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朝日新聞政治部 単行本 – 2022/5/27

4.2 5つ星のうち4.2 536個の評価

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「この本は雷雲のごとくエネルギーに満ちている。
日本の大組織のほぼ全てで
同様の失敗が起きているのだろう」
ーー藻谷浩介(日本総合研究所主席研究員)

「社内政治と保身にエネルギーを浪費する幹部たち。
失敗と批判を恐れ、委縮していく現場。
新聞の政治報道が光を失った理由がここにある」
ーー望月衣塑子(東京新聞記者)

「これほどの生きたジャーナリズム論に出会ったのは、はじめてだ。
ここにはメディアの未来を考える重要な実体験が描かれている」
ーー中島岳志(政治学者)

「朝日新聞の凋落は日本凋落の縮図でもある。
これは誰にとっても他人事ではない」
ーー辻野晃一郎(グーグル日本法人元代表)

*******************

地方支局から本社政治部に異動した日、政治部長が言った言葉は「権力と付き合え」だった。
経世会、宏池会と清和会の自民党内覇権争い、政権交代などを通して永田町と政治家の裏側を目の当たりにする。
東日本大震災と原発事故で、「新聞報道の限界」をつくづく思い知らされた。
2014年、朝日新聞を次々と大トラブルが襲う。
「慰安婦報道取り消し」が炎上し、福島原発事故の吉田調書を入手・公開したスクープが大バッシングを浴びる。
そして「池上コラム掲載拒否」騒動が勃発。
ネット世論に加え、時の安倍政権も「朝日新聞バッシング」に加担し、とどめを刺された。

著者は「吉田調書報道」の担当デスクとして、スクープの栄誉から「捏造の当事者」にまっさかさまに転落する。
保身に走った上司や経営陣は、次々に手のひらを返し、著者を責め立てた。
そしてすべての責任を押し付けた。
社長の「隠蔽」会見のあと、待っていたのは「現場の記者の処分」。
このときに「朝日新聞は死んだ」と、著者は書く。

戦後、日本の政治報道やオピニオンを先導し続けてきた朝日新聞政治部。
その最後の栄光と滅びゆく日々が、登場人物すべて実名で生々しく描かれる。

【主な内容】
記者人生を決める「サツ回り」 /政治記者は「権力と付き合え」/清和会のコンプレックス/小渕恵三首相「沈黙の10秒」/古賀誠の番記者掌握術/虚偽メモ事件/社会部とは違う「調査報道」を生み出せ!/社会部出身デスクとの対立/内閣官房長官の絶大な権力/小沢一郎はなぜ総理になれなかったのか/原発事故が突きつけた政治部の限界/「手抜き除染」報道と特別報道部の全盛期/吉田調書報道の「小さなほころび」/慰安婦記事「取り消し」後の猛烈な批判/動き始めた安倍政権/「池上コラム問題」はなぜ起きたのか/バッシングの嵐と記者処分
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商品の説明

著者について

鮫島 浩
鮫島浩(さめじま・ひろし)
ジャーナリスト。1971年生まれ。京都大学法学部の佐藤幸治ゼミで憲法を学ぶ。1994年に朝日新聞社入社。つくば、水戸、浦和の各支局を経て、1999年から政治部。菅直人、竹中平蔵、古賀誠、与謝野馨、町村信孝ら与野党政治家を幅広く担当し、2010年に39歳で政治部次長(デスク)に。2012年に調査報道に専従する特別報道部デスクとなり、翌年「手抜き除染」報道で新聞協会賞受賞。2014年に福島原発事故を巡る「吉田調書」報道で解任される。2021年に朝日新聞を退社してウェブメディア「SAMEJIMA TIMES」を創刊し、連日記事や動画を無料公開している。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2022/5/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2022/5/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 304ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4065280346
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4065280348
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.8 x 2.6 x 19.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 536個の評価

