醸造技術者だった筆者が、フィリピンで従軍したときの経験を虚飾なく淡々と記している。これほどの凄惨な体験を、大仰に悲憤慷慨もせず記せるのは、筆者の強靭な精神によるものであろう。
人間への洞察力に感銘を受ける。
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虜人日記 (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2004/11/11
小松 真一
(著)
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- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2004/11/11
- ISBN-104480088830
- ISBN-13978-4480088833
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2004/11/11)
- 発売日 : 2004/11/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 392ページ
- ISBN-10 : 4480088830
- ISBN-13 : 978-4480088833
- Amazon 売れ筋ランキング: - 184,654位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昭和18年にフィリピンのブタノール工場技術員として派遣され、
その後米軍の攻撃を逃れてジャングルを彷徨い、終戦後投稿して
捕虜となり、昭和21年に帰国するまでの日記です。
要点が明確で簡潔な文章と、挿入されたユーモラスなスケッチに
感心しました。著者はたぐい稀なクールヘッドの持ち主だったの
だろうと思います。おすすめします
その後米軍の攻撃を逃れてジャングルを彷徨い、終戦後投稿して
捕虜となり、昭和21年に帰国するまでの日記です。
要点が明確で簡潔な文章と、挿入されたユーモラスなスケッチに
感心しました。著者はたぐい稀なクールヘッドの持ち主だったの
だろうと思います。おすすめします
2022年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作は、醸造技術をもつ企業人が軍属としてフィリピンへ派遣され、業務を行い(アルコール製造)、終戦を迎え、捕虜として過ごした筆者の、およそ二年ばかりの日記であります。
・・・
類似の作品に、た山本七平氏による『一下級将校の見た帝国陸軍』がありますが、本作はこれとは大きく毛色が異なります。『一下級―』が文字通りの戦中記であり、九死に一生を得るかのごとくの怨讐に満ちた筆致で生死の淵を描くのに対し、本作は後方支援部隊からの視点であり、緊張度は若干低めかもしれません。
ただし、小松氏の超然とした視点は、女遊びに現を抜かす日本軍兵、その兵士が苦しんでいるジャングル行軍に自分の女とその荷物を運ばせようとする将校、人はいるものの物資も食料もない現地の状況(ロジスティック不全)、等々を克明に捉えています。
また小松氏の描写は、現場から常に一歩引いており、時に詩歌や絵画の挿絵があり、ジャングルでの調理シーンなどはむしろユーモアすら感じぜずにはいられないものでありました。限界的状況でも文化的精神を失わない氏の人格には敬服するばかりです。それゆえか読んでいてまったく凄惨な気持ちになりませんでした。
・・・
もう一つ驚くのは、本作が氏の死後にその家族によって私家版として出版されたことです。
つまり氏は本稿を出版することなく亡くなっているのです。あとがきで娘さんが書かれているように、まさか父が思想的にこのようなことを考えていたとは露知らなかったとのこと。それだけ本作の信ぴょう性は高まろうかとも思います。筆者は自らの記憶をとどめるためだけに書いていたということでしょう。記録とは実に大事であります。
・・・
ということで戦記物でありました。
読んでどうなるというものではないでしょうが、やはり感じるのは、自分で考え、表現すること、の大事さであります。筆者は単なる軍属とはいえ、キチンと自身の意見をもち、時に将校にも議論をし、行動を決定していました。人の死のタイミングは多分に運命に左右されますが、それまでの人生はやはり己の掌中に持っておきたい、そう感じた読書体験でありました。
