標題をそのまま鵜呑みにして“フェミニズム”について知りたいという人にとっては少し肩透かしをくらうかもしれない内容です。
しかしながら、我々人類が長い歴史の中で人の容姿や生物学的性別、社会役割的性別、性自認、恋愛対象の性について、差別や偏見に基づいた多くの事象が記載されています。どの章から読んでも理解可能で、著者の3名の対談だけを読んでも多くの“気付き”を得る事ができました。
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フェミニズムってなんですか? (文春新書 1361) 新書 – 2022/5/20
清水 晶子
(著)
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性差別のない21世紀を実現するために。
フェミニズムを様々なトピックで学ぶ必携の一冊!
* * *
女性たちが日以上生活の中で、「あれ?」と疑問に思うこと、
何気ない言葉や行為に抵抗を覚えること。
それはフェミニズムのきっかけになります。
「私が我慢すれば」と抑えこんでいた怒りや不満を、
いつかどこかにぶつけたくなるかもしれません。
でも、誰に、どうやってぶつけたらいいのか?
それを考えるためのヒントをくれるのが、フェミニズムです。
エッセンシャルワーカーとケア
オリンピックとセクシズム
インターセクショナリティ
Black Lives Matter
性と身体
中絶と性暴力
LGBTQ∔
#MeToo
フェミニズムの視点を身に着ければ、世界の見え方が変わる!
フェミニズムの歴史を読み解き、
物事を一歩引いて眺める視点を与えてくれる一冊
――芥川賞作家・李琴峰推薦
* * *
フェミニズムを様々なトピックで学ぶ必携の一冊!
* * *
女性たちが日以上生活の中で、「あれ?」と疑問に思うこと、
何気ない言葉や行為に抵抗を覚えること。
それはフェミニズムのきっかけになります。
「私が我慢すれば」と抑えこんでいた怒りや不満を、
いつかどこかにぶつけたくなるかもしれません。
でも、誰に、どうやってぶつけたらいいのか?
それを考えるためのヒントをくれるのが、フェミニズムです。
エッセンシャルワーカーとケア
オリンピックとセクシズム
インターセクショナリティ
Black Lives Matter
性と身体
中絶と性暴力
LGBTQ∔
#MeToo
フェミニズムの視点を身に着ければ、世界の見え方が変わる!
フェミニズムの歴史を読み解き、
物事を一歩引いて眺める視点を与えてくれる一冊
――芥川賞作家・李琴峰推薦
* * *
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2022/5/20
- 寸法10.9 x 1.3 x 17.3 cm
- ISBN-104166613618
- ISBN-13978-4166613618
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出版社より
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2022/5/20)
- 発売日 : 2022/5/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4166613618
- ISBN-13 : 978-4166613618
- 寸法 : 10.9 x 1.3 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 46,118位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2024年3月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フェミニズムの入門にあたる知識をしっかり押さえつつ、完全に初心者向けの本というわけでなく、フェミニズムに今まで触れてきた人にとっても読み応えのある本だと思います。
2022年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今月の新刊新書は○○とか、✕✕とか、△△とか、重量感のある大作が並び、緊張の読書の日々が続いているが、気分転換にこの本を開いてみたら、たいへん読みやすくて、2時間ちょっとで読めてしまった。
VOGUEのオンラインサイトの連載に加筆修正した本で、序文も本文も女性読者を想定して書かれているので、男性読者の感想など余計なお世話のようにも思えるが、一応980円+税の入場料は支払ったので、ちょっとだけ、書かせていただこう。
○テーマが16あり、1テーマが7頁から13頁ぐらい。短いので読みやすい。
○対談が3本あり、こちらはちょっと長い。
○第11章の結婚の不都合な真実の後半部分、第12章のセックスワーカー論、第16章後半の依存の受容論、対談Ⅲのうちの表現の自由論はたいへんたいへん面白かった。
