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文学は予言する (新潮選書) 単行本(ソフトカバー) – 2022/12/21

4.1 5つ星のうち4.1 28個の評価

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NHK「100分deフェミニズム」(2023年1月2日放送)に著者出演!

小説から見通す世界の「未来」とは――圧倒的な文学案内

トランプ政権誕生で再びブームとなったディストピア小説、
ギリシャ神話から18世紀の「少女小説」まで共通する性加害の構造、
英語一強主義を揺るがす最新の翻訳論――
カズオ・イシグロ、アトウッドから村田沙耶香、多和田葉子まで、危機の時代を映し出す世界文学の最前線を、数々の名作を手がける翻訳家が読み解く。

「次に読みたい小説」が見つかる、“最新の世界文学地図”

〔本書で紹介するおもな作家とキーワード〕

「ディストピア」……マーガレット・アトウッド、村田沙耶香、小川洋子、J.M.クッツェー、カズオ・イシグロ etc.
(メリトクラシー、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、ポストヒューマニズム、キャンセル・カルチャー)

「ウーマンフッド」……ヴァージニア・ウルフ、桐野夏生、川上未映子 etc.
(精神的吸血、シスターフッド、ルッキズム、ケア労働)

「他者」……アマンダ・ゴーマン、多和田葉子、奥泉光 etc.
(当事者表象、スポークンワード、英語帝国主義、生まれつき翻訳小説、アテンション・エコノミー)


【目次】

はじめに

第一章 ディストピア
1 抑圧された世界――ディストピア小説のいま
2 『侍女の物語』の描く危機は三十五年かけて発見された
3 大きな読みの転換――『侍女の物語』と『密やかな結晶』
4 拡張する「人間」の先に――ポストヒューマニズムとAI小説
5 成功物語の限界――メリトクラシー(能力成果主義)という暗黒郷
6 もはやリアリズムとなったディストピア

第二章 ウーマンフッド
1 舌を抜かれる女たち
2 男性の名声の陰で
3 シスターフッドのいま
4 雄々しい少女たちの冒険
5 からだとケア労働
6 文学における女性たちの声

第三章 他者
1 原作者と翻訳者の無視できないパワーバランス
2 パンデミックの世界に響く詩の言葉
3 リーダーの雄弁術
4 盛りあがる古典の語り直し
5 ますます翻訳される世界――異言語と他者性のいま
6 多言語の谷間に――多和田葉子
7 日本語の来た道――奥泉光
8 小説、この最も甚だしい錯覚
9 アテンション・エコノミーからの脱却――それは他者と出会うこと

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謎とき『風と共に去りぬ』 矛盾と葛藤にみちた世界文学 文学は予言する
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
37
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28
価格 ¥1,430 ¥1,760
【新潮選書】鴻巣友季子 作品 これは恋愛小説ではない。高度な文体戦略を駆使した壮大な矛盾のかたまりを、作者の人生も重ねて読み解けば、現代をも照射する新たな世界が見えてくる。 「未来」は小説に書かれていた。トランプ政治、性加害、英語一強の終焉――アトウッドから村田沙耶香まで、文学から世界を読み解く。

商品の説明

著者について

鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ)
1963年東京生まれ。翻訳家、文芸評論家。訳書にJ・M・クッツェー『恥辱』(ハヤカワepi文庫)、M・アトウッド『誓願』(早川書房)、A・ゴーマン『わたしたちの登る丘』(文春文庫)等多数。E・ブロンテ『嵐が丘』(新潮文庫)、M・ミッチェル『風と共に去りぬ』(全5巻、同)、V・ウルフ『灯台へ』(『世界文学全集 2-01』収録、河出書房新社)等の古典新訳も手がける。著書に『明治大正 翻訳ワンダーランド』(新潮新書)、『翻訳教室』(ちくま文庫)、『謎とき『風と共に去りぬ』』(新潮選書)、『翻訳、一期一会』(左右社)等多数。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2022/12/21)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2022/12/21
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 304ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4106038935
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4106038938
  • 寸法 ‏ : ‎ 19.1 x 12.8 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 28個の評価

