本書はアマチュア登山家が遭難したケースを当事者へのインタビューや当時の資料を紐解くことで、遭難時の行動や救助の様子を詳しく振り返ったものになっている。
さらに、残された家族の様子と極限状態の中「生きて帰りたい」という遭難者の心理も併せて記録しているところが読者の感情を揺さぶる。こういったところがあるから初出から時間が経っても読まれ続けている理由なのではないかと感じた。
登山家でなくても、自然の脅威により生命の危険を感じる機会は誰にでもある。自然を忘れた都市の人間にもぜひとも読んでほしい名作である。
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ドキュメント生還-山岳遭難からの救出 (ヤマケイ文庫) 文庫 – 2012/1/20
羽根田治
(著)
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『遭難者自らが語るドキュメント 7冊セット』 こちらをチェック
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遭難者の生死を分けたものは何だったのか。九死に一生を得た遭難者みずからが語る山岳遭難の真実。
山で遭難したとき、いかにすれば生還できるのか。山を趣味とする人たちが予期せぬアクシデントに見舞われ、絶体絶命の状況に追い込まれたとき、彼らは何を考えどう行動したのか。その結果として力尽きて死んでいく者と九死に一生を得る者との差はどこにあるのか。生きて帰ることのできた者は、どのようにして生をつなぎとめていたのか・・・・・・。
本書は、岩菅山で道に迷って17日間、最後はマヨネーズを食べて命をつないだUさん、厳冬の槍ヶ岳で豪雪に閉じ込められながら8日間を生き延びたNさんなど、ごく一般の登山者たちの生還の記録を丹念に紹介。極限状況を生き抜いた、名もなき人々へのインタビューから浮かび上がる山岳遭難の実態を紹介します。
山で遭難したとき、いかにすれば生還できるのか。山を趣味とする人たちが予期せぬアクシデントに見舞われ、絶体絶命の状況に追い込まれたとき、彼らは何を考えどう行動したのか。その結果として力尽きて死んでいく者と九死に一生を得る者との差はどこにあるのか。生きて帰ることのできた者は、どのようにして生をつなぎとめていたのか・・・・・・。
本書は、岩菅山で道に迷って17日間、最後はマヨネーズを食べて命をつないだUさん、厳冬の槍ヶ岳で豪雪に閉じ込められながら8日間を生き延びたNさんなど、ごく一般の登山者たちの生還の記録を丹念に紹介。極限状況を生き抜いた、名もなき人々へのインタビューから浮かび上がる山岳遭難の実態を紹介します。
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社山と渓谷社
- 発売日2012/1/20
- 寸法10.6 x 1.6 x 14.8 cm
- ISBN-104635047385
- ISBN-13978-4635047388
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対象商品: ドキュメント生還-山岳遭難からの救出 (ヤマケイ文庫)
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出版社より
ドキュメント生還2 | ヤマケイ文庫 ドキュメント生還 | |
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価格 | ¥1,760¥1,760 | ¥968¥968 |
内容 | 重傷を負いながら13日間、道を間違えて8日間遭難して、生還した登山者たち。彼らは遭難中に何を考え、どうやって生き延びたのか。長期遭難したサバイバーたち4人に話を聞いたドキュメント。 | 岩菅山で道に迷って17日間、最後はマヨネーズを食べて命をつないだUさん、厳冬の槍ヶ岳で豪雪に閉じ込められながら8日間を生き延びたNさんなど、ごく一般の登山者たちの生還の記録を丹念に紹介。 |
ドキュメント 道迷い遭難 | ドキュメント 単独行遭難 | ドキュメント 滑落遭難 | ドキュメント 気象遭難 | ドキュメント雪崩遭難 | ドキュメント生還-山岳遭難からの救出 | |
