戦争の悲劇は戦場や銃後だけにとどまらない。親とはぐれ未知の土地に放り出された
戦争孤児の言語に絶する苦難の足跡は戦争の実相そのものです。
ここに登場する、過酷な運命を生き抜き、自力で人生を切り開いた戦争孤児の生き様には
頭が下がるのひと言。著者の取材力、筆力にも感嘆のほかなし。
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あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅 (文春文庫 き 36-1) 文庫 – 2012/9/4
城戸 久枝
(著)
二十一歳の秋、旧満州に飛び込んだ
中国残留孤児だった父の壮絶な半生を追う――「日本生まれの中国残留孤児二世」が、十年がかりで旅の果てに描いた壮絶なドラマ
中国残留孤児だった父の壮絶な半生を追う――「日本生まれの中国残留孤児二世」が、十年がかりで旅の果てに描いた壮絶なドラマ
- 本の長さ538ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2012/9/4
- ISBN-104167843013
- ISBN-13978-4167843014
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
日中の国交が断絶していた文化大革命のさなか、中国から奇跡の帰国を果たした日本人戦争孤児が私の父だった。二つの国の間で翻弄された父は、どんな時代を生き抜いてきたのか――。21歳の秋、旧満州に飛び込んだ著者が、10年がかりの長い旅の果てに、戦争のもたらす残酷な運命と、語り継がれるべき「歴史」の真実を鮮やかに描き出す。
戦争の被害者である父と、加害者だとされる軍人だった祖父、父を育てた中国の養母と、血のつながらない親戚たち……。いまを生きる私につながる「戦争」の物語とは? 反日と情愛の国のリアルとは? 人間の絆とは? 生き抜く力の源流とは? 故郷と祖国の違いとは? そして「歴史」は複雑に絡み合い、ひとつの数奇な運命としてその姿を現わす。
みずみずしい感性で描く「父と私と異国の祖母」の運命の物語。日中の戦後史を書き換える奇跡の実話。大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
戦争の被害者である父と、加害者だとされる軍人だった祖父、父を育てた中国の養母と、血のつながらない親戚たち……。いまを生きる私につながる「戦争」の物語とは? 反日と情愛の国のリアルとは? 人間の絆とは? 生き抜く力の源流とは? 故郷と祖国の違いとは? そして「歴史」は複雑に絡み合い、ひとつの数奇な運命としてその姿を現わす。
みずみずしい感性で描く「父と私と異国の祖母」の運命の物語。日中の戦後史を書き換える奇跡の実話。大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2012/9/4)
- 発売日 : 2012/9/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 538ページ
- ISBN-10 : 4167843013
- ISBN-13 : 978-4167843014
- Amazon 売れ筋ランキング: - 959,514位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,359位文春文庫
- - 137,556位ノンフィクション (本)
- - 246,617位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筆者は、本が出た10年前の時点で、日本におけるあの戦争の風化を指摘しています。
父母、祖父母が体験したあの時代の出来事を、次の世代に伝え続けていく必要がある、と。
日本と中国、10年以上にわたり自らのルーツを訪ねて取材した迫力は半端ではありません。
本書を読んで、この先の日本で、戦前や戦中にはあった近代日本と大陸、南方とのあらゆるつながりが忘れ去られてしまうのは、民族全体の損失であると今感じています。
父母、祖父母が体験したあの時代の出来事を、次の世代に伝え続けていく必要がある、と。
日本と中国、10年以上にわたり自らのルーツを訪ねて取材した迫力は半端ではありません。
本書を読んで、この先の日本で、戦前や戦中にはあった近代日本と大陸、南方とのあらゆるつながりが忘れ去られてしまうのは、民族全体の損失であると今感じています。
2018年9月17日に日本でレビュー済み
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文庫版を再読しました。
