これは戦時戦後のインタビュー形式ノンフィクションが表のテーマ。
そして裏のテーマとして「格差社会」の問題提起。
何も考えずに読めば「あー、女性も戦時戦後大変なんだったんだなぁ」で終わるのだが構成がそれを許さない。
読者の「嫉妬や憤り」を掻き立ててくる。
5人のこの順番がすごい。
3人目までの苦労苦難話からの4人目の緒方貞子氏、ここで読者は「あれ？この人恵まれすぎ？」となったあとで5人目の吉武輝子氏でまたドン底の世界を見せてくる。
この順番に込められた「戦時でも家柄が生命危機の有無を大きく左右する」という憤り。
昨今の政治状況を見ても私は「緒方氏以外」の「死が隣にある一般人側」に立たされるのだろうな、と。
親ガチャにハズレはないが、明確に「当たりはある」と分かる素晴らしい構成だった。
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