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永山則夫 封印された鑑定記録 (講談社文庫) 文庫 – 2017/4/14

4.6 5つ星のうち4.6 110個の評価

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連続射殺犯・永山則夫。犯行の原因は貧困とされてきたが、精神鑑定を担当した医師から100時間を超す肉声テープを託された著者は、これに真っ向から挑む。そこには、父の放蕩、母の育児放棄、兄からの虐待といった家族の荒涼とした風景が録音されていた。少年の心の闇を解き明かす、衝撃のノンフィクション。
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商品の説明

著者について

堀川 惠子
1969年広島県生まれ。ジャーナリスト。『チンチン電車と女学生』(小笠原信之氏と共著)を皮切りに、ノンフィクション作品を次々と発表。『死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの』で第32回講談社ノンフィクション賞、『裁かれた命―死刑囚から届いた手紙』で第10回新潮ドキュメント賞、本書『永山則夫―封印された鑑定記録』(以上、講談社文庫)で第4回いける本大賞、『教誨師』(講談社)で第1回城山三郎賞、『原爆供養塔―忘れられた遺骨の70年』(文藝春秋)で第47回大宅壮一ノンフィクション賞と第15回早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2017/4/14)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/4/14
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 496ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062936283
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062936286
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.8 x 1.8 x 14.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.6 5つ星のうち4.6 110個の評価

著者について

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堀川 惠子
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
堀川惠子さんのご著書は私のお気に入りです。この本も堀川さんの対象者の描き方が素敵です。それが犯罪者であろうと何であろうとフラットで善き部分をしっかり捉えていると感じます。ノンフィクションにおいては非常に重要であり、脚色なくドラマ性を感じられるのは登場する人々が生きた人生を感じるからだと思います。
2023年6月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
発行年から経過していますが、管理が良く、新品でした。
2023年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
石川先生の鑑定については、これまで恥ずかしながら知りませんでした。人間の主観的体験に触れて内側からその人をみて鑑定を行おうとしたことに強い衝撃を受けました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昨夜、読み終えたのだが、心が乱れて感想が書けなかった。

本書は、永山の精神鑑定を行った石川医師が3か月もの長期にわたって永山から聞き取りを行い、その際に録られた100時間のテープをもとに書き起こされている。

永山の連続射殺事件には高校生だったぼくはショックを受けた。そして、映画『裸の十九歳』も観たし、その後の彼の著作『無知の涙』『人民を忘れたカナリヤたち』も読んだ。

『無知の涙』は貧困ゆえの無教育と無知。その無教育と無知ゆえの犯罪であったという悔悟の念と、彼のその後の独房でのマルクス主義をはじめとした学習から、分析的に語られていた。
実際、一審(死刑判決)と差し戻し審(死刑判決)では、彼の犯罪は強盗殺人として「金ほしさ」のものであったと断定されているし、当時、最初の支援者たちであった井出孫六や井上光晴なども、概ね、貧困と無知ゆえの犯罪であったという主張では同じ土俵で支援していたと思う。

しかし、本書は単なる貧困と無知以外の、彼が事件に走らざるを得なくなった経緯を明らかにする。

確かに彼の貧困とは、当時としても想像を絶するようなものであった。
父は優秀なリンゴ技術者であったが、酒と博打におぼれて家族を捨てる。
母は行商に明け暮れるが、それでも7人もの子供と1人の孫を抱えて食べていくことができず、4歳の永山を含む4人の子供を、冬が迫る10月に網走に置き去りにして青森の実家に逃げ帰る。
残された子供たちは、乞食のような生活をしながらなんとか冬を越す。
そして春になってようやく福祉が介入し、子供たちは青森に送られることになる。
その時、永山は4歳である。
しかも、石川医師の聞き取りによれば、一緒に網走に残された兄や姉たちは誰も、則夫が自分たちと一緒に取り残されたという記憶がない。つまり、記憶の中にも則夫は抹消されている。
それほど永山は兄弟からも無視され関係も取り結ばれることなく少年時代を過ごしたのである。

しかも、母は、子供たち4人を厳寒の網走に置き去りにしたことについて、何ら罪悪感を最後まで抱いていない。
彼女は「1週間分の食料を置いてきたんだから」ということを衒いもなく語るのである。

しかし、それには背景があって、母自身が幼少のころに同じように置き去られ捨て去れた経験があった。それと比べれば、自分は1週間分の食料を置いてきたのだから、何の咎めがあろうかという感覚ですらあった。

こうした連鎖は、親の子への虐待が、子供の時に虐待を受けた親から行われるという現象と似ている。

それはさておき、永山は一切の甘えを受け付けない母と、存在さえも無視する兄弟姉妹たちに囲まれて育つ。
唯一、甘えさせてくれた長女は早くに精神病を発病して入院し、彼の前から去ってしまった。
次兄だけは、永山を殴る蹴るという形で関わりをもつのだが、そうした関係ですら無視よりもましであったのだろう、上京してからの永山はこの次兄を頼りにして何度も訪れている。