蛇足
○第4章ガールパワーもなかなか面白い。
VOGUEのオンラインサイトの連載に加筆修正した本で、序文も本文も女性読者を想定して書かれているので、男性読者の感想など余計なお世話のようにも思えるが、一応980円+税の入場料は支払ったので、ちょっとだけ、書かせていただこう。
○テーマが16あり、1テーマが7頁から13頁ぐらい。短いので読みやすい。
○対談が3本あり、こちらはちょっと長い。
○第11章の結婚の不都合な真実の後半部分、第12章のセックスワーカー論、第16章後半の依存の受容論、対談Ⅲのうちの表現の自由論はたいへんたいへん面白かった。
蛇足
○第4章ガールパワーもなかなか面白い。
2022年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
入門用としては良い本だと思う。対談も興味深い。著者にはいずれ本格的なフェミニズムの本を書いてほしい。
2022年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
女性学者の方のフェニミズムに関する評論。
フェミニズムに関する考え方、その歴史、今現在のムーブメントを通して、今やこれからのフェミニズムがどうあるべきかを探った内容になっております。
端的に要約すると、男性中心の社会制度や考え方を変革し、女性が主体的の言いたい事が言える、生きられる社会にする考え方、行動等で宜しいでしょうか(違ったらすいません)。
私自身は中年の野郎なで、尚且つ女性の知り合いも少なく、あまりここに書かれている事を身近に感じた事がないもので、そういう人間が似非リベラルぶって諸手を挙げて賛同します、とか言っても嘘くさい事夥しいと思うので、本書を読んだ率直な感想のみを書き込みたいと思います。
まず、こういう活動や言説や考え方が普及するのに、キリスト教の暦で、2000年くらい掛かったのかが、気になりました。昔は携帯電話やインターネットがなく、同性に恋愛の情を感じたり、性的な感情の全くない性向の人がいても、異常や病気という偏見や差別があったので、そういう人が集まって連帯しにくかったという事情がありますが、それでもこういう考え方が普及するまで、長い時間が掛かった事に、過去の人類の営為に問題があり、マルチメディアの急速な進化でもまだ結構理解されるまで時間が掛かりそうだと思いました。
次にセックス・ワーカーに関する所で思ったのですが、普段人にする行為として恥ずかしい事なので、そういう事を仕事にしている人がふしだら、堕落した人という考え方があったのも真実だと思います。ここに書いてある通り、ある一定の時間だけサービスを提供するのがセックス・ワークで、こういう仕事が天職の人もいると思うので、よくない仕事として一括りにして批判したり偏見を持ったりするのもまずいかも。
人口妊娠中絶に関する所では、生むか生まないかを決めるのは女性の主体性に属する、という部分にその通りだと思いますが、個人的には生む前の段階、セックスについての事で意図しないで妊娠しない様にするのが理想に思えました。中絶するにしろ、生むにしろ、対象の生命を持った人が一番迷惑を被ると思うので。対談されている作家の李さんの作品で生まれるか生まれないかの決定をその人自身が決めていい、という世界が舞台の小説があるそうですが、そういう風に出来たら私は生まないで、と頼んだかも(嫌な事ばかりで金かかってしょうがないし、こういう事を言うと人間としておかしいと批判されて、言論・良心の自由も担保されてないしで)。
通読して思った事が、女性が男性よりも肉体的に劣る場合が多かったので、中々自己主張出来ず、しても暴力で制圧、弾圧された歴史があったらしいという事で、2000年掛かって、そういう社会を変革する為に声を挙げ始めた女性が多く、マルチメディアの進化で行動や発言をしやすくなった、という現状でした。これを読む前に「母親になって後悔している」というノンフィクションを読んだのですが、そこでもあまり母親になりたくなかった女性の告白が赤裸々に語られておりましたが、今やっと真のフェミニズムが実現する端緒が始まった様に見えます。現実に制度や考え方が変わるまで更に時間が掛かるかもしれませんが、今からでもする価値はあると思います。
フェミニズムに関する歴史やその内容を理解する為に最適な評論。是非ご一読を。
蛇足ですが、学生時代小柄だった性で、怖い女子からいじめられたりして、場合によっては女性よりも弱い男もいるという事を付け加えておきます。
フェミニズムに関する考え方、その歴史、今現在のムーブメントを通して、今やこれからのフェミニズムがどうあるべきかを探った内容になっております。
端的に要約すると、男性中心の社会制度や考え方を変革し、女性が主体的の言いたい事が言える、生きられる社会にする考え方、行動等で宜しいでしょうか(違ったらすいません)。
