シーラッハって面白いなっておもいました。
その名を知ったのは新聞で。文庫本での「ふるさと祭り」紹介。
文庫本苦手。検索してみると「罪悪」より先に「犯罪」あり。
先に短編集「犯罪」を読むことになりました。
こちら「罪悪」には「ふるさと祭り」「遺伝子」「イルミナティ」
「子どもたち」「解剖学」「間男」「アタッシュケース」「欲求」
「雪」「鍵」「寂しさ」「司法当局」「清算」「家族」「秘密」の
15編が収められておりました。
シーラッハの何が面白いって、その乾いたタッチかなぁ。そうして
ただそれだけではない、その底に流れる人間的なあたたかみかなぁ。
バッサリ切り取るんではなくて、深みがあって冷静沈着、時にユーモアもありで
訳もいいんだろうけど読みやすかった。ただ「ふるさと祭り」の裁判の行方は
日本の司法とはかなり違うような。17歳の娘に対する8人(1人は通報者?)の
白塗りの厚化粧とかつらの楽団員の暴行事件の描写は淡々と描かれていることで
その残虐さや残酷さを際立たせてる。結局娘は厚化粧とかつらのせいで犯人を
特定出来ず被疑者たちは釈放され家族のもとへ、いつもの生活に戻っていく。
弁護士として学友と出発したばかりの主人公は「~私たちは、自分たちが罪なき身では
なくなったこと、そしてそうなったからといってなにも変わらないことを実感した。
~私たちは大人になったのだ。列車を降りたとき、この先、二度と物事を簡単には
済ませられないだろうなと自覚した。」拘留審査が終わったあと、駅でこう思い、
ここで終わっている。(続きは後程。追加する時☆の数変えないと記載されないので
とりあえず☆☆☆から。)
「間男」も面白かった。こういう夫婦って上流階級に案外多い気もして。裁判の結果と
いうか成り行きも独特。犯罪やっても。ちゃんと収まって。更に「清算」となると
「被告人の行いは正当防衛だった」となり、「それを規定するのは、じつは微妙」そう、
完全犯罪風だった。ついよかったねって本に呟きたくもなった。「これは今回だけの特例,
例外であり・・・」ドイツの司法って考えられない程温情あるというか、犯罪ってナンダロウって
これもつい感想したくなるような。ビョーインの待ち時間がやたら長くて、ながくて・・・
短編集ってこういう時いいなとしみじみ思いながら読みました。短編中の短編「解剖学」のように
3ページというか40行というのもあったし。次もシーラッハの短編でいきましょう。
「カールの降誕祭」注文してみました。3冊とも表紙のカバー素敵。毎回中古ながら新刊同然が
届くんでおおいに気に入ってます。
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罪悪 (創元推理文庫) 文庫 – 2016/2/12
フェルディナント・フォン・シーラッハ
(著),
酒寄 進一
(翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄" の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。猟奇殺人をもくろむ男を襲う突然の不運。何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗。麻薬密売容疑で逮捕された老人が隠す真犯人。弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』を凌駕する第2短篇集、ついに文庫化!