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ドキュメント遭難シリーズ 内容紹介 | 道に迷い、何日間も山中をさまよう恐怖は、計り知れないものがある。おかしいと思いながらずるずると先へ進み、引き返すことができず、そのまま沢を下降し続けて遭難してしまう。そうした誰もが陥りがちな道迷い遭難から、7件の事例を取り上げ、原因を探り、未然に防ぐ方策を検証する。 | 人はさまざまな理由からひとりで山に向かう。しかし、単独行遭難における死亡・行方不明率は二人以上のパーティの事故の二倍以上という高い割合である。最悪の結果を招く遭難事故の多くは単独行者によるものだということは間違いない。本書は七件の遭難事例から、単独行のリスクを探り、防止策とセルフレスキューの可能性を検証する。 | 山ではちょっとした不注意から、つまづいたり転んだりして大ケガや死に直結する大事故に結びつくことが多い。その危険因子はどこにあるのか。七件の遭難事例を取り上げ、原因を探り、防ぐ方策を検証する。 | 山で起きる大きな事故のほとんどは、気象の急激な変化による事故、いわゆる「気象遭難」であろう。その原因はどこにあるのか、防ぐ方策はあるのか。新旧の気象遭難事故から七件のケースを取り上げ検証する。 | 雪山登山者、スキーヤー、スノーボーダーを一瞬にして悲劇のどん底に突き落とす雪崩事故。これまでに起きた雪崩事故のなかから、北海道・尻別岳、青森・岩木山、八幡平・源田ヶ岳、北アルプス・唐松岳八方尾根、北アルプス・剱岳早月尾根、北アルプス・蒲田川左俣谷、石鎚山系・笹ヶ峰、石鎚山系・石鎚山の8件のケースを取り上げ、その事故の原因を究明し、検証する。 | 山で遭難し、生死の境をさまよった後に生還した登山者に密着取材。厳冬の北アルプスから近郊の低山まで、ある者は重傷を負い、ある者は十七日間の長期に及んで、山に閉じこめられながら、彼らはいかにして生き延びたのか。悪天候や寒さの中、食糧も絶えた極限状態からの生還の理由を、遭難者の肉声から探る。 |
登録情報
- 出版社 : 山と渓谷社 (2012/1/20)
- 発売日 : 2012/1/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 304ページ
- ISBN-10 : 4635047385
- ISBN-13 : 978-4635047388
- 寸法 : 10.6 x 1.6 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 34,366位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7位災害
- - 58位クライミング・ボルダリング (本)
- - 161位登山・ハイキング (本)
- カスタマーレビュー:
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2023年10月15日に日本でレビュー済み
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2022年4月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
遭難の状況が良くわかる。とても自分には耐えられない状況。あれっと思う事は登山していると沢山ある。今までを振り返るとたまたま遭難しなかっただけ。慣れほど怖いものはない。読んで良かった
2021年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めからリスキーな状況下での滑落から、何て事ない家族3世代での山歩きまで。単独登山に際して大量のビールを持ち込む「いくらなんでもそれはないでしょ」な案件から、開放骨折の傷口に蛆が涌く絶望的な案件まで(特にこの2例は幻視の内容が怖い)。生還までの期間や怪我の程度も様々な8つの事例。
大上段から大雑把に「山をなめちゃいかん」と言うのは容易いが、遭難に至るまでの経緯や心理を説き起こされると、全く他人事とは思えなくなって来る。
彼らはそれでも救助を待つことが出来たため、生還できた。その反面、パニックに陥ったまま彷徨を続け亡骸さえ見つかっていないような事例がどれだけあるのだろうか。
結果的に動くべき時に自力で動く時と、無理せず助けを待つタイミングの見極めが正しかった事例だがそれを自分ができるかどうかは自信がない。
うん。山は遠くから眺めとこうかな、と大雑把に決意。
大上段から大雑把に「山をなめちゃいかん」と言うのは容易いが、遭難に至るまでの経緯や心理を説き起こされると、全く他人事とは思えなくなって来る。
彼らはそれでも救助を待つことが出来たため、生還できた。その反面、パニックに陥ったまま彷徨を続け亡骸さえ見つかっていないような事例がどれだけあるのだろうか。
