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文学のレッスン (新潮文庫 ま 2-12) 文庫 – 2013/9/28
長篇小説はなぜイギリスで、短篇小説はなぜアメリカで発展したのか?――小説からエッセイ、詩、批評、伝記、歴史、戯曲まで、目からウロコの話が満載。決定版文学講義。「丸谷さんは、古代から現代にいたるまでの文学の姿をたんに手際よく整理してみせたのではない。ここで展開された論議は、つねに現代文学の先端的位置からなされているのである」(湯川豊「あとがき」より)
- 本の長さ347ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2013/9/28
- 寸法10.7 x 1.3 x 15.2 cm
- ISBN-104101169128
- ISBN-13978-4101169125
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2013/9/28)
- 発売日 : 2013/9/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 347ページ
- ISBN-10 : 4101169128
- ISBN-13 : 978-4101169125
- 寸法 : 10.7 x 1.3 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 644,062位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1925(大正14)年、山形県鶴岡市生れ。東京大学英文科卒。1957年『笹まくら』で河出文化賞、1968年「年の残り」で芥川賞受賞。その後、小説、評論、エッセイ、翻訳と幅広い文筆活動を展開。『たった一人の反乱』(谷崎潤一郎賞)『裏声で歌へ君が代』『後鳥羽院』(読売文学賞評論・伝記部門) 『忠臣藏とは何か』(野間文芸賞)「樹影譚」(川端康成賞)『輝く日の宮』(泉鏡花文学賞、朝日賞)等、多くの著作がある。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 人間的なアルファベット (ISBN-13: 978-4062160995)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
対談形式故に、丸谷氏も気楽に自由に語っている。
その意味で、時に見せる理屈っぽい面は背景に追いやられているからとっつきやすいだろう。
しかし、侮ってはいけない。
その口にすることは、思いのほか奥が深い。
それにしても、”職業としての小説家”はこれほどの読書量が必要なのか、とただただ脱帽である。
その意味で、時に見せる理屈っぽい面は背景に追いやられているからとっつきやすいだろう。
しかし、侮ってはいけない。
その口にすることは、思いのほか奥が深い。
それにしても、”職業としての小説家”はこれほどの読書量が必要なのか、とただただ脱帽である。
2019年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
以前は図書館のものを読み自分のものにしたく購入
美本でした。満足。
美本でした。満足。
2022年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文章術に関する本は少なからず読んだ。古くは本多勝一(大いに役立った)。比較的最近では辰野和男
(随分参考になった)。
作家の文章は、直接役立つと期待ができる。さりとて、横光利一、吉川英治は語彙が豊富・美文すぎて
凡才にはマネが出来ぬ。外国人にも好きな文体、作風の人が居る(チャールズ・ディケンズ、トマス・
ハーディ、シャーロック・ホームズ(コナン・ドイル)、チャールズ・ダーウィン、イシグロ・カズ
オ)が、外国語を直接日本語文に役立てるのは簡単ではない。その点、筒井康隆や丸谷才一の美文は直
接参考にできると思われる点があって、合うと思っていた。今回もそれを期待して、一つ文章を書く前
に参考にするために手にした。何も間違ったことは書かれておらず、すべてのパターンの解説がなされて、優れものだとは思うが、残念ながら参考にはならなかった。もちろん各氏の責任ではない。
仕方がない。自力で思うところを創作しようと思う。
(随分参考になった)。
作家の文章は、直接役立つと期待ができる。さりとて、横光利一、吉川英治は語彙が豊富・美文すぎて
凡才にはマネが出来ぬ。外国人にも好きな文体、作風の人が居る(チャールズ・ディケンズ、トマス・
ハーディ、シャーロック・ホームズ(コナン・ドイル)、チャールズ・ダーウィン、イシグロ・カズ
オ)が、外国語を直接日本語文に役立てるのは簡単ではない。その点、筒井康隆や丸谷才一の美文は直
接参考にできると思われる点があって、合うと思っていた。今回もそれを期待して、一つ文章を書く前
に参考にするために手にした。何も間違ったことは書かれておらず、すべてのパターンの解説がなされて、優れものだとは思うが、残念ながら参考にはならなかった。もちろん各氏の責任ではない。
仕方がない。自力で思うところを創作しようと思う。
2013年11月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は文学の個人講義というべきでしょう.講師はもちろん丸谷才一先生です.先生が勝手に喋るのでなく,湯川豊さんというインタヴィユワーが同席して先生に質問し,それに答えるような形で解説するという仕掛けです.インタヴユアーの素養が問われますが,「あとがき」に彼のことを丸谷先生自身がいつもの旧仮名遣いで次のように紹介しています.
文学的感受性に富み,文学的教養が豊かで,しかも文学の現場に詳しい年少気鋭の友人をインタヴユアーとして得なかったならば,わたしのものの考え方,文学観,文学趣味がこんなにのびのびと語られしかも整然とまとめられることはあり得なかったらう.わたしは終始,インタヴユイーであることのしあはせを味はひつづけた.