こうした母と兄弟との関係が、彼を犯行に追い込んで行ったことを、カウンセリング的手法を用いながら石川医師は丁寧に聞き取り、鑑定書で明らかにしていく。

永山は中卒の金の卵として15歳で上京してから、19歳で犯行を犯すまでに10回以上職を変えている。
いずれの職場でも、最初は認められようと必死で頑張る。そして一念発起して定時制高校にも通おうとする。しかし、個人的な頑張りはやがて肉体的な変調に結びつき、何か小さなミスを冒すと、自分自身を追い詰めて、着の身着のまま無一文で夜逃げをしてしまうのである。
しかも、回を重ねるごとにその間隔は短くなっていく。

最後のころには、あの華奢な体でハードな沖中士をし、夜は眠るところもなく野宿を繰り返して、さらに精神的にも肉体的にも追い詰められていく。

石川医師は『甘えの構造』で有名な土居健郎の弟子でもあるのだが、その論理を援用しつつ次のように鑑定する。

つまり、永山の決意はどこまでいっても個人的な決意としかなりえず、他者がそれを評価したり認めてくれたりする回路が最初から閉ざされている。そして、そうした決意は継続することができず、本人に無理を強いさせ、さらなる悪化に結びつきやすい、と。(この辺りはマズローの承認欲求と重なると感じた)

人は、生まれたばかりの時には、母親にべったりとしがみついて過ごす。そして、はったり歩けたりするようになると、母親から最初は数歩離れ、すぐに親の腕の中に逃げ帰る。そして親は、そういう甘えを子供に与えることで、子供は最初の数歩から次には十歩、その次には百歩というように親から離れることができるようになり、自立していく。
人は、そのようにして「人」になっていくのである。
その回路が、永山には最初から最後まで閉ざされていた。

本書の犯行に及ぶ前後のくだりは、胸が蓋がるような気持ちになる。

実は、この鑑定の前に、精神医学会の権威ともいえる医師の手で最初の鑑定が行われている。
しかし、その鑑定は極めて短期間で、永山もこの医師に対しては心を開かず、遠いりっぺんの貧困と金目当ての結論に終始している。
だからこそ、石川医師は再鑑定にあたって3か月という異例の長期を確保し、カウンセリングとして聞き取りを行った。それは、石川医師という一人の医師の全身全霊を傾けた「闘い」でもあったことは容易に理解できる。

本書の最後の方に、この鑑定の最後の日に石川医師が撮影した永山のポートレートがある。
本当は、そんな撮影は許されないのであろうが、そこに映された永山は、すべてを語り終えて自分を見出したかのように、微笑んでいる。

二審判決は無期懲役。
それは、この鑑定書が内容的に採用されたからであった。
しかし、最高裁で差し戻し。その際には、この鑑定書そのものははなから無視された。
そして、差戻審で死刑となる。

二審で無期懲役の根拠となった石川鑑定だが、石川医師の耳にショッキングな情報が届く。
それは、永山が「この鑑定は自分のことではないみたいだ」と否定しているという情報である。
そのショックゆえに、石川医師は鑑定医という道を捨てる。臨床医としての道を歩み始めるのである。

しかし、本書の最後には救済があった。
永山は死刑確定の後、すべての裁判資料を支援者に宅下げして、手元には何も置いておかなかったと言われている。
しかし、死刑の後に独房に残された荷物の中に、ビニールで丁寧に補強され、いたるところに書き込みがなされた、ボロボロになるまで読まれた鑑定書があったのである。

著者によれば、あの石川医師の鑑定期間にすべてを語ることができた永山は、初めてそこから「生き始めた」のだと。
永山は石川医師にカウンセリングの場で初めて認められ、他者に認められることで生き始めた。
ぼくも、深くそう思った。

なお、80年代初めだと思うが、彼の支援者たちの「反省共立運動」がよく街頭でビラを配っていて、その主張にはかなり違和感を持った記憶がある。
その後の裁判では彼は死刑廃止の論陣を「永山という天才を殺してはならない」というような論陣として張っていたことも知っている。
しかし、そうした違和感も、本書を通じて、少し別の文脈に位置づけることができそうに思った。
著者の『死刑の基準 永山裁判が遺したもの』と永山自身の小説『木橋』を読んでみることにした。
122人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年7月26日に日本でレビュー済み
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一族の受けた痛みの連なりが、ある瞬間、時代の表面に浮かび上がる。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「永山則夫」と言う現象は
時代背景もあり
ある特定の思想から語られることが多かったようだ。

それゆえか,
世間の一般の永山則夫のイメージは
だいたい以下のようなものであろうと思う。
極貧の家に育ち,
無知に泣いた彼は
社会の差別と格差に怒りをたぎらせて
連続殺人を犯す。
犯行後,拘置所での猛勉強で
出版活動を行うまでの学識を得たことで,
貧困がいかに人の可能性を阻害しているかを証明した・・・。