結果的に動くべき時に自力で動く時と、無理せず助けを待つタイミングの見極めが正しかった事例だがそれを自分ができるかどうかは自信がない。
うん。山は遠くから眺めとこうかな、と大雑把に決意。
2019年7月2日に日本でレビュー済み
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筆者もあとがきで自問して書いている通り、取材を断った人もいるらしい。
死を目前にした人の体験談を笑いながら読むのは不謹慎だろ!! そう思う人もいるかもしれないけど実際おもしろいのよ。
これ、筆者は「ベテランの○○としては軽率。魔が差したのだろう・少しの油断が云々・・」って言葉で綴っていることが多いけど、読んでみるとそうでもないのね。手厳しく書くことは控えたのだと思う。
沢に飛び込めば下に降りられると思った→で、案の定大怪我をする。
ビールをがぶがぶ飲んで初登行のルートを選んで遭難する。
・・・・ほら言わんこっちゃねえ・・・・
帯に ーー極限状況下を生き抜いた登山者が語る「生と死の境を分けたもの」ーー
とあるのだけど、その【極限状況】がもう信じられないくらいすごいのよ。普通の人なら死んでる。
まず、この体験談を読むだけで値打ちがある。ただ、この本の見どころはそこじゃない。体験談がどことなくユーモラスなのだ。そこがいいところ。ある者は薄らいだ意識の中で幻覚を見る。ある者は素人目にも信じられないような行動をとって当然のごとく行き詰まる。
それでも生きて還ってきたのだから、その体験談をただ楽しんで読んだって別にいいと思うな。
どのエピソードもおもしろいけど、特におもしろいのは『17日間の彷徨』かな。
1999年に遭難者が救助されたニュースで、わさびマヨネーズを啜るように食べていたから命を繋げたってのを覚えている人いないかな?新聞では「奇跡だ」とか書いてあったように覚えてるけど、そのエピソードが本人から語られている。
そんな極限状況を乗り越えて生還してきた人の話が読める。【壮絶】なんてもんじゃないよ。
手が凍傷になって動かない、マヨネーズの袋も蓋も開けられなくなった。だから歯で噛んでなんとか開けた。
マヨネーズを吸い出して少しずつ食べ、後は体力を消耗しないために横たわって救助をひたすら待った。すごすぎるでしょ。
しかし、これも装備を読むともうむちゃくちゃ。
p.137 ストーブ、コッヘル、マッチ、ライター、ヘッドランプ、コンパス、ツエルトなどは持っていなかった。
らしい。雪の残っている山に登るのに・・・・
「おい!なんーーーにも持ってないじゃねーか!!」そういうツッコミしながら読むのが健全だと思う。
人間て、しぶといし美しいなー、と思う。 この本は超お奨め。
※ひとつ瑕疵を挙げるなら、地図が分かりにくいことかな。最後に付け足されたエピソードにはスケールが書いていない。この本は「山と渓谷社」の発刊なので、トーシロにとっての専門用語に脚注はついていない。別にそれは調べれば分かるからいいのだけれど、距離感や高低差のことは登山経験者じゃないとつかみきれないと思う。2-4kmのハイキングコースを少しそれただけで遭難してしまった人もいる。それがなんでなのか拾いきれてない章もあると思った。
死を目前にした人の体験談を笑いながら読むのは不謹慎だろ!! そう思う人もいるかもしれないけど実際おもしろいのよ。
これ、筆者は「ベテランの○○としては軽率。魔が差したのだろう・少しの油断が云々・・」って言葉で綴っていることが多いけど、読んでみるとそうでもないのね。手厳しく書くことは控えたのだと思う。
沢に飛び込めば下に降りられると思った→で、案の定大怪我をする。
ビールをがぶがぶ飲んで初登行のルートを選んで遭難する。
・・・・ほら言わんこっちゃねえ・・・・
帯に ーー極限状況下を生き抜いた登山者が語る「生と死の境を分けたもの」ーー
とあるのだけど、その【極限状況】がもう信じられないくらいすごいのよ。普通の人なら死んでる。
まず、この体験談を読むだけで値打ちがある。ただ、この本の見どころはそこじゃない。体験談がどことなくユーモラスなのだ。そこがいいところ。ある者は薄らいだ意識の中で幻覚を見る。ある者は素人目にも信じられないような行動をとって当然のごとく行き詰まる。
それでも生きて還ってきたのだから、その体験談をただ楽しんで読んだって別にいいと思うな。
どのエピソードもおもしろいけど、特におもしろいのは『17日間の彷徨』かな。
1999年に遭難者が救助されたニュースで、わさびマヨネーズを啜るように食べていたから命を繋げたってのを覚えている人いないかな?新聞では「奇跡だ」とか書いてあったように覚えてるけど、そのエピソードが本人から語られている。