著者について

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鴻巣 友季子
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村上春樹以外にも、日本人のノーベル文学賞受賞候補が出てきている
5 星
村上春樹以外にも、日本人のノーベル文学賞受賞候補が出てきている
『文学は予言する』(鴻巣友季子著、新潮選書)で、個人的にとりわけ興味深いのは、ノーベル文学賞受賞候補の日本人について論じられた部分です。「村上春樹のノーベル文学賞受賞は、今のところ実現していないが、そうこうするうちに、次のノーベル文学賞候補が日本人作家のなかから出てきている。ひとりは、小川洋子だ。『密やかな結晶』の英訳The Memory Policeが、2019年の『全米図書賞翻訳文学部門』、2020年の『ブッカー国際賞』の最終候補となり、さらに2020年の『アメリカン・ブック・アウォード』にも選ばれた」。「もう一人の候補者といえば、ドイツ在住の多和田葉子だ。ゲーテメダルを受勲、ドイツの権威あるクライスト賞なども受けているが、2018年には、原発事故を風刺したディストピア小説『献灯使』の英訳版で全米図書賞翻訳文学部門を受賞した。多和田一流のダジャレや言葉遊びや風刺をよく英語に訳せたものだと、(訳者の)満谷氏への称賛もひきもきらない」。「つぎに紹介したいのは、小川洋子、多和田葉子のダブル・ヨウコよりさらに若い世代の作家、とくに女性の小説家たちの活躍だ。一人目は、『コンビニ人間』、『地球星人』、『生命人』などが英米で高評価されている村田沙耶香である」。「このように海外文芸イベントに登壇し、ベストブックスに選出されているのは、村田沙耶香だけではない。たとえば、2020年に英語圏デビューをしたのは、川上未映子だ。非配偶者間人工授精(AID)をテーマにした600ページの大作『夏物語』の英語版Breasts and Eggsには、『タイム』紙、『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストリスト入りもさることながら、読者からも熱狂的な反響があるという」。「小川、多和田の作品がディストピア文学的な潮流のなかで注目されているとしたら、村田沙耶香や川上未映子の小説の注目点は、いままで英語圏読者があまり知らなかった日本の下層社会の存在や、妊娠出産にまつわる選択の困難と生きづらさが、まざまざと描かれていることだろう。とくに女性の就職、結婚、出産というルートを想定する固定観念に、深い疑問を投げかけているところにも普遍的な関心が寄せられているのではないだろうか」。いつものことながら、鴻巣友季子の鋭い考察には目から鱗が落ちます。
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年3月20日に日本でレビュー済み
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1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年4月13日に日本でレビュー済み
本書を読むと、この本の情報量なり著者の知識量なりにはそれなりに圧倒されるものがあります。また、翻訳家だとばかり思っていた著者がすっかり批評家として活躍していることに驚きもしています。まあ、ついでにいえば、いまは文芸誌などをチラッと見ても、小説家であれ批評家であれ、男性よりも女性のほうが多いのではないかと思えるぐらいですが。
 なお著者は本書後書きで、自分は「本質的な部分ではやはり翻訳者」であり「そうありたいとも思っている」と書きしるしています。

 本書は、著者が雑誌や新聞などに発表した既出の文章を再構成してできた本のようで、大きく三章から成りたっています。
 ディストピア、ウーマンフッド、他者という大テーマでくくられたそれぞれの章では、そこにさらにメリトクラシー、ケア、ネガティヴ・ケイパビリティ、遅効性、アテンション・エコノミーなどの補助ワードを追加しつつ、古代から現代の文学まで、日本から世界の文学までがつねに参照されながら、そのうえで、これが最新の文学動向だとばかりにアトウッドやイシグロ、村田沙耶香や多和田葉子など当代の作品が提起する問題が論じられています。

 というか、少し皮肉っぽくいえば、上の大テーマや補助ワードをもとに古代から現代までの文学、そしてまた日本の文学から世界の文学までをスキャニングあるいはむしろザッピングしたら、結果こうなりましたというようなただただ固有名なり書物名なりの膨大な羅列という感じもあります。

