子供を(いや実は人間の成長を)書かせたら、この人に
勝る人はいない。
この作品は、エンダーのゲームというヒュウゴ・ネビュラ賞という
SF大賞のダブルクラウンに輝いた作品の、姉妹編。
カートさんといったらエンダーシリーズだが、その最初の作品
の主人公エンダーの側にいた少年の視点から描かれた小説です。
卑近な例では、冷静と情熱のあいだみたいな、視点の違いによる
作品ですね。作者は「視差小説」と読んでいます。
とはいっても、エンダー人気にあやかった二番煎じ作品なんか
ではありません。
このビーンという少年は、実はエンダーよりもはるかに優秀な
超天才少年だったことが明かされます。実は、バガー戦役の
最終総司令官候補は、ビーンとエンダーが争っていて、エンダー
はそれを知らなかったけれども、ビーンは、教官たちを出し抜いて
あらゆることを推理と行動で突き止めてしまいます。
・・・・こう書いたらエンダーファンは、「えっ!」て思う
でしょう。いやー絶対お勧めです。
なによりも、エンダーとは異なる形での「リーダーとは何か?」
という倫理的な問題で苦悩するビーンの姿は、すばらしい。
誰より優秀な頭脳を与えられたビーンが、そのずば抜けた悪魔的な
力を、「どのように使うべきなのか?」を悩みます。
彼は優れすぎているので、別に他人に共感する気は毛頭ありません。
力あるものが、力をどう使うべきか?というカートさんらしい
倫理的な問題設定が、とても気持ちよかったです。
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エンダーズ・シャドウ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 2013/11/30
- 本の長さ372ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2013/11/30
- ISBN-104150113300
- ISBN-13978-4150113308
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
エンダーの戦いを、その影の存在であるビーンの視点で描く『エンダーのゲーム』姉妹篇。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2013/11/30)
- 発売日 : 2013/11/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 372ページ
- ISBN-10 : 4150113300
- ISBN-13 : 978-4150113308
- Amazon 売れ筋ランキング: - 805,079位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2000年11月15日に日本でレビュー済み
がこの本絶対興味あるとおもうけど、まだ "Ender's Game" を読んでない人にはこの本の意味が分かりにくいとおもいます。 Orson Scott Cardのエンダーズのシリーズが面白くて、人間関係について考えさせるけど、最初のエンダーズを読まないと、この本が面白くないとおもいます。 ただ、この本がわるいじゃなくて、 Ender's Gameのほうが分かりやすいし、もっとその世界を詳しく説明するから、 それ読んでください。 Ender's Gameを読んだら、Ender's Shadowが楽しい。 Bean - Ender's Shadowのmain character - の考え方とかものすごく面白い。 Ender's GameでBeanの性格あまり出ていなかったけど、Ender's ShadowでBeanが天才と分かってきます。 Cardが興味ある人には、Ender's Gameを最初読んでこの本を読んでください。
2014年1月26日に日本でレビュー済み
「エンダーのゲーム」での脇役だったビーン。
未来の指揮官を育て上げるために設立されたバトルスクール。
本書第一部では,そこに入校するまでの,ビーンの生きるか死ぬかの過酷なストリートチルドレン時代が描かれており,そのパートが非常に面白い。
4歳にして生き残るために必要なことが何かを知るビーンには,そもそも名前すらなかった。生き残るために仲間を作る必要を感じ,同じストリートキッドであるポークに近づき,彼女から豆一粒の価値もない小さな子どもだという理由でビーンと呼ばれるようになる。
その後,徴兵係シスターカーロッタにその才能を見いだされ,バトルスクールに入校することになりますが,ここからのパートを読むことで「エンダーのゲーム」をより深く理解することができます。
ビーンは,身体の小ささからエンダー同様上級生たちの攻撃の対象にされるが,ビーンには何をどうすればいいのか分かっている。
「なにごとによらず,感情的になるのは無意味だ。大切なのはすべてを知識として蓄え,状況を分析し,行動の方針を決めて,しかるのち大胆に動くことだ。知識,分析,選択,そして実行。」
ビーンが入校した際には,エンダーはすでにバトルスクール内での有名人になっており,いつエンダーとビーンが出会うのかと初めての対面シーンをワクワクしながら読み進めても,上巻のラスト数ページに至るまで,二人が直接会うことはありません。実に巧い引っ張り方です。
ビーンはエンダー以上の成績をとるほど頭脳優秀で,物事を分析し,その裏にある真実を推測することができることから,逆にバトルスクールの大人たちから警戒されています。
エンダーでさえ最後まで気づかなかったゲームの本当の意味さえ,ビーンは気づいてしまうのです。
なぜ子どもでなければならないのか。なぜゲームなのかを。
本書のラストはとてもいい。
著者の文体は読みやすく,芯が通った著者の考え方がしっかり文章に表れており,単なるSF小説の域を超える奥のある作品となっています。
それだけに続編の「シャドウ・オブ・ヘゲモン」等が絶版になっていることが残念でならない。
エンダーのゲームの続編「死者の代弁者」も同様プレミア価格となりとても手が出ない状況です。
ハヤカワ文庫さん,エンダーのゲームが映画化された今こそシリーズを復刊させる時です。
2015年5月追記
ついに死者の代弁者が新訳で再刊されました。
こちらも傑作です!
