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宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議 (講談社現代新書) 新書 – 2013/9/18
吉田 たかよし
(著)
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宇宙生物学とは、地球に限定せず、宇宙全体の広い視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問で、アストロバイオロジーとも呼ばれています。本書は、この宇宙生物学の研究成果を医学に結びつけることで、生命の本質に迫ろうとする、意欲作です。(講談社現代新書)
宇宙生物学とは、地球に限定せず、宇宙全体の広い視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問で、アストロバイオロジーとも呼ばれています。本書は、この宇宙生物学の研究成果を医学に結びつけることで、生命の本質に迫ろうとする、意欲作です。一見すると、何の接点もないように見える宇宙生物学と医学ですが、実は両者は深い関係があり、宇宙生物学のアプローチによって、従来の医学では説明がつかなかった、さまざまな人体の謎が解明されつつあります。著者の吉田たかよし氏は、東京大学で宇宙生物学の研究に携わった後、医学部に再入学し、医師になった多芸多才の持ち主です。こうしたバックグラウンを持つ著者だからこそ書ける作品です。
第1章 人間は月とナトリウムの奇跡で誕生した
第2章 炭素以外で生命を作ることはできるのか?
第3章 宇宙生物学最大の謎 アミノ酸の起源を追う
第4章 地球外生命がいるかどうかは、リン次第
第5章 毒ガス「酸素」なしには生きられない 生物のジレンマ
第6章 癌細胞 vs.正常細胞 「酸素」をめぐる攻防
第7章 鉄をめぐる人体と病原菌との壮絶な闘い
宇宙生物学とは、地球に限定せず、宇宙全体の広い視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問で、アストロバイオロジーとも呼ばれています。本書は、この宇宙生物学の研究成果を医学に結びつけることで、生命の本質に迫ろうとする、意欲作です。一見すると、何の接点もないように見える宇宙生物学と医学ですが、実は両者は深い関係があり、宇宙生物学のアプローチによって、従来の医学では説明がつかなかった、さまざまな人体の謎が解明されつつあります。著者の吉田たかよし氏は、東京大学で宇宙生物学の研究に携わった後、医学部に再入学し、医師になった多芸多才の持ち主です。こうしたバックグラウンを持つ著者だからこそ書ける作品です。
第1章 人間は月とナトリウムの奇跡で誕生した
第2章 炭素以外で生命を作ることはできるのか?
第3章 宇宙生物学最大の謎 アミノ酸の起源を追う
第4章 地球外生命がいるかどうかは、リン次第
第5章 毒ガス「酸素」なしには生きられない 生物のジレンマ
第6章 癌細胞 vs.正常細胞 「酸素」をめぐる攻防
第7章 鉄をめぐる人体と病原菌との壮絶な闘い
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2013/9/18
- 寸法10.8 x 1.1 x 17.3 cm
- ISBN-104062882264
- ISBN-13978-4062882262
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商品の説明
著者について
1964年生まれ。東京理科大学客員教授。医学博士。東京大学大学院工学系研究科を卒業後、NHK入局。アナウンサーとして活躍した後、北里大学医学部にて医師免許を取得し、受験生専門外来「本郷赤門前クリニック」を開設。医師業のかたわら、数々のテレビ番組にもレギュラー出演中。『元素周期表で世界はすべて読み解ける』『世界は「ゆらぎ」でできている』(光文社新書)、『脳を活かす!必勝の時間攻略法』(講談社)など、著書多数。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2013/9/18)
- 発売日 : 2013/9/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 200ページ
- ISBN-10 : 4062882264
- ISBN-13 : 978-4062882262
- 寸法 : 10.8 x 1.1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 286,676位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,600位講談社現代新書
- - 28,743位科学・テクノロジー (本)
