中身としては「読書から見る日本現代史」。タイトルにある「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という問いを真正面から深掘りしていく本ではない。
その点はちょっと期待はずれに感じる人もいるかもしれない。
ただ、おもしろかったからヨシ、というのが素直な感想。
近現代の社会情勢を”読書”と掛け合わせて論じる切り口は新鮮で、発見の連続だった。
出版不況なんて言われて久しいが、むしろ「本なんて一時期バブル的に流行った媒体でしかない」と見たほうが的確なのかもしれず、考えさせられる。
で、タイトルの問いに対する答えが浅い点だが、これはもう別にいいと思う。
読書ははっきりしたリターンに直結させづらい情報媒体で、他の時間の使い方が山ほどあるなかで読むのに腰が重くなる、という以上でも以下でもそもそもない。
アカデミックな分析の浅さを批判する人もいるようで、確かに学究としては学生論文レベルだけど、著者は学者でなく若手の評論家だ。論としての深さを期待しすぎるのはそれこそ本書の論旨に合っていない。
ちょっと思ったのが、売れ行き好調の本書が広まるほど関係者が「全身全霊で働く」わけで、成功するほどに本書の主張と矛盾していく皮肉がおもしろい。
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なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) 新書 – 2024/4/17
三宅 香帆
(著)
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【人類の永遠の悩みに挑む!】
「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。
「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。
自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。
そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?
すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。
【目次】
まえがき 本が読めなかったから、会社をやめました
序章 労働と読書は両立しない?
第一章 労働を煽る自己啓発書の誕生―明治時代
第二章 「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級―大正時代
第三章 戦前サラリーマンはなぜ「円本」を買ったのか?―昭和戦前・戦中
第四章 「ビジネスマン」に読まれたベストセラー―1950~60年代
第五章 司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン―1970年代
第六章 女たちのカルチャーセンターとミリオンセラー―1980年代
第七章 行動と経済の時代への転換点―1990年代
第八章 仕事がアイデンティティになる社会―2000年代
第九章 読書は人生の「ノイズ」なのか?―2010年代
最終章 「全身全霊」をやめませんか
あとがき 働きながら本を読むコツをお伝えします
【著者略歴】
三宅香帆(みやけかほ)
文芸評論家。
1994年生まれ。
高知県出身。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。
著作に『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』、『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術―』、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』、『人生を狂わす名著50』など多数。
「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。
「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。
自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。
そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?
すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。
【目次】
まえがき 本が読めなかったから、会社をやめました
序章 労働と読書は両立しない?
第一章 労働を煽る自己啓発書の誕生―明治時代
第二章 「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級―大正時代
第三章 戦前サラリーマンはなぜ「円本」を買ったのか?―昭和戦前・戦中
第四章 「ビジネスマン」に読まれたベストセラー―1950~60年代
第五章 司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン―1970年代
第六章 女たちのカルチャーセンターとミリオンセラー―1980年代
第七章 行動と経済の時代への転換点―1990年代
第八章 仕事がアイデンティティになる社会―2000年代
第九章 読書は人生の「ノイズ」なのか?―2010年代
最終章 「全身全霊」をやめませんか
あとがき 働きながら本を読むコツをお伝えします
【著者略歴】
三宅香帆(みやけかほ)
文芸評論家。
1994年生まれ。
高知県出身。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。
