プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥649¥649 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥649¥649 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥1¥1 税込
配送料 ¥320 6月9日-11日にお届け
発送元: ネットオフ 販売者: ネットオフ
¥1¥1 税込
配送料 ¥320 6月9日-11日にお届け
発送元: ネットオフ
販売者: ネットオフ
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
聖痕 (新潮文庫) 文庫 – 2015/11/28
筒井 康隆
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥649","priceAmount":649.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"649","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"j%2FVR18duxWK1j91qvWY4z49YzrX1DsXncCNy85cwa5opqUU4zMfrn3Tz7%2F2XigiyVE4CHBk3wEipIJw%2BkkGyKI2dhPs4obaOSF16CD1rxFrtPreJS4nDMUN2FrD61CdyNE239S74Jms%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥1","priceAmount":1.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"j%2FVR18duxWK1j91qvWY4z49YzrX1DsXnMjdfPVrIfTIUWrdhNdyn7VVWmmenWqW4Jb%2B5X1PZlLdF78pBJEo5PSaJKxU7MtBRsV%2F7COYS%2FVjAsEOqVEtjjVvcaUwhCPSPGnUQAd2zH%2FOLOUOFqd8xC8fcbXZRAWaXJGaKko6v15nCsL70RAWVaA%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
五歳の葉月貴夫はその美貌ゆえ暴漢に襲われ、性器を切断された。性欲に支配される芸術に興味を持てなくなった彼は、若いころから美食を追い求めることになる。やがて自分が理想とするレストランを作るが、美女のスタッフが集まった店は「背徳の館」と化していく……。巨匠・筒井康隆が古今の日本語の贅を尽して現代を描き未来を予言する、文明批評小説にして数奇極まる「聖人伝」。
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2015/11/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410117153X
- ISBN-13978-4101171531
よく一緒に購入されている商品
¥649¥649
最短で6月7日 金曜日のお届け予定です
残り12点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
出版社より
狂気の沙汰も金次第 | おれに関する噂 | 笑うな | 富豪刑事 | エロチック街道 | くたばれPTA | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.1
40
|
5つ星のうち4.0
72
|
5つ星のうち3.7
127
|
5つ星のうち4.0
194
|
5つ星のうち4.2
73
|
5つ星のうち3.9
48
|
価格 | ¥781¥781 | ¥572¥572 | ¥737¥737 | ¥737¥737 | ¥693¥693 | ¥572¥572 |
【新潮文庫】筒井康隆 作品 | 独自のアイディアと乾いた笑いで、狂気と幻想に満ちたユニークな世界を創造する著者のエッセイ集。すべて山藤章二のイラスト入り。 | テレビが突然、おれのことを喋りはじめた。そして新聞が、週刊誌がおれの噂を書き立てる。黒い笑いと恐怖が狂気の世界へ誘う 11 編。 | タイム・マシンを発明して、直前に起った出来事を眺める「笑うな」など、ユニークな発想とブラックユーモアのショートショート集。 | キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくわえた富豪刑事こと、神戸大助が難事件を解決してゆく。金を湯水のように使って。 | 裸の美女の案内で、奇妙な洞窟の温泉を滑り落ちる……エロチックな夢を映し出す表題作ほか、「ジャズ大名」など変幻自在の全 18 編。 | マスコミ、主婦連、PTAから俗悪の烙印を押された漫画家の怒りを描く表題作ほか現代を痛烈に風刺するショート・ショート全 24 編。 |
