<上巻の感想>
近代的な人間社会に昆虫人間、鳥人間が共存する世界観。前半もうまく想像できない世界観だったが、後半から精神を食べる怪物に悪魔や魔術も出てきて、ぶっとんだ設定がさらに加速。下巻でどう完結するのか続きが楽しみ。
<下巻の感想>
上巻の後半で盛り上がってきた感じがあったけど、下巻は失速した感じ。人工知能、怪物、政府、悪の組織等のキャラクターは個性的なのに、物語展開は個人的には物足りない。
あと、全体的に海外小説らしく、長ったらしい。もうちょっとコンパクトにまとめてほしかった。
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ペルディード・ストリート・ステーション (上) (ハヤカワ文庫 SF ミ) 文庫 – 2012/5/31
『都市と都市』で読書人を驚愕させた現代SF界を代表する作家の巨篇、待望の文庫化!
- 本の長さ566ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2012/5/31
- 寸法10.6 x 2.3 x 15.7 cm
- ISBN-104150118531
- ISBN-13978-4150118532
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商品の説明
著者について
1972年イングランドのノリッジに生まれる。ケンブリッジ大学で社会人類学の学位を取得。ロンドン大学で国際法の博士号を取得している。98年に長篇『キング・ラット』を発表してデビュー。2000年に刊行した《バス=ラグ》シリーズ第一作にあたる本書『ペルディード・ストリート・ステーション』は、アーサー・C・クラーク賞、英国幻想文学賞を受賞、一躍SF/ファンタジイ界の寵児となった。02年には The Scar、04年には Iron Council と、《バス=ラグ》シリーズの長篇を発表。両作ともにローカス賞他を受賞、高い評価を受けた。2009年に刊行された『都市と都市』は、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞、ローカス賞など英米SF/ファンタジイ主要各賞を受賞している。ミエヴィルは、名実ともに現代SF/ファンタジイ界を代表する存在である。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2012/5/31)
- 発売日 : 2012/5/31
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 566ページ
- ISBN-10 : 4150118531
- ISBN-13 : 978-4150118532
- 寸法 : 10.6 x 2.3 x 15.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 585,751位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昆虫女じゃなくて猫女とかにしてくれればよかったのに、とか思いました。唾液を固めた芸術とかやめてほしかったです。いろんなクリーチャーが次々に登場するので飽きないです。まあそういう意味ではいい本なのかもしれません。
2022年1月10日に日本でレビュー済み
実はスチームパンクを読みたいと急に思い立ってググって出てきた作品がこれだった。羽をうしなったガルーダ(と言う人種?)が突然現れて・・・という裏表紙の言葉に興味を持ったこともあったからだが、冒頭、話が進まない^^; 作者の世界観を情景描写的に示しているのだろうけど、そこで本を閉じてしまう人が多いかもしれない。自分だって他の方のレビューで1/3までが辛抱といったことが書かれていなかったら諦めていたと思う。なにせ、ガルーダをもう一度空に戻すためにどうするかといった話が、途中から言わば怪獣モノの体をなしてくるのだから。ここまで来たら、そりゃ、「決戦」が気になるじゃないですか? だから、読み続けたんだけど・・・ これほど読了に時間がかかった本も久しぶりです。
いや、戦いの過程はそれなりに面白いし、怪物の持つ能力や、もう一匹(?)の怪物の詩的な言語や能力も魅力がないとは言わないけど、ガルーダを助ける話はどうなった? そこに意思を持った機械生物(?)まで登場してくると、どのように収束されるのだろうと。
ガルーダの罪である、他者の選択権を奪った罪も非常にわかりにくいし、それを受け入れるガルーダの最後の行動もそれほど明るい未来じゃない。爽快感を求める向きにはむかないが、人生を考えたい、人生における愛をどのように定義づけるかなどといったことを考えることが好きな人にははまるかもしれません。
