ヴァスデヴィ・レディは、乳幼児の心理の研究において、二人称アプローチの導入を提案する。
それは、見る者と見られる者が入れ替わりながら、「あなた」と「わたし」という親密でかけがえのない存在として関係を結ぶことである。
自己をモデルとする一人称アプローチでもなく、客観的な他者理解である三人称アプローチでもない。
レディ自身が二人称アプローチを実践する母親となり、心が拡張するように乳児と一体化することに気づいた。
もはや、両者の心のギャップは消え去るのである。
このように、心のギャップを消し去ることの実践によって、心について明らかにしようとしている。
レディは、近代個人主義のイデオロギーを超えている。
そもそも自己は、他者との相互行為的な関係のなかで常に流動的に意識が生成している場である、と述べるからである。
あるいは、心は文化的実践として存在し、わたしたちはそこに参加することによって心が成立し、維持される、とも述べるからである。
二人称アプローチからすれば、近代個人主義のイデオロギーに拘束されている学校教育も変わるべきである。
教師は問いかけ、子どもは応答するというように限定してはならないはずである。
互いに教え合い、互いに学び合うように、対称性を得たい。
そもそも、教師と子どもの関係には親密性が欠かせない。
濃密な対話が可能になるように、望ましい関係を結ぶことが求められる。
互いの成長を願い、互いに思いやり、期待と貢献を等しく与え合うようにしたい。
さらに、学習成果をいずれかに還元してはならない。
そこには、教師と子どものカップリング学力がある。
それは共進化、あるいは共成長とも言うべき、学習者と教師の、分かちがたい一体的な変容なのである。
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驚くべき乳幼児の心の世界 単行本 – 2015/3/30
ヴァスデヴィ・レディ
(著),
佐伯 胖
(翻訳)
“乳幼児はどのように人の心を理解するのか"。この謎を解く鍵として本書が提起しているのが「二人称的アプローチ(second-person approach)」である。そこからは、乳児のさまざまな「ひととのかかわり」にみられる、驚くほど「人間的」な側面が明らかにされ、乳幼児が世界を「理解する」ということについて、従来の心理学研究では描かれてこなかった、驚くべき心の世界が浮かびあがってくる。(原書:Reddy, V. 2008 How Infants Know Minds. Harvard University Press. ) [ここがポイント]
◎ 「二人称的アプローチ」という、人の心の世界に迫る新たなアプローチを提言。
◎ 従来の乳幼児の他者理解についての研究が見落としてきた、赤ちゃんの深い人間理解に根ざした、「ひとの心」の理解とかかわりを、あますところなく次々と明らかにする。
◎ 「二人称的アプローチ」という、人の心の世界に迫る新たなアプローチを提言。
◎ 従来の乳幼児の他者理解についての研究が見落としてきた、赤ちゃんの深い人間理解に根ざした、「ひとの心」の理解とかかわりを、あますところなく次々と明らかにする。
- 本の長さ380ページ
- 言語日本語
- 出版社ミネルヴァ書房
- 発売日2015/3/30
- 寸法21 x 14.8 x 2.5 cm
- ISBN-104623071731
- ISBN-13978-4623071739
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商品の説明
著者について
◎ヴァスデヴィ・レディ(Vasudevi Reddy)
ポーツマス大学教授
◎佐伯 胖(さえき・ゆたか)
2015年3月現在 公益社団法人信濃教育会教育研究所所長
ポーツマス大学教授
◎佐伯 胖(さえき・ゆたか)
2015年3月現在 公益社団法人信濃教育会教育研究所所長
登録情報
- 出版社 : ミネルヴァ書房 (2015/3/30)
- 発売日 : 2015/3/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 380ページ
- ISBN-10 : 4623071731
- ISBN-13 : 978-4623071739
- 寸法 : 21 x 14.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 533,401位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 20,526位心理学 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月29日に日本でレビュー済み
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ドーナッツ論の佐伯胖先生が訳。乳幼児は、従来考えられてきたよりも、もっとずっと認知能力を持っている。母親などの、特定の人物との関係の中で発揮され、発達する。
「ほら、こんなことができる。あんなこともできてるでしょ」と示される赤ちゃんの様子は、親として賛同する。そうそう、やっぱりできてるよね、私の赤ちゃんも。わかるわかる。ていうか、今までの学問だと、これって認められてないんだ。
でも、この本は読みにくい。難しい。文章は平易と言っていいだろうし、訳もこなれているんだけど。何ていうか、回りくどいというか、もっと少ない言葉で整理して伝えて欲しい。実例とか、こんな機能もあるよっていう内容的にも、もっと絞って、「それで結局何を主張したいのか」を浮かび上がらせて欲しい。
「ほら、こんなことができる。あんなこともできてるでしょ」と示される赤ちゃんの様子は、親として賛同する。そうそう、やっぱりできてるよね、私の赤ちゃんも。わかるわかる。ていうか、今までの学問だと、これって認められてないんだ。
でも、この本は読みにくい。難しい。文章は平易と言っていいだろうし、訳もこなれているんだけど。何ていうか、回りくどいというか、もっと少ない言葉で整理して伝えて欲しい。実例とか、こんな機能もあるよっていう内容的にも、もっと絞って、「それで結局何を主張したいのか」を浮かび上がらせて欲しい。
2021年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
楽しい本でした。
独特なところもありましたが、
面白かったです。
独特なところもありましたが、
面白かったです。
2017年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本を見たとたん あまりにも難しそうでガッカリしました。学術書で 私などには全く不向きでした。