ル・クレジオは結構当たり外れの大きな作家なのだが、これは当たり。
「偶然」はクレジオらしいロマンと苦い現実が交差する佳作だ。ラスト近くで死の床にあるモゲルにナシマが語る未来の船旅のモノローグが美しく悲しい。
併録の「アンゴリ・マーラ」は南米文学を思わせる短編で強烈な印象の一編。
「黄金探索者」で魅了されたら次はこれを。
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偶然 帆船アザールの冒険 単行本 – 2002/3/26
<帆船アザール=危険な夢>に我が身を賭けた男と少女を描いて、現代フランス最大の作家が、壮麗なる冒険の世界へ読者を誘う。洞窟で伝説となった男を描く予言的な中篇「アンゴリ・マーラ」所収。
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2002/3/26
- ISBN-104087733580
- ISBN-13978-4087733587
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
太陽、海、ニースを思わせる南仏の街-。「帆船アザール=危険な夢」にわが身を賭けた男と少女を描き、現代フランス最大の作家が、壮麗なる冒険の世界へ読者を誘う。洞窟で伝説となった男を描く中篇「アンゴリ・マーラ」所収。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2002/3/26)
- 発売日 : 2002/3/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 336ページ
- ISBN-10 : 4087733580
- ISBN-13 : 978-4087733587
- Amazon 売れ筋ランキング: - 301,587位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 443位フランス文学研究
- - 454位フランス文学 (本)
- - 3,942位英米文学
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2002年9月17日に日本でレビュー済み
老いをむかえつつあるかつて活躍した映画監督モゲルの帆船にもぐりこんだ少女ナシマ。人生の終わりに向かう男と、人生の旅が始まったばかりの少女の二人の人生が交錯する。
ル・クレジオ独特の官能的な自然の描写が美しい。帆船の舵を取りながら波しぶきを浴び、吹きすさぶ風に喜びに溢れ身を任すナシマ。荒れ狂う嵐に翻弄される二人の心。そしていつかナシマに船を降りる時がやってくるのだが。。。
もう一編収録された中篇「アンゴリ・マーラ」が素晴らしい。孤立し狂気におちいっていくインディオの若い男の運命をを香り高い叙事詩のように綴っている。狂気さえ美しい。
ル・クレジオ独特の官能的な自然の描写が美しい。帆船の舵を取りながら波しぶきを浴び、吹きすさぶ風に喜びに溢れ身を任すナシマ。荒れ狂う嵐に翻弄される二人の心。そしていつかナシマに船を降りる時がやってくるのだが。。。
もう一編収録された中篇「アンゴリ・マーラ」が素晴らしい。孤立し狂気におちいっていくインディオの若い男の運命をを香り高い叙事詩のように綴っている。狂気さえ美しい。
2012年9月9日に日本でレビュー済み
主人公の一人である少女ナシマ。
彼女の名は「風」という言葉からきているが、その名の通り、全編に風が吹きわたってゆくような感じのする物語だった。
五感に訴えかけ、感覚の目覚めを促すようなル・クレジオの自然描写は非常に美しく鮮やかである。
人々の心の動きが風景に反映されており、読み終わった後、いつまでも余韻が心に響いた。
アンゴリ・マーラも短いながら強烈な印象を残す作品であった。
思い返せば返すほど、それは鮮やかによみがえってくる。
まとわりつくような濃密な空気を感じた。
彼女の名は「風」という言葉からきているが、その名の通り、全編に風が吹きわたってゆくような感じのする物語だった。
五感に訴えかけ、感覚の目覚めを促すようなル・クレジオの自然描写は非常に美しく鮮やかである。
人々の心の動きが風景に反映されており、読み終わった後、いつまでも余韻が心に響いた。
アンゴリ・マーラも短いながら強烈な印象を残す作品であった。
思い返せば返すほど、それは鮮やかによみがえってくる。
まとわりつくような濃密な空気を感じた。