虚航船団 | 旅のラゴス | ロートレック荘事件 | 敵 | パプリカ | ヨッパ谷への降下―自選ファンタジー傑作集― | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.1
70
|
5つ星のうち4.3
1,084
|
5つ星のうち3.7
321
|
5つ星のうち3.9
48
|
5つ星のうち4.3
411
|
5つ星のうち4.2
14
|
価格 | ¥869¥869 | ¥605¥605 | ¥781¥781 | ¥605¥605 | ¥935¥935 | ¥605¥605 |
鼬族と文房具の戦闘による世界の終わり──。宇宙と歴史のすべてを呑み込んだ驚異の文学、鬼才が放つ、世紀末への戦慄のメッセージ。 | 集団転移、壁抜けなど不思議な体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅を続ける男・ラゴスの目的は何か? | 郊外の瀟洒な洋館で次々に美女が殺される史上初のトリックで読者を迷宮へ誘う。二度読んで納得、前人未到のメタ・ミステリー。 | 渡辺儀助、 75歳。悠々自適に余生を営む彼を「敵」が襲う──。「敵」とはなにか?意識の深層を残酷なまでに描写する長編小説。 | ヒロインは他人の夢に侵入できる夢探偵パプリカ。究極の精神医療マシンの争奪戦は夢と現実の境界を壊し、世界は未体験ゾーンに! | 乳白色に張りめぐらされたヨッパグモの巣を降下する表題作の他、夢幻の異空間へ読者を誘う天才・筒井の魔術的傑作短編 12 編。 |
最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集 1― | 傾いた世界―自選ドタバタ傑作集 2― | 懲戒の部屋―自選ホラー傑作集 1― | 愛のひだりがわ | 銀齢の果て | 聖痕 | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.2
74
|
5つ星のうち4.4
31
|
5つ星のうち3.6
31
|
5つ星のうち4.2
52
|
5つ星のうち4.2
69
|
5つ星のうち4.0
83
|
価格 | ¥693¥693 | ¥539¥539 | ¥572¥572 | ¥8¥8 | ¥605¥605 | ¥649¥649 |
「ドタバタ」とは手足がケイレンし、耳から脳がこぼれるほど笑ってしまう小説のこと。ツツイ中毒必至の自選爆笑傑作集第一弾! | 正常と狂気の深~い関係から生まれた猛毒入りユーモア七連発。永遠に読み継がれる傑作だけを厳選した自選爆笑傑作集第二弾! | 逃げ場なしの絶望的状況。それでもどす黒い悪夢は襲い掛かる。身も凍る恐怖の逸品を著者自ら選び抜いたホラー傑作集第一弾! | 母を亡くし、行方不明の父を探す旅に出た月岡愛。次々と事件に巻き込まれながら、力強く生きる少女の成長を描く傑作ジュヴナイル。 | 70歳以上の国民に殺し合いさせる「老人相互処刑制度(シルバー・バトル)」が始まった!長生きは悪か?「禁断の問い」をめぐる老人文学の金字塔。 | あまりの美貌ゆえ性器を切り取られた少年は救い主となれるか?現代文学の巨匠が小説技術の粋を尽して描く数奇極まる「聖人伝」。 |
夢の検閲官・魚籃観音記 | 世界はゴ冗談 | 家族八景 | 七瀬ふたたび | エディプスの恋人 | 夢の木坂分岐点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.1
8
|
5つ星のうち3.8
74
|
5つ星のうち4.1
472
|
5つ星のうち4.3
296
|
5つ星のうち4.3
185
|
5つ星のうち4.3
22
|
価格 | — | ¥649¥649 | ¥572¥572 | ¥605¥605 | ¥605¥605 | ¥605¥605 |
やさしさに満ちた感動の名品「夢の検閲官」から小説版は文庫初収録の「 12 人の浮かれる男」まで傑作揃いの 10 編。文庫オリジナル。 | 異常の連続を描く表題作、午後四時半を征伐に向かった男が国家プロジェクトに巻き込まれる「奔馬菌」等、狂気が疾走する傑作10編。 | テレパシーをもって、目の前の人の心を全て読みとってしまう七瀬が、お手伝いさんとして入り込む家庭の茶の間の虚偽を抉り出す。 | 旅に出たテレパス七瀬。さまざまな超能力者とめぐりあった彼女は、彼らを抹殺しようと企む暗黒組織と血みどろの死闘を展開する! | ある日、少年の頭上でボールが割れた。強い”意志”の力に守られた少年の謎を探るうち、テレパス七瀬は、いつしか少年を愛していた。 | サラリーマンか作家か? 夢と虚構と現実を自在に流転し、一人の人間に与えられた、ありうべき幾つもの生を重層的に描いた話題作。 |
【単行本】ジャックポット | モナドの領域 | 【単行本】カーテンコール | |
---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.0
127
|
5つ星のうち3.8
66
|
5つ星のうち4.1
121
|
価格 | ¥1,760¥1,760 | ¥693¥693 | ¥1,870¥1,870 |
