素直に著者の主張に賛同しました。
金学順さんたちの苦しみ。その方たちの境遇から免れたことに後ろめたさを感じて、その事実を明らかにしようとした尹貞玉さんの真心。
尹さんが、日本の政府やマスコミが重箱の隅をつつくような議論で愚かなエネルギーを費やしていることについて、「慰安婦制度を誰が作り、運営したのですか」といわれたことや、ノーマ・フィールドさんやキャロル・グラックさんたちが声明を出して、狭い法律用語(いきさつ)にこだわって、若い女性たちが拘束され、恐ろしい暴力にさらされたことを無視するのは間違いだ、と明快な(常識的な)声明を出されたことに、共感しました。
安倍政権が、河野談話を再検証するなどと、無理な恥ずかしいことを言い出した時には心配しましたが、現状は、まずは一息でしょうか。
植村さん頑張ってください。
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真実 私は「捏造記者」ではない 単行本(ソフトカバー) – 2016/2/27
植村 隆
(著)
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1991年に元慰安婦について書いた1本の記事が、23年後に元記者の人生を狂わせた。活字メディア・電話・ネットなどでの抗議・嫌がらせ・脅迫は家族・職場の大学にまで及び、元記者は闘うことを決意した。そしていまや司法、活字メディアへと抵抗のうねりは広がっている。元記者の名誉回復だけでなく、日本の民主主義の再生を求めて。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2016/2/27
- 寸法12.9 x 1.6 x 18.8 cm
- ISBN-104000610945
- ISBN-13978-4000610940
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商品の説明
著者について
植村 隆(うえむら たかし)
1958年,高知県生まれ.早稲田大学政経学部政治学科卒.1982年朝日新聞入社.仙台,千葉支局,大阪社会部などを経て,テヘラン支局長,ソウル支局,北海道支社報道部次長,東京本社外報部次長,中国総局(北京)を経て,2009年4月から北海道支社報道センター記者,2013年4月から函館支局長.2014年3月早期退職.2010年4月早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(博士後期課程)入学.2012年4月より16年3月末まで北星学園大学非常勤講師.2016年3月より韓国のカトリック大学校客員教授.
著書に『ソウルの風の中で』(社会思想社),共著に『マンガ韓国現代史 コバウおじさんの50年』(角川ソフィア文庫),『新聞と戦争』(朝日新聞出版)など.
1958年,高知県生まれ.早稲田大学政経学部政治学科卒.1982年朝日新聞入社.仙台,千葉支局,大阪社会部などを経て,テヘラン支局長,ソウル支局,北海道支社報道部次長,東京本社外報部次長,中国総局(北京)を経て,2009年4月から北海道支社報道センター記者,2013年4月から函館支局長.2014年3月早期退職.2010年4月早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(博士後期課程)入学.2012年4月より16年3月末まで北星学園大学非常勤講師.2016年3月より韓国のカトリック大学校客員教授.
著書に『ソウルの風の中で』(社会思想社),共著に『マンガ韓国現代史 コバウおじさんの50年』(角川ソフィア文庫),『新聞と戦争』(朝日新聞出版)など.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2016/2/27)
- 発売日 : 2016/2/27
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 224ページ
- ISBN-10 : 4000610945
- ISBN-13 : 978-4000610940
- 寸法 : 12.9 x 1.6 x 18.8 cm
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- - 174位新聞マスメディア
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- - 796位ジャーナリズム (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年2月27日に日本でレビュー済み
(2月28日午前3時 追記)
一度、下記のように、レビューを投稿しているのであるが、まだ言い足りないことがあり、再度書かせていただきたい。是非御容赦を頂きたいと思う。
私は、この著者の植村隆氏を過去にネットで脅迫したり、彼の家族の画像や実名をネット上で晒したりしたことは一度たりともない。ネット上で簡単に植村隆氏を揶揄、批判をしたことはある。そして、これからも、植村隆氏本人並びにご家族を脅迫したりすることは断じてない。第一、そんな時間など、私にはないからである。また、ネット大衆が植村氏本人並びにご家族を脅迫し、勤務先の大学にも脅迫文を送るという行為は、断じて許される行為ではない、と考えている。
さて、本書の中で、記者会見の席上、
ジャーナリストの江川紹子氏が、朝日新聞に対して、「何故、23年間訂正しなかったのか?」という質問をしたことが記載されている。本書を読んだ私も同様の疑問を抱いている。植村氏は、本書で朝日新聞の社内で報告、確認したが、問題はなかった、と記述している。しかし、やはり、元朝日新聞記者である、前川氏は、これとは異なる発言をしている。果たして、植村氏の記述は、正しいのであろうか?