著者について

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鮫島 浩二
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権力ゲームに邁進する大手マスコミの記録
4 星
権力ゲームに邁進する大手マスコミの記録
「ヤメ朝」による内幕暴露本。エリート主義、官僚主義的統治が深々と浸透し、ジャーナリズムの実践よりも自身の出世と権力掌握を行動原理とする「記者」たちの集団である朝日新聞社の実態がリアルに綴られた出色の作品だ。著者の入社から退社まで、27年を時系列で追った内容は報道の裏面史として貴重な記録である。中でも著者の主要な活動舞台であり、朝日の花形部署とされる「政治部」の実態は、なんとなく知ってはいたが、「やはり、そうか」という思いをかみしめながら、読み進んだ。 記者を名乗る政治部員の多くが実際は、担当する政治家に日夜張り付いて言動を記録するメモ番であり、原稿を書く機会は少ないこと。記者のメモは社内のルート経由で有力政治家の間に即座に出回ること。情報操作に長けた政治家は自分の発言を記録したメモがライバル政治家の目に触れることを見越して記者に話すこと、などなど(本書では書かれていないが、記者どうしのメモ合わせも日常茶飯事らしい)。政治報道と呼ばれるのもが、茶番化したコップの中の権力ゲームであることが、これでもか、という筆致で伝わる。ネタの取れない者、政治家に食い込めない者は容赦なく放逐され、ゲームの勝者はやがてキャップ、デスク、さらに部長、局長へと昇進して行く。放逐される敗者の穴を埋めるべく、地方勤務経験者の中から選りすぐりの若者が常に供給される。新卒採用、地方勤務というルートは、檜舞台である本社政治部、社会部にエリート候補生を絶え間なく送り込むためにこそ必要な、システムなのだ。果てなき競争、権力ゲームである。 残念なのは、この権力ゲームに対する批判的な姿勢がほとんど感じられず、むしろゲームの勝者として、勝利に酔う余韻が感じられる部分だ。たとえば次の部分。「原発事故当時、私は政治記者としてこの上なく恵まれた立場にいた。国家権力中枢である官邸の総理、官房長官、首相補佐官はいずれも旧知の政治家で、各社の政治記者の中では屈指の関係を築いていた。<略>取材体制や報道内容を仕切る権限を託されていた」(172p)。実際に著者は政治部デスクとして権力を手にし、ひな壇を一つ上がった。その中で、従来の政治取材に限界を感じて取材手法改革を試み、やがて調査報道に転じるわけだが、警察、役人、政治家を相手とする従来型の取材手法が権力と一体化する危険性に対する深い考察は、本書にあまり出て来ない。調査報道の有用性はよくわかるが、従来型の取材手法にどっぷり浸かった著者がなぜ転向したのか、その方がひな壇を上がる近道と考えたのか、それともジャーナリズムが果たすべき役割に目覚めたのか、そこが深く語られないことに、物足りなさを感じたのが正直なところだ。ひょっとして、この物足りなさこそが、後述の「転落」に至る伏線だったのではなかろうか。権力と一体化する従来型取材の問題点という点では、同じ「ヤメ朝」でも著者の8年先輩に当たる鳥賀陽弘道氏の「『朝日』ともあろうものが」の方がはるかによく書かれていると思った。 とは言え、福島原発の所員待避問題をスクープした「吉田調書」報道と、その取り消し至る過程の報告は、圧巻だ。「第一報で吉田所長の待機命令に焦点を当てたこと自体は合理的な判断であった」(214p)、(「所長命令に違反、原発撤退」という見出しに対し)「『配慮が行き届いていなかった』「表現が不十分だった』という問題であり、誤った事実を伝えた『誤報』ではないと私は考えている」(219p)という著者の見解に私も賛成だ。この程度のことは紙面上で頻繁にある、というのも確かにそうだろう。ところが、社の上層部は「誤報」「ねつ造」を主張する政治やネットを中心とする世論に屈する形で記事を取り消し、社長は引責辞任してしまった。木村伊量社長が謝罪会見をした2014年9月11日に「朝日新聞は死んだ」と著者は記している(255p)。 その後、調査報道を売りとする特別報道部は編集局長室の管理下に置かれ、原稿は事前に精査され、隠された事実を暴く記者集団とはほど遠い姿に変貌した後に、特報部自体が解体された。高い志を持った記者たちも雲集霧散してしまった。これをもって、ジャーナリズム精神の大いなる後退と評する向きもあるようだが、本書を読んで痛感するのは、朝日新聞社という企業自体がジャーナリズム・権力監視などという高い志を持った集団ではなく、政官財の間に割って入り権力を手中にしようとする、権力ゲームのプレイヤーに過ぎないという事実だ。大手と呼ばれるマスコミ企業は、どこも大同小異だろう。それでも、隠された事実を掘り起こし、権力の監視役たろうとする記者が少数ながら存在し、それをかろうじて許容する社風が、年々小さくなりながらもあるにはあった。が、2014年を境に完全に消えてしまった。 ジャーナリズムが正常に機能しないこの国で、権力の暴走を一体誰が監視するのだろう、と思いながら読み終えた。
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年4月3日に日本でレビュー済み
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朝日新聞の販売が一気に落ちた吉田調書問題の前後で、2つの問題が発生していた。
この記者は、東日本の福島原発の問題を扱われたが、最初の言葉足らずの表現は補足説明必要と社内で訴えるも行われることなく、責任を問われた。また、朝日新聞内ではますます真実を報道できなくなっていることを述べられていた。
2023年7月29日に日本でレビュー済み
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時々の政権の全体像や課題知ることできた
2024年3月13日に日本でレビュー済み
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自力でメディアを立ち上げ権力と対峙する著者の姿に感動しました。鮫島タイムス拝見しています。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年7月17日に日本でレビュー済み
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〇 社内で不当な処遇を受けた著者の気持ちはわかる。著者によれば、(1) 福島第一原発のスクープ記事で少々行き過ぎた表現をしてしまった。(2) ときの木村社長は記者会見を開いて自身の立場を守るためにあの記事は事実ではないとして撤回した。(3) そうなるとちやほやしてくれた社員は手の平を返して著者などの担当者を叩きにかかりついには懲戒処分とした。