- - 42,906位暮らし・健康・子育て (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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略歴
灘中学・灘高校を卒業。
東京大学工学部を卒業。
東京大学大学院を修了。
東京大学新聞研究所(現・大学院情報学環)を修了。
NHKアナウンサー。
北里大学医学部を卒業。
医師免許を取得。
(厚生労働省・医籍登録番号417066)
加藤紘一元自民党幹事長の公設第一秘書として科学技術政策の立案に取り組む。
東京大学大学院・医学博士課程修了。
【現在】
東京理科大学客員教授
自律神経や脳機能に関する応用研究に従事
本郷赤門前クリニック・院長
受験生専門の心療内科クリニックを開設
学習カウンセリング協会・理事長
受験生の父母や学習塾・予備校・中学・高校の教員に対し、適切な教育法の指導・普及に努めている。
人間情報学会・理事、ヘルスケア部会長
世界最小の心電計の応用研究、脳の冷却研究に従事
元素カンファレンス代表
WIN主席研究員
国際カラーデザイン協会・理事
運動脳機能研究会・代表
総務省ITC利活用遠隔医療研究・プロジェクトリーダー
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は、NHKアナウンサー、自民党幹事長加藤鉱一の公設第一秘書、学習カウンセリング協会理事長、医師など様々な経歴をもつマルチ人間です。
―
以下に私の印象に強くのこった部分を簡素化して記しました。
―
・宇宙生物学とは、宇宙全体の広い視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問をさす。
ー
・月がなくなれば地球上の高等生物は死滅する。なぜなら月には地球の自転軸を安定させる作用があるためだ。月がなくなると、巨大な質量をもつ木星の重力により地球の自転軸は大きく狂う。その結果、地上は極寒と灼熱が繰り返される地獄となり、微生物しか棲息できない惑星となる。
ー
・人体を七割を占める「水」は彗星が起源であるため、厳密には「母なる地球」ではなく「母なる彗星」が正しい。
ー
・月は地球から毎年約4センチずつ離れている。海が誕生した頃、月は地球にとても近かったため、月の潮汐力が現在の百倍以上だった。そのため当時の海は岩石を急激に削るほど荒れ狂っていた。これが原因で海に大量に溶け出したのがナトリウムイオンである。ナトリウムイオンは海水に豊富だったので原始生物はこれを用いて細胞の内側をプラスに切り替えるのに利用しはじめた。このシステムは現在すべての生物が受け継いでいる。
ー
・ケイ素は炭素と類似した性質を持っているにもかかわらず、ケイ素骨格をもつ生命は見つかっていない。この最大の理由は、ケイ素化合物がほぼ全て不溶性だからである。二酸化ケイ素を溶かせるのはフッ化ケイ素酸という毒劇物くらいである。
ー
・分子の中で二重結合が連続している構造を「共役系」という。共役系は、特定波長の可視光線を吸収する。ヘモグロビンを構成するヘムの分子構造にも共役系があるため、血液は赤く見える。尿が黄色いのは、ヘムが化学変化したウロビリンに共役系が残っているからである。
ー
・有機化合物を溶かす液体は、水に限定する必要はない。そのため、水以外の液体で命をつなぐ生命が地球外にいても何の不思議もない。
ー
・片方の原子だけが供給するタイプの共有結合を「配位結合」と呼ぶ。生命体の中ではアミノ基と水素イオンが配位結合していることが多い。水素イオンと結合する、という性質は決定的に重要である。これはアミノ基が塩基として機能することを意味するからである。塩基が重要な理由は、炭素、酸素、水素だけで分子を設計した場合、塩基を作ることがきわめて困難であることだ(酸は容易に作れる)。だから生命体は無理をしてでもアミノ基を利用しなくてはならなかった。
ー
・かつては落雷による放電でアミノ酸ができる、という説が有力だった。しかし、この説は廃れた。原子大気にはアンモニア(NH3)が含まれていないため、アミノ酸のような窒素化合物は生成しないことが分かったためだ。現在では、生命の元になったアミノ酸の起源は(地球上ではなく)宇宙だったという説が有力になりつつある。アミノ酸には鏡像対称となっている二種類のものが存在するにもかかわらず、地球上の生命体はほぼ全てが「左型のアミノ酸」を使っている。これはアミノ酸が宇宙で誕生したと考えると辻褄(つじつま)が合う。なぜなら太陽系ができる前の宇宙では右円偏光の紫外線が多く放射されており、この紫外線は右型アミノ酸を選択的に破壊する性質があるからだ。つまり生命の起源であるアミノ酸は、太陽系よりもさらに前に誕生していた可能性がある。ちなみに著者は、おうし座星雲の中の生命の元になるアミノ酸を探す研究プロジェクトに参加していた。
ー
・アミノ基を利用することの最大の問題点は、構成要素として窒素が必要になることだ。窒素化合物を生命体の構成要素として用いるのは、ほんらい危険な戦略である。炭素、水素、酸素だけなら二酸化炭素というクリーンな老廃物を棄てるだけでよいが、窒素があると猛毒のアンモニアが生成するからだ。