植村氏は、91年に自分の書いた記事が「捏造」である、と批判されていることに、本書全体で反論を試みている。
しかし、当初、ある意味で「誤報」であったかもしれない。それに対して、朝日新聞並びに植村氏は、全く何も答えることなく、無視を続けた。そのため、批判者(具体的には、東京基督教大学教授の西岡力氏)は、「捏造」と言い始めた、と非難している。これは、仕方のないことだろう。批判に一向に答えることがなく、無視を続ければ、
単なる「誤報」ではなく、「確信犯」であった、と考えても致し方がない。
その23年間、何の応答もしないうちに、驚くべきモノが出現した。それは、「インターネット」である。
正否に関係なく、あらゆる情報が拡散してしまう。朝日新聞は、それらを見誤ったのである。朝日新聞の不作為の罪と言って良いであろう。
本書を読んで、植村氏は、過去から現在に至るまで、日本は、「絶対悪」であり、韓国は、「絶対善」である、という歴史観を持つ人間であることが良くわかった。「歴史には、明と暗がある。」という金美齢さんの言葉をたぶん理解することは出来ないだろう。
また、本書を読んでいて、植村氏は、「慰安婦問題」を「女性の人権問題」として論じてきた(これからも、その観点で論じていく、と言明している)、という。いや、違う。そうではあるまい!これは、勝手なアジェンダ変更である。朝日新聞は、「慰安婦問題」を
日本軍の関与の有無、(狭義の)強制連行の有無について論じていたはずである。
ここで、思い出すのは、福田恆存の言葉である。
「日本の平和論は、正月などに使う「屠蘇の杯」だというのである。屠蘇の杯は、「小さい杯は、順次により大きな杯の上にのつかっている。」平和問題論者は、基地の教育問題を日本の植民地化に、さらに、安保条約に、そして資本主義対共産主義という根本問題にまでさかのぼらせる。小さな杯を問題にするためにはどんどん大きな杯を問題にしなければならない。」(引用は、竹内洋氏の『革新幻想の戦後史』中央公論新社。福田恆存の論文は、「平和論の進め方についての疑問」)
最後に、本書のレビューのタイトルを、「ジャーナリスト失格」と書いた。それは、植村氏が、言論には、言論で答えるべきところを、大人数の弁護士とともに、批判者を訴える裁判を起こしたからである。もう、ジャーナリズムの自滅、ジャーナリストとしての仕事の放棄と言っても良いだろう。
一種の「言論の封殺」である。
そのような裁判を起こしている著者の本を、少しでも批判、非難すると、著者から、一般人であっても、「名誉毀損」等で訴えられるのではないか?との恐れがあったとしてもおかしくはあるまい。
そのような「言論の封殺」を行う著者の本であっても、私は、大きな声を出して言いたい。
「植村隆氏は、「捏造記者」である。」と。
(2月27日午後17時 読了、2月28日午前レビューを編集)
現代の日本の出版業界では、手記ビジネスが大流行りである。
これは、その第三弾であろうか?
さて、私は、本書の内容に共感して購入した訳ではない。逆に、本書の内容を批判的に読むために購入したのである。
果たして、その予想は的中してしまった。
始めに、私は、本書の16頁までしか読まずに、レビューを書き始めた。それは、読み始めた最初からの違和感を感じたからである。そして、
私は、今、全部を読み終えた。
16頁までしか読んでいないのに、私は、こう書いていた。
「私は、本書を読んで、やり場のない"憤怒"を抑え切れなかったために、レビューを書きたくなったのである。この場合の"憤怒"とは、植村隆氏をバッシングするネット大衆ではなく、著者の植村隆氏に対する"憤怒"である。
16頁までしか読んでいないのであるが、疑問点が山程出て来てしまい、その"憤怒"の感情が抑え切れなかったのである。
そして、一度、その疑問点を書いたのであるが、投稿に失敗したために、再度レビューを投稿してみたのである。
疑問点とは、大学教員への転職ということについて、週刊文春の記事によってご破算になったことが書かれているが、過去からの週刊文春が疑義を呈しているにもかかわらず、全く答えることをせずにいたからであり、兎に角、自分は、徹底して"被害者"である、という態度なのである。
たった16頁までしか読んでいなくても、この通りである。
最後まで読み通したとしたら、いくつの疑問点が出て来るのであろうか?
私にとって、本書を読むことは、極めて精神衛生上良くないことは重々承知しているが、何とか我慢して読んでみたいと考えている。」
私は、この本を最後まで読み終えて、最初に抱いた違和感を今に至るまで引きずっている。上に書いた、やり場のない"憤怒"も依然として持続している。
植村隆氏は、1991年8月に書いた記事には、「女子挺身隊」の名で…と書き、
韓国では、「挺身隊」が「慰安婦」の意味で使われている事実を執拗に主張する。しかし、この記事が書かれたのは、韓国ではなく、日本である。日本では、「挺身隊」と「慰安婦」は、全く異なるものであることは、昔から認識されていたはずである。それは、植村隆氏が勤務していた朝日新聞が戦争中に刊行していた「アサヒグラフ」を見れば。分かるであろう。
そして、植村隆氏は、ご丁寧に、植村氏が書いた1991年8月の記事が韓国のどの新聞にも転電されていないことを調べている。しかし、韓国で最初に韓国人慰安婦として自ら名乗り出たとされる金学順さんも、日本国内の活動家が被告として探し出して来た人である。
従って、天下の朝日新聞が報じたこの内容を韓国にわざわざ伝え、社会問題とした人間がいても、可笑しくはないだろう。
この問題について、著者の植村氏が本書の中でも批判の対象にしている、
産経新聞OBの黒田勝弘氏は、これは、
「日韓問題」ではなく、「日日問題」である、と言っている。確かに、至言であろう。
