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サリンジャー (-) 単行本 – 2015/6/9
第二次世界大戦、家族、親友、級友、編集者、そして恋人――。『ライ麦畑でつかまえて』の刊行後、ベールに包まれてきた生涯を丹念な取材で解き明かす。日記、書簡、メモなどの資料も解析して盛り込んだ評伝の決定版
- 本の長さ792ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/角川書店
- 発売日2015/6/9
- 寸法15.6 x 4.8 x 21.8 cm
- ISBN-104041107318
- ISBN-13978-4041107317
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/角川書店 (2015/6/9)
- 発売日 : 2015/6/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 792ページ
- ISBN-10 : 4041107318
- ISBN-13 : 978-4041107317
- 寸法 : 15.6 x 4.8 x 21.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,076,980位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 146,981位ノンフィクション (本)
- - 266,551位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年2月28日に日本でレビュー済み
このものすごく分厚く、読むだけでも骨の折そうなサリンジャーの伝記を編むということ、どれほどの苦難に満ちたものであったろうかと想像する。9年ほどかかったらしい。しかも生前、自分の伝記が画策されていると知るや裁判に訴えてまでその成立を阻止しようとした隠棲の大作家が相手である。本人が協力するわけはなく著者たちは周辺の、同時代に生きた人々、それは元妻・恋人たち、子息、コーニッシュの隣人たち、雑誌編集者、批評家、ジャーナリスト、作家、そして何よりノルマンディー上陸からパリの奪回そしてバルジの戦いを経て地獄絵図ともいえるカウフェリンクⅣ収容所までをともに戦い、生き抜いた戦友たちへのインタビューを中心としてこの伝記を構成した。その人数は巻末に挙げられているだけでも312人にもなる。実際にはもっと多い。著者らはそれらを加工せず、インタビュー協力者のことばをそのまま記載する。まるでモザイク画のように誰彼のことばによってある時代そのシチュエーションでのサリンジャーの実像を明らかにしていこうとする試みである。下手をすると羅列になってしまいまとまりのつかないものになってしまうかもしれない手法であるが、私は引き込まれるように読み進めることができた。イアン・ハミルトンのも読んだがこちらの方が完ぺきといっていい仕上がりではないだろうか。文中、「サリンジャーは戦争によって精神に大きなダメージを受けたが(PTSD)、戦前に開花しようとしていた彼の文学をさらなる別種の高みへと押し上げた」との意の記述がある。(不正確かもしれない)読了してから少し読み返してみると作家アンディ・ロジャースの意見がよく的を射ていると感じる。彼の言を引いて著者のサレルノは「サリンジャーは、敵との戦争を行う兵士についての本を書いたわけではない………社会と自分自身との戦争を行う若者についての本だ」と述べる。私はこのあたりにストンと腑に落ちるものを感じた。私は高校生のとき何気なく手にした九つの物語がサリンジャーに触れた最初である。何か言い表せないような不思議な魅力、意味を十分にとらえられなくてもどかしい思いを持ちながら、また一風変わった翻訳文にも惹かれながらこれまで何回か読み返し、本についても紛失したりするたびに買い直したりしてきた。私は「笑い男」が好きである。あの物語にも背後に戦争があると今うっすらと思ったりしている。