 著者がよく勉強し、よく調べていることは分かるし、現代の小説を読んだうえで批評家として著者なりに訴えたいテーマがあるのもよく分かりますが、なのにテーマの深い掘り下げよりも、論の展開のうえで関連作品があれこれいちいち列挙され、そこをあっちにこっちにと忙しく飛びまわり、そのため読んでいてこちらの頭のなかで問題の整理が追いつかないところがあります。
 まあ、こちらがすでに時代に遅れ、時代から取り残されているからかもしれませんが、著者が、荒野で呼ばわる予言者ふうに(本書のタイトルは『文学は予言する』)何やら力をこめて重大そうに語る、時代の先端を行くのかもしれないあれやこれやの最新の問題やテーマがほとんどピンと来なかったというのもありますが。
 逆にいうと、そういう最新の問題やテーマがからんだ文学、それも古代から現代までの文学、そしてまた日本の文学から世界の文学までをざっと知りたいという人には本書はお薦めということになります。

 ともあれ、本書はどちらかといえばジャーナリスティックな文章で成りたっていて、文学とそれにかかわる最新の、というかいかにも当世風の問題を取りあげつつ、しかしその表層をただただつぎからつぎへと軽くかいなでていくだけのものにしか見えないところが評者にはあります。
 できうべくんば、訴えたいテーマについて、論じる対象の範囲をより絞り、博引旁証の顕示ないし衒示は抑えつつ、ひとつひとつもっと腰をすえ、じっくり深く丁寧に論じていただきたかった。
 まあでも、著者自身は、自分が「本質的な部分ではやはり翻訳者」であることを意識しつつ、その上で時代や最新流行に敏感な文芸ジャーナリストのような方向をめざしているのかもしれませんが。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昨年12月刊行以来ちょっと気になっていた本書を、私も読んでみた。とっても面白かった。この場合の「面白い」は、勿論"amusing"ではなく"interesting"のほうである。著者は英米文学を主とした翻訳家&文芸評論家。最近私はクッツェーの小説やアマンダ・ゴーマンの詩を彼女の翻訳で読んできたが、本書で展開される日本・世界文学の近年の潮流や「過去の歴史や古典作品の読み直し・捉え直し」の動きは、フェミニズム運動の隆盛とそれへの反動・先進国での予期せぬディストピア的状況の到来・多様性や他者受容の高まりなど、現実社会と文藝作品が様々に交錯し、時に「文学が現実を予言する」姿が具体的な日本・世界の諸作品の紹介と繋がっていて、「文学というものが存在する意味・意義」を改めて認識させられる。
私はここで特に重点的に紹介されているマーガレット・アトウッドも、ドイツで活動する日本人作家:多和田葉子も読んだことがないので、まずはそこから読んでみようと思う。
私が特に印象的だったのは、ラストで述べられる「文学の言葉の遅効性」と「シンパシー(共感)よりエンパシー(感情洞察)の重要さ」。ネット社会~特にSNSでの「言葉の即効性」追求と「分かる~!」「いいね!」の連発で流されていく、あるいは浪費されていく「軽い、あるいは薄い言葉」とは違う次元での、「深く染み込んでいくような内実性ある言葉」が、今の時代にはもっともっと必要なんだろう。そして「ネガティヴ・ケイパビリティ(消極的受容力)」~簡単に答えの出ない状況に耐えうるチカラ。今の複雑な世界状況の中ではとても大切なこと。それは、自らの立ち位置を明確にせず常に世の中を斜め上から見て嘲笑う「冷笑系」とは全く違う、真摯な態度である。
この著作は、昨年7月に出された斉藤真理子「韓国文学の中心にあるもの」が格好の「韓国現代文学ガイド」にもなっているように、日本や世界文学を現代の視点でどう捉え読んでいけばいいかの絶妙なガイダンスにもなっているように思う。この2冊の「指南書」~これからも大いに参考にしていきたい。
22人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年5月7日に日本でレビュー済み
『文学は予言する』(鴻巣友季子著、新潮選書)で、個人的にとりわけ興味深いのは、ノーベル文学賞受賞候補の日本人について論じられた部分です。

「村上春樹のノーベル文学賞受賞は、今のところ実現していないが、そうこうするうちに、次のノーベル文学賞候補が日本人作家のなかから出てきている。ひとりは、小川洋子だ。『密やかな結晶』の英訳The Memory Policeが、2019年の『全米図書賞翻訳文学部門』、2020年の『ブッカー国際賞』の最終候補となり、さらに2020年の『アメリカン・ブック・アウォード』にも選ばれた」。