第一部は、敗戦の混乱で実の親と生き別れになり、中国で育てられた父親が粘り強い努力で日本人として帰国を果たし、苦労を重ねて祖国に根を下ろすまで。
第二部は、成長した作者が自分のルーツをたどるために中国へ留学、父親が育てられた村や関わりのある人を訪ね歩き、日本と中国の間にある埋めがたい意識の差、現地の人の温かさ、理屈では説明できない歴史の偶然を知るまで。
祖父が籍を置いていた満州国軍が戦後は日本軍に比べると冷遇されていたこと、中国残留孤児が祖国に帰国しても社会から疎外されて困窮していることなどにも触れられており、容易に答えの出ない問題に対して広い視野を意識しながら、自身の具体的な言葉で考えようとする、厚みのある一冊かと思います。
第一部は、敗戦の混乱で実の親と生き別れになり、中国で育てられた父親が粘り強い努力で日本人として帰国を果たし、苦労を重ねて祖国に根を下ろすまで。
第二部は、成長した作者が自分のルーツをたどるために中国へ留学、父親が育てられた村や関わりのある人を訪ね歩き、日本と中国の間にある埋めがたい意識の差、現地の人の温かさ、理屈では説明できない歴史の偶然を知るまで。
祖父が籍を置いていた満州国軍が戦後は日本軍に比べると冷遇されていたこと、中国残留孤児が祖国に帰国しても社会から疎外されて困窮していることなどにも触れられており、容易に答えの出ない問題に対して広い視野を意識しながら、自身の具体的な言葉で考えようとする、厚みのある一冊かと思います。
2020年6月14日に日本でレビュー済み
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すごい本ですね。
2019年7月28日に日本でレビュー済み
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著者は、事実をよく調べこんでいる。
客観視されていて、素晴らしい。
また、父と娘の関係の変化が興味深い。
よい本を読みました。
客観視されていて、素晴らしい。
また、父と娘の関係の変化が興味深い。
よい本を読みました。
2017年7月6日に日本でレビュー済み
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今の北朝鮮情勢など、危うい感じのある時代になりつつあるのもありますが、過去の歴史などを知りたいと、色んな本を読んでいますが、この著書は本の厚みが納得できる濃い内容でした。
私は著者の久枝さんと1歳しか変わらず、私の方は祖母が満州に住んでいた時期があり、よく満州や終戦後の話などを聞くので(91歳健在)気になり読みました。
【第一部 父の時代】と【第二部 私の時代】と言う満州国当時の城戸幹さん(孫 玉福)視点で描かれたリアルな終戦後の内容、そして私と同じ「戦争を知らない世代」の著者久枝さんの視点で描かれた所が、本当に良かったと思います。
この著書を読み、改めて「人の心や想い」は国や民族・人種、血の繋がりを遥かに越えるものだと感じました。どこの国であれ、何人であれ、心が本気で繋がれば、民族に関係なく「人間同士」の愛情や友情・信頼が生まれるものですね。国同士や政治論になると敵意を抱いたりする事もある世の中ですが、人と人との個人的な心の繋がりになると、国境など関係なくなるものです。
第一部は、戦争当時の時代背景、第二部は、今の私達からの感覚で読めると思います。中国・元満州国に何度も渡航し、知人等にも会い、よく詳しく調べてまとめた、とても意味深い著書だと思います。過去の歴史を、あの戦争を知りたいなら、お薦めの著作です。
【私の祖母はたまたま、当時の日本の家の都合で、終戦直前に帰国していたので(まだ日本人が満州も朝鮮も苦労なく通って帰国できた時)日本に帰ってから祖父と出会い結婚したので、うちの家系も中国人との二世は居りませんが、この著書を読み、祖母がもう少し帰国しなかったら、祖母は中国人と結婚していたか?或いは単身で満州に住んでいたので、ソ連兵や満州国民に襲われていた可能性もあります。となれば、祖母の息子である父や私達も、生まれてすらなかったかも知れません。そう思いながら考えると、運命と言うものは、いつどこで、ちょっとしたきっかけや状況でも、大きく変わるものなのだと改めて感じます。今から思えば70年以上前の祖母の帰国時期が少し違うだけで、今現在とはかなりの大きな違いがあったかも知れないんだ……と、不思議な?感覚になります。】
過去や歴史を知りたい方には、お薦めの著作だと思います。
私は著者の久枝さんと1歳しか変わらず、私の方は祖母が満州に住んでいた時期があり、よく満州や終戦後の話などを聞くので(91歳健在)気になり読みました。
【第一部 父の時代】と【第二部 私の時代】と言う満州国当時の城戸幹さん(孫 玉福)視点で描かれたリアルな終戦後の内容、そして私と同じ「戦争を知らない世代」の著者久枝さんの視点で描かれた所が、本当に良かったと思います。