植村氏は、この中で、朝日新聞だけではなく、産経新聞も他の新聞も、「挺身隊で」、また、「強制連行」と書いている、と非難している。朝日新聞と産経新聞を同列に考えているのである。驚き、呆れるしかない。
また、1991年8月の金学順さんが実名を明かす前の記事について、テープを聞いただけで記事にしたことついても、
「警察捜査にたとえて、第一人者が調査したから、信用した…」と答えている。その第一人者が、特定の政治思想を持っている、市民団体の人間であるにもかかわらず、である。
全く、理解できない発言である。
この本の瑕疵は、兎に角、挙げれば切りないほどである。
植村隆氏は、典型的な"朝日新聞記者"と言えるだろう。故人であるが、朝日新聞記者であった、松井やより氏の遺鉢を継ぐものなのだろう。
最後に、見逃せないのは、植村隆氏が米国の6つの大学で、自分へのバッシングについて講演していることであろう。これによって、また、間違った事実が拡散してしまったのではないだろうか。恐ろしいことである。さらに、「あとがき」で、「日韓関係の悪化は両国の「外交の貧困」「政治家の劣化」から引き起こされているように思われる。」とヌケヌケと書いているのである‼︎ 朝日新聞を始めとする、マスコミには、全く罪など微塵もない、とでも言うのであろうか。噴飯ものである。
本書には、⭐︎0という選択肢がないため、最低の⭐︎1つを付けたのであるが、
最後の「あとがき」を読んで、出来ることならば、マイナス点を付けたい気持ちが抑えられなくなっている。
私には、早急な気分転換が必要である。
一度、下記のように、レビューを投稿しているのであるが、まだ言い足りないことがあり、再度書かせていただきたい。是非御容赦を頂きたいと思う。
私は、この著者の植村隆氏を過去にネットで脅迫したり、彼の家族の画像や実名をネット上で晒したりしたことは一度たりともない。ネット上で簡単に植村隆氏を揶揄、批判をしたことはある。そして、これからも、植村隆氏本人並びにご家族を脅迫したりすることは断じてない。第一、そんな時間など、私にはないからである。また、ネット大衆が植村氏本人並びにご家族を脅迫し、勤務先の大学にも脅迫文を送るという行為は、断じて許される行為ではない、と考えている。
さて、本書の中で、記者会見の席上、
ジャーナリストの江川紹子氏が、朝日新聞に対して、「何故、23年間訂正しなかったのか?」という質問をしたことが記載されている。本書を読んだ私も同様の疑問を抱いている。植村氏は、本書で朝日新聞の社内で報告、確認したが、問題はなかった、と記述している。しかし、やはり、元朝日新聞記者である、前川氏は、これとは異なる発言をしている。果たして、植村氏の記述は、正しいのであろうか?
植村氏は、91年に自分の書いた記事が「捏造」である、と批判されていることに、本書全体で反論を試みている。
しかし、当初、ある意味で「誤報」であったかもしれない。それに対して、朝日新聞並びに植村氏は、全く何も答えることなく、無視を続けた。そのため、批判者(具体的には、東京基督教大学教授の西岡力氏)は、「捏造」と言い始めた、と非難している。これは、仕方のないことだろう。批判に一向に答えることがなく、無視を続ければ、
単なる「誤報」ではなく、「確信犯」であった、と考えても致し方がない。
その23年間、何の応答もしないうちに、驚くべきモノが出現した。それは、「インターネット」である。
正否に関係なく、あらゆる情報が拡散してしまう。朝日新聞は、それらを見誤ったのである。朝日新聞の不作為の罪と言って良いであろう。
本書を読んで、植村氏は、過去から現在に至るまで、日本は、「絶対悪」であり、韓国は、「絶対善」である、という歴史観を持つ人間であることが良くわかった。「歴史には、明と暗がある。」という金美齢さんの言葉をたぶん理解することは出来ないだろう。
また、本書を読んでいて、植村氏は、「慰安婦問題」を「女性の人権問題」として論じてきた(これからも、その観点で論じていく、と言明している)、という。いや、違う。そうではあるまい!これは、勝手なアジェンダ変更である。朝日新聞は、「慰安婦問題」を
日本軍の関与の有無、(狭義の)強制連行の有無について論じていたはずである。
ここで、思い出すのは、福田恆存の言葉である。
「日本の平和論は、正月などに使う「屠蘇の杯」だというのである。屠蘇の杯は、「小さい杯は、順次により大きな杯の上にのつかっている。」平和問題論者は、基地の教育問題を日本の植民地化に、さらに、安保条約に、そして資本主義対共産主義という根本問題にまでさかのぼらせる。小さな杯を問題にするためにはどんどん大きな杯を問題にしなければならない。」(引用は、竹内洋氏の『革新幻想の戦後史』中央公論新社。福田恆存の論文は、「平和論の進め方についての疑問」)
最後に、本書のレビューのタイトルを、「ジャーナリスト失格」と書いた。それは、植村氏が、言論には、言論で答えるべきところを、大人数の弁護士とともに、批判者を訴える裁判を起こしたからである。もう、ジャーナリズムの自滅、ジャーナリストとしての仕事の放棄と言っても良いだろう。
一種の「言論の封殺」である。
そのような裁判を起こしている著者の本を、少しでも批判、非難すると、著者から、一般人であっても、「名誉毀損」等で訴えられるのではないか?との恐れがあったとしてもおかしくはあるまい。
そのような「言論の封殺」を行う著者の本であっても、私は、大きな声を出して言いたい。
「植村隆氏は、「捏造記者」である。」と。
(2月27日午後17時 読了、2月28日午前レビューを編集)
現代の日本の出版業界では、手記ビジネスが大流行りである。
これは、その第三弾であろうか?