そんな極限状況を乗り越えて生還してきた人の話が読める。【壮絶】なんてもんじゃないよ。
手が凍傷になって動かない、マヨネーズの袋も蓋も開けられなくなった。だから歯で噛んでなんとか開けた。
マヨネーズを吸い出して少しずつ食べ、後は体力を消耗しないために横たわって救助をひたすら待った。すごすぎるでしょ。
しかし、これも装備を読むともうむちゃくちゃ。
p.137 ストーブ、コッヘル、マッチ、ライター、ヘッドランプ、コンパス、ツエルトなどは持っていなかった。
らしい。雪の残っている山に登るのに・・・・
「おい!なんーーーにも持ってないじゃねーか!!」そういうツッコミしながら読むのが健全だと思う。
人間て、しぶといし美しいなー、と思う。 この本は超お奨め。
※ひとつ瑕疵を挙げるなら、地図が分かりにくいことかな。最後に付け足されたエピソードにはスケールが書いていない。この本は「山と渓谷社」の発刊なので、トーシロにとっての専門用語に脚注はついていない。別にそれは調べれば分かるからいいのだけれど、距離感や高低差のことは登山経験者じゃないとつかみきれないと思う。2-4kmのハイキングコースを少しそれただけで遭難してしまった人もいる。それがなんでなのか拾いきれてない章もあると思った。
2024年5月21日に日本でレビュー済み
実際の山岳遭難例が示されており、迫真に迫る描写が胸を打つ。その中で、生還の鍵は何だったのかという具体例が良くわかる内容である。
2019年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冷静な筆致で、客観的かつ1人称寄りの視点で淡々と事実を紡いでくれるため、とても読みやすい。
心理描写も過剰でなく、筆者の文体より読者へ伝えることを優先した筆遣いで、ノンフィクションとして、
とても優良であると思う。
どのような思考で遭難者が厳しい状況へ至ったのか、心理が辿りやすくとても参考になった。
扱う事例が古い時代のものも多いため、現代の登山技術・用具と違う点はあるが、
人の心の動きや揺れは共通である。
自分ならどうだろうかと置き換えてみると、冷静な判断を下せるか全く自信がない。
机上ではあるが、我が身を振りかえることができる良書。
心理描写も過剰でなく、筆者の文体より読者へ伝えることを優先した筆遣いで、ノンフィクションとして、
とても優良であると思う。
どのような思考で遭難者が厳しい状況へ至ったのか、心理が辿りやすくとても参考になった。
扱う事例が古い時代のものも多いため、現代の登山技術・用具と違う点はあるが、
人の心の動きや揺れは共通である。
自分ならどうだろうかと置き換えてみると、冷静な判断を下せるか全く自信がない。
机上ではあるが、我が身を振りかえることができる良書。
2021年1月24日に日本でレビュー済み
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『ドキュメント道迷い遭難』がインパクト大でシリーズ2冊目として本作を読んでみました。
前作同様、「おかしい、やっぱり変だ」「でももうちょっと下ってみよう」という際限ない繰り返しが道迷いの典型的なパターンであることが指摘されています。
後から振り返ると、なぜあの時点で引き返せなかったのかと思うのでしょうが、その瞬間においては、「ここまで来たのに引き返すのは面倒」だという思いと、「このまま進んでも何とかなるだろう」という正当化バイアス。緊急時に冷静な判断ができなくなるという、誰もが陥る人の心理だということは理解できます。
引き返すというのは、思ってのほか勇気がいることです。
それでも、一見無駄な時間に見える引き返すことに要した時間は、そのまま進み続けることで泥沼に入り込みそこから抜け出すために要する時間に比べれば、結果として時間の節約になる、まさに「急がば回れ」の意識を常に持つことが大切だと改めて感じさせられました。
そのように心構えができていても、迷い込んでしまうことを想定して事前の準備をしっかり整えておくことが自身の生命を左右します。
最低限準備しておくとよいものとして、ツエルト、火(マッチ、ライター)、ストーブ、非常食があげられています。それは日帰りのハイキングでも同様だといいます。
本書には8つの遭難が紹介されていますが、8つ目に低山への日帰りハイキングのつもりが4日間の遭難となった事例が掲載されています。これは本書で唯一家族4人での遭難事例ですが、ライターを持っていたことから焚火で暖を取ることができたといいます。
そして生き残るためのもう一つの教訓として、「万一遭難してしまったら、救助がくるまでじっと待つ」といいます。