コロナ禍、戦争、ジャズ、映画、文学、嫌=民主主義、そして息子の死――。かつてなく「筒井康隆の成り立ち方」を明かす最前衛にして超弩級の〈私小説〉爆誕! 亡き息子との〈再会〉を描いた感動の話題作「川のほとり」収録。 | 河川敷で発見された片腕、不穏なベーカリー、全知全能の創造主を自称する老教授。著者がその叡智の限りを注ぎ込んだ歴史的傑作。 | 著者曰く「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」。巨匠が紡いだ、痙攣的笑いから限りなき感涙まで25もの傑作掌篇小説集! |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2015/11/28)
- 発売日 : 2015/11/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 410117153X
- ISBN-13 : 978-4101171531
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 109,836位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。
1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
処女作「お助け」から『虚航船団』『パプリカ』を経て、断筆をはさむ最新作までのうちのほぼ8割を読んできたけれど、ぼくにとってはこれが筒井さんの最高傑作。「ああ、日本語でここまでのことができるのか。」と、読んでいて涙が滲んできた。この作家ならではの実験精神と美学と毒気、そして言語遊戯、フロイディズム、江戸歌舞伎への親炙といったデビュー以来半世紀余りにおよぶ蓄積が、この一作に結晶化されて、谷崎、ミシマにつらなる日本文学の系譜をみごとに受け継いでいる。ツツイ流の同時代史にもなっているので、平成の終焉までにぜひともご一読を。
2021年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前から欲しいと思っていた品がアマゾンで見つかりラッキーでした。古書でしたが、美品で購入して良かったと思っています。
2013年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
性犯罪者により幼くして去勢されてしまった美貌の主人公
その秘密を死守せんが為奔走する家族。成長し増々美貌に磨きをかけていく彼を中心にして渦巻く男女の愛憎模様。
不能という幼くして理不尽にも背負わされた己の聖痕に大いに惑う主人公。
おりしも時代は空前絶後の好景気から、底の見えない不況へと差し掛かっていく。
書く小説家が違えば、男女男色入り乱れたドロドロの愛憎劇場になりそうな設定を読んでいく内にあー、そう来たかーと。
逆に設定だけ聞いてそういうのを期待した人は読まない方がいいです。盛大な肩すかしをくらいます。
性に興味が無くなった結果、そっちの欲望の探求に走る主人公だとか、主人公が経営するあまりにも現実離れしたレストランだとか、難文(難単語、比喩の頻発、三人称の中に突如入る別視点、別の登場人物の会話)の割にすらすら読める文章だとかは流石、筒井先生だと思います。
最後に収束として現実に起きたあの出来事を持ってくるのも流れから言って不自然ではないです、けど……正直、うわ滑ってる気が……
現実のあの出来事に対して、あまりにもキャラクターたちが非現実すぎるというか……
あの淡々としていた主人公が唐突に義憤に目覚めたのか謎でしたし
話時代は予期せぬところで主人公を襲った事件事体も丸く収まり綺麗に終わっていると思います。
ただ、読み終えた後の単純な面白さ、余韻は筒井長編の中でも下の方ですね。
けれど上であげたように文章事体は小難しい割にサラサラ読めるので、ちょっと難しい小説に挑戦してみたいという人におすすめかもしれません
その秘密を死守せんが為奔走する家族。成長し増々美貌に磨きをかけていく彼を中心にして渦巻く男女の愛憎模様。
不能という幼くして理不尽にも背負わされた己の聖痕に大いに惑う主人公。
おりしも時代は空前絶後の好景気から、底の見えない不況へと差し掛かっていく。
書く小説家が違えば、男女男色入り乱れたドロドロの愛憎劇場になりそうな設定を読んでいく内にあー、そう来たかーと。
逆に設定だけ聞いてそういうのを期待した人は読まない方がいいです。盛大な肩すかしをくらいます。
性に興味が無くなった結果、そっちの欲望の探求に走る主人公だとか、主人公が経営するあまりにも現実離れしたレストランだとか、難文(難単語、比喩の頻発、三人称の中に突如入る別視点、別の登場人物の会話)の割にすらすら読める文章だとかは流石、筒井先生だと思います。
最後に収束として現実に起きたあの出来事を持ってくるのも流れから言って不自然ではないです、けど……正直、うわ滑ってる気が……
現実のあの出来事に対して、あまりにもキャラクターたちが非現実すぎるというか……
あの淡々としていた主人公が唐突に義憤に目覚めたのか謎でしたし
話時代は予期せぬところで主人公を襲った事件事体も丸く収まり綺麗に終わっていると思います。
ただ、読み終えた後の単純な面白さ、余韻は筒井長編の中でも下の方ですね。
けれど上であげたように文章事体は小難しい割にサラサラ読めるので、ちょっと難しい小説に挑戦してみたいという人におすすめかもしれません