ー
・炭水化物抜きダイエットは健康への影響が懸念されている。ある研究によれば死亡率が二割、心筋梗塞が4割高かったというデータがある。ほかにも脳機能へのダメージにより記憶力が低下するとか、ガンが最大で二割程度増加するといった結果も出ている。
ー
・遺伝情報を保持する物質DNA、およびエネルギーの通貨として利用されるATPとでは、構造が酷似している。この類似性には必然性がある。DNAとATPはどちらもリン酸結合を多用しており、この結合を作るには高いエネルギーを必要とする。このおかげで遺伝情報の構成単位(DNAのヌクレオチド)はランダムに結合することがない。さらに、結合を切断したときに放出される膨大なエネルギーを電池のように利用することもできる(ATP)。
ー
・リンが生命に不可欠であるにも関わらず我々がそれを意識的に食べなくて済むのは、地中からリンを摂取した植物を(直接的または間接的に)食べているからである。だから植物は我々とちがって「リン欠乏症」になりやすい。
ー
・酸素は不安定な物質である。だから数億年が経過すれば酸素よりはるかに安定している二酸化炭素にすべて移行するのが自然である。だから金星や火星の大気の大半は二酸化炭素である。
ー
・原始的な植物が光合成をいくら行っても、初期の地球の酸素濃度はまったく上がらなかった。地表に存在する大量の鉄が酸化する(サビる)のに使われてしまったからだ。オーストラリアのエアーズロックなどが真っ赤なのは、このときにできたものである。地表の鉄がひととおり酸化し終わってから、ようやく地球上の酸素濃度は上がり始めた。
ー
・反応性の高い酸素は、ほんらい生命体にとって猛毒だった。これに対抗するため生命体は抗酸化物質を使うようになった(ビタミンCやグルタチオンなど)。これらの物質は酸素と反応しやすいため、酸素が細胞膜や遺伝子と反応する前に酸素と結合してこれを無力化する。
ー
・酸素という毒物の反応性の高さは膨大なエネルギーを生み出すため、酸素呼吸により得られる大量のエネルギーをもちいて多細胞生物を作り出すことが可能になった。
ー
・つねに日光にあたることを宿命づけられた植物の内部では、(紫外線により)活性酸素という猛毒が大量発生する。植物はこれに対抗するために大量の抗酸化物質を作らなくてはならなくなった。だから肉よりも野菜のほうが抗酸化物質は多い。抗酸化物質は癌の予防効果が高いので野菜を食べると癌になるリスクは低くなると考えられている。
ー
・赤血球タンパク質ヘモグロビンを構成するヘムの中心には鉄イオンがある。ヘムは、鉄のもつ複雑な電子軌道を利用することで酸素を赤血球に結合させることができる。いっぽう筋肉に存在するミオグロビンも、同様の構造(鉄の原子軌道を利用)によりヘモグロビンから酸素を奪取する。
ー
・生命体が鉄を用いるようになったのは、地球に鉄が豊富だったからだと考えられる。鉄は地球の重量の三分の一を占めている。いっぽう水は惑星のごく表面を覆っている薄皮のようなものにすぎない。つまり地球は「水の惑星」ではなく「鉄の惑星」と言ったほうが正確である。
ー
・鉄と同様の電子軌道をもつ金属はほかにもコバルトやニッケルなどがある。カニやエビなどの甲殻類はヘモグロビンのかわりに銅を含むヘモシアニンを用いている。地球上には銅も多いので、銅の多い環境で進化した生物は(鉄のかわりに)銅を選択したと考えられる。
ー
・微生物を含めて、鉄のない環境で生存できる生命体は存在しない。病原菌が体内で増殖するには、体から鉄を奪う必要がある。だから生命体は、地球にはいくらでも鉄があるにもかかわらず、微生物の感染リスクを下げる目的で体内の鉄分を減らす方向に進化してきた。このためヒト(とくに女性)は貧血を起こしやすい。
ー
・鳥類は卵内の鉄を微生物に奪われないように、卵白にコンアルブミン(鉄と強力に結合する成分)を増やす方向に進化してきた。ルネサンス期の医師パラケルススは、傷口に卵白を塗ると化膿しにくいことを発見した。以後に抗生物質が発見されるまで、感染の治療には卵白が積極的に用いられてきた。
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以下に私の印象に強くのこった部分を簡素化して記しました。
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・宇宙生物学とは、宇宙全体の広い視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問をさす。
ー
・月がなくなれば地球上の高等生物は死滅する。なぜなら月には地球の自転軸を安定させる作用があるためだ。月がなくなると、巨大な質量をもつ木星の重力により地球の自転軸は大きく狂う。その結果、地上は極寒と灼熱が繰り返される地獄となり、微生物しか棲息できない惑星となる。
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・人体を七割を占める「水」は彗星が起源であるため、厳密には「母なる地球」ではなく「母なる彗星」が正しい。