本書でとりあげられた8つの共通点はこれで、いずれも最終的には、救助をじっと待つことで生命が助かっています。ただ、じっと待つ心境になるまでに、なんとか自力で抜け出そうと悪戦苦闘してしまいます。多くの遭難者が、やみくもに山の中をさまよったあげく、無理して崖や滝を超えようとして転滑落して命を落としているといいます。
まず助かるために何をすべきか、冷静さを保てるのであれば自力下山を試みるべきであろうが、それが無理だと判断したら、なるべく早く行動を打ち切り救助を待つことだといいます。
さて、本書でも『ドキュメント道迷い遭難』同様、かなり厳しい状況に追い込まれた事例も紹介されています。
特に、崖からの滑落で足を骨折して動けなくなった事例(本書5つ目の『暗転の沢』)はすさまじいです。
6日間の遭難の間、骨折した傷口にハエがたまごを産み付け、気が付いたら傷口にウジがじっしりついていたといいます。また顔の傷口についていたウジが右目の瞼の裏に入り込み奥へ奥へと進んでいくのが分かった瞬間の恐怖。
また、たまたまサービスエリアのお土産売り場で購入した『わさび入りマヨネーズ』のおかげで17日間も彷徨して生還した事例(4つ目『17日間の彷徨』)もインパクトがあります。この事例も、最低限の装備(テント、非常食)と冷静な判断ができたことで、長期にわたり生きる気力を失うことなく生還できたものだと考えられています。
プロのアルピニストの生還とは違う、普通の人々の生還だからこそ、その人たちの経験の追体験はリアルで、そこから得るものも大きいと思います。
前作同様、「おかしい、やっぱり変だ」「でももうちょっと下ってみよう」という際限ない繰り返しが道迷いの典型的なパターンであることが指摘されています。
後から振り返ると、なぜあの時点で引き返せなかったのかと思うのでしょうが、その瞬間においては、「ここまで来たのに引き返すのは面倒」だという思いと、「このまま進んでも何とかなるだろう」という正当化バイアス。緊急時に冷静な判断ができなくなるという、誰もが陥る人の心理だということは理解できます。
引き返すというのは、思ってのほか勇気がいることです。
それでも、一見無駄な時間に見える引き返すことに要した時間は、そのまま進み続けることで泥沼に入り込みそこから抜け出すために要する時間に比べれば、結果として時間の節約になる、まさに「急がば回れ」の意識を常に持つことが大切だと改めて感じさせられました。
そのように心構えができていても、迷い込んでしまうことを想定して事前の準備をしっかり整えておくことが自身の生命を左右します。
最低限準備しておくとよいものとして、ツエルト、火(マッチ、ライター)、ストーブ、非常食があげられています。それは日帰りのハイキングでも同様だといいます。
本書には8つの遭難が紹介されていますが、8つ目に低山への日帰りハイキングのつもりが4日間の遭難となった事例が掲載されています。これは本書で唯一家族4人での遭難事例ですが、ライターを持っていたことから焚火で暖を取ることができたといいます。
そして生き残るためのもう一つの教訓として、「万一遭難してしまったら、救助がくるまでじっと待つ」といいます。
本書でとりあげられた8つの共通点はこれで、いずれも最終的には、救助をじっと待つことで生命が助かっています。ただ、じっと待つ心境になるまでに、なんとか自力で抜け出そうと悪戦苦闘してしまいます。多くの遭難者が、やみくもに山の中をさまよったあげく、無理して崖や滝を超えようとして転滑落して命を落としているといいます。
まず助かるために何をすべきか、冷静さを保てるのであれば自力下山を試みるべきであろうが、それが無理だと判断したら、なるべく早く行動を打ち切り救助を待つことだといいます。
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特に、崖からの滑落で足を骨折して動けなくなった事例(本書5つ目の『暗転の沢』)はすさまじいです。
6日間の遭難の間、骨折した傷口にハエがたまごを産み付け、気が付いたら傷口にウジがじっしりついていたといいます。また顔の傷口についていたウジが右目の瞼の裏に入り込み奥へ奥へと進んでいくのが分かった瞬間の恐怖。
また、たまたまサービスエリアのお土産売り場で購入した『わさび入りマヨネーズ』のおかげで17日間も彷徨して生還した事例(4つ目『17日間の彷徨』)もインパクトがあります。この事例も、最低限の装備(テント、非常食)と冷静な判断ができたことで、長期にわたり生きる気力を失うことなく生還できたものだと考えられています。
プロのアルピニストの生還とは違う、普通の人々の生還だからこそ、その人たちの経験の追体験はリアルで、そこから得るものも大きいと思います。