さて、私は、本書の内容に共感して購入した訳ではない。逆に、本書の内容を批判的に読むために購入したのである。
果たして、その予想は的中してしまった。
始めに、私は、本書の16頁までしか読まずに、レビューを書き始めた。それは、読み始めた最初からの違和感を感じたからである。そして、
私は、今、全部を読み終えた。
16頁までしか読んでいないのに、私は、こう書いていた。
「私は、本書を読んで、やり場のない"憤怒"を抑え切れなかったために、レビューを書きたくなったのである。この場合の"憤怒"とは、植村隆氏をバッシングするネット大衆ではなく、著者の植村隆氏に対する"憤怒"である。
16頁までしか読んでいないのであるが、疑問点が山程出て来てしまい、その"憤怒"の感情が抑え切れなかったのである。
そして、一度、その疑問点を書いたのであるが、投稿に失敗したために、再度レビューを投稿してみたのである。
疑問点とは、大学教員への転職ということについて、週刊文春の記事によってご破算になったことが書かれているが、過去からの週刊文春が疑義を呈しているにもかかわらず、全く答えることをせずにいたからであり、兎に角、自分は、徹底して"被害者"である、という態度なのである。
たった16頁までしか読んでいなくても、この通りである。
最後まで読み通したとしたら、いくつの疑問点が出て来るのであろうか?
私にとって、本書を読むことは、極めて精神衛生上良くないことは重々承知しているが、何とか我慢して読んでみたいと考えている。」
私は、この本を最後まで読み終えて、最初に抱いた違和感を今に至るまで引きずっている。上に書いた、やり場のない"憤怒"も依然として持続している。
植村隆氏は、1991年8月に書いた記事には、「女子挺身隊」の名で…と書き、
韓国では、「挺身隊」が「慰安婦」の意味で使われている事実を執拗に主張する。しかし、この記事が書かれたのは、韓国ではなく、日本である。日本では、「挺身隊」と「慰安婦」は、全く異なるものであることは、昔から認識されていたはずである。それは、植村隆氏が勤務していた朝日新聞が戦争中に刊行していた「アサヒグラフ」を見れば。分かるであろう。
そして、植村隆氏は、ご丁寧に、植村氏が書いた1991年8月の記事が韓国のどの新聞にも転電されていないことを調べている。しかし、韓国で最初に韓国人慰安婦として自ら名乗り出たとされる金学順さんも、日本国内の活動家が被告として探し出して来た人である。
従って、天下の朝日新聞が報じたこの内容を韓国にわざわざ伝え、社会問題とした人間がいても、可笑しくはないだろう。
この問題について、著者の植村氏が本書の中でも批判の対象にしている、
産経新聞OBの黒田勝弘氏は、これは、
「日韓問題」ではなく、「日日問題」である、と言っている。確かに、至言であろう。
植村氏は、この中で、朝日新聞だけではなく、産経新聞も他の新聞も、「挺身隊で」、また、「強制連行」と書いている、と非難している。朝日新聞と産経新聞を同列に考えているのである。驚き、呆れるしかない。
また、1991年8月の金学順さんが実名を明かす前の記事について、テープを聞いただけで記事にしたことついても、
「警察捜査にたとえて、第一人者が調査したから、信用した…」と答えている。その第一人者が、特定の政治思想を持っている、市民団体の人間であるにもかかわらず、である。
全く、理解できない発言である。
この本の瑕疵は、兎に角、挙げれば切りないほどである。
植村隆氏は、典型的な"朝日新聞記者"と言えるだろう。故人であるが、朝日新聞記者であった、松井やより氏の遺鉢を継ぐものなのだろう。
最後に、見逃せないのは、植村隆氏が米国の6つの大学で、自分へのバッシングについて講演していることであろう。これによって、また、間違った事実が拡散してしまったのではないだろうか。恐ろしいことである。さらに、「あとがき」で、「日韓関係の悪化は両国の「外交の貧困」「政治家の劣化」から引き起こされているように思われる。」とヌケヌケと書いているのである‼︎ 朝日新聞を始めとする、マスコミには、全く罪など微塵もない、とでも言うのであろうか。噴飯ものである。
本書には、⭐︎0という選択肢がないため、最低の⭐︎1つを付けたのであるが、
最後の「あとがき」を読んで、出来ることならば、マイナス点を付けたい気持ちが抑えられなくなっている。
私には、早急な気分転換が必要である。
2016年3月15日に日本でレビュー済み
2014年8月、朝日新聞は慰安婦関連の記事や「吉田調書」に関する記事を取り消し、また同年9月11日に同社の木村社長が謝罪会見を行った。この直後から右派メディアを中心に、怒涛のような朝日バッシングや、植村元記者とその家族への人権侵害に等しい脅迫や個人バッシングが続いている。日本の知性劣化を象徴するような事件である。
いつものことながら極右派の手口は、曲解・誤解に基づいてケチを付け、世間に拡散してネットワーク大衆(ネトウヨ)を扇動して匿名での個人攻撃に至らしめるばかりでなく、家族や勤務先まで脅迫して生活や人権を脅かすという実に悪辣なものである。本件は、戦前の蓑田胸喜による狂気のような天皇機関説攻撃が言論を圧殺して無謀な戦争に突入する水先案内人の役割を果たした事件や、戦後のアメリカに吹き荒れたマッカーシズムを連想させる。朝日新聞や植村氏へのバッシングは、極右派による「現代の魔女狩り」である。
本件については既に第三者の立場から、青木理著『抵抗の拠点から-朝日新聞「慰安婦報道」の核心』(講談社、2014年刊)が、本来は記事訂正で十分な内容にも関わらず、反知性主義的な政権と右派メディアが「朝日憎し」と仕組んだものであることを明らかにした。本書は、植村氏自身が、問題となった記事執筆の経緯や意図を丁寧に説明し、「捏造記者」という汚名がいわれのないものであることを説明している。
