏ではなく、東北地方だと痛感した。」 彼らが本当のことを理解できたのは2011年3月11日でした。もっと早く気づくべきでした。彼らは意識が低く、レベルが低い。
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その何年後だったか、福島県議会で「プルサーマルについて」と題する講演をしました。講演の途中で、会場の自民党右派議員から、「東大の先生は安全で何の問題もないと言っていた」と、私の講演内容を揶揄するようなヤジがありました。以下はその時の発言要旨(福島県議会は講演記録を保存しているはず)です。この件についても著作集に記しました。「その東大の先生は、JCO臨界事故が起こる前に、日本の安全規制の欠陥や改善すべきことがあると指摘していましたか?何の問題もなく、日本の原子力は、安全だと言っていたのではありませんか?スリーマイルやチェルノブイリや東海村という地名には、特に悪い意味が込められていたわけではありませんでしたが、ある日突然、宿命を背負わされるのです。みなさんが放射能の海に溺れながら、こんなはずではなかったと後悔しても、すでに、遅いのです。」 彼らは、いま、福島の現状をどのように受け止めているのでしょうか?
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福島と沖縄は日本という中央(全体)に対してとても似た一面を持っている。その事実を識者の言葉で再認識することができる一冊。結論というものは出ないが読んでおきたい一冊だと思う。
福島と沖縄から本当の日本が見える。
インタビューという形での編集 インタビューアーは沖縄タイムスの渡辺豪氏
恥ずかしながら存知ない方も数名(清水、広井の両氏)いた。
どこまでも属国根性(内田樹)
「ムラ」の瓦解は早い(小熊英二)
物語の中に答えはない(開沼博)
自治踏みにじる原発(佐藤栄佐久)
神話にすがる日本人(佐野眞一)
カネの切れ目は好機(清水修二)
「なつかしい」未来を求めて(広井良典)
徹底的な破滅から光(辺見庸)
こんな皆さんである。
福島がフクシマになりFukushimaになる。犠牲のシステムとしてのフクシマとオキナワ。
もちろんミナマタやアオモリ(再処理や廃棄物貯蔵)をはじめとする多くのシステムが東京のために存在しているのだろう。犠牲のシステムとは、「犠牲のシステムでは、或る者(たち)の利益が、他のもの(たち)の生活(生命、健康、日常、財産、尊厳、希望等々)を犠牲にして生み出され、維持される。犠牲にする者の利益は、犠牲にされるものの犠牲なしには生み出されないし、維持されない。この犠牲は、通常、隠されているか、共同体(国家、国民、社会、企業等々)にとっての「尊い犠牲」として美化され、正当化されている」(高橋哲哉)
チェック機構が働かないメディアを国策捜査で逮捕された元福島知事の佐藤さんは指摘する。当時最も原発の問題を熟知していた首長を官報複合体で消し去った経緯は他著に詳しいが、沖縄の問題もまた中央メディアがフィルターをかけて報道する現実であると。
環境負荷の転移(多段階転移の構造)(清水氏)
在日米軍基地の本土から沖縄へのリスク転換
東京へ電気を送るための福島原発、使用済み核燃料は青森へ、青森からの最終廃棄物はさらに別の貧しい農村や離島へ
米軍再編交付金と核燃料サイクル交付金の同一性、電源三法交付金をモデルに。
NIMBYシンドローム(Not In My Back Yard, 自分の家の裏にはあって欲しく無い)
辺見
原発の安全神話、米軍の抑止力神話、経済成長神話、皇軍不敗神話、信じている方が悩まなくてよい
沖縄の記者に一言と頼まれ
「常に例外的存在になれ。それが一番の贅沢なんじゃないか。記者という職能の一番の贅沢は、お前は一人しかいないってことだと思う。それに記者は独りだよ、徹底的に。みんなとつるんで、上とも横ともみんなと仲良くやろうとしても無理。考え方も独りで徹底すること。集団に隠れたらもう終わりだよ。集団に隠れないこと」