〇 著者には同情する。それでもなぜか共感は覚えない。著者の視野が狭くて独りよがりでバランス感覚が欠けているからだ。たとえば著者は上記の「事件」を「新聞ジャーナリズムが凋落する転機となった」と言う。そうだろうか?朝日新聞と言うコップの中の嵐ではないのか?

〇 他方で著者は、慰安婦報道についてこんな説明をしている。(1) 1990年代から社内でも吉田清治証言の信憑性に疑義が呈され何とかしなくてはならないという意識が共有されていた。(2) しかし歴代トップは朝日批判をおそれて解決を先送りした、(3) 木村氏は秋山社長に「この件を処理してみせる」と訴えて本命を押しのけて後継指名を受けた・・・著者はこれを書きながら何かを考えなかったのだろうか?こちらの方がよほど重大で深刻なジャーナリズムの腐敗・凋落なのではないか?

〇 過去の朝日OBによる本(稲垣武『朝日新聞血風録』や長谷川煕『崩壊 朝日新聞』)では、社から少し離れて朝日新聞の報道の功罪を観察する客観性と冷静さがあった。だから読む価値がある。これに対して本書の著者はまだ朝日新聞の政治記者の気分が抜けていないようだ。社会よりも朝日新聞社を守り、経済部よりも政治部を応援したいのだ。あんな事件がなければ、あれだけ特ダネやスクープを連発したオレは社の中枢にいることができたのにと悔しく思っているのだ。そんな感じが本書に充満している。

〇 この本によって政治部記者の生態はよくわかった。だから3★。それ以外に本書を読む意義は見いだせない。
81人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年4月9日に日本でレビュー済み
面白い。1ページ1ページが面白い。登場人物はほとんどが実名だ。当人が読むであろうことを考えれば、むやみにいい加減なことは書けないだろう。そう考えれば、なお面白い。

ひと言で言えば、朝日新聞社内の人間模様を背景にした、著者本人の浮き沈みの話しだ。改革家でもありアイディアマンでもある著者はスクープを連発し、社内を肩で風を切って歩くまでになる。それは福島第一原発吉田所長の事故後のいわゆる「吉田調書」のスクープにより頂点に達する。

しかし、好事魔多し、皮肉にもそれが著者の転落のきっかけとなる。社内では白眼視され、窓際に追いやられ,遂には依願退職にまで至る。読み進む内に、著者にこの本を書かせた原動力が見えてくる。それは怨念だ。怨念と言っても、本人にしか理解できないような類いのものではなく、もちろん幾分かの私憤も入っているにせよ、読者にも首肯できる公憤を含んだものだ。

当初、新聞協会賞ものかとさえ思われた「吉田調書」報道は、国家をも背景にした外部からの批判にさらされ、朝日経営陣は著者を含む現場をスケープゴートにして切り抜けようとする。会社は記者達を守ろうとするどころか、逆に厳しく尋問・糾弾する側に回ったのだ。このことが著者の会社に対する不信感を決定的なものにし、怒りに火をつけ、最終的には自ら早期退職に応募して、その後この本を書かしめるに至ったのだと思う。

「吉田調書」報道で問題とされたのは、吉田所長の650名に対する命令が、「第一原発内での待機」であるにもかかわらず、10km離れた「第二原発まで退避」してしまったことを、「命令違反」と報じたことにある。命令が全員に周知された訳ではなく、知らずに退避した者もいたであろうから、それらの人に対して失礼であり、誤報だと言うのである。

これはいくら何でも言い掛かり過ぎるだろう。大勢の人が吉田所長の発言を聞いているところがテレビ会議の録画に残っているのである。それらの人が、聞かなかった人に伝えれば済む話しである。

しかし、このテレビ会議の記録には問題があり、映像は記録されているが音声が記録されていない。そんな事が技術的にあり得るだろうか。家でテレビを録画するときに、映像だけでうっかり音声を録音し忘れた、などと言うことがあるだろうか。

