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エマニュエル・トッド

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問題はロシアより、むしろアメリカだ　第三次世界大戦に突入した世界 (朝日新書) 新書 – 2023/6/13

エマニュエル・トッド (著), 池上彰 (著)

4.0 177個の評価

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ウクライナ戦争について、メディアで飛び交うさまざまな言説とは異なる新たなる視点。
「こんなことを話すのは、今日が初めてです」（エマニュエル・トッド）
「新たな視座を獲得するでしょう」（池上彰）

世界の頭脳であるフランス人人口学者のエマニュエル・トッド氏と、ジャーナリストの池上彰氏による初対談本。
なぜウクライナ戦争は起きたのか、いまだ終わりの見えない戦争の行方、長らく１強の覇権国家として君臨してきたアメリカの弱体化、それによって多極化、多様化していく世界をどう生きていけばいいのかーー。Ｇ７を含めた西側諸国がもはや少数派となる中で、日本の進むべき道とは？　全3日間にわたる白熱対談！

【目次】
はじめに　　　エマニュエル・トッド
第１章　ウクライナ戦争の原因とジャーナリストの責任
どうしてアメリカが戦争に向かわせたか
バルト3国からウクライナまで不安定な地域圏
「最大の責任はアメリカ」　まず日本で発言した理由
なぜメディアはロシア嫌いなのか
みなそろって好戦的な報道機関

第２章　終わらない戦争
第三次世界大戦はもう始まっている
ポーランドのロシアに対する憎しみ
好戦的になりつつあるバルト3国と米英
仲介案を出した中国の真の目的
ロシアと中国は戦争継続に意義がある

第３章　意識化の対立と「無」への恐怖
　　　　世界ではLGBTについて保守的な傾向の国が多い
忘れ去られるかもしれないネオフェミニズム
戦争を見ていくうえで重要な人類学的側面
ロシアがしていることはアメリカがしてきたこと
民主主義や自由を守る戦いではない

第４章　アメリカの没落
ＮＡＴＯの兵器供与が戦争を長引かせているのか
ウクライナ戦争の五つのファクター
アメリカはドイツにも戦争をしかけている
岸田文雄首相のキーウ電撃訪問に疑問
ヨーロッパ人は現実を直視していない

第５章　多様化していく世界と我々
アメリカが崩壊したら日本はどうするべきか
グローバルサウスはむしろロシアに近い
みんなが負ける負け戦が続く
世界が多様化しても不安定とは限らない

ロシアはもちろん悪いのだが―ーあとがきに代えて　池上彰
年表　ウクライナ戦争をめぐる動き

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本の長さ

200ページ
言語

日本語
出版社

朝日新聞出版
発売日

2023/6/13
寸法

1 x 10.7 x 17.2 cm
ISBN-10

4022952237
ISBN-13

978-4022952233
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出版社 ‏ : ‎ 朝日新聞出版 (2023/6/13)
発売日 ‏ : ‎ 2023/6/13
言語 ‏ : ‎ 日本語
新書 ‏ : ‎ 200ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4022952237
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4022952233
寸法 ‏ : ‎ 1 x 10.7 x 17.2 cm

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iisa

プーチン露大統領を罵倒していても？

2024年2月7日に日本でレビュー済み

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ソビエト連邦の崩壊後からの読み解かないと、全体像が解らないと思いました。お勧めです。

2人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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JBHHLW

危機なのはロシアより、むしろアメリカなんだ！

2024年4月27日に日本でレビュー済み

専制主義ロシアに対するホワイトナイト自由主義アメリカという、常識的なテーゼ（主張）に対する、アンチテーゼ（反論）。
人類学的考察を支点にした逆転した視点が新鮮。
ウクライナ戦争はロシアではなくアメリカが仕掛けた。
ウクライナ戦争の敗者はロシアではなくアメリカ。
事実が鏡の鏡面のように再構成されて、まったく別の物語となります。
こんな主張が認められているうちは、未だ大丈夫ですね。
ヘーゲルの歴史哲学的に言うと、テーゼ（主張）、アンチテーゼ（反論）の次はジンテーゼ（総合）となるが、歴史はどこに止揚（aufheben)されるのか？
目が離せない。
地理的に離れててよかった。
アメリカ大丈夫か？

2023年6月19日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

①ロシア側から見たウクライナ戦争論として注目される。マスコミおよびアメリカの社会主義時代（冷戦期）からのソ連嫌悪感の露呈、冷戦後もNATO陣営はロシアを仮想敵国と見なし、加盟国を増やしてロシアを追い詰めた。そしてギリシャ正教（ロシア正教）をめぐるウクライナとロシアを巡る対立等いくつかの背景、対立の構図がある。
②しかし、何と言ってもNATOの盟主国はアメリカである。そこでも米英の結束は固い。事実上は、ウクライナ+NATOとロシアの戦争である。
③アメリカを「ディープステート」と読んで批判し、世界資本主義のリーダーとしてのアメリカの陰謀を指摘する元外交官もいる。この見地からすると、金融資本主義の世界支配と野望の妨げになるのがロシアということになる。
④人類学者トッド独自の視点としての家族システムを巡るロシアとアメリカの顕著な違いも本書で指摘されている。
⑤本書は第三次世界大戦の危機を指摘するが、その場合には必ず核戦争の危機を指摘する必要がある。尖閣諸島台湾を巡る日米VS中の対立は、これだけでも第三次世界大戦の危機を誘発するに十分である。
⑥本書には紛争の危険性を様々に述べるが、紛争解決の議論がない。核戦争を抑止し、国際ルールで紛争を解決する知恵を考察すべきときである。
お勧めの一冊だ。