著作に『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』、『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術―』、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』、『人生を狂わす名著50』など多数。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2024/4/17
- 寸法10.6 x 1.3 x 17.3 cm
- ISBN-104087213129
- ISBN-13978-4087213126
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2024/4/17)
- 発売日 : 2024/4/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 288ページ
- ISBN-10 : 4087213129
- ISBN-13 : 978-4087213126
- 寸法 : 10.6 x 1.3 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 14位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1位その他の思想・社会の本
- - 1位社会と文化
- - 1位社会一般関連書籍
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5 星
人生を豊かにするか、それとも仕事に埋没してしまう人生を選ぶのか
読書では、ノイズがすべてだ。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んで、ノイズを遮断して仕事に注力するのではなく、ノイズを受け入れ豊かな人生を送る選択肢があることを教えてもらいました。なぜなら、仕事に注力しても、評価基準が曖昧のために、空回りしてしまい、正当な評価を受けるとは限らないからです。なぜ、働いていると本が読めなくなるのか?それは、「現代の労働は、労働以外の時間を犠牲にすることで成立している」からです。仕事が忙しすぎて、本を読む時間がないのです。だからこそ、「自分を忘れるために激務に走るな」が大切なのです。「読書:ノイズ/自己啓発書:ノイズを除去する」と、仕事に役立つにはノイズを除去する必要があります。大正時代には、読書が教養となり、立身出世の道具となりましたが、現代では、行動を促す情報(自己啓発)にシフトしました。「本を読むことは、働くことの、ノイズになる」と、読書は仕事をする上で、邪魔者と化したのです。人生を仕事に捧げる必要はあるのでしょうか。人生を豊かにするのは、ノイズ(読書)です。「自分から遠く離れた文脈に触れること」が、人生を豊かにするのです。そのためにも、半身で働くことを勧めます。「半身で働けば、自分の文脈のうち、片方は仕事、片方はほかのものに使える」からです。あえて時代と逆行する「読書」を取り入れてみてはいかがでしょうか。趣味のように読書を楽しめば、人生は豊かになります。仕事に疲れ果ててた姿を晒す人生は、これでやめにしませんか。
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2024年5月26日に日本でレビュー済み
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タイトルに惹かれて買ってみたが、前半は読書史から始まる。ただ、これを読んでいくと、読書とはそう歴史が無い習慣だと知る事ができる。エジソンに朝食を習慣づけられたのと同じように、明治以降にさまざまな社会環境により、良いこととして流布された結果なのだと知る。
後半、やっとタイトルの内容に言及するが、読書とは情報とノイズに触れる事、ネットは情報だけに触れる事というのはクリアな解に感じた。また、読書できないのは、労働時間という解も明快だ。
後半、やっとタイトルの内容に言及するが、読書とは情報とノイズに触れる事、ネットは情報だけに触れる事というのはクリアな解に感じた。また、読書できないのは、労働時間という解も明快だ。
2024年5月17日に日本でレビュー済み
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30代会社員で夫婦共働きで子育てをしています。日々が忙しく、本を読むことができなくなり、この本に惹かれました。想像以上の内容で、かつ、そうなりたいと思っていた生き方について丁寧に言語化されており、素敵な本でした!
2024年5月17日に日本でレビュー済み
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本書のタイトルからは心理学系の話を連想しますが、実際には読書文化に関する歴史をまとめ、そこから現代の働き方と読書の意義について考察しています。
読書文化の歴史については詳しくまとまっており、興味深く読めました。特に自己啓発系の本などがどの時代でも同じような理由から売れるのは、歴史の繰り返しを感じました。昔と比べて今の文化が劣化しているような主張をする人もいますが、このような歴史を見ると、繰り返される変化の一部でしかないことがわかります。
後半では、それらの歴史から現代の人々が時間に追われるようになり、ノイズ(読書のような予測不可能な内容や現象)を避けるようになっていることが考察されています。本書の主張は要するに「もっと余裕を持って生きよう」という感じです。
正直、本書の結論はあまり刺激的ではありませんが、内容は綺麗にまとまっており、非常に読みやすいです。
読書文化の歴史については詳しくまとまっており、興味深く読めました。特に自己啓発系の本などがどの時代でも同じような理由から売れるのは、歴史の繰り返しを感じました。昔と比べて今の文化が劣化しているような主張をする人もいますが、このような歴史を見ると、繰り返される変化の一部でしかないことがわかります。