- 本の長さ245ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2016/2/12
- 寸法10.7 x 1.1 x 15 cm
- ISBN-104488186033
- ISBN-13978-4488186036
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社; 文庫版 (2016/2/12)
- 発売日 : 2016/2/12
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 245ページ
- ISBN-10 : 4488186033
- ISBN-13 : 978-4488186036
- 寸法 : 10.7 x 1.1 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 172,262位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 687位創元推理文庫
- - 1,027位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 16,934位文芸作品
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年5月14日に日本でレビュー済み
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2012年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「罪悪」に興味を持たれるということは、「犯罪」を読んだ方が多いと思います。
「犯罪」はインパクトが強烈で、一気に読みました。
それに比べると若干インパクトは薄いです。
でも、やはり面白いです。
各ストーリーも趣向を凝らして少し変わっています。
ただ、それが前作と比較すると若干変わったので評価がわかれるでしょうか。
僕は、2冊目としては、全く同じだと意味ないのでよいとは思います。
ただ、「犯罪」は、よくできてますw
気になるぐらいなら、ぜひ読んだ方がいいですよ。
オススメするぐらいに、おもしろいです。
「犯罪」はインパクトが強烈で、一気に読みました。
それに比べると若干インパクトは薄いです。
でも、やはり面白いです。
各ストーリーも趣向を凝らして少し変わっています。
ただ、それが前作と比較すると若干変わったので評価がわかれるでしょうか。
僕は、2冊目としては、全く同じだと意味ないのでよいとは思います。
ただ、「犯罪」は、よくできてますw
気になるぐらいなら、ぜひ読んだ方がいいですよ。
オススメするぐらいに、おもしろいです。
2021年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すこし前に『犯罪』と『コリーニ事件』の二作を評者が読んだ時には、現役のドイツの刑事弁護士の経験をもとにしたフィクションとはどうしても思えず興味深く読んだのです。
興味のある作家なので『犯罪』の続編ともいえる本書『罪悪』を入手して読むことにした。
この短編には後味の悪い話や、平穏に終える話もあり、喉に棘が刺さったまま終えるような不条理な話もある。
やはり刑事事件の弁護士として得た多くの犯罪からヒントを得て実際に起きた事件を脚色して創作した短編も多くあるだろうと思えてしまった。
弁護士になりたての私が集団強姦事件で弁護をした後、帰路につく折の憂鬱な気分になった描写など自身の経験としか思えないのです。
著者フェルディナント・フォン・シーラッハは、やはり判例などを参考にして創作しているから弁護士としての守秘義務を超えるすれすれのところで物語を創作していると思ってしまったのです。
一見無能なような主人公アトリスが意外な活躍でエンディングを迎える「鍵」が本書のなかで一番の秀作だろうか。
各短編それぞれなかなか面白く読ませてくれたので他の作品も読んでみようと思って本書を読み終えました。
が、フェルディナント・フォン・シーラッハは、読者によって評価が分かれるタイプの作家だろう。
興味のある作家なので『犯罪』の続編ともいえる本書『罪悪』を入手して読むことにした。
この短編には後味の悪い話や、平穏に終える話もあり、喉に棘が刺さったまま終えるような不条理な話もある。
やはり刑事事件の弁護士として得た多くの犯罪からヒントを得て実際に起きた事件を脚色して創作した短編も多くあるだろうと思えてしまった。
弁護士になりたての私が集団強姦事件で弁護をした後、帰路につく折の憂鬱な気分になった描写など自身の経験としか思えないのです。
著者フェルディナント・フォン・シーラッハは、やはり判例などを参考にして創作しているから弁護士としての守秘義務を超えるすれすれのところで物語を創作していると思ってしまったのです。
一見無能なような主人公アトリスが意外な活躍でエンディングを迎える「鍵」が本書のなかで一番の秀作だろうか。
各短編それぞれなかなか面白く読ませてくれたので他の作品も読んでみようと思って本書を読み終えました。
が、フェルディナント・フォン・シーラッハは、読者によって評価が分かれるタイプの作家だろう。
2012年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
おそらくはドイツの弁護士である「私」が、自らが出会った事件をレポートするような形の連作短編集です。
前作「犯罪」と同じ形式の短編集です。
相変わらずクールな語り口はそのままに、淡々と事件を描画して行くスタイルです。
前作と比較すると、前作が「ある事件の内容」を中心に書いたレポートという印象だったのに対し、今作は「案件と私」というようなスタイルで、「私」が書いたことありきのエッセイのような味わいが強く残ります。
前作のような徹頭徹尾貫かれたクールさはややうすれ、いち弁護士が持っている連載コラムのような印象を受けました。
そのため、前作ほどの痺れるようなかっこよさというものは影を潜めてしまいますが、相変わらず面白いです。
1篇1篇もそれほど長くないので、空いている時間にのんびり少しずつ読み進めたい人にもお勧めです。
前作「犯罪」と同じ形式の短編集です。
相変わらずクールな語り口はそのままに、淡々と事件を描画して行くスタイルです。
前作と比較すると、前作が「ある事件の内容」を中心に書いたレポートという印象だったのに対し、今作は「案件と私」というようなスタイルで、「私」が書いたことありきのエッセイのような味わいが強く残ります。
前作のような徹頭徹尾貫かれたクールさはややうすれ、いち弁護士が持っている連載コラムのような印象を受けました。
そのため、前作ほどの痺れるようなかっこよさというものは影を潜めてしまいますが、相変わらず面白いです。
1篇1篇もそれほど長くないので、空いている時間にのんびり少しずつ読み進めたい人にもお勧めです。
2019年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、装丁装画が秀逸!