未来の指揮官を育て上げるために設立されたバトルスクール。
本書第一部では,そこに入校するまでの,ビーンの生きるか死ぬかの過酷なストリートチルドレン時代が描かれており,そのパートが非常に面白い。
4歳にして生き残るために必要なことが何かを知るビーンには,そもそも名前すらなかった。生き残るために仲間を作る必要を感じ,同じストリートキッドであるポークに近づき,彼女から豆一粒の価値もない小さな子どもだという理由でビーンと呼ばれるようになる。
その後,徴兵係シスターカーロッタにその才能を見いだされ,バトルスクールに入校することになりますが,ここからのパートを読むことで「エンダーのゲーム」をより深く理解することができます。
ビーンは,身体の小ささからエンダー同様上級生たちの攻撃の対象にされるが,ビーンには何をどうすればいいのか分かっている。
「なにごとによらず,感情的になるのは無意味だ。大切なのはすべてを知識として蓄え,状況を分析し,行動の方針を決めて,しかるのち大胆に動くことだ。知識,分析,選択,そして実行。」
ビーンが入校した際には,エンダーはすでにバトルスクール内での有名人になっており,いつエンダーとビーンが出会うのかと初めての対面シーンをワクワクしながら読み進めても,上巻のラスト数ページに至るまで,二人が直接会うことはありません。実に巧い引っ張り方です。
ビーンはエンダー以上の成績をとるほど頭脳優秀で,物事を分析し,その裏にある真実を推測することができることから,逆にバトルスクールの大人たちから警戒されています。
エンダーでさえ最後まで気づかなかったゲームの本当の意味さえ,ビーンは気づいてしまうのです。
なぜ子どもでなければならないのか。なぜゲームなのかを。
本書のラストはとてもいい。
著者の文体は読みやすく,芯が通った著者の考え方がしっかり文章に表れており,単なるSF小説の域を超える奥のある作品となっています。
それだけに続編の「シャドウ・オブ・ヘゲモン」等が絶版になっていることが残念でならない。
エンダーのゲームの続編「死者の代弁者」も同様プレミア価格となりとても手が出ない状況です。
ハヤカワ文庫さん,エンダーのゲームが映画化された今こそシリーズを復刊させる時です。
2015年5月追記
ついに死者の代弁者が新訳で再刊されました。
こちらも傑作です!
2015年6月14日に日本でレビュー済み
「エンダーのゲーム」については言うまでもない傑作SFですが、その真実はここに語られています。
詳しいことを書くと、他の方のレビューと合わせてネタバレしますので、強い推薦お言葉だけ残します。
勘違いされないように、大人の方にも強いメッセージを残すこと請け合いいます。
広い年齢層に向けた普遍的な傑作です。
詳しいことを書くと、他の方のレビューと合わせてネタバレしますので、強い推薦お言葉だけ残します。
勘違いされないように、大人の方にも強いメッセージを残すこと請け合いいます。
広い年齢層に向けた普遍的な傑作です。
2002年4月24日に日本でレビュー済み
「エンダーのゲーム」の姉妹編.エンダーのバトル・スクール時代の副官であった孤児ビーンの出生から帰郷までを,「ゲーム」の出来事と絡めてビーンの視点から綴った異色作.ビーンがバトル・スクールに至るまでの道程にかなりのページが割かれている.スクールでの活躍の合間に,ビーンを見出した修道女が彼の生い立ちを探り当て,ついに彼が超人類であることまでも突き止める過程がミステリー味を加えている.「ゲーム」では脇役のビーンが実はエンダーに匹敵する活躍をしていた,という打ち明け話的な作品.エンダーがひたすら善良であるがために苦悩するのに対して,超人ビーンはそれほど悩まないので感情移入しにくいが,作品としてはそつなく面白く仕上がっている.
2002年10月8日に日本でレビュー済み
米国在住暦20年につき、この本も含めて欧米の作家によるものは原書で読みます。完璧なネイティブではありませんが、サイエンス・フィクション暦25年、大の本好きです。SF大好き、英語も上達したい、という方がいらしたら、原書と翻訳本との併読などを通じて是非スコットカード氏の文章を参照されることをお勧めします。
氏は Characters and Viewpoint (Elements of Fiction Writing) や How to write Science Fiction & Fantasy の文章読本の類も著しており、自他ともに認める名文家。エンダー・シリーズでも、下手な作家が書くと過度にセンチメンタルになりそうな場面を、短い文章で抑えて、これがまた堪らなくいいんですよね。
氏は Characters and Viewpoint (Elements of Fiction Writing) や How to write Science Fiction & Fantasy の文章読本の類も著しており、自他ともに認める名文家。エンダー・シリーズでも、下手な作家が書くと過度にセンチメンタルになりそうな場面を、短い文章で抑えて、これがまた堪らなくいいんですよね。
2017年12月23日に日本でレビュー済み
仕方ないけど結末知ってる分、わくわく感に欠ける。知らない人は読まないだろうし。
2000年12月28日に日本でレビュー済み
Children of Mind(日本語訳は近刊)で一度は完結したかに見えたシリーズだったが、著者は新たな金鉱を掘り当てたようだ。前作エンダーのゲームを別の視点から描いたこの作品は、掛け値なしにおもしろい!! 超天才ビーンが今後どんな活躍をしていくのか楽しみだ。 既に続編Shadow of the Hegemonも書かれている。バガー戦役後の世界は動乱と陰謀に満ちていて、わくわくさせられそうだ。