後半では、それらの歴史から現代の人々が時間に追われるようになり、ノイズ(読書のような予測不可能な内容や現象)を避けるようになっていることが考察されています。本書の主張は要するに「もっと余裕を持って生きよう」という感じです。
正直、本書の結論はあまり刺激的ではありませんが、内容は綺麗にまとまっており、非常に読みやすいです。
2024年5月18日に日本でレビュー済み
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働いていると本が読めないのは、今に始まった話ではなく、昔からそうだったという事実に衝撃を受けました。そもそも、明治から令和に至るまでのそれぞれの時代で、読書に対する考え方がここまで違うという、筆者による文献の読み込みが深いと思いました。働き方への提言までの積み上げが緻密で、考えさせられる内容でした。
2024年4月28日に日本でレビュー済み
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半身で働こう。それが可能な社会にしよう。ここが骨子。本が読めなくなること、がそれではない。
前半を労働史と読書の関係について長々書いていたのはこれを言いたいがため。
読書はあくまで物差し。だから、タイトルに惹かれて買うと少し違うな?と思うかもしれない。
前半を労働史と読書の関係について長々書いていたのはこれを言いたいがため。
読書はあくまで物差し。だから、タイトルに惹かれて買うと少し違うな?と思うかもしれない。
2024年5月22日に日本でレビュー済み
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読書では、ノイズがすべてだ。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んで、ノイズを遮断して仕事に注力するのではなく、ノイズを受け入れ豊かな人生を送る選択肢があることを教えてもらいました。なぜなら、仕事に注力しても、評価基準が曖昧のために、空回りしてしまい、正当な評価を受けるとは限らないからです。
なぜ、働いていると本が読めなくなるのか?それは、「現代の労働は、労働以外の時間を犠牲にすることで成立している」からです。仕事が忙しすぎて、本を読む時間がないのです。だからこそ、「自分を忘れるために激務に走るな」が大切なのです。
「読書:ノイズ/自己啓発書:ノイズを除去する」と、仕事に役立つにはノイズを除去する必要があります。大正時代には、読書が教養となり、立身出世の道具となりましたが、現代では、行動を促す情報(自己啓発)にシフトしました。「本を読むことは、働くことの、ノイズになる」と、読書は仕事をする上で、邪魔者と化したのです。
人生を仕事に捧げる必要はあるのでしょうか。人生を豊かにするのは、ノイズ(読書)です。「自分から遠く離れた文脈に触れること」が、人生を豊かにするのです。そのためにも、半身で働くことを勧めます。「半身で働けば、自分の文脈のうち、片方は仕事、片方はほかのものに使える」からです。
あえて時代と逆行する「読書」を取り入れてみてはいかがでしょうか。趣味のように読書を楽しめば、人生は豊かになります。仕事に疲れ果ててた姿を晒す人生は、これでやめにしませんか。
なぜ、働いていると本が読めなくなるのか?それは、「現代の労働は、労働以外の時間を犠牲にすることで成立している」からです。仕事が忙しすぎて、本を読む時間がないのです。だからこそ、「自分を忘れるために激務に走るな」が大切なのです。
「読書:ノイズ/自己啓発書:ノイズを除去する」と、仕事に役立つにはノイズを除去する必要があります。大正時代には、読書が教養となり、立身出世の道具となりましたが、現代では、行動を促す情報(自己啓発)にシフトしました。「本を読むことは、働くことの、ノイズになる」と、読書は仕事をする上で、邪魔者と化したのです。
人生を仕事に捧げる必要はあるのでしょうか。人生を豊かにするのは、ノイズ(読書)です。「自分から遠く離れた文脈に触れること」が、人生を豊かにするのです。そのためにも、半身で働くことを勧めます。「半身で働けば、自分の文脈のうち、片方は仕事、片方はほかのものに使える」からです。
あえて時代と逆行する「読書」を取り入れてみてはいかがでしょうか。趣味のように読書を楽しめば、人生は豊かになります。仕事に疲れ果ててた姿を晒す人生は、これでやめにしませんか。
読書では、ノイズがすべてだ。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んで、ノイズを遮断して仕事に注力するのではなく、ノイズを受け入れ豊かな人生を送る選択肢があることを教えてもらいました。なぜなら、仕事に注力しても、評価基準が曖昧のために、空回りしてしまい、正当な評価を受けるとは限らないからです。
なぜ、働いていると本が読めなくなるのか?それは、「現代の労働は、労働以外の時間を犠牲にすることで成立している」からです。仕事が忙しすぎて、本を読む時間がないのです。だからこそ、「自分を忘れるために激務に走るな」が大切なのです。
「読書:ノイズ/自己啓発書:ノイズを除去する」と、仕事に役立つにはノイズを除去する必要があります。大正時代には、読書が教養となり、立身出世の道具となりましたが、現代では、行動を促す情報(自己啓発)にシフトしました。「本を読むことは、働くことの、ノイズになる」と、読書は仕事をする上で、邪魔者と化したのです。
人生を仕事に捧げる必要はあるのでしょうか。人生を豊かにするのは、ノイズ(読書)です。「自分から遠く離れた文脈に触れること」が、人生を豊かにするのです。そのためにも、半身で働くことを勧めます。「半身で働けば、自分の文脈のうち、片方は仕事、片方はほかのものに使える」からです。
あえて時代と逆行する「読書」を取り入れてみてはいかがでしょうか。趣味のように読書を楽しめば、人生は豊かになります。仕事に疲れ果ててた姿を晒す人生は、これでやめにしませんか。