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類似の作品に、た山本七平氏による『一下級将校の見た帝国陸軍』がありますが、本作はこれとは大きく毛色が異なります。『一下級―』が文字通りの戦中記であり、九死に一生を得るかのごとくの怨讐に満ちた筆致で生死の淵を描くのに対し、本作は後方支援部隊からの視点であり、緊張度は若干低めかもしれません。
ただし、小松氏の超然とした視点は、女遊びに現を抜かす日本軍兵、その兵士が苦しんでいるジャングル行軍に自分の女とその荷物を運ばせようとする将校、人はいるものの物資も食料もない現地の状況(ロジスティック不全)、等々を克明に捉えています。
また小松氏の描写は、現場から常に一歩引いており、時に詩歌や絵画の挿絵があり、ジャングルでの調理シーンなどはむしろユーモアすら感じぜずにはいられないものでありました。限界的状況でも文化的精神を失わない氏の人格には敬服するばかりです。それゆえか読んでいてまったく凄惨な気持ちになりませんでした。
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もう一つ驚くのは、本作が氏の死後にその家族によって私家版として出版されたことです。
つまり氏は本稿を出版することなく亡くなっているのです。あとがきで娘さんが書かれているように、まさか父が思想的にこのようなことを考えていたとは露知らなかったとのこと。それだけ本作の信ぴょう性は高まろうかとも思います。筆者は自らの記憶をとどめるためだけに書いていたということでしょう。記録とは実に大事であります。
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ということで戦記物でありました。
読んでどうなるというものではないでしょうが、やはり感じるのは、自分で考え、表現すること、の大事さであります。筆者は単なる軍属とはいえ、キチンと自身の意見をもち、時に将校にも議論をし、行動を決定していました。人の死のタイミングは多分に運命に左右されますが、それまでの人生はやはり己の掌中に持っておきたい、そう感じた読書体験でありました。
2023年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1944年の戦争末期にフィリピンに送り込まれた技術者が、現地での戦争や捕虜生活を綴った日記を、死後奥さんが自費出版した書物。
当たり前だが、まことに書いてあることがリアル。
たとえば、アメリカ軍がやってくれば圧倒的な軍事力の差を見せつけられ、日本兵は勇敢に戦うどころか、即逃げる。
ジャングルに逃げれば食うものに困り、仲間を殺し、その人肉を食らう。
捕虜になることがひと安心の状態で、でもそこでも発狂したり、衰弱したりで死人は続出。
戦争とはいったいいかなるものか、そしてアメリカ相手に戦争したのはいかに愚かであったかがわかる。
そして最終的には日本人の醜い本性が浮き彫りにされる。
これだけインパクトのある衝撃的な本を読んだのはほんと久しぶりだ。
当たり前だが、まことに書いてあることがリアル。
たとえば、アメリカ軍がやってくれば圧倒的な軍事力の差を見せつけられ、日本兵は勇敢に戦うどころか、即逃げる。
ジャングルに逃げれば食うものに困り、仲間を殺し、その人肉を食らう。
捕虜になることがひと安心の状態で、でもそこでも発狂したり、衰弱したりで死人は続出。
戦争とはいったいいかなるものか、そしてアメリカ相手に戦争したのはいかに愚かであったかがわかる。
そして最終的には日本人の醜い本性が浮き彫りにされる。
これだけインパクトのある衝撃的な本を読んだのはほんと久しぶりだ。
2023年3月30日に日本でレビュー済み
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「虜人日記」は太平洋戦争中の、東南アジア(フィリピンなど)での戦争体験、敗走の現実を記録したもの。著者は一軍属(軍に所属の民間人)。軍と行動を共にした、ジャングル内~捕虜収容所までの記録。戦争についての証言記録と言っても良い。これは、戦後生まれの私達に遺してくれたものではないかと、私には思われた。日々の記録に加えて、日本がなぜ戦争に負けたのか、冷静な分析による記述もあり、ここは圧巻。目から鱗の分析。今日でも同じ事が言えるだろうと、私は思いました。
2022年2月24日からのロシアによるウクライナ侵攻をテレビ等で知るにつけ、第二次世界大戦の続きじゃないかと我が眼を疑ったが、「虜人日記」には、食糧のないジャングルの中で、友軍(同じ日本軍)を襲って、物ばかりか相手を殺してその肉を喰うという、通常では考えられない事が起きた記述もあり、ロシアのウクライナ侵攻の残酷な現実と重ね合わせると、単に過去の出来事としてではなく、考えねばならない重いものを含んでいると思います。
