友人にも勧められて、読みましたが、新訳なので、とても面白かったです。授業は、まだなのでなんとも言えませんが… 期待大です。因みに宮脇先生は、コミック版を訳していらっしゃいます。
1953年に書かれた未来は、なかなか今と重なるものが多々あります。SFさっかは、まだ見ぬ未来を書かれるので、答え合わせが、今の私たちは出来ます。秘められたメッセージをあなたもご一読下さい。
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イメージ付きのレビュー
続編はPCのアドベンチャーゲームで?!
「華氏451度」が名作であることは一片の疑いもない。 他のレビュアーも語り尽している筈。 しかしながら、その続編が1984年にTrillium社（改名後はTelarium社）からApple IIのアドベンチャーゲームでリリースされていることは、あまり知られていない。 しかも、レイ・ブラッドベリ自身の正式な監修のもとで、正当な続編として、だ。 このことは、もっと声を大にして周知せしめるべきことであろう。 残念ながら、新訳版のあとがき等でもこの事実については触れられていない。 グラフィック付きとはいえ、旧弊なテキスト・アドベンチャーゲームという形態なので、表現媒体としては書籍に劣るとでも思われているのであろうか？！ 確かに、入力は英語で「動詞＋目的語」なので日本人にプレイは辛かろう。 しかし、このTrillium社の作品や、"Zork"で有名なINFOCOM社のテキスト・アドベンチャーから、「弟切草」「かまいたちの夜」「街～運命の交差点～」で有名なチュンソフトのサウンドノベルシリーズなどが発展していったことを考えると、かつてテキスト・アドベンチャーは最先端の娯楽の形態だったはず。 クロスメディアが盛んに喧伝されていた80年代、ブラッドベリ氏も続編のリリース先にPCゲームを選ぶという、実にラディカルな選択をした、というわけだろう。 ブラッドベリ氏自身がインタビューに答えてこう発言している。 「私は『華氏451度』の続編がこのような形に結実していく事に心底ゾクゾクするような興奮を覚えた。 読者の皆さんは、あのあとモンターグがどうなったか、その冒険の続きをこのゲームでワクワクしながら愉しむことが出来るだろう。」と。 あとがきによると昨今、この『華氏451度』は単なる初期のSFの枠を超え、人類のレガシーとして、古典的文学作品としてのカテゴリーで評価が高まっている、という話らしい。 では英米文学の研究家も、この『華氏451度』をテーマに論文などをものにするのだろうか？ となれば、続編がPCゲームになっている、という情報は無視できまい。 なぜならば、レイ・ブラッドベリ自身による続編の構想のいわば「遺伝子」ともいえるものが、そのゲームの中に宿っているはずだからである。 このゲームはアメリカでは一定以上の評価を得たらしく、Apple IIの他にも移植され白黒Macintosh版やIBM-PC版などがリリースされているようだ。 そういう中古商品をAmazonやe-bayあたりで探してみて、プレイしてみるのも研究家としては必須になってくるかもしれない。 プレイには当然旧いPCが必要になるだろうが、そういうのもあるところにはちゃんと残っているものだ。