それにしても、腺芸術ってのは理解に苦しむし、複眼を持ち大顎を使って食事する女性は恋愛対象にはならないなあ^^;
いや、戦いの過程はそれなりに面白いし、怪物の持つ能力や、もう一匹(?)の怪物の詩的な言語や能力も魅力がないとは言わないけど、ガルーダを助ける話はどうなった? そこに意思を持った機械生物(?)まで登場してくると、どのように収束されるのだろうと。
ガルーダの罪である、他者の選択権を奪った罪も非常にわかりにくいし、それを受け入れるガルーダの最後の行動もそれほど明るい未来じゃない。爽快感を求める向きにはむかないが、人生を考えたい、人生における愛をどのように定義づけるかなどといったことを考えることが好きな人にははまるかもしれません。
それにしても、腺芸術ってのは理解に苦しむし、複眼を持ち大顎を使って食事する女性は恋愛対象にはならないなあ^^;
2017年11月23日に日本でレビュー済み
架空の都市で理系の学者が奇妙な依頼を受け・・・というお話。
まず、解説で若島教授が触れられている通り、舞台になる都市の構築の仕方に圧倒されました。ここまで綿密に都市の細部を微に入り細を穿つ形で読者に提供した著者の筆力に感銘を受けました。
それと、中心の筋にあたる、鳥人間や様々な人間以外の生命体と人間のかかわりやそのキャラクター造形も著者の独りよがりにならず、読者に判り易く提示している所にも著者の筆力の高さを感じました。
内容解説によるとファンタジーで賞をとったとの事で、ファンタジー風にも展開しますが、基本的にはSF小説としての側面が強いのではないかと思いましたがどうでしょうか。
上下合わせて1000ページを超える大作ですが、中だるみや失速せずに最後まで読者を愉しませる手腕にも脱帽でした。判り易いイメージが作品全体に通奏低音の様に流れていますが、通俗に流れない所も素晴らしいと思います。長いですが、機会があったらまだ何回も読み返したくなる大作小説でした。
著者の奔放なイメージに圧倒される事必至のSF大作。是非ご一読を。
まず、解説で若島教授が触れられている通り、舞台になる都市の構築の仕方に圧倒されました。ここまで綿密に都市の細部を微に入り細を穿つ形で読者に提供した著者の筆力に感銘を受けました。
それと、中心の筋にあたる、鳥人間や様々な人間以外の生命体と人間のかかわりやそのキャラクター造形も著者の独りよがりにならず、読者に判り易く提示している所にも著者の筆力の高さを感じました。
内容解説によるとファンタジーで賞をとったとの事で、ファンタジー風にも展開しますが、基本的にはSF小説としての側面が強いのではないかと思いましたがどうでしょうか。
上下合わせて1000ページを超える大作ですが、中だるみや失速せずに最後まで読者を愉しませる手腕にも脱帽でした。判り易いイメージが作品全体に通奏低音の様に流れていますが、通俗に流れない所も素晴らしいと思います。長いですが、機会があったらまだ何回も読み返したくなる大作小説でした。
著者の奔放なイメージに圧倒される事必至のSF大作。是非ご一読を。
2012年8月19日に日本でレビュー済み
文庫でなく、ハードカバーで読んだ感想です。当時、完全に心奪われた作品です。
単行本は、プラチナファンタジーとしての扱いで、SFではありませんでした。文庫はSFですけど、私は本作はファンタジーの方がジャンルとしてはしっくりきます。
日暮氏の訳は、歯ごたえがありすぎて(たぶん正確すぎるんでしょう)相性が悪く、ニール・スティーブンスンの諸作品もなかなか読むのが大変でした。本作品も、最初の3分の1読むのに数ヶ月かかった覚えがあります。
ただ、スレイク・モスが逃げ出したあたりからは、匂い立つ描写に目眩がしながらも、ページを繰る動作を止められませんでした。奔放、混沌、かつ説得力に満ちた異世界を手探りで歩いていた感覚です。
ストーリーは複雑ではないですが、設定が普通の想像力ではついて行けません。言葉がつたないですが、読み終えた後は、「凄えもん読んじまった」感です。
ラストは切ないですが、この世界であるべき必然的な終え方だと思っています。
なお、本作のトリックスターであるお祈りジャックは、ミエヴェルの短編集「ジェイクを探して」の一編に登場していますので、おすすめ。
本作は、本筋というものがわかりにくいので、以前、別のところで書いたあらすじを以下に書きます(ネタバレはないですが、中盤以降にまで触れているので、これから読む方はお気をつけください)。私は、この作品を強く薦めます。
部族で罪を犯し、罰として翼をもがれたガルーダ族のヤガレクは、トンデモ科学者のアイザックを訪ね、翼をくれという。アイザックは飛翔の研究を開始する。