30人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

Amazon カスタマー

読むべき本です！

2023年9月6日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

詳しいことは書きませんが、フランスの著名人から見た今回のウクライナ侵攻に関して、アメリカのスタンスに関して目から鱗が落ちました。ロシアの軍事侵攻は全くキチガイ沙汰ですが、アメリカも似たような者であることに共感してしまいました。片方の情報ばかりでは無く、多方面からの意見を聞くことの大切さがわかりました。

16人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

ヨハイ

代理戦争

2023年9月1日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

勝者の生まれない戦争だと対談で意見が出ています。本当にそうだと思います。私は、ドローンなど新型兵器も投入されているので勝者は商売人かとも思いますが。

8人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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Apple987654321

フランスの家族人類学者による解釈は、新たな視点を我々に与えてくれる

2023年8月11日に日本でレビュー済み

ウクライナ戦争は単なる「民主主義対専制主義」ではなく、政治学・経済学といった「意識レベル」では捉えられない、無意識レベルの人類学的な対立であるという、家族人類学者のトッド氏の解釈に基づき、ウクライナ戦争に関連する見解が様々述べられている。

それによれば、英米などアングロサクソン系、仏、北欧などは、子供が結婚後は独立した世帯を持つ核家族の構造を持っていて、女性の地位は高い、相続は親の遺言で決定（絶対家族主義）、相続は子供たちの間で平等に男女差別なく分け合う（平等主義核家族）という特徴がある。

一方で、露、中国、イラン、アラブ諸国、セルビアなどでは、父系制で共同体家族の構造がある。この親族システムでは、相続は男性を通じて行われる。

日独は両者の中間的な立場で、いわゆる「直系家族」という家族システムがあり、通常は男子長子が結婚後も親と同居し全てを相続する。自由な個人とは「相続を受けない」「しない」個人、つまり長男以外となる。

個人の解放や個人主義につながる核家族構造は民主主義の台頭に欠かせない要素の一つであり、父系制や共同体家族構造の地域では共同体的な政治システムを生み出す傾向があるという。また日、独はいま「西側にいる」とされるが、それは人類学的な理由からではなく、「第二次世界大戦で負けたから」である。

ウクライナ戦争であらわになったのは、対露経済制裁を行っている国々とそうでない国々が大きく分かれているように、世界は分断しているということである。数でいえば西側諸国のような核家族構造の国は世界全体の25%と少数派であり、父系制の権威主義的な家族構造の国は世界の70%を超えていて、両者の関係は対露制裁の支持・不支持とオーバーラップしている。
また、西側諸国では不平等や寡頭制の台頭で民主主義が衰えつつある。戦争の帰趨を決する「産業の生産力」「工業力」の点でも、アメリカはグローバリゼーションを経て衰えを見せている。

そして、西側諸国は個人の自由は認める一方で他国に画一的な価値観を押し付けるのに対し、ロシアは自国内では権威主義的である一方で他国にはそれぞれの国の特殊性を尊重する姿勢を示しており、後者を支持する国（グローバルサウス）も世界には少なくない。

このように世界は多様化と分断が起きていて情勢の不確実さがあるということ、そして今後の世界の行方を左右するような様々な問題は、ロシアよりむしろアメリカにこそ存在する、というのが本書のテーマである。

37人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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直いい親父

　池上さんがトッド氏に対し質問を投げかけ、それに対しトッド氏が答えるとという形式の対談集です！！

2023年7月3日に日本でレビュー済み

池上さんがトッド氏に対し質問を投げかけ、
　それに対しトッド氏が答えるとという形式の対談集です。
　内容はトッド氏が、既に講演、対談、著作で述べていることとほぼ同じ内容で、
　それを補足するような感じではないですか！
　トッド氏の主張は、ロシアには戦争をするだけの理由がある、
　米国の狙いは、ロシアの弱体化とドイツ経済の破壊、だというもののです。
　今回の戦争がNATO、米対ロシア、というのは明白なことですが、
　ロシアのバックには中国がいて、米国の締め付けが効かないというのもよく理解できます。
　しかし、トッド氏はロシアの力を少々買いかぶりしているのでは、という気もします。
　米国も決して品行方正な国ではありませんが、
　私のような一般庶民は、ロシア、中国などと比べるとまだ米国のほうが良いのでは、
　と思うのですが・・・！？

12人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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hbspmd

多角的な視点

2023年6月20日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

ウクライナ戦争について、専門家といわれる人々が様々な見解を述べているが、エマニュエル・トッドの最大の特徴は、(これまでは米国に好意的な立場だったものの)ウクライナ戦争においては「米国が諸悪の根源」という考えを持っていることであろう。そこまで米国を悪者にする必要があるのか、という気がしないでもないが、そういう見方をするからこそ、見えて来るものがあるとすれば、それは取捨選択の上で受け止めれば良いのではないか。

ロシアが経済的に持ちこたえているのは、産業的な底力がある(輸出するモノがある)こと、経済制裁が有効に機能しなかったことを挙げている。一方で、米国の工業的な力(モノづくりの力)が弱いとみていて、長期戦になると米国が不利という見方をしている。実際に米国が日本に弾薬用の火薬の提供を求めていることを考えると、こうした見方を裏付けるものとなっている。

トッド自身が述べているように、彼が入手する情報は西側のものに限られており、正確な情報を把握している訳ではないとすれば、本書の内容についても鵜呑みにすべきではないのだろうが、多様な意見の一つとして参考にすれば良いのではないかと思われる。

24人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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