著者の立場は、東京電力が意図的に音声を消した、と言うことだ。筆者(私)もそう思う。東京電力はそう言うことをやる会社だ。

東京電力は個人情報を盾に、ピー音を入れたり、部分的に非開示にしないで、全編を残らず公開して欲しい。いや、公開する義務がある。今後の事故対応の参考に大いになるだろう。

国民に何十兆円もの費用と数十年もの時間を浪費させ、多くの避難者に気の遠くなるような迷惑をかけておいて、社員の個人情報の問題に矮小化して隠蔽するようなことはしてはいけない。1秒残らず公開して欲しい。事故から汲み取れる教訓を余さず汲み取ることを、最優先にすべきだ。東京電力にはその義務がある。
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2022年5月27日に日本でレビュー済み
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Kindleで買って新幹線の東京から読み始めたが新大阪では終わらず、家に帰って読了した。
昔の政局を思い出しながら読んだため、思いのほか時間がかかった。

筆者は情熱的な人。そして不器用で、不運な人。
かりに朝日じゃなく、読売や毎日にいたとしても、定年まではいられなかったんじゃないか。
サラリーマンは組織の維持が一番で、これは古今東西の真実だから。
それにうまく乗れなかったのでしょうか。
嫌いなタイプじゃない。

あの吉田調書騒動の時、朝日新聞社には時間的にも精神的にも余裕がなかったと分かった。
安倍ちゃんにやられていたし、社会もヒステリックだった。
この本を読んで当時は知らなかった事の深層が多少は理解できた。

当時、少数ではあるが、早稲田ジャーナリズムや労組をはじめとし、
筆者らの行動を評価する意見があったことを、世間は忘れている。
それらについて強く語らないことには好感を覚えた。
「調書」よりも「吉田証言」の方が国益には大きくマイナスだったはずだが、
それについて触れていないことも当事者として潔い。

ただ原発職員の「逃亡」という言葉のニュアンスを、なぜ事前に消せなかったのか。
独走スクープであれば、事前によく検討できたはずではないか。
そして記事化後、なぜすぐに言い直せなかったのか。
この辺りがいまひとつ不明解なことには憾みがつのる。もっと詳しく描いて欲しかった。

先日の峯村さんの騒動とあわせると、いろいろ考えさせられる。
自己実現のため所属組織を利用して権力に近い立場を勝ち得た人と、
権力に対する批判装置というクラシックに(結果的には)こだわり続けた人。
もともとマスコミ志望ではなかった就職時点の筆者はこんな未来を考えていなかっただろう。
人生のリアルがある。

若宮啓文氏から「せっかく政治部に来たんだから、権力とつきあいなさい」という言葉をもらいながら、
最後は自己を「傲慢罪」と総括する様子は文学的である。
傲慢だったのが組織なのか個人なのか。
読み終えても不明ではあるが、人生後半を迎えた50歳デコボコの人間のテーマとしては面白かった。

筆者と対立し、実名を出された方々は、どうぞ彼を責めないでいただきたい。
紙媒体の経営が、SNSにおびえ初めていた時代の記録として貴重なものだから。
「木村社長退陣やむなし」のムードを決定づけたのはいち朝日記者のtwitterだったし、
退陣会見の模様を最も詳しく速報していたメディアは新興の「弁護士ドットコム」だった。
そういう記憶がある。

講談社の編集者が、よくこういう本を編んでくれたものだ。
過去を美化し、感情的になりがちな筆致を押しとどめるかのように、
複雑な事柄の数々が手際よく整理されている。編集者の手柄と推察する。

「政治部出身の経営陣は何を間違えたか」という常套の宣伝句とは対照に、
紙媒体の賞(新聞協会賞)を狙いに走った朝日への感傷的心象が見え隠れする。
各章の冒頭に、激減する大手新聞の部数を載せるアイディアは筆者のものではなかろう(と推察)。
ひとつの産業と化して久しい朝日バッシングが存在する。
その外見をまとった本書を読んでみたら、往時を懐かしむ風情が漂っていた。

挽歌が聞こえる。
気になるのは、とても魅力的な人物らしい「論座」の編集長さん。
今も会社に在籍しているのだろうか。

*追記
本のタイトルを当初「朝日新聞が死んだ日」にしようと考えたとのこと。
読後にネットで知った。
もし死んだならば、死なせた責任者の一人は筆者ではないのか。
自分も加担しておきながら、その言葉はないだろう。
朝日を死なせないため辞職し、
その後は無言を貫く木村社長の方が人の生き方として美しいのかも知れない。
108人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年6月27日に日本でレビュー済み
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朝日新聞だけでなくマスコミ全体がサラリ-マン化してきていると思う。各省庁の記者クラブ制度をなくして、会員制クラブにして一定の会費を支払えば自由に出入りが出来るようにし、発表の時も自由に質問が出来るようにすべきだと思う。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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