丸谷先生は湯川さんに促され奔放自在に文学の大山脈に切り込み,読者を案内します.しかしその語り口は既に「はしがき」冒頭にも明らかなように大家といえども容赦なく両断します.その一方で褒めるときは最大限に賛意を示します.次のように,です.
文学概論ないし文学原論ないし文学総論,まあ呼び方は何でもいいが,とにかくその手の文学についての一般論には関心がなかった.これは少年時代に夏目漱石の『文学論』を手に取ったものの,ちっともおもしろくなかった.--- (中略) --- 吉田健一の『文学概論』には舌を巻く思ひだった.言葉と清新についての考察から文学の各ジャンルへと一気に攻めてゆくエネルギーに圧倒されたのである.
という訳で,本書は文学を次の8ジャンルに仕分けして話しを進めてています.
1.短編小説 もしも雑誌がなかったら
2.長編小説 どこからきてどこへゆくのか
3.伝記・自伝 伝記はなぜイギリスで繁栄したか
4.歴史 物語を読むように歴史を読む
5.批評 学問とエッセイの重なるところ
6.エッセイ 定義に挑戦するもの
7.戯曲 芝居には色気が大事だ
8.詩 詩は酒の肴になる
二番目の長編小説のところで,トルストイの『アンナ・カレーニナ』と『戦争と平和』に疑問を示しました.もっとも面白く読めたのは最後の「詩は酒の肴になる」と題する詩の解説です.ならば,詩の一つか二つ,あるいは三つほど常備して晩酌に臨めば人生は楽しくなるかも知れません.日本は万葉の昔から詩の国でした.その国民性は古今集,新古今集などと延々脈々と受けつがれ,江戸に至っては俳諧が隆盛を極めます.それが現代では詩は昔の力を失っています.今のような社会じゃ詩は無理だと,丸谷才一先生は言います.言葉が顧みられない時代,それが現代だからです.本書末尾は次の一節で閉められました.印象に残りましたので次に紹介します.
吉田健一さんは,一杯飲んでいるとき,丸谷さん,あなたの好きな詩はどんな詩ですか,みたいなことをいう.僕が英語の詩で覚えているのを数行,16世紀のトマス・ナッシュの詩かなんかをいうと,ああといって,くちゅくちゅ口の中で繰り返す.そして,ああきれいだな,とか言って喜ぶ.カラスミとかウニを食べるような感じなんですよ.詩が酒の肴になるのね.僕はなるほど詩というものはこんなふうにして楽しむものか,と思いました.
吉田健一と丸谷才一,二人の文学者の交わす酒は何とも高レベルです.ご両人とも詩は人生の血肉となっていました.さすがですが,私ごとき凡夫も詩は酒とよく合うことくらいは知っています.酒は涙か,ため息か ---.古い演歌です.夜ともなれば酒を手にしてうなる年寄りがいるかも知れません.とりあえず私は今夕でも手酌の傍らに本書をおき,ダン・ケアリの‘A Song’という詩(292頁)を音読し,気取ってみようと思います.せっかく大先生に教わったのですから試さずにおれません.かみさんに笑われるでしょうが.
文学的感受性に富み,文学的教養が豊かで,しかも文学の現場に詳しい年少気鋭の友人をインタヴユアーとして得なかったならば,わたしのものの考え方,文学観,文学趣味がこんなにのびのびと語られしかも整然とまとめられることはあり得なかったらう.わたしは終始,インタヴユイーであることのしあはせを味はひつづけた.
丸谷先生は湯川さんに促され奔放自在に文学の大山脈に切り込み,読者を案内します.しかしその語り口は既に「はしがき」冒頭にも明らかなように大家といえども容赦なく両断します.その一方で褒めるときは最大限に賛意を示します.次のように,です.
文学概論ないし文学原論ないし文学総論,まあ呼び方は何でもいいが,とにかくその手の文学についての一般論には関心がなかった.これは少年時代に夏目漱石の『文学論』を手に取ったものの,ちっともおもしろくなかった.--- (中略) --- 吉田健一の『文学概論』には舌を巻く思ひだった.言葉と清新についての考察から文学の各ジャンルへと一気に攻めてゆくエネルギーに圧倒されたのである.
という訳で,本書は文学を次の8ジャンルに仕分けして話しを進めてています.
1.短編小説 もしも雑誌がなかったら
2.長編小説 どこからきてどこへゆくのか
3.伝記・自伝 伝記はなぜイギリスで繁栄したか
4.歴史 物語を読むように歴史を読む
5.批評 学問とエッセイの重なるところ
6.エッセイ 定義に挑戦するもの
7.戯曲 芝居には色気が大事だ
8.詩 詩は酒の肴になる
二番目の長編小説のところで,トルストイの『アンナ・カレーニナ』と『戦争と平和』に疑問を示しました.もっとも面白く読めたのは最後の「詩は酒の肴になる」と題する詩の解説です.ならば,詩の一つか二つ,あるいは三つほど常備して晩酌に臨めば人生は楽しくなるかも知れません.日本は万葉の昔から詩の国でした.その国民性は古今集,新古今集などと延々脈々と受けつがれ,江戸に至っては俳諧が隆盛を極めます.それが現代では詩は昔の力を失っています.今のような社会じゃ詩は無理だと,丸谷才一先生は言います.言葉が顧みられない時代,それが現代だからです.本書末尾は次の一節で閉められました.印象に残りましたので次に紹介します.