本書で植村氏は、慰安婦問題全体に立ち入ることは避け、あくまでも自らが「捏造記者」と批判された記事だけに限定して、すべての記事・証拠を開示して反論している。極右派の植村氏攻撃は、最初は西岡力氏により1992年から始まり現在まで続くものが中心であり、その攻撃のポイントは次の3点である。(1)名乗り出た元慰安婦金学順さんに関して「挺身隊」を意図的に慰安婦と誤解させる記事を書いた、(2)金さんがキーセンとして売られた事実を隠した、(3)植村氏の韓国人の妻の母親が韓国における慰安婦裁判の利害者だから記事を書いた、以上である。植村氏の反論は次の通りである。(1)に関しては、当時も今も「挺身隊」は韓国では慰安婦と同じ意味で用いられており、朝日だけでなく産経や読売も使っていることを具体的記事(年月日明示)で示している。(2)については、最初の聞き取り時にはキーセン学校の件は金さんから発言がなく、後の訴状で初めて言及されたもので、当時は朝日だけでなく産経や読売など全国5紙キーセンの件は触れていないことを具体的記事(年月日明示)で示している。(3)については、朝日だけでなく産経や読売など全国5紙も金さんの報道をしており、朝日の記事だけが訴訟を有利にしたはずがないとしている。なお、吉田清治氏の「証言」に関して、植村氏は一切記事を書いていない。
以上の説明でどうして「捏造記者」と呼べるのかと植村氏は主張しているが、評者も全く同感である。仮にも植村氏を「捏造記者」と呼ぶならば、朝日だけでなく産経や読売など全国5紙の当時の記者も同様に「捏造記者」である。産経や読売が植村記者を非難する資格は全くないのだ。極右評論家や産経や読売は、この極めて基本的な事実を隠して植村氏に対する攻撃を続けている。卑劣という他はない。植村氏攻撃を開始した西岡力氏や櫻井よしこ氏と彼らの言説を掲載し、また自らも攻撃を続けてきた週刊文春や産経新聞、読売新聞などの罪は重い。植村氏はこれら評論家やメディアに対して名誉棄損訴訟を2件起こしているが、全国の多くの弁護士が賛同して強力な弁護団が短期間で結成された。上述したように「捏造記者」という攻撃に全く根拠がないこと、それどころか攻撃するメディア自身が同罪であること、メディアの扇動が悪質な人権侵害をもたらした事案であることなどから、植村氏が勝訴することは確実と思われる。
本書のレビューで低評価のもの(星1つまたは2つ)のものは、本書の内容を碌に読んでいないか、読んでも植村氏の単純明快で論理的な説明を頭から理解を拒否しているようだ。残念という他ない。これらの皆さんがこれからも植村氏を「捏造記者」呼ばわりを続けるのであれば、本書が証明したように、産経新聞や読売新聞も「捏造メディア」と呼んで頂きたい。
「朝日バッシング」は政権と右派メディアが仕組んだもの、となぜ推測できるのか。まず政権が、過去のNHK慰安婦報道番組改変事件などで、かねてから朝日新聞を目の敵にしていたことがある。また朝日新聞が「吉田調書」をスクープして大きな話題になってから、頃合いを見計らったように読売・産経両紙に官邸が調書をリークして、朝日の「誤報」を追及させたことも政権と右派メディアの連携を示す。さらに、「誤報」を奇貨として読売新聞が朝日バッシングのパンフレットまで作って、朝日のシェアを奪おうとした用意の良さも異様である。政権や右派メディアには、「リベラリズムの象徴」や「エスタブリッシュメントのメディア」としての朝日新聞への激しい憎悪や嫉妬心が今回の異常なバッシングの背景にあるようだ。「敵失」をチャンスにした「朝日潰し」が右派の狙いと考えられる。
「朝日バッシング」の主役である産経新聞の慰安婦報道が極めて杜撰であり朝日新聞を責める資格など全くないことを、実は産経新聞自身が証明していることをご存じだろうか。バッシングの「ヒーロー」である阿比留瑠比・産経新聞記者による、植村隆・元朝日記者へのインタビュー記事が2015年8月4日の産経新聞紙上に掲載された。その内容は、徹底的に植村氏をこき下ろすものだった。ところが、8月29日にWebにアップされた「元朝日新聞・植村隆氏インタビュー詳報」を読むと、実態は全く異なる。一言でいえば、「産経新聞の完敗」であり、彼らの唱える「歴史戦」なるものが曲解・誤解・無知に基づいたいかにお粗末なものであるかを自ら暴露したのである。詳細は各自ご確認頂きたいが、「リテラ」2015年9月25日で野尻民夫氏がインタビューを要約し、論評しているのでこちらも参考にして頂きたい。
産経新聞は自らの「朝日バッシング」の記事を『歴史戦』(産経新聞、2014年刊)という書物にまとめている。これまで説明してきた通り、曲解・誤解・無知に基づいた醜悪な本であるが、驚いたことに自民党はこの本を英訳して、海外の知識人やジャーナリストに送り付け、大いにひんしゅくを買っているという(「リテラ」2015年10月18日、宮島みつや氏論考)。さらに、自民党・外交再生戦略会議が、対中韓「歴史戦」に備えて外務省職員の定員の大幅増を求める決議をしたという(2015年11月20日、産経ニュース)。これらの一連の流れを見ると、朝日バッシングが政権と右派メディ(特に産経新聞)が連携して仕組んだものであるという上記の推定は間違いなさそうである。
そもそも慰安婦問題の本質を忘れ、「朝日バッシング」に狂奔する日本の右派メディアに扇動されるのは日本の一部の人々だけであり、世界の誰が妄説に耳を傾けるというのか。右派がこのような「主張」(妄説)を世界に発信することで、世界中から軽蔑され、日本国の尊厳をどれだけ貶めていることか。右派の行っているのは、「愛国」とは全く正反対の愚かな行為という他はない。