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・月は地球から毎年約4センチずつ離れている。海が誕生した頃、月は地球にとても近かったため、月の潮汐力が現在の百倍以上だった。そのため当時の海は岩石を急激に削るほど荒れ狂っていた。これが原因で海に大量に溶け出したのがナトリウムイオンである。ナトリウムイオンは海水に豊富だったので原始生物はこれを用いて細胞の内側をプラスに切り替えるのに利用しはじめた。このシステムは現在すべての生物が受け継いでいる。
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・ケイ素は炭素と類似した性質を持っているにもかかわらず、ケイ素骨格をもつ生命は見つかっていない。この最大の理由は、ケイ素化合物がほぼ全て不溶性だからである。二酸化ケイ素を溶かせるのはフッ化ケイ素酸という毒劇物くらいである。
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・分子の中で二重結合が連続している構造を「共役系」という。共役系は、特定波長の可視光線を吸収する。ヘモグロビンを構成するヘムの分子構造にも共役系があるため、血液は赤く見える。尿が黄色いのは、ヘムが化学変化したウロビリンに共役系が残っているからである。
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・有機化合物を溶かす液体は、水に限定する必要はない。そのため、水以外の液体で命をつなぐ生命が地球外にいても何の不思議もない。
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・片方の原子だけが供給するタイプの共有結合を「配位結合」と呼ぶ。生命体の中ではアミノ基と水素イオンが配位結合していることが多い。水素イオンと結合する、という性質は決定的に重要である。これはアミノ基が塩基として機能することを意味するからである。塩基が重要な理由は、炭素、酸素、水素だけで分子を設計した場合、塩基を作ることがきわめて困難であることだ(酸は容易に作れる)。だから生命体は無理をしてでもアミノ基を利用しなくてはならなかった。
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・かつては落雷による放電でアミノ酸ができる、という説が有力だった。しかし、この説は廃れた。原子大気にはアンモニア(NH3)が含まれていないため、アミノ酸のような窒素化合物は生成しないことが分かったためだ。現在では、生命の元になったアミノ酸の起源は(地球上ではなく)宇宙だったという説が有力になりつつある。アミノ酸には鏡像対称となっている二種類のものが存在するにもかかわらず、地球上の生命体はほぼ全てが「左型のアミノ酸」を使っている。これはアミノ酸が宇宙で誕生したと考えると辻褄(つじつま)が合う。なぜなら太陽系ができる前の宇宙では右円偏光の紫外線が多く放射されており、この紫外線は右型アミノ酸を選択的に破壊する性質があるからだ。つまり生命の起源であるアミノ酸は、太陽系よりもさらに前に誕生していた可能性がある。ちなみに著者は、おうし座星雲の中の生命の元になるアミノ酸を探す研究プロジェクトに参加していた。
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・アミノ基を利用することの最大の問題点は、構成要素として窒素が必要になることだ。窒素化合物を生命体の構成要素として用いるのは、ほんらい危険な戦略である。炭素、水素、酸素だけなら二酸化炭素というクリーンな老廃物を棄てるだけでよいが、窒素があると猛毒のアンモニアが生成するからだ。
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・炭水化物抜きダイエットは健康への影響が懸念されている。ある研究によれば死亡率が二割、心筋梗塞が4割高かったというデータがある。ほかにも脳機能へのダメージにより記憶力が低下するとか、ガンが最大で二割程度増加するといった結果も出ている。
ー
・遺伝情報を保持する物質DNA、およびエネルギーの通貨として利用されるATPとでは、構造が酷似している。この類似性には必然性がある。DNAとATPはどちらもリン酸結合を多用しており、この結合を作るには高いエネルギーを必要とする。このおかげで遺伝情報の構成単位(DNAのヌクレオチド)はランダムに結合することがない。さらに、結合を切断したときに放出される膨大なエネルギーを電池のように利用することもできる(ATP)。
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・リンが生命に不可欠であるにも関わらず我々がそれを意識的に食べなくて済むのは、地中からリンを摂取した植物を(直接的または間接的に)食べているからである。だから植物は我々とちがって「リン欠乏症」になりやすい。
