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きみは赤ちゃん (文春文庫 か 51-4) 文庫 – 2017/5/10
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- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2017/5/10
- 寸法10.6 x 1.4 x 15.2 cm
- ISBN-104167908573
- ISBN-13978-4167908577
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
芥川賞作家・川上未映子のベストセラー出産・育児エッセイ
待望の文庫化!
〇本書は、妊娠が判明したときから、出産を経て、1歳の誕生日まで、出産・育児という大事業で誰もが直面することを、芥川賞作家の鋭い観察眼で赤裸々かつユーモラスに描き、多くの共感と感動を呼んだ異色エッセイです。
つわり、マタニティブルー、分娩の苦しみ、産後クライシス、仕事と育児の両立……
妊娠&出産という個人的かつデリケートな出来事を、己の身体と精神の状況を赤裸々に描くことによって、単行本刊行時に圧倒的な読者の支持を得たベストセラーエッセイです。
本書への反響を通して、「読者のみなさんの人生に一瞬でも触れるような感覚をいただけたこと」は、書いてよかったと思うことの第一だと、川上さんは「文庫本のためのあとがき」で述べています。あの感動を、改めて文庫版で!
〇本書は女性読者はもちろん、男性読者にもぜひ読んでいただきたい!「父とはなにか、男とはなにか」「夫婦の危機とか、冬」「夫婦の危機とか、夏」などの章では、出産・育児における男性の役割を鋭く考察しています。
〇号泣して、爆笑して、命の愛おしさを感じる一冊。
「きみに会えて本当にうれしい」。
〇「文庫本のためのあとがき」付き。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2017/5/10)
- 発売日 : 2017/5/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 4167908573
- ISBN-13 : 978-4167908577
- 寸法 : 10.6 x 1.4 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 22,938位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』、『すべて真夜中の恋人たち』など著書多数。
2019年、第73回毎日出版文化賞受賞した『夏物語』は、20年ニューヨーク・タイムズが選ぶ「今年読むべき100冊」やTIMEの「今年のベスト10冊」などにも選ばれ、現在40カ国以上で刊行が進められている。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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妊娠中、産後に読んで涙しました。
本の構成は子供を授かるところから一歳になるまでのお母さんの生活について。
読む前は産むことへの恐怖しか考えていなかったので、その後の苦労を知り、読みながら震えました…
でも、読み終えると、自分もこうやって育ててもらったのだろうかと感慨深く、ジーンとしました。
これから始まる子育てに活きる一冊でした。
「少なくともわたしは出生前検査をした時点で、「きみよ、生まれてこい、わたしがありのままで受けとめる」という態度はとらなかったんだな、ということは事実だった。・・・それは点のような空白として、わたしのなかに残っている」(文庫本p42)、このあたりは川上節炸裂です。擬陽性の可能性を秘めながら陽性者の多くが堕胎します。内なる優性思想へのためらいが秀逸です。
ただ、野田先生の「50歳でこどもがほしいと思って、実現できる状況があったのでそうした」(文庫本p89)はいただけない。外国人の卵子を買って、人工授精からの本人出産って、「実現できる状況」と割り切ってよいのだろうか。提供者は排卵誘発剤を服用し、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクと戦いながら、卵子を提供するわけで、そこには通常金銭が介在する。つまり、搾取でしょう。ここへの批判がなかったことから☆1つ減の4つとしました。その他、動機と結果の混同など、相変わらずの知性・感性、只者ではありません。アベちゃんとオニ君に感謝したいと思っております。
あ、でも子供が欲しい男性は今すぐ読んでおいてください。
わたしの赤ちゃんが生後6ヶ月の今、この本を読むことが出来た幸運に感謝している。
これは子どもを授かった男女すべてが読むべき本だと思う。
これまでの妊娠期間と生まれてからの6ヶ月、そして1歳までの残り半分を、貴重でこのうえなく愛しい日々だと思い出させてもらった。
月齢の低い時期の夫婦間(男女間)のもやもやが、勢いのある文で描かれているのも、読んでいて気持ちがよかった。
川上未映子さんの他の本を読んだことがないので、ファンの読者の方であれば、受け入れられたのでしょうか。
深夜の授乳は体力的に限界ギリギリで辛いけど作者は「夜中を赤ちゃんとふたりきりで過ごしたこの時間のことを、いつか懐かしく思いだす日がくるのだと思う。」と書いてあり、私も全く同じことを思って深夜息子に授乳してたな、と思い出した。
今振り返ってみると産後のホルモンの働きによるのだろうと冷静に見られるけど、私も出産後は夫に対するイライラが理不尽なほど募った。それを作者は「リアルタイムのことだけでなく、産んだ直後のちょっとした会話のすみずみまでを思い出しては、とめどもなく怒り」がこみあげ「完膚なきまでに叩きのめ」したくなると表現、私もそうだったなぁとおかしかった。
赤ちゃんへの底なしの愛おしさと、想像してなかったノンストップの育児のしんどさにどっぷり浸かった時は、私も世のお母さん全てに、こんな辛いことを経験してきたんだという畏敬の思い・心から応援したい気持ちを持ったものだ。作者は「すべての「お母さん」というものが、いまのわたしの体と意識にやってきては去り、やってきては去るのをくりかえして、その夜は朝まで泣きやむことができなかった。」と記していたが、私もああ分かる分かる、という気持ちで読んだ。
作者がこの出産というとても個人的な体験を記した本を執筆した理由に、自分がしんどかった時にインターネット検索をして世のお母さんのブログや体験談を読むことでとても助けられたから、「お話への恩返しじゃないけれど、でも、いましんどかったり、迷っていたり、笑いたかったり、誰かと話しをするようになにかを読んでみたいと思う人が、すこしでも必要としてくれるものを書きたいって気持ちがあったのだと思います。」とあった。
一昔前なら大家族・親戚・ご近所さんと大人数で子育てしていたが、現在のお母さんはとてつもなく孤独な子育てによって大きな苦しみとストレスを抱えている。私自身、孤独な子育ての中、ママ友とのつながりやインターネットで得た情報や経験談にどれだけ助けられたか分からないので、その恩返しをしたいという気持ちから、Facebookで地域の日本人ママをサポートするグループを立ち上げたところなので、作者の気持ちに大変共感した。
文庫化あとがきで、作者の息子は既に5歳になったというが「今日も一日、子どもの命があるかどうかということで、妊娠してから今日の日まで、それが失われるかもしれないという恐怖を感じない日はありません。」とあった。実は私も全く同じ気持ちでいるので、ああ自分だけではなかったのか、と感じた。そういえば昔読んだジョン・アーヴィングの小説「ガープの世界」でも、子供を失うことへの恐怖が一つのテーマとなっていたのを思い出した。
作者の最後のエールがとても気に入った。「生きていると色々なことがあるし、解決できることもあればできないこともあって、でも、今日もなんとか、なんとか。そして単行本のあとがきでもおなじことを書きましたが、やっぱり最後はみなさんに──オニが生まれてから毎日変わらず彼に話しかけているように、 「たのしいこと、いっぱいあるよ!」 「あしたはもっと、たのしいよ!」」