[2016/3/17 追記]
「朝日バッシングは政権と右派メディアが仕組んだもの」であることを裏付ける決定的な証拠が、ごく最近明らかになった。コネチカット大学・歴史学教授のアレクシス・ダデン氏による「日本から届いた脅迫と「歴史修正主義本」」と題する記事である(「週刊金曜日」2016年3月11日号)。ダデン教授は、2015年3月にアメリカの多数の歴史学者が発表した「日本の歴史家を支持する声明」の賛同者の一員である。そのダデン教授の元に去年から脅迫メールや歴史修正主義本が頻々と送られているという。脅迫メールは生命への危害をも示唆する極めて悪質なものである。また「フジサンケイパブリケーションズ」名義で送られてくる郵送物は、上記の『歴史戦』(産経新聞社刊)や類似の「歴史修正主義本」英訳本のであるという。郵送物が到着後、自民党・猪口邦子参議院議員から海外の知識人宛に、これらの本を読んで日本側の歴史認識への理解を深めてもらうよう、日本政府の公式肩書き付き署名入りの手紙が届けられた。
ダデン教授は、脅迫メールの発信元を突き止めることは技術的には可能だが、日本大使館経由での手続きには信頼が置けないとして、とりあえずメールや郵送物を証拠物件として保全しているという。声明に賛同した歴史家仲間にも同じ処理を呼び掛け、機会を見て公開し適切な措置を取る意向である。ダデン教授は、この一連の動きに関して、産経新聞論説委員・古森義久氏がかねてからダデン氏を激しく非難していること、また在米の日本人極右団体も関与の推定されるとしている。さらに、一連の大掛かりなプロパガンダの資金源はどこかにも大きな疑問を呈している。
評者はこの記事を読み、朝日バッシングと酷似しているダデン教授らへの脅迫やプロパガンダは、朝日バッシングが政権と右派メディアが仕組んだものである動かぬ証拠と確信している。いよいよ極右派が、嘘で塗り固めた朝日バッシングを、アメリカの歴史家たちにまで「国際展開」し始めたのである。いずれ国際問題化して政権の責任が問われたり、脅迫者たちの身元も割れて、とんでもない「国辱事件」化する可能性もある。
いつものことながら極右派の手口は、曲解・誤解に基づいてケチを付け、世間に拡散してネットワーク大衆(ネトウヨ)を扇動して匿名での個人攻撃に至らしめるばかりでなく、家族や勤務先まで脅迫して生活や人権を脅かすという実に悪辣なものである。本件は、戦前の蓑田胸喜による狂気のような天皇機関説攻撃が言論を圧殺して無謀な戦争に突入する水先案内人の役割を果たした事件や、戦後のアメリカに吹き荒れたマッカーシズムを連想させる。朝日新聞や植村氏へのバッシングは、極右派による「現代の魔女狩り」である。
本件については既に第三者の立場から、青木理著『抵抗の拠点から-朝日新聞「慰安婦報道」の核心』(講談社、2014年刊)が、本来は記事訂正で十分な内容にも関わらず、反知性主義的な政権と右派メディアが「朝日憎し」と仕組んだものであることを明らかにした。本書は、植村氏自身が、問題となった記事執筆の経緯や意図を丁寧に説明し、「捏造記者」という汚名がいわれのないものであることを説明している。
本書で植村氏は、慰安婦問題全体に立ち入ることは避け、あくまでも自らが「捏造記者」と批判された記事だけに限定して、すべての記事・証拠を開示して反論している。極右派の植村氏攻撃は、最初は西岡力氏により1992年から始まり現在まで続くものが中心であり、その攻撃のポイントは次の3点である。(1)名乗り出た元慰安婦金学順さんに関して「挺身隊」を意図的に慰安婦と誤解させる記事を書いた、(2)金さんがキーセンとして売られた事実を隠した、(3)植村氏の韓国人の妻の母親が韓国における慰安婦裁判の利害者だから記事を書いた、以上である。植村氏の反論は次の通りである。(1)に関しては、当時も今も「挺身隊」は韓国では慰安婦と同じ意味で用いられており、朝日だけでなく産経や読売も使っていることを具体的記事(年月日明示)で示している。(2)については、最初の聞き取り時にはキーセン学校の件は金さんから発言がなく、後の訴状で初めて言及されたもので、当時は朝日だけでなく産経や読売など全国5紙キーセンの件は触れていないことを具体的記事(年月日明示)で示している。(3)については、朝日だけでなく産経や読売など全国5紙も金さんの報道をしており、朝日の記事だけが訴訟を有利にしたはずがないとしている。なお、吉田清治氏の「証言」に関して、植村氏は一切記事を書いていない。
以上の説明でどうして「捏造記者」と呼べるのかと植村氏は主張しているが、評者も全く同感である。仮にも植村氏を「捏造記者」と呼ぶならば、朝日だけでなく産経や読売など全国5紙の当時の記者も同様に「捏造記者」である。産経や読売が植村記者を非難する資格は全くないのだ。極右評論家や産経や読売は、この極めて基本的な事実を隠して植村氏に対する攻撃を続けている。卑劣という他はない。植村氏攻撃を開始した西岡力氏や櫻井よしこ氏と彼らの言説を掲載し、また自らも攻撃を続けてきた週刊文春や産経新聞、読売新聞などの罪は重い。植村氏はこれら評論家やメディアに対して名誉棄損訴訟を2件起こしているが、全国の多くの弁護士が賛同して強力な弁護団が短期間で結成された。上述したように「捏造記者」という攻撃に全く根拠がないこと、それどころか攻撃するメディア自身が同罪であること、メディアの扇動が悪質な人権侵害をもたらした事案であることなどから、植村氏が勝訴することは確実と思われる。