内容を入れ物が端的に表現しているといっても過言ではない秀逸の出来。
とてもスリム、なのに1800円の価値はまず外見にある。
まさに持って楽しむ。。。の本。
近年 加齢とともにハードカバーの持ち歩きが苦痛になり文庫、キンドルなど試してみたが
この『犯罪』に関しては他のツールでは意味がないとまで思う。
今回はまず本の形状に感銘を受けそれが作中にひろがり作品世界の多大なる味付け役となった。
描かれるのは愚かでやりきれないどこか馬鹿げている悲哀に満ち満ちた犯罪者たち。そして理不尽なその犠牲者たち。
削ぎ落とされた外見が整理された中身を雄弁に語る美しい一冊。
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とてもスリム、なのに1800円の価値はまず外見にある。
まさに持って楽しむ。。。の本。
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この『犯罪』に関しては他のツールでは意味がないとまで思う。
今回はまず本の形状に感銘を受けそれが作中にひろがり作品世界の多大なる味付け役となった。
描かれるのは愚かでやりきれないどこか馬鹿げている悲哀に満ち満ちた犯罪者たち。そして理不尽なその犠牲者たち。
削ぎ落とされた外見が整理された中身を雄弁に語る美しい一冊。
2015年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ドイツの作家は日頃慣れ親しんでいないのと、本屋大賞の事もあって、期待して読みました。
読みましたとは、なんとクールな表現だろうか?失礼ではないのか・・・
良くできているのは分かりましたが、短編であるからか、かなり説明的で、行間にある余韻が感じれれませんでした。
駄菓子を食べながら、醸し出される余韻に浸れる時空を味わえたかは、私にとっての最大の評価項目です。
要再読の棚には残りませんでした。
読みましたとは、なんとクールな表現だろうか?失礼ではないのか・・・
良くできているのは分かりましたが、短編であるからか、かなり説明的で、行間にある余韻が感じれれませんでした。
駄菓子を食べながら、醸し出される余韻に浸れる時空を味わえたかは、私にとっての最大の評価項目です。
要再読の棚には残りませんでした。
2014年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作の「犯罪」が面白かったので購入しました。えっ!って感じの話やそれで終わり?って感じは否めませんが、ノンフィクションなので仕方ありませんね。色々考えさせられる話もあったりで、自分的には気に入ってます。
2012年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「犯罪」の各物語に「正義」や「贖罪」の具現化を見出した読者には、後味が悪いストーリーが多く不満が残るかもしれない。
しかし、現実の犯罪には後味のいいものなどあるはずもなく、その意味でこの「罪悪」は犯罪の実相を見事にとらえた作品群と高く評価できる。
再読に十分耐える秀作である。
しかし、現実の犯罪には後味のいいものなどあるはずもなく、その意味でこの「罪悪」は犯罪の実相を見事にとらえた作品群と高く評価できる。
再読に十分耐える秀作である。