吉田健一さんは,一杯飲んでいるとき,丸谷さん,あなたの好きな詩はどんな詩ですか,みたいなことをいう.僕が英語の詩で覚えているのを数行,16世紀のトマス・ナッシュの詩かなんかをいうと,ああといって,くちゅくちゅ口の中で繰り返す.そして,ああきれいだな,とか言って喜ぶ.カラスミとかウニを食べるような感じなんですよ.詩が酒の肴になるのね.僕はなるほど詩というものはこんなふうにして楽しむものか,と思いました.
吉田健一と丸谷才一,二人の文学者の交わす酒は何とも高レベルです.ご両人とも詩は人生の血肉となっていました.さすがですが,私ごとき凡夫も詩は酒とよく合うことくらいは知っています.酒は涙か,ため息か ---.古い演歌です.夜ともなれば酒を手にしてうなる年寄りがいるかも知れません.とりあえず私は今夕でも手酌の傍らに本書をおき,ダン・ケアリの‘A Song’という詩(292頁)を音読し,気取ってみようと思います.せっかく大先生に教わったのですから試さずにおれません.かみさんに笑われるでしょうが.
2021年10月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コロナ禍を克服して立ち上がるのは何か…今までにないもの、それを期待したい。
2015年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
丸谷才一(1925−2012)に自由に喋らせると、こんなすごいことになるのですね。
古今東西、縦横無尽。 この本を通して読めばお腹一杯になる。
うまく話を引き出すインタビュアー湯川豊の力もあるのだが。
最後の「読書案内」に一覧されている文学者たちの名前と著作を見るだけで、何だか豊かな気分になる。
(読みたい本が山のようにある!)
内容は優れたレビューがあるので、省略させていただくが、
インタビューの一番最後の丸谷のセリフを引用させてもらう。
本当のインテリ(嫌な言葉?)はこんなことになっちゃうんだな、ということで。
『丸谷: 吉田(健一)さんは、一杯飲んでいる時、丸谷さん、あなたの好きな詩はどんな詩ですか、みたいなことを言う。僕が英語の詩で覚えているのを数行、十六世紀のトマス・ナッシュの詩かなんかをいうと、ああといって、くちゅくちゅと口の中で繰り返す。そして、ああきれいだな、とかいって喜ぶ。カラスミとかウニを食べるような感じなんですよ。詩が酒の肴になるのね。僕はなるほど詩というものはこんなふうにして楽しむものか、と思いました』(2009年8月11日)
古今東西、縦横無尽。 この本を通して読めばお腹一杯になる。
うまく話を引き出すインタビュアー湯川豊の力もあるのだが。
最後の「読書案内」に一覧されている文学者たちの名前と著作を見るだけで、何だか豊かな気分になる。
(読みたい本が山のようにある!)
内容は優れたレビューがあるので、省略させていただくが、
インタビューの一番最後の丸谷のセリフを引用させてもらう。
本当のインテリ(嫌な言葉?)はこんなことになっちゃうんだな、ということで。
『丸谷: 吉田(健一)さんは、一杯飲んでいる時、丸谷さん、あなたの好きな詩はどんな詩ですか、みたいなことを言う。僕が英語の詩で覚えているのを数行、十六世紀のトマス・ナッシュの詩かなんかをいうと、ああといって、くちゅくちゅと口の中で繰り返す。そして、ああきれいだな、とかいって喜ぶ。カラスミとかウニを食べるような感じなんですよ。詩が酒の肴になるのね。僕はなるほど詩というものはこんなふうにして楽しむものか、と思いました』(2009年8月11日)
2021年7月21日に日本でレビュー済み
皆さんのレビューを読んで出る幕はないと思いましたが蛇足を一つだけ。
ジョイスが梅毒を患っていたとは、この本を読むまで知りませんでした。ダブリン市民、若い芸術家の肖像、ユリシーズと自分なりに分からないなりに面白く読みましたが、フィネガンズ・ウエイクは途中挫折。フィネガンズは作者の夢の中の世界を述べたものではないかとも言われてますが、よく分かりません。
ジョイスが梅毒を患っていたとは、この本を読むまで知りませんでした。ダブリン市民、若い芸術家の肖像、ユリシーズと自分なりに分からないなりに面白く読みましたが、フィネガンズ・ウエイクは途中挫折。フィネガンズは作者の夢の中の世界を述べたものではないかとも言われてますが、よく分かりません。