本書のレビューで低評価のもの(星1つまたは2つ)のものは、本書の内容を碌に読んでいないか、読んでも植村氏の単純明快で論理的な説明を頭から理解を拒否しているようだ。残念という他ない。これらの皆さんがこれからも植村氏を「捏造記者」呼ばわりを続けるのであれば、本書が証明したように、産経新聞や読売新聞も「捏造メディア」と呼んで頂きたい。
「朝日バッシング」は政権と右派メディアが仕組んだもの、となぜ推測できるのか。まず政権が、過去のNHK慰安婦報道番組改変事件などで、かねてから朝日新聞を目の敵にしていたことがある。また朝日新聞が「吉田調書」をスクープして大きな話題になってから、頃合いを見計らったように読売・産経両紙に官邸が調書をリークして、朝日の「誤報」を追及させたことも政権と右派メディアの連携を示す。さらに、「誤報」を奇貨として読売新聞が朝日バッシングのパンフレットまで作って、朝日のシェアを奪おうとした用意の良さも異様である。政権や右派メディアには、「リベラリズムの象徴」や「エスタブリッシュメントのメディア」としての朝日新聞への激しい憎悪や嫉妬心が今回の異常なバッシングの背景にあるようだ。「敵失」をチャンスにした「朝日潰し」が右派の狙いと考えられる。
「朝日バッシング」の主役である産経新聞の慰安婦報道が極めて杜撰であり朝日新聞を責める資格など全くないことを、実は産経新聞自身が証明していることをご存じだろうか。バッシングの「ヒーロー」である阿比留瑠比・産経新聞記者による、植村隆・元朝日記者へのインタビュー記事が2015年8月4日の産経新聞紙上に掲載された。その内容は、徹底的に植村氏をこき下ろすものだった。ところが、8月29日にWebにアップされた「元朝日新聞・植村隆氏インタビュー詳報」を読むと、実態は全く異なる。一言でいえば、「産経新聞の完敗」であり、彼らの唱える「歴史戦」なるものが曲解・誤解・無知に基づいたいかにお粗末なものであるかを自ら暴露したのである。詳細は各自ご確認頂きたいが、「リテラ」2015年9月25日で野尻民夫氏がインタビューを要約し、論評しているのでこちらも参考にして頂きたい。
産経新聞は自らの「朝日バッシング」の記事を『歴史戦』(産経新聞、2014年刊)という書物にまとめている。これまで説明してきた通り、曲解・誤解・無知に基づいた醜悪な本であるが、驚いたことに自民党はこの本を英訳して、海外の知識人やジャーナリストに送り付け、大いにひんしゅくを買っているという(「リテラ」2015年10月18日、宮島みつや氏論考)。さらに、自民党・外交再生戦略会議が、対中韓「歴史戦」に備えて外務省職員の定員の大幅増を求める決議をしたという(2015年11月20日、産経ニュース)。これらの一連の流れを見ると、朝日バッシングが政権と右派メディ(特に産経新聞)が連携して仕組んだものであるという上記の推定は間違いなさそうである。
そもそも慰安婦問題の本質を忘れ、「朝日バッシング」に狂奔する日本の右派メディアに扇動されるのは日本の一部の人々だけであり、世界の誰が妄説に耳を傾けるというのか。右派がこのような「主張」(妄説)を世界に発信することで、世界中から軽蔑され、日本国の尊厳をどれだけ貶めていることか。右派の行っているのは、「愛国」とは全く正反対の愚かな行為という他はない。
[2016/3/17 追記]
「朝日バッシングは政権と右派メディアが仕組んだもの」であることを裏付ける決定的な証拠が、ごく最近明らかになった。コネチカット大学・歴史学教授のアレクシス・ダデン氏による「日本から届いた脅迫と「歴史修正主義本」」と題する記事である(「週刊金曜日」2016年3月11日号)。ダデン教授は、2015年3月にアメリカの多数の歴史学者が発表した「日本の歴史家を支持する声明」の賛同者の一員である。そのダデン教授の元に去年から脅迫メールや歴史修正主義本が頻々と送られているという。脅迫メールは生命への危害をも示唆する極めて悪質なものである。また「フジサンケイパブリケーションズ」名義で送られてくる郵送物は、上記の『歴史戦』(産経新聞社刊)や類似の「歴史修正主義本」英訳本のであるという。郵送物が到着後、自民党・猪口邦子参議院議員から海外の知識人宛に、これらの本を読んで日本側の歴史認識への理解を深めてもらうよう、日本政府の公式肩書き付き署名入りの手紙が届けられた。
ダデン教授は、脅迫メールの発信元を突き止めることは技術的には可能だが、日本大使館経由での手続きには信頼が置けないとして、とりあえずメールや郵送物を証拠物件として保全しているという。声明に賛同した歴史家仲間にも同じ処理を呼び掛け、機会を見て公開し適切な措置を取る意向である。ダデン教授は、この一連の動きに関して、産経新聞論説委員・古森義久氏がかねてからダデン氏を激しく非難していること、また在米の日本人極右団体も関与の推定されるとしている。さらに、一連の大掛かりなプロパガンダの資金源はどこかにも大きな疑問を呈している。
評者はこの記事を読み、朝日バッシングと酷似しているダデン教授らへの脅迫やプロパガンダは、朝日バッシングが政権と右派メディアが仕組んだものである動かぬ証拠と確信している。いよいよ極右派が、嘘で塗り固めた朝日バッシングを、アメリカの歴史家たちにまで「国際展開」し始めたのである。いずれ国際問題化して政権の責任が問われたり、脅迫者たちの身元も割れて、とんでもない「国辱事件」化する可能性もある。
2022年5月27日に日本でレビュー済み
・こんな本を世に送るとは、岩波茂雄の創業の精神に悖ると思う。
・内容(「BOOK」データベースより)
1)1991年に元慰安婦について書いた1本の記事が、23年後に不当なバッシングを受け、→ 不当な?