しかし本書はそれらの永山則夫現象を覆し
ネグレクト,DV,PTSDといったきわめて現代的なタームを用いた視点から
永山則夫を再構成し,
永山則夫がみた心象風景に迫ろうとしている。

それに当たって依拠したのは
今回新たに発掘された100時間超の永山則夫の会話を記録したテープである。
これは永山則夫の精神鑑定を行った精神科医石川義博氏が録音したもので
長い時間を経て封印がとかれた。

本書を一読してまず
こんな悲惨な育ち方をした人間がこの世にいるのか・・・,
と衝撃を受けた。

永山は母親に三度捨てられたと語ったが
この母親もまたネグレクト,DVの被害者であることが,
石川医師の母親への丹念な聞き取りで明らかになってくる。
またたいへん驚いたのだが,
本書によるとこの母親は,
ニコラエフスクで在留邦人約400人が虐殺され,
子供十数人のみが生き残ったとされる,
1920年の尼港事件の生き残りであることが示唆されており,
やはり悲惨な生育環境にあったことがわかってくる。

人間関係らしい関係を周囲の人々はおろか,家族とさえ持ったことがない永山少年は,
悲惨な環境への唯一の対処方法として,いつしか,
本書の言葉で言えば逃走,
精神医学的に言えば遁走(フーグ)を繰り返す事になる。

そして「言いたいこともいえず,いつも何かに脅え,傷ついて逃げてばかりいる気弱な少年」(233-234頁)は
局面を打開する術も安心感を保障する基盤も何も持たない故に,
破滅へとひた走っていくことになる。
逃走がなぜ攻撃性に転換されたかは(逃走が闘争に転換したとも言える),
本書を御一読して確認していただきたい。

本書に従うならば永山則夫の実像は,
是枝裕和監督の『
誰も知らない 』のモデルとなった,
1988年の「巣鴨子供置き去り事件」で兄弟に殺された子供に似ているように思う。

また余談であるが
本書はドキュメンタリー化されているのでぜひ動画でも見ていただきたい。
私は動画を先に見たが
永山の担任の先生は,彼に理解があった方だったようだが,
それにもかかわらず,
学校の出欠記録に「怠けによる欠席多し」などと記していたことに
個人的には胸が痛くなった。

そこで本書を取り寄せたのだが,
動画を見て疑問だった点,
たとえば「永山家は夫婦仲も悪く,赤貧にもかかわらず,
何故こんなにたくさん子供を作ったのか」といった,
さまざまな疑問点についても丹念な取材で丁寧に無理なく説明されており,
好感を持った。

また永山は小学校時代から石川啄木を読んで詩を作り,
犯行を犯す前の東京時代にもドストエフスキーを読んでおり,
英和辞典と社会科学辞典を手放さない,
知的な少年であったことも示されている。
つまり逮捕後に初めて猛勉強を始めたわけではない。
兄弟姉妹も非常に成績優秀であったと言う。
どうもこの両親のどちらかが,あるいは両方が,
非常に強い上昇志向を持っていた人だったのではないかとも感じた
(おそらくは母親の方であろうと思う)。

ただ一つだけ難点を言うならば
法廷内外で激烈な主張を繰り返した永山の姿を
それは真実の永山の姿ではない的な処理であまり触れないようにしているのは
いかがかなものかと思う。
それもまた永山の真実の姿ではなかったか。

ともかく出色の出来のノンフィクションだと思います。
お勧めします。
103人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年2月8日に日本でレビュー済み
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偶然、ETV 特集を見て、興味を持ち購入。どのページをめくっても、 ぐんぐん引き込まれて、 取り憑かれたように 何度も読んでしまった。 なんといっても資料が豊富で 飽きることがない。 テープの掘り起こし、石川医師や司法関係者らへのインタビューはもちろん、 当時の永山を知る人々の証言、三兄の日記など、多方面から真実をあぶり出す。中でも、元担任教諭の鋭いコメントは、現代も増え続ける少年犯罪の深い闇を照らしているかのようだ。
「 …貧困が原因だと言うなら、 この辺は人殺しだらけだよ」
最終章で、永山が最期を迎えるその日まで、 片時も離さなかった精神鑑定書を、著者である石川医師自身が懐かしそうに紐解く。 それはまるで、二人の何十年ぶりかの邂逅のようで、思わずもらい泣きしてしまった。 それにしても、永山が事件を起こす前に『 カラマーゾフの兄弟』を読んでいたのには、心底驚いた‼ 無知じゃないじゃん‼ 当時流行りだったとはいえ、 団塊世代の教養の高さに、今更ながら感心してしまう。 今の大学生で 、ドストエフスキーを読んでる子が果たして何割いることやら…。
25人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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