なぜ、働いていると本が読めなくなるのか?それは、「現代の労働は、労働以外の時間を犠牲にすることで成立している」からです。仕事が忙しすぎて、本を読む時間がないのです。だからこそ、「自分を忘れるために激務に走るな」が大切なのです。
「読書:ノイズ/自己啓発書:ノイズを除去する」と、仕事に役立つにはノイズを除去する必要があります。大正時代には、読書が教養となり、立身出世の道具となりましたが、現代では、行動を促す情報(自己啓発)にシフトしました。「本を読むことは、働くことの、ノイズになる」と、読書は仕事をする上で、邪魔者と化したのです。
人生を仕事に捧げる必要はあるのでしょうか。人生を豊かにするのは、ノイズ(読書)です。「自分から遠く離れた文脈に触れること」が、人生を豊かにするのです。そのためにも、半身で働くことを勧めます。「半身で働けば、自分の文脈のうち、片方は仕事、片方はほかのものに使える」からです。
あえて時代と逆行する「読書」を取り入れてみてはいかがでしょうか。趣味のように読書を楽しめば、人生は豊かになります。仕事に疲れ果ててた姿を晒す人生は、これでやめにしませんか。
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2024年4月30日に日本でレビュー済み
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ランキングで見かけたので購入したが、想定外。
当初の想定では、分析的なアプローチで語られると想定していた。
例えば、以下のような前提(仮説)から次のような推論は凡人の私でも可能である。
前提
1. どの時代を見ても可処分時間は一定である
2. 現代は可処分時間の消費先が増えた(娯楽の分散)
3. noteなどに代表される"活字を読める"コンテンツプラットフォームやSNSが台頭
推論
・3より、教養を高める/情報収集など目的は多々あれど、書籍以外の手段が増えた(手段が分散)
・2より、読書以外の1人でできる娯楽が増えた(むしろITが復旧するまでは、ほぼテレビ or 本しかなかった)
・上記より、単に「いろいろやれること」が増えた
・娯楽が増えたので、精神的な拠り所(読書してると落ち着く etc)が人によって多様になった
∟ (冒頭にあったが)著者にとっての読書、AさんにとってのNetflix、BさんにとってのApex のように。
・つまり、仕事の肉体的/精神的疲れを癒す場所が読書に限られなくなった。
・そのため、読書量は当然減る。
∟ 読書は心理的負担がやや高いから他の趣味に流れる。
だが、本書にはこういった記述はなく、単に「労働が人生のほとんどの時間を占めるこの世の中、よくなくない?」みたいなやや「若いな...」と思ってしまう文章だった。
Z世代(?)だからかもしれないが、主張にツッコミどころがありすぎる。
ーーー
その他思ったこと
・筆者が「社会人になって=労働をするようになって、忙しくなって読書できなくなって、つらい!」みたいな主張をしているけど、そりゃいつの時代も大人になって環境変わったら可処分時間減って趣味の時間は減るでしょう。なのに「読書ができない社会なんておかしい」という主張は甚だおかしい。資本主義なのだから。
・「読書はできないのにSNSはなぜできるのか」もコストが低い、心理的な中毒性があるなどもう少し科学的知見から意見してほしかった。
・ちなみに、私含め知人にも、働きながら読書できる人物(つまり反例)をいくらでも知っている(もちろん著者の理想とする読書量には遠く及ばないかもしれないが)。そのため、読書できないのは意志の力だったり、労働モードと読書モードを切り替えられないみたいなテクニカルな問題だったりすると思います。自分が仕事に忙殺されているのを、一般化しないでほしい。
当初の想定では、分析的なアプローチで語られると想定していた。
例えば、以下のような前提(仮説)から次のような推論は凡人の私でも可能である。
前提
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2. 現代は可処分時間の消費先が増えた(娯楽の分散)
3. noteなどに代表される"活字を読める"コンテンツプラットフォームやSNSが台頭
推論
・3より、教養を高める/情報収集など目的は多々あれど、書籍以外の手段が増えた(手段が分散)
・2より、読書以外の1人でできる娯楽が増えた(むしろITが復旧するまでは、ほぼテレビ or 本しかなかった)
・上記より、単に「いろいろやれること」が増えた
・娯楽が増えたので、精神的な拠り所(読書してると落ち着く etc)が人によって多様になった
∟ (冒頭にあったが)著者にとっての読書、AさんにとってのNetflix、BさんにとってのApex のように。
・つまり、仕事の肉体的/精神的疲れを癒す場所が読書に限られなくなった。
・そのため、読書量は当然減る。
∟ 読書は心理的負担がやや高いから他の趣味に流れる。
だが、本書にはこういった記述はなく、単に「労働が人生のほとんどの時間を占めるこの世の中、よくなくない?」みたいなやや「若いな...」と思ってしまう文章だった。
Z世代(?)だからかもしれないが、主張にツッコミどころがありすぎる。
ーーー
その他思ったこと
・筆者が「社会人になって=労働をするようになって、忙しくなって読書できなくなって、つらい!」みたいな主張をしているけど、そりゃいつの時代も大人になって環境変わったら可処分時間減って趣味の時間は減るでしょう。なのに「読書ができない社会なんておかしい」という主張は甚だおかしい。資本主義なのだから。
・「読書はできないのにSNSはなぜできるのか」もコストが低い、心理的な中毒性があるなどもう少し科学的知見から意見してほしかった。
・ちなみに、私含め知人にも、働きながら読書できる人物(つまり反例)をいくらでも知っている(もちろん著者の理想とする読書量には遠く及ばないかもしれないが)。そのため、読書できないのは意志の力だったり、労働モードと読書モードを切り替えられないみたいなテクニカルな問題だったりすると思います。自分が仕事に忙殺されているのを、一般化しないでほしい。