『四神の旗』『北辰の門』を先に読んでしまった
『比ぶ者なき』の続きだった。
この三部作の中では断トツに面白い。
全編通して共通する主題は、藤原家を天皇家に並ぶ不動の地位を得ると言う野望、その為にたっぷり時間を掛けて策謀の限りを尽くす。悲願は自らの死後にまで及ぶ執念。
面白いのは、万世一系の天皇制を築くために『記紀』を編纂した事と、聖徳太子を捏造して蘇我馬子の功績を薄めると言う大胆な謀略が、巧みに織り込まれていて、物語に深みを与えていて、その自由な発想が面白い。
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比ぶ者なき (中公文庫 は 61-3) 文庫 – 2020/3/19
馳 星周
(著)
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時は七世紀末。先の大王から疎まれ、不遇の時を過ごした藤原不比等。彼の胸には、畏しき野望が秘められていた。それは、「日本書紀」という名の神話を創り上げ、天皇を神にすること。そして自らも神となることで、藤原家に永遠の繁栄をもたらすことであった。万世一系、天孫降臨、聖徳太子――すべてはこの男がつくり出した。古代史に隠された闇を抉り出す、著者初の歴史小説にして会心作!
- 本の長さ592ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2020/3/19
- 寸法10.8 x 2.4 x 15.2 cm
- ISBN-104122068576
- ISBN-13978-4122068575
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商品の説明
著者について
馳星周
一九六五年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。九六年『不夜城』で小説家デビュー。同作品で第一八回吉川英治文学新人賞、九八年『鎮魂歌――不夜城II』で第五一回日本推理作家協会賞、九九年に『漂流街』で第一回大藪春彦賞を受賞。近著に『殺しの許可証 アンタッチャブル2』『ゴールデン街コーリング』『パーフェクトワールド』がある。
一九六五年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。九六年『不夜城』で小説家デビュー。同作品で第一八回吉川英治文学新人賞、九八年『鎮魂歌――不夜城II』で第五一回日本推理作家協会賞、九九年に『漂流街』で第一回大藪春彦賞を受賞。近著に『殺しの許可証 アンタッチャブル2』『ゴールデン街コーリング』『パーフェクトワールド』がある。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2020/3/19)
- 発売日 : 2020/3/19
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 592ページ
- ISBN-10 : 4122068576
- ISBN-13 : 978-4122068575
- 寸法 : 10.8 x 2.4 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 90,346位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒。96年デビュー作『不夜城』で第18回吉川英治文学新人賞、98年『鎮魂歌』で第51回日本推理作家協会賞、99年『漂流街』で第1回大藪春彦賞受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 約束の地で (ISBN-13: 978-4087465662 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても面白く、一気に読みました。歴史小説としては、珍しい時代のもので、新しい感覚の中、なんとなく現代の権力構想に通じている感じが面白かった。
2021年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
巻頭の系図があるが、この時代の人物の名前がなかなか覚えられないので
ルビを入れて欲しがった。
ルビを入れて欲しがった。
2017年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作はノワールと歴史ものを組み合わせた異種格闘技小説だ。
現代の政治家の黒幕の元祖ともいわれる藤原不比等を主人公に据えたのもノワールの旗手、馳星周
としての歴史小説デビューの幕開けにこれほどふさわしいものはない。
元正天皇は女系天皇でもあるのではないかという疑問も誰か読者に納得がいくような説を立てて
くれないのだろうかと満を持していたが全くジャンルの違うあの馳星周が”万世一系”や“天孫降臨”
という日本神話の核心を突き堂々たる古代史ピカレスク小説に創り上げるとは思いもよらなかった。
同作の白眉は昨年一大テーマになった生前退位問題の後に書き始めたのではなくその前に書き
終えていたことだ。
そして着眼点の慧眼さは昨年の今上天皇生前退位議論をまるで予測したかのように参考文献に
「聖徳太子は実在しない」との論説を張った大山誠一著作『天孫降臨の夢―藤原不比等のプロ
ジェクト』(仮説が大きな反響を呼んだ)を選択したことだ。
逆説的に言えば天皇制度の矛盾が同作を生み出したということにもなる。
誰にも気づかれない藤原家からの皇室の乗っ取りという不順な動機とはいえ表向きには古の
しきたりを変え新しき世を創りそして結果的には皇族以外の皇后(藤原家の女性限定)の輩出
という一見民主的な改革を成功させているし光明皇后と比較されることもある明治以降初めての
民間出身である美智子皇后の輩出にもつながっただろうことも意味づけている。
だがそれが現在、当時の天皇が皇位継承を兄弟継承からを父子直系の継承に切り替えるために