2)元記者は闘うことを決意した。→ 記者なのにペンではなく弁護士を前面に立てて法廷闘争。
3)尊厳と真実を賭けて一新聞記者が起こした、たった1人の闘いは、大きな支援の輪に支えられ、いまや司法、活字メディアへと広がっている。→ 尊厳は大いにありそうだが、真実? 本当か? 170人の大弁護団を動員してるのだから「たった1人の闘い」とは誇大広告じゃ無いのか。
4)自身の名誉回復だけでなく、日本の民主主義の再生を求めて。卑劣な攻撃に屈せず抗う元記者の闘いの手記。→ 本当に卑劣なのはだれか、第三者のジャッジを受ける勇気はあるのだろうか? 司法のジャッジはでましたが、しょせん松井やよりと同類項のキャラ(松井やより、と検索し動画を一覧してほしい。ああ、同じ朝日新聞の記者ですよ)。著者は残りの人生、自分に反するものをみな醜く否定し、生きていくのだろう。松井は物故したが。
・で、なぜ「週刊金曜日」社長が弁解する場を、岩波書店があたえるのかが、謎である。そして、この本にも原稿料は出たのだろうか。
・本書は、徹頭徹尾
「韓国・慰安婦・自分は絶対正義」
「日本・文藝春秋・自分のことを語るインターネットは絶対悪」
の姿勢で貫かれている。ある意味で立派、かつ面白い。「顰蹙を買う」という言葉は著者の頭に無いようだ。
・岩波書店は買切り・返品不可で有名だが(まぁ、大手書店にはウラで便宜を図っているが)、このみっともない本が配本された「岩波書店の便宜にあずかれない書店」では不良在庫になるだけだ。みな立ち読みで済ますだろうから、白装丁の表紙は手垢にまみれて。そこは何とするのか。
・で、結局、紙資源の無駄使いである。同じ紙を使うのなら、岩波文庫・新書の品切れ良書復刊・重版に、そのリソースを充てるべきだろう。
・内容(「BOOK」データベースより)
1)1991年に元慰安婦について書いた1本の記事が、23年後に不当なバッシングを受け、→ 不当な?
2)元記者は闘うことを決意した。→ 記者なのにペンではなく弁護士を前面に立てて法廷闘争。
3)尊厳と真実を賭けて一新聞記者が起こした、たった1人の闘いは、大きな支援の輪に支えられ、いまや司法、活字メディアへと広がっている。→ 尊厳は大いにありそうだが、真実? 本当か? 170人の大弁護団を動員してるのだから「たった1人の闘い」とは誇大広告じゃ無いのか。
4)自身の名誉回復だけでなく、日本の民主主義の再生を求めて。卑劣な攻撃に屈せず抗う元記者の闘いの手記。→ 本当に卑劣なのはだれか、第三者のジャッジを受ける勇気はあるのだろうか? 司法のジャッジはでましたが、しょせん松井やよりと同類項のキャラ(松井やより、と検索し動画を一覧してほしい。ああ、同じ朝日新聞の記者ですよ)。著者は残りの人生、自分に反するものをみな醜く否定し、生きていくのだろう。松井は物故したが。
・で、なぜ「週刊金曜日」社長が弁解する場を、岩波書店があたえるのかが、謎である。そして、この本にも原稿料は出たのだろうか。
・本書は、徹頭徹尾
「韓国・慰安婦・自分は絶対正義」
「日本・文藝春秋・自分のことを語るインターネットは絶対悪」
の姿勢で貫かれている。ある意味で立派、かつ面白い。「顰蹙を買う」という言葉は著者の頭に無いようだ。
・岩波書店は買切り・返品不可で有名だが(まぁ、大手書店にはウラで便宜を図っているが)、このみっともない本が配本された「岩波書店の便宜にあずかれない書店」では不良在庫になるだけだ。みな立ち読みで済ますだろうから、白装丁の表紙は手垢にまみれて。そこは何とするのか。
・で、結局、紙資源の無駄使いである。同じ紙を使うのなら、岩波文庫・新書の品切れ良書復刊・重版に、そのリソースを充てるべきだろう。