「もう一人の候補者といえば、ドイツ在住の多和田葉子だ。ゲーテメダルを受勲、ドイツの権威あるクライスト賞なども受けているが、2018年には、原発事故を風刺したディストピア小説『献灯使』の英訳版で全米図書賞翻訳文学部門を受賞した。多和田一流のダジャレや言葉遊びや風刺をよく英語に訳せたものだと、(訳者の)満谷氏への称賛もひきもきらない」。

「つぎに紹介したいのは、小川洋子、多和田葉子のダブル・ヨウコよりさらに若い世代の作家、とくに女性の小説家たちの活躍だ。一人目は、『コンビニ人間』、『地球星人』、『生命人』などが英米で高評価されている村田沙耶香である」。

「このように海外文芸イベントに登壇し、ベストブックスに選出されているのは、村田沙耶香だけではない。たとえば、2020年に英語圏デビューをしたのは、川上未映子だ。非配偶者間人工授精(AID)をテーマにした600ページの大作『夏物語』の英語版Breasts and Eggsには、『タイム』紙、『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストリスト入りもさることながら、読者からも熱狂的な反響があるという」。

「小川、多和田の作品がディストピア文学的な潮流のなかで注目されているとしたら、村田沙耶香や川上未映子の小説の注目点は、いままで英語圏読者があまり知らなかった日本の下層社会の存在や、妊娠出産にまつわる選択の困難と生きづらさが、まざまざと描かれていることだろう。とくに女性の就職、結婚、出産というルートを想定する固定観念に、深い疑問を投げかけているところにも普遍的な関心が寄せられているのではないだろうか」。

いつものことながら、鴻巣友季子の鋭い考察には目から鱗が落ちます。
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5つ星のうち5.0 村上春樹以外にも、日本人のノーベル文学賞受賞候補が出てきている
2023年5月7日に日本でレビュー済み
『文学は予言する』(鴻巣友季子著、新潮選書)で、個人的にとりわけ興味深いのは、ノーベル文学賞受賞候補の日本人について論じられた部分です。

「村上春樹のノーベル文学賞受賞は、今のところ実現していないが、そうこうするうちに、次のノーベル文学賞候補が日本人作家のなかから出てきている。ひとりは、小川洋子だ。『密やかな結晶』の英訳The Memory Policeが、2019年の『全米図書賞翻訳文学部門』、2020年の『ブッカー国際賞』の最終候補となり、さらに2020年の『アメリカン・ブック・アウォード』にも選ばれた」。

「もう一人の候補者といえば、ドイツ在住の多和田葉子だ。ゲーテメダルを受勲、ドイツの権威あるクライスト賞なども受けているが、2018年には、原発事故を風刺したディストピア小説『献灯使』の英訳版で全米図書賞翻訳文学部門を受賞した。多和田一流のダジャレや言葉遊びや風刺をよく英語に訳せたものだと、(訳者の)満谷氏への称賛もひきもきらない」。

「つぎに紹介したいのは、小川洋子、多和田葉子のダブル・ヨウコよりさらに若い世代の作家、とくに女性の小説家たちの活躍だ。一人目は、『コンビニ人間』、『地球星人』、『生命人』などが英米で高評価されている村田沙耶香である」。

「このように海外文芸イベントに登壇し、ベストブックスに選出されているのは、村田沙耶香だけではない。たとえば、2020年に英語圏デビューをしたのは、川上未映子だ。非配偶者間人工授精(AID)をテーマにした600ページの大作『夏物語』の英語版Breasts and Eggsには、『タイム』紙、『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストリスト入りもさることながら、読者からも熱狂的な反響があるという」。

「小川、多和田の作品がディストピア文学的な潮流のなかで注目されているとしたら、村田沙耶香や川上未映子の小説の注目点は、いままで英語圏読者があまり知らなかった日本の下層社会の存在や、妊娠出産にまつわる選択の困難と生きづらさが、まざまざと描かれていることだろう。とくに女性の就職、結婚、出産というルートを想定する固定観念に、深い疑問を投げかけているところにも普遍的な関心が寄せられているのではないだろうか」。

いつものことながら、鴻巣友季子の鋭い考察には目から鱗が落ちます。
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