祖母から孫への譲位と共同統治を正当化する合わせ技を使ったことで逆に”万世一系”という概念が
あそこまで鎮座して現在の天皇の基本的人権や女系天皇を阻む結果になっていることを馳星周が
匂わせている。
「三代の女帝に仕えて身体に染み込んだのは男の方が御しやすいということだった」と同作の不比等
に言わせているがそれも”万世一系”が続く一因だという二重のねじれをも馳星周は物語っている。
まさか12~13世紀後に民主主義制度が生まれるとは不比等でも予測できまいということも。
同作は不比等の死で幕を下ろすが、歴史的暗示を示す末尾を見ても “乞うご期待”と言っている
ようなもので続編を期待しないわけにはいかない。藤原四兄弟や長屋王、三千代や安宿媛
(光明皇后)のその後を馳星周が今後どのように色付けるかが楽しみだ。
これから同作を読まれる方には里中満智子作『天上の虹』、『長屋王残照記』だけでなく三代の
女帝が持つ蘇我側の視点で描かれた永井路子作『美貌の女帝』を併せて読むことをもお勧めする。
現代の政治家の黒幕の元祖ともいわれる藤原不比等を主人公に据えたのもノワールの旗手、馳星周
としての歴史小説デビューの幕開けにこれほどふさわしいものはない。
元正天皇は女系天皇でもあるのではないかという疑問も誰か読者に納得がいくような説を立てて
くれないのだろうかと満を持していたが全くジャンルの違うあの馳星周が”万世一系”や“天孫降臨”
という日本神話の核心を突き堂々たる古代史ピカレスク小説に創り上げるとは思いもよらなかった。
同作の白眉は昨年一大テーマになった生前退位問題の後に書き始めたのではなくその前に書き
終えていたことだ。
そして着眼点の慧眼さは昨年の今上天皇生前退位議論をまるで予測したかのように参考文献に
「聖徳太子は実在しない」との論説を張った大山誠一著作『天孫降臨の夢―藤原不比等のプロ
ジェクト』(仮説が大きな反響を呼んだ)を選択したことだ。
逆説的に言えば天皇制度の矛盾が同作を生み出したということにもなる。
誰にも気づかれない藤原家からの皇室の乗っ取りという不順な動機とはいえ表向きには古の
しきたりを変え新しき世を創りそして結果的には皇族以外の皇后(藤原家の女性限定)の輩出
という一見民主的な改革を成功させているし光明皇后と比較されることもある明治以降初めての
民間出身である美智子皇后の輩出にもつながっただろうことも意味づけている。
だがそれが現在、当時の天皇が皇位継承を兄弟継承からを父子直系の継承に切り替えるために
祖母から孫への譲位と共同統治を正当化する合わせ技を使ったことで逆に”万世一系”という概念が
あそこまで鎮座して現在の天皇の基本的人権や女系天皇を阻む結果になっていることを馳星周が
匂わせている。
「三代の女帝に仕えて身体に染み込んだのは男の方が御しやすいということだった」と同作の不比等
に言わせているがそれも”万世一系”が続く一因だという二重のねじれをも馳星周は物語っている。
まさか12~13世紀後に民主主義制度が生まれるとは不比等でも予測できまいということも。
同作は不比等の死で幕を下ろすが、歴史的暗示を示す末尾を見ても “乞うご期待”と言っている
ようなもので続編を期待しないわけにはいかない。藤原四兄弟や長屋王、三千代や安宿媛
(光明皇后)のその後を馳星周が今後どのように色付けるかが楽しみだ。
これから同作を読まれる方には里中満智子作『天上の虹』、『長屋王残照記』だけでなく三代の
女帝が持つ蘇我側の視点で描かれた永井路子作『美貌の女帝』を併せて読むことをもお勧めする。
2024年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今まであまり出会ったことのない時代がテーマで面白かった。できれば雄略天皇、蘇我馬子などもテーマとして掘り下げて欲しい。
2021年4月30日に日本でレビュー済み
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不夜城の作者が歴史小説を、しかもこの時代を取り上げたことに驚きました。
内容も読みやすく、これは面白いです。
内容も読みやすく、これは面白いです。
2021年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
史実に基づいたストーリー展開になっているので、歴史の流れを理解するのに役立つだけでなく、読み進める内に古代社会に現実味が感じられるようになって面白い。藤原氏の成り立ちは、きっとこうだったのだろうと思わされる。勉強にも娯楽にもなる、お勧めの一冊です。
2024年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
藤原不比等ならびに藤原一族台頭のヒストリーであり、実に面白かった。女人であるも類い稀なる政治家としての資質を持つ「持統天皇」と、とてつもない野心(天皇家から政を乗っ取ること)を抱き、権謀術数に長けた「藤原不比等」との駆け引きである。持統天皇は持ち前の洞察力で、不比等の企みを見抜き、不比等を危険視していたが、孫の軽皇子(後の文武天皇)を天皇にするために不比等を重用した。不比等は、持統天皇の期待に応えて、軽皇子を天皇に押し上げる仕事をやり遂げるとともに、その機会を活かして「軽皇子」に自分の娘「宮子」を嫁がせて絶大なる力を得た(その二人の間にできた子が首皇子(後の聖武天皇))。持統天皇は策をめぐらせて、不比等に権力が集中しないよう努めるも、不比等は軽皇子のほか多くの者を味方につけ、敵対する者を排斥し、絶大なる権力を掌握した。持統天皇は後悔と不安を残しながらも老いて死んでいく。馳星周先生は、この辺りの心の葛藤を見事に描写している。これまで、馳先生の書いた小説では「不夜城」がもっともススリングで面白かった。このたびは、「不夜城」等で描かれていた「バイオレンスや残酷さ(=馳カラー)」を封じつつも、「ロワール(=馳カラー=持統天皇や藤原不比等の心の闇)」を感じさせてくれた。高評価の一冊だと思う。