私自身は中年の野郎なで、尚且つ女性の知り合いも少なく、あまりここに書かれている事を身近に感じた事がないもので、そういう人間が似非リベラルぶって諸手を挙げて賛同します、とか言っても嘘くさい事夥しいと思うので、本書を読んだ率直な感想のみを書き込みたいと思います。
まず、こういう活動や言説や考え方が普及するのに、キリスト教の暦で、2000年くらい掛かったのかが、気になりました。昔は携帯電話やインターネットがなく、同性に恋愛の情を感じたり、性的な感情の全くない性向の人がいても、異常や病気という偏見や差別があったので、そういう人が集まって連帯しにくかったという事情がありますが、それでもこういう考え方が普及するまで、長い時間が掛かった事に、過去の人類の営為に問題があり、マルチメディアの急速な進化でもまだ結構理解されるまで時間が掛かりそうだと思いました。
次にセックス・ワーカーに関する所で思ったのですが、普段人にする行為として恥ずかしい事なので、そういう事を仕事にしている人がふしだら、堕落した人という考え方があったのも真実だと思います。ここに書いてある通り、ある一定の時間だけサービスを提供するのがセックス・ワークで、こういう仕事が天職の人もいると思うので、よくない仕事として一括りにして批判したり偏見を持ったりするのもまずいかも。
人口妊娠中絶に関する所では、生むか生まないかを決めるのは女性の主体性に属する、という部分にその通りだと思いますが、個人的には生む前の段階、セックスについての事で意図しないで妊娠しない様にするのが理想に思えました。中絶するにしろ、生むにしろ、対象の生命を持った人が一番迷惑を被ると思うので。対談されている作家の李さんの作品で生まれるか生まれないかの決定をその人自身が決めていい、という世界が舞台の小説があるそうですが、そういう風に出来たら私は生まないで、と頼んだかも(嫌な事ばかりで金かかってしょうがないし、こういう事を言うと人間としておかしいと批判されて、言論・良心の自由も担保されてないしで)。
通読して思った事が、女性が男性よりも肉体的に劣る場合が多かったので、中々自己主張出来ず、しても暴力で制圧、弾圧された歴史があったらしいという事で、2000年掛かって、そういう社会を変革する為に声を挙げ始めた女性が多く、マルチメディアの進化で行動や発言をしやすくなった、という現状でした。これを読む前に「母親になって後悔している」というノンフィクションを読んだのですが、そこでもあまり母親になりたくなかった女性の告白が赤裸々に語られておりましたが、今やっと真のフェミニズムが実現する端緒が始まった様に見えます。現実に制度や考え方が変わるまで更に時間が掛かるかもしれませんが、今からでもする価値はあると思います。
フェミニズムに関する歴史やその内容を理解する為に最適な評論。是非ご一読を。
蛇足ですが、学生時代小柄だった性で、怖い女子からいじめられたりして、場合によっては女性よりも弱い男もいるという事を付け加えておきます。
2022年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当に広い視野で物を見て書かれてらっしゃる本だな、と感じました。
なので、人それぞれのフェミニズムがある、と言う言葉に説得力があります。
世間的にどういった立ち位置でフェミニズムを関心を持っているか、
人それぞれだと思うのですが、何かしら共感できたり、もっとフェミニズムに関心を
持って行こう、というきっかけになる本だと感じました。男性女性問わず、ちょっとでも
フェミニズムに関心を持ったら、読んでもらいたい本です。
なので、人それぞれのフェミニズムがある、と言う言葉に説得力があります。
世間的にどういった立ち位置でフェミニズムを関心を持っているか、
人それぞれだと思うのですが、何かしら共感できたり、もっとフェミニズムに関心を
持って行こう、というきっかけになる本だと感じました。男性女性問わず、ちょっとでも
フェミニズムに関心を持ったら、読んでもらいたい本です。
2022年6月23日に日本でレビュー済み
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現代日本のフェミニズムは、思想状況として非常に複雑な局面になっており、何と何が対立し、どこが本当の問題なのかがよく見えなくなっている。その理由は、(1)LGBTなど「インターセクシュアル」な問題群が前景化した、(2)インターネットによってセクシュアリティの在り方やセクシュアリティの言説が「表現」されるようになった、ことが挙げられる。しかもこの二つは連動している。本書は、インターセクシュアリティ、そして黒人差別などとも「重なる」インターセクショナリティの視点に立つ分析であると同時に、それをジェンダー論として理論化しようと格闘しているという点で、価値の高い本である。セックスワークをどう捉えるか、「中絶」をどう捉えるか、人間の「自立/依存」関係をどう捉えるか等、いずれも倫理学の難問中の難問で、おそらく正解は存在しない。問題の対立局面がここまで煮詰められてしまうと、ある意味でカントのアンチノミーのような状況になっており、誰もが満足する解答は存在しない。