現在も、未来においても、戦争を回避するためには何が必要かを考える一助ともなる記録ではないかと、私はこの本を薦めます。
何よりも、著者の冷静な思考に驚嘆しています。よく戦地からこの日記を持って帰れた事です。軍に見つかっていれば日記は没収され、著者の命もなかった事と、想像します。
2022年2月24日からのロシアによるウクライナ侵攻をテレビ等で知るにつけ、第二次世界大戦の続きじゃないかと我が眼を疑ったが、「虜人日記」には、食糧のないジャングルの中で、友軍(同じ日本軍)を襲って、物ばかりか相手を殺してその肉を喰うという、通常では考えられない事が起きた記述もあり、ロシアのウクライナ侵攻の残酷な現実と重ね合わせると、単に過去の出来事としてではなく、考えねばならない重いものを含んでいると思います。
現在も、未来においても、戦争を回避するためには何が必要かを考える一助ともなる記録ではないかと、私はこの本を薦めます。
何よりも、著者の冷静な思考に驚嘆しています。よく戦地からこの日記を持って帰れた事です。軍に見つかっていれば日記は没収され、著者の命もなかった事と、想像します。
2022年9月19日に日本でレビュー済み
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虜人日記は、戦時中、ガソリンの代わりの燃料のブタノールを製造するエンジニアが書いた記録の様です。今まで読んだ戦争モノの本は、軍人のものが多かったので、エンジニアの目線で書かれた虜人日記は、読んでいて新鮮でした。
第三章の「日本の敗因」の中に「日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する。」という記載がありました。当時の、日本の先端エンジニアである小松氏が、日本とアメリカを比較して、この様な見解を持っているのは驚きでした。
たしかに、アメリカのシリコンバレーのIT企業などを見ていると、20代の若者が世界を変えるイノベーションを起こしてしまうのをよく目にします。一方、日本のリニアモーターカーなどは、私が小さな子供のころ(何十年も前)から、ずっと研究開発して、いつ完成するんだろうと思ってしまいます。
虜人日記の中に書かれていることは、現代の日本人にとっても、知るべき内容が多く含まれていると感じます。特に、グローバルな環境で働く日本人にはおすすめの本です!
第三章の「日本の敗因」の中に「日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する。」という記載がありました。当時の、日本の先端エンジニアである小松氏が、日本とアメリカを比較して、この様な見解を持っているのは驚きでした。
たしかに、アメリカのシリコンバレーのIT企業などを見ていると、20代の若者が世界を変えるイノベーションを起こしてしまうのをよく目にします。一方、日本のリニアモーターカーなどは、私が小さな子供のころ(何十年も前)から、ずっと研究開発して、いつ完成するんだろうと思ってしまいます。
虜人日記の中に書かれていることは、現代の日本人にとっても、知るべき内容が多く含まれていると感じます。特に、グローバルな環境で働く日本人にはおすすめの本です!
2020年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは日記なので面白い、と言って読むものではないですが、エンジニアの客観的、論理的な視点で事実が淡々と語られており、嫌みのない文章で完結にしかも情景が浮かぶがごとく緻密な描写で描かれています。
今日本は表向きには総力戦争はしておりませんが、結局この敗因21箇条にあるがごとき性質をもったまま、会社という組織のなかで淡々と続けられております。すでに敗北して久しい半導体や家電もその認識があるのかわからないまま、淡々とです。衰退国家の道を辿っています。
今日本は表向きには総力戦争はしておりませんが、結局この敗因21箇条にあるがごとき性質をもったまま、会社という組織のなかで淡々と続けられております。すでに敗北して久しい半導体や家電もその認識があるのかわからないまま、淡々とです。衰退国家の道を辿っています。
2014年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ネット上でもその他の本でも、最後に掲げる「日本の敗因」(334-335頁)は掲載されてるが、それだけでは本書の価値は分からない。