その頃、アイザックの恋人のリンは、暗黒街の大物、モトリーの彫像造りを依頼され、モトリーの下を通うようになる。
アイザックは、ある幼虫を裏ルートで手に入れるが、それは麻薬を餌にして麻薬を生み出す、スレイク・モスという蛾の幼虫だった。幼虫は孵り、逃げ出したばかりか、研究(麻薬製造)のため捕まっていた他の4匹の仲間を解放し、ニユークロブソンの街を闊歩して、街の住民の精神を吸い取り、街中をパニックに陥らせる。アイザックは、ヤガレクを飛ばすために、自分の昔の研究である危機エンジンを使うことを検討するが、あと一歩、複雑な数式の計算式が出せない。
提督のラドガターは、'1.蛾を逃がしたこと(いわば当局がヤクザの親分に麻薬を横流ししていた事実のもみ消し)と'2.危機エンジンなんて文化を根底からひっくり返す発明をもみ消すこと、のためにアイザックの確保を命じるとともに、スレイク・モス退治を大蜘蛛生物ウィーヴァーに依頼する。モトリーは、麻薬製造マシンのスレイク・モスの解放に腹を立て、リンを人質に取る。
意識を持った機械、コンストラクト・カウンシルは危機エンジンに関心を持ち、アイザックに接触を試みる。なぜか、ウィーヴァーもアイザックとお仲間たちに興味があるようだ。
当局も暗黒街も精神ヴァンパイア(蛾)も全員敵に回して、アイザックたちは蛾の退治に成功するのか。ウィーヴァー、コンストラクト・カウンシルは敵か味方か。危機エンジンは完成するのか。リンの運命は。ヤガレクは空を飛べるようになるのか。クライマックスは、ペルディード・ストリート・ステーションを舞台に、三つ巴・四つ巴・五つ巴の大戦争となる。
単行本は、プラチナファンタジーとしての扱いで、SFではありませんでした。文庫はSFですけど、私は本作はファンタジーの方がジャンルとしてはしっくりきます。
日暮氏の訳は、歯ごたえがありすぎて(たぶん正確すぎるんでしょう)相性が悪く、ニール・スティーブンスンの諸作品もなかなか読むのが大変でした。本作品も、最初の3分の1読むのに数ヶ月かかった覚えがあります。
ただ、スレイク・モスが逃げ出したあたりからは、匂い立つ描写に目眩がしながらも、ページを繰る動作を止められませんでした。奔放、混沌、かつ説得力に満ちた異世界を手探りで歩いていた感覚です。
ストーリーは複雑ではないですが、設定が普通の想像力ではついて行けません。言葉がつたないですが、読み終えた後は、「凄えもん読んじまった」感です。
ラストは切ないですが、この世界であるべき必然的な終え方だと思っています。
なお、本作のトリックスターであるお祈りジャックは、ミエヴェルの短編集「ジェイクを探して」の一編に登場していますので、おすすめ。
本作は、本筋というものがわかりにくいので、以前、別のところで書いたあらすじを以下に書きます(ネタバレはないですが、中盤以降にまで触れているので、これから読む方はお気をつけください)。私は、この作品を強く薦めます。
部族で罪を犯し、罰として翼をもがれたガルーダ族のヤガレクは、トンデモ科学者のアイザックを訪ね、翼をくれという。アイザックは飛翔の研究を開始する。
その頃、アイザックの恋人のリンは、暗黒街の大物、モトリーの彫像造りを依頼され、モトリーの下を通うようになる。
アイザックは、ある幼虫を裏ルートで手に入れるが、それは麻薬を餌にして麻薬を生み出す、スレイク・モスという蛾の幼虫だった。幼虫は孵り、逃げ出したばかりか、研究(麻薬製造)のため捕まっていた他の4匹の仲間を解放し、ニユークロブソンの街を闊歩して、街の住民の精神を吸い取り、街中をパニックに陥らせる。アイザックは、ヤガレクを飛ばすために、自分の昔の研究である危機エンジンを使うことを検討するが、あと一歩、複雑な数式の計算式が出せない。
提督のラドガターは、'1.蛾を逃がしたこと(いわば当局がヤクザの親分に麻薬を横流ししていた事実のもみ消し)と'2.危機エンジンなんて文化を根底からひっくり返す発明をもみ消すこと、のためにアイザックの確保を命じるとともに、スレイク・モス退治を大蜘蛛生物ウィーヴァーに依頼する。モトリーは、麻薬製造マシンのスレイク・モスの解放に腹を立て、リンを人質に取る。
意識を持った機械、コンストラクト・カウンシルは危機エンジンに関心を持ち、アイザックに接触を試みる。なぜか、ウィーヴァーもアイザックとお仲間たちに興味があるようだ。
当局も暗黒街も精神ヴァンパイア(蛾)も全員敵に回して、アイザックたちは蛾の退治に成功するのか。ウィーヴァー、コンストラクト・カウンシルは敵か味方か。危機エンジンは完成するのか。リンの運命は。ヤガレクは空を飛べるようになるのか。クライマックスは、ペルディード・ストリート・ステーションを舞台に、三つ巴・四つ巴・五つ巴の大戦争となる。