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・酸素は不安定な物質である。だから数億年が経過すれば酸素よりはるかに安定している二酸化炭素にすべて移行するのが自然である。だから金星や火星の大気の大半は二酸化炭素である。
ー
・原始的な植物が光合成をいくら行っても、初期の地球の酸素濃度はまったく上がらなかった。地表に存在する大量の鉄が酸化する(サビる)のに使われてしまったからだ。オーストラリアのエアーズロックなどが真っ赤なのは、このときにできたものである。地表の鉄がひととおり酸化し終わってから、ようやく地球上の酸素濃度は上がり始めた。
ー
・反応性の高い酸素は、ほんらい生命体にとって猛毒だった。これに対抗するため生命体は抗酸化物質を使うようになった(ビタミンCやグルタチオンなど)。これらの物質は酸素と反応しやすいため、酸素が細胞膜や遺伝子と反応する前に酸素と結合してこれを無力化する。
ー
・酸素という毒物の反応性の高さは膨大なエネルギーを生み出すため、酸素呼吸により得られる大量のエネルギーをもちいて多細胞生物を作り出すことが可能になった。
ー
・つねに日光にあたることを宿命づけられた植物の内部では、(紫外線により)活性酸素という猛毒が大量発生する。植物はこれに対抗するために大量の抗酸化物質を作らなくてはならなくなった。だから肉よりも野菜のほうが抗酸化物質は多い。抗酸化物質は癌の予防効果が高いので野菜を食べると癌になるリスクは低くなると考えられている。
ー
・赤血球タンパク質ヘモグロビンを構成するヘムの中心には鉄イオンがある。ヘムは、鉄のもつ複雑な電子軌道を利用することで酸素を赤血球に結合させることができる。いっぽう筋肉に存在するミオグロビンも、同様の構造(鉄の原子軌道を利用)によりヘモグロビンから酸素を奪取する。
ー
・生命体が鉄を用いるようになったのは、地球に鉄が豊富だったからだと考えられる。鉄は地球の重量の三分の一を占めている。いっぽう水は惑星のごく表面を覆っている薄皮のようなものにすぎない。つまり地球は「水の惑星」ではなく「鉄の惑星」と言ったほうが正確である。
ー
・鉄と同様の電子軌道をもつ金属はほかにもコバルトやニッケルなどがある。カニやエビなどの甲殻類はヘモグロビンのかわりに銅を含むヘモシアニンを用いている。地球上には銅も多いので、銅の多い環境で進化した生物は(鉄のかわりに)銅を選択したと考えられる。
ー
・微生物を含めて、鉄のない環境で生存できる生命体は存在しない。病原菌が体内で増殖するには、体から鉄を奪う必要がある。だから生命体は、地球にはいくらでも鉄があるにもかかわらず、微生物の感染リスクを下げる目的で体内の鉄分を減らす方向に進化してきた。このためヒト(とくに女性)は貧血を起こしやすい。
ー
・鳥類は卵内の鉄を微生物に奪われないように、卵白にコンアルブミン(鉄と強力に結合する成分)を増やす方向に進化してきた。ルネサンス期の医師パラケルススは、傷口に卵白を塗ると化膿しにくいことを発見した。以後に抗生物質が発見されるまで、感染の治療には卵白が積極的に用いられてきた。
2021年3月29日に日本でレビュー済み
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分かり易く読み易い文章で、短時間に完読しました。
2019年3月2日に日本でレビュー済み
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私は癌の研究をしていますが、アミノ酸残基のリン酸化がとても重要な役割を果たしている事は知っていました。なぜ細胞がリン酸を使っているのか疑問でしたが、教科書の内容ではあまりすっきりしませんでした。この本を読んでリン酸にこだわって使ってきた細胞の歴史がわかりました。宇宙生物学から生物学を読み解いたこの本にはサイエンスの魅力が詰まってました。生物を学んでいる高校生、分子生物学を専攻する大学生、医学生や若手研究者にも大変お勧めです。
2018年5月2日に日本でレビュー済み
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易しい言葉で書かれていて、例え話も身近な物を使った例が多く想像が容易でした。読んで良かったです。
2020年3月25日に日本でレビュー済み
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一般向けの啓蒙書だから、こんなものかもしれないが、内容が薄い。宇宙生物学ってすごいタイトルだけど、こんな程度の学問なの?全体に、テレビのバラエティーでゲストがぺらぺらしゃべっている感じ。まあ、安いから時間つぶしにはいいか。
2017年6月4日に日本でレビュー済み
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目から鱗。
これは臨床に活かせる。考え方を根本から変える。すべての医療従事者に読んでほしい。
これは臨床に活かせる。考え方を根本から変える。すべての医療従事者に読んでほしい。