著者と三人の女性対談者は、そのような現在の課題とそれぞれ格闘していることが、ひしひしと伝わってくる。私は、李琴峰と著者との対談に眼を開かれる思いがした。インターセクシュアリティ、そしてインターセクショナリティの問題は、「多数派ではない人々の身体経験やそこから紡がれる言葉をどのように共有し理解してゆくのか。そもそも共有したり理解したりできるのか。・・・実際には色々な局面で、なんて難しい作業だろうと思うことが多い」(清水、p235)。どこまで行っても「居心地の悪さ」を完全に無くすことはできず、そこから逃げるか、「そこに踏みとどまる」かしかないのだが、「居心地が悪いところに踏みとどまれるのは、その場を受け入れる余裕があることで、それはとても難しいと思います」(李、p241)。「私たちはどうやって居心地の悪さに踏みとどまれるのか、その条件について考えるべきだと思います」(清水、p242)。「深いレベルまで考えていくほどに、何が正しいのか分からなくなる。結局、コミュニティの構成員がそれぞれ「これがいい」と考える方向に向かって努力するしかない」(清水、p234)。何が問題の解決なのかということ自体が「人それぞれ」に異なるのだから、結局、明解ですっきりした答というものは存在しない。そのような問題に向き合っていることを自覚し、「それぞれが、これがいいと思える」状況を少しでも作り出すことが唯一可能な「解決」だとすれば、その解決は「人それぞれ」になるだろう。万人に共通の解はなく、ある人々にはAという、別の人々にはBという、それぞれ異なる小さな「解」を割り振るしかない。
清水と李の対談で明確になったのは、「アイデンティティをめぐる政治」の問題としてのジェンダー問題は、結局、オースティンの言う「言語行為」の問題になることである。つまりヘイト「スピーチ」と同様、ジェンダー「差別」とは他者の人格を傷付ける「言語行為」なのだ。我々がどのような戦場にいるのかを理解することは、戦うための重要な要素である。ジュディス・バトラーも問題を言語行為の問題と考えているし、その点では、清水や李もジェンダー理論家として、正しい立場と戦略に立っていると私は思う。李が繰返し嘆いているように、SNSにおける戦いが泥仕合になってしまうのは、デリダが「引用」という概念で明らかにした言語の本性と運命にもとづいている。どんな発話も、発話者のコンテクストと聴き手のコンテクストは異なるから、同じ文章でも発話者の意図とは異なる意味が立ち現れてしまう。他者の書いた文章を読むこと自体が、すでに私による「引用」なのだ。「差別」の問題を理解するには、言語の「引用性」の自覚が欠かせない。あと一つ、本書では言われていないが、ロールズのいう「公共財としての自尊心」という価値をはっきり打ち出すと、さらによいのではないか。「良い社会」とは誰もが「自尊心」を持って生きられる社会である。女性を含めたセクシャルマイノリティーが「自尊心をもてない」ことこそが最大の問題なのだから、そこを強く打ち出すこともできるはずだ。ともあれ、本書は、問題状況の全体をつねに視野に入れようとする点で、優れた思想戦を遂行しており、「哲学の戦場」(カント)を思わせる好著である。
清水と李の対談で明確になったのは、「アイデンティティをめぐる政治」の問題としてのジェンダー問題は、結局、オースティンの言う「言語行為」の問題になることである。つまりヘイト「スピーチ」と同様、ジェンダー「差別」とは他者の人格を傷付ける「言語行為」なのだ。我々がどのような戦場にいるのかを理解することは、戦うための重要な要素である。ジュディス・バトラーも問題を言語行為の問題と考えているし、その点では、清水や李もジェンダー理論家として、正しい立場と戦略に立っていると私は思う。李が繰返し嘆いているように、SNSにおける戦いが泥仕合になってしまうのは、デリダが「引用」という概念で明らかにした言語の本性と運命にもとづいている。どんな発話も、発話者のコンテクストと聴き手のコンテクストは異なるから、同じ文章でも発話者の意図とは異なる意味が立ち現れてしまう。他者の書いた文章を読むこと自体が、すでに私による「引用」なのだ。「差別」の問題を理解するには、言語の「引用性」の自覚が欠かせない。あと一つ、本書では言われていないが、ロールズのいう「公共財としての自尊心」という価値をはっきり打ち出すと、さらによいのではないか。「良い社会」とは誰もが「自尊心」を持って生きられる社会である。女性を含めたセクシャルマイノリティーが「自尊心をもてない」ことこそが最大の問題なのだから、そこを強く打ち出すこともできるはずだ。ともあれ、本書は、問題状況の全体をつねに視野に入れようとする点で、優れた思想戦を遂行しており、「哲学の戦場」(カント)を思わせる好著である。
2022年8月13日に日本でレビュー済み
仕事の関係でフェミニズムを勉強したくて手に取った。とても分かりやすく論理的に書かれていてとても勉強になったし、さらに色々知りたいという興味を持たせてくれました。