2016年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いつもながらの夢と現と虚構のはざまではあるのですが、この作品を読むのに少しとまどいました。通常小説は作中人物の誰か(たいていは主人公)に感情移入して読むのが簡単に読む方法だと思うのですが、さすがにこの作品ではこれが難しい。作者の技だと思います。技といえば、東北大震災の被害の描写はまるで自然主義みたいで最近は隠していたものを垣間見せてくれました。作者のサービス精神なのでしょう。終わり近くで、主人公がかつての加害者と遭遇する場面では、加害者の言動がどこまでも信じられないはずなのに信じさせようとする作者の表現力とのいわば戦いでした。従来の作品から少し立ち位置が変化したように思います。
2017年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初版という事もあったので、カバーの上部がちょっとへたっていたのとページの端が折れていたのが残念…と思いましたが、リサイクルショップとかで手に取って購入する場合と大差ないし、値段もへたするとショップの方が高い事もあるからちょうど良かったです。
2015年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
心地よい日本語、魅力溢れる登場人物、壮大なドラマ。筒井さんの魅力が溢れる作品です。
2015年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初は、難読漢字続出(解説ありだが)で、読むのに苦労しましたが、その内慣れます。慣れれば、ストーリーの面白さで、一気に読めました。どういうラストにするのだろうと思いながら。
筒井康隆、未だ衰えず。
筒井康隆、未だ衰えず。
2013年6月5日に日本でレビュー済み
著者はこの小説を思考実験と連載後に書いていたが、著者の作品はおしなべて小説の形をとった思考実験と言えるだろう。思考実験の成否はまず発想のユニークさにかかる。生まれながらにして絶世の美貌の男性が幼児期に変質者の手で性器を切り取られる。男性はこの後の人生を如何に生きるか? 悪趣味なユニークさにおいてまずは筒井康隆らしい設定であるだろう。
だが、物語はこれ以降、主人公の秘密が世間から如何に隠しおおせるかが主眼となる。幼稚園、小学校、中学校と家族の働きもあって幾たびも窮地をしのぐ。しかし、長じるにつれいっそう美貌と才能の輝きを増す彼に、性的な関わりを求めあまたの男女が押し寄せるにおよびついに秘密は守り切れなくなるかと予想されたのだが。なぜだか主人公を守る男女が次々と現れては事なきをえる。
主人公の秘密の暴露をめぐる攻防に関心のレベルは低いながらもそれなりにストーリーを追う面白さはあったのだが、このあたりであまりのリアリティなきご都合主義に読む興味は半減してしまった。
そもそも主人公は性器がないということに悩まない。むしろそのおかげで煩悩の源が断たれていることに始めから感謝する「聖人」に描かれる。このような聖人がなぜ世間の目を恐れて汲々とするのか不思議であるが、まあ感情移入しようがないヒーローということになる。
類語辞典から引いたような珍しい古語、漢語の多用が見せ所のようであるが、場面のパーターン化ばかりが印象づけられる。後半になってペダンチックなグルメ描写のパレードとなるが、ひけらかしに終始して退屈であった。最後に「3.11」をもって大団円となるが、これもとってつけたような利用を感じて不快だった。
「聖痕」、古語、グルメ、「3.11」、このような素材を混ぜ合わせて巨匠が手遊びに小説もどきをこしらえ筒井印のスパイスをふりかけたという印象である。初期筒井作品に熱中したレビュアーには寂しい限りだが、筒井康隆老いたりの感が強い。
だが、物語はこれ以降、主人公の秘密が世間から如何に隠しおおせるかが主眼となる。幼稚園、小学校、中学校と家族の働きもあって幾たびも窮地をしのぐ。しかし、長じるにつれいっそう美貌と才能の輝きを増す彼に、性的な関わりを求めあまたの男女が押し寄せるにおよびついに秘密は守り切れなくなるかと予想されたのだが。なぜだか主人公を守る男女が次々と現れては事なきをえる。
主人公の秘密の暴露をめぐる攻防に関心のレベルは低いながらもそれなりにストーリーを追う面白さはあったのだが、このあたりであまりのリアリティなきご都合主義に読む興味は半減してしまった。
そもそも主人公は性器がないということに悩まない。むしろそのおかげで煩悩の源が断たれていることに始めから感謝する「聖人」に描かれる。このような聖人がなぜ世間の目を恐れて汲々とするのか不思議であるが、まあ感情移入しようがないヒーローということになる。
類語辞典から引いたような珍しい古語、漢語の多用が見せ所のようであるが、場面のパーターン化ばかりが印象づけられる。後半になってペダンチックなグルメ描写のパレードとなるが、ひけらかしに終始して退屈であった。最後に「3.11」をもって大団円となるが、これもとってつけたような利用を感じて不快だった。
「聖痕」、古語、グルメ、「3.11」、このような素材を混ぜ合わせて巨匠が手遊びに小説もどきをこしらえ筒井印のスパイスをふりかけたという印象である。初期筒井作品に熱中したレビュアーには寂しい限りだが、筒井康隆老いたりの感が強い。