この著書を読み、改めて「人の心や想い」は国や民族・人種、血の繋がりを遥かに越えるものだと感じました。どこの国であれ、何人であれ、心が本気で繋がれば、民族に関係なく「人間同士」の愛情や友情・信頼が生まれるものですね。国同士や政治論になると敵意を抱いたりする事もある世の中ですが、人と人との個人的な心の繋がりになると、国境など関係なくなるものです。
第一部は、戦争当時の時代背景、第二部は、今の私達からの感覚で読めると思います。中国・元満州国に何度も渡航し、知人等にも会い、よく詳しく調べてまとめた、とても意味深い著書だと思います。過去の歴史を、あの戦争を知りたいなら、お薦めの著作です。
【私の祖母はたまたま、当時の日本の家の都合で、終戦直前に帰国していたので(まだ日本人が満州も朝鮮も苦労なく通って帰国できた時)日本に帰ってから祖父と出会い結婚したので、うちの家系も中国人との二世は居りませんが、この著書を読み、祖母がもう少し帰国しなかったら、祖母は中国人と結婚していたか?或いは単身で満州に住んでいたので、ソ連兵や満州国民に襲われていた可能性もあります。となれば、祖母の息子である父や私達も、生まれてすらなかったかも知れません。そう思いながら考えると、運命と言うものは、いつどこで、ちょっとしたきっかけや状況でも、大きく変わるものなのだと改めて感じます。今から思えば70年以上前の祖母の帰国時期が少し違うだけで、今現在とはかなりの大きな違いがあったかも知れないんだ……と、不思議な?感覚になります。】
過去や歴史を知りたい方には、お薦めの著作だと思います。
2018年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「大地の子」をテレビで見たときも衝撃を受けましたが、小説でなく、ノンフィクションですので、胸に迫るものがさらに大きかったです。新聞の「始まりの一冊」に取り上げられていたので、記事を読んですぐに注文しました。筆者の父の逆境にあっても果敢に前に進んで、何かをつかもうとする姿勢に、人間の生きていくことのたくましさと尊厳を感じ、多いに触発させられました。もっと詳しく知りたくなり、城戸幹さんの著作も今読んでいます。
2011年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
素晴らしい文章。素晴らしい本。夢中になって読みました。とても読みやすい滑らかな文章。文章力があるというのは、こういうことか、、と思いました。
NHKで再放送されたドラマを見て、即、本を購入。ドラマでは触れられてなかった点もあり、色々と考えさせられました。
胸がいっぱいになりました。
自分の人生や生き方について、今一度、深く考えさせられました。
ああ、私の生き方や考え方は、ぬるすぎるな、と。
城戸さんのお父様は、大変な人生を歩んでこられた。
でも、その中での救いは、中国で、心から愛してくれるお母さんに育てられたこと。
血はつながってなくても心はつながっている。
他の残留孤児の方々で、「家族」として育ててもらえた人は、どれくらいいたのでしょう。
辛い切ないやりきれない思いで自分の居場所を探し続ける人生は戦争の残骸。
戦争は終わった。でも、戦争は、今もなお形を変えて人を襲っている。戦争は生き続けている。
人々の中で。逃れられない。そうだ。戦争は終わっていない。。
著者の城戸さんの年齢が私と近いこともあり、読んでいて、想像しやすいところがあって、より読みやすかった。
一気に読めます。
でも、考え込んで、時々、立ち止ります。
一人でも多くの人に読んでほしいです。
NHKで再放送されたドラマを見て、即、本を購入。ドラマでは触れられてなかった点もあり、色々と考えさせられました。
胸がいっぱいになりました。
自分の人生や生き方について、今一度、深く考えさせられました。
ああ、私の生き方や考え方は、ぬるすぎるな、と。
城戸さんのお父様は、大変な人生を歩んでこられた。
でも、その中での救いは、中国で、心から愛してくれるお母さんに育てられたこと。
血はつながってなくても心はつながっている。
他の残留孤児の方々で、「家族」として育ててもらえた人は、どれくらいいたのでしょう。
辛い切ないやりきれない思いで自分の居場所を探し続ける人生は戦争の残骸。
戦争は終わった。でも、戦争は、今もなお形を変えて人を襲っている。戦争は生き続けている。
人々の中で。逃れられない。そうだ。戦争は終わっていない。。
著者の城戸さんの年齢が私と近いこともあり、読んでいて、想像しやすいところがあって、より読みやすかった。
一気に読めます。
でも、考え込んで、時々、立ち止ります。
一人でも多くの人に読んでほしいです。