大東亜戦争の一部であるものの、本物の戦争の「肌感覚」は、本書のようなルポでないと伝わってこない。そもそも、この手の一次資料が我が国には驚くほど少ないことに驚かされるが、今の世に先の大戦を上手に伝えられない一因のような気がする。「少ない」理由は、旧軍が沢山燃やしたことにも原因があるようだが、少ないなら少ないなりに、この一冊を大切にしていく風潮が我が国に生まれてほしい。高校、大学の課題図書になっていると良いのだけれど、これを選択する先生がまずいないといけない。
昨今、戦争を美化・・・とまではいかなくても、肯定的に評価する人は、最低本書には目を通し、実際の戦場がいかなるものであったかぐらいは認識してからモノを言う必要があろう。こんな一次資料を突きつけれれば、多少は慎重な物言いになるのが普通だと思う。
一エンジニアが結論付けた下記の教訓は、既に広く流布されており、今更繰り返す必要はないが、念のため。
「一、精兵主義の軍隊に精兵がいなかった事。然るに作戦その他で兵に要求される事は、総て精兵でなければできない仕事ばかりだった。武器も与えずに。米国は物量に物を言わせ、未訓練兵でもできる作戦をやってきた。
二、物量、物資、資源、総て米国に比べ問題にならなかった。
三、日本の不合理性、米国の合理性。
四、将兵の素質低下(精兵は満州、支那事変と緒戦で大部分は死んでしまった)。
五、精神的に弱かった(一枚看板の大和魂も戦い不利となるとさっぱり威力なし)。
六、日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する。
七、基礎科学の研究をしなかった事。
八、電波兵器の劣等(物理学の貧弱)。
九、克己心の欠如。
十、反省力なき事。
十一、個人としての修養をしていない事。
十二、陸海軍の不協力。
十三、一人よがりで同情心が無い事。
十四、兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついた事。
十五、バアーシー海峡の損害と、戦意喪失。
十六、思想的に徹底したものがなかった事。
十七、国民が戦いに厭きていた。
十八、日本文化の確立なき為。
十九、日本は人命を粗末にし、米国は大切にした。
二十、日本文化に普遍性なき為。
二十一、指導者に生物学的常識がなかった事。
順不同で重複している点もあるが、日本人には大東亜を治める力も文化もなかった事に結論する。」
大東亜戦争の一部であるものの、本物の戦争の「肌感覚」は、本書のようなルポでないと伝わってこない。そもそも、この手の一次資料が我が国には驚くほど少ないことに驚かされるが、今の世に先の大戦を上手に伝えられない一因のような気がする。「少ない」理由は、旧軍が沢山燃やしたことにも原因があるようだが、少ないなら少ないなりに、この一冊を大切にしていく風潮が我が国に生まれてほしい。高校、大学の課題図書になっていると良いのだけれど、これを選択する先生がまずいないといけない。
昨今、戦争を美化・・・とまではいかなくても、肯定的に評価する人は、最低本書には目を通し、実際の戦場がいかなるものであったかぐらいは認識してからモノを言う必要があろう。こんな一次資料を突きつけれれば、多少は慎重な物言いになるのが普通だと思う。
一エンジニアが結論付けた下記の教訓は、既に広く流布されており、今更繰り返す必要はないが、念のため。
「一、精兵主義の軍隊に精兵がいなかった事。然るに作戦その他で兵に要求される事は、総て精兵でなければできない仕事ばかりだった。武器も与えずに。米国は物量に物を言わせ、未訓練兵でもできる作戦をやってきた。
二、物量、物資、資源、総て米国に比べ問題にならなかった。
三、日本の不合理性、米国の合理性。
四、将兵の素質低下(精兵は満州、支那事変と緒戦で大部分は死んでしまった)。
五、精神的に弱かった(一枚看板の大和魂も戦い不利となるとさっぱり威力なし)。
六、日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する。
七、基礎科学の研究をしなかった事。
八、電波兵器の劣等(物理学の貧弱)。
九、克己心の欠如。
十、反省力なき事。
十一、個人としての修養をしていない事。
十二、陸海軍の不協力。
十三、一人よがりで同情心が無い事。
十四、兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついた事。
十五、バアーシー海峡の損害と、戦意喪失。
十六、思想的に徹底したものがなかった事。
十七、国民が戦いに厭きていた。
十八、日本文化の確立なき為。
十九、日本は人命を粗末にし、米国は大切にした。
二十、日本文化に普遍性なき為。
二十一、指導者に生物学的常識がなかった事。
順不同で重複している点もあるが、日本人には大東亜を治める力も文化もなかった事に結論する。」