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感性の限界――不合理性・不自由性・不条理性 (講談社現代新書 2153) 新書 – 2012/4/18
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人間はなぜ生きるのか?
行動経済学、認知科学、進化生物学、実存哲学まで――愛と自由と死とは何か?
人間の愛は「不合理」なもの? 自由だと勝手に信じている人間が実際には「不自由」なのではないか? なぜ人間は生まれて死ななければならないという「不条理」に遭遇しているのか? そもそも、人間とは何か……? ――「行為」「意志」「存在」の限界をテーマに、行動経済学者や認知科学者、進化論者、実存主義者など多様な分野の学者からカント主義者や急進的フェミニスト、会社員、運動選手、大学生も加わり、楽しく深く広い議論を繰り広げる。そこから見えてくる人間の姿とは――。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2012/4/18
- 寸法10.7 x 1.2 x 17.3 cm
- ISBN-104062881535
- ISBN-13978-4062881531
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2012/4/18)
- 発売日 : 2012/4/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 272ページ
- ISBN-10 : 4062881535
- ISBN-13 : 978-4062881531
- 寸法 : 10.7 x 1.2 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 184,439位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
最新刊『天才の光と影:ノーベル賞受賞者23人の狂気』(PHP研究所)を上梓した。本書では、とくに私が独特の「狂気」を感得したノーベル賞受賞者23人を厳選して、彼らの波乱万丈で数奇な人生を辿っている。一般に、ノーベル賞を受賞するほどの研究を成し遂げた「天才」は、すばらしい「人格者」でもあると思われがちだが、実際には必ずしもそうではない。フィリップ・レーナルト(1905年物理学賞)のようにヒトラーの写真を誇らしげに書斎に飾っていた「ナチス崇拝者」もいれば、「妻と愛人と愛人の子ども」と一緒に暮したエルヴィン・シュレーディンガー(1933年物理学賞)のような「一夫多妻主義者」もいる。「光るアライグマ(実はエイリアン)」と会話を交わしたという「薬物中毒」のキャリー・マリス(1933年化学賞)や、「アルコール依存症」で売春街から大学に通ったヴォルフガング・パウリ(1945年物理学賞)、「超越瞑想」に「オカルト傾倒」して周囲を唖然とさせたブライアン・ジョセフソン(1973年物理学賞)のような天才も存在する。どんな天才にも、輝かしい「光」に満ちた栄光の姿と、その背面に暗い「影」の表情がある。読者には、天才と狂気の紙一重の「知のジレンマ」から、通常では得られない「教訓」を読み取っていただけたら幸いである。本書には「狂気」の23人と関連して、44人のノーベル賞受賞者も登場する。「ノーベル化学賞・物理学賞・生理学医学賞の歴代受賞者(1901~2023年)」と600名近くの「人名索引」も添付してあるので、こちらもご活用いただけたらと願っている。
『新書100冊』(光文社新書)は、2019年7月〜2023年7月に刊行された約5000冊の新書の中から、私が責任を持って選び抜いた「新書100冊」を紹介します。また、本書掲載のコラム「『新書大賞』について」では、小集団の偏向審査に基づく「新書大賞」の「廃止」を提言しました(笑)。本書の100冊の書評は、絶対に「その著者だけ」にしか書けない新書、一流の科学者が最先端の研究成果をわかりやすく解説してくれる秀逸な新書、日本の抱える諸問題に本質的に斬り込む斬新な新書ばかりを集めてあります。多種多彩な「知的刺激」が凝縮された100冊の書評をまとめて見ると「壮観」です。本書が何よりも読者の「視野を広げる読書」のお役に立てば幸いです。
『実践・哲学ディベート』(NHK出版新書)は、『哲学ディベート』(NHKブックス)の続編に相当します。舞台は同じ大学の研究室で、教授と5人の学生がセミナーで話している光景……。とくに本書が焦点を当てているのは、実際に誰もが遭遇する可能性のある多彩な「人生の選択」です。第1章「出生前診断と反出生主義」、第2章「英語教育と英語公用語論」、第3章「美容整形とルッキズム」、第4章「自動運転とAI倫理」、第5章「異種移植とロボット化」について、各章が現実的問題と哲学的問題の2つのセクションに分けられて「哲学ディベート」が進行します。章末には「一緒に考えてみよう」という課題もあります。NHK文化センター講座【哲学ディベートを楽しもう!】でもリアルな「哲学ディベート」を楽しむことができますから、ぜひご参加ください。
『20世紀論争史』(光文社新書)は、20世紀に生じた多種多彩な論争について、「教授」と「助手」がコーヒーを飲みながら研究室で対話する形式で進行します。人類史上、過去と比べて20世紀の思想が大きく変遷したのは、コンピュータや遺伝子操作などの科学技術が飛躍的に発展した結果、そもそも人間とは何か、知性とは何か、存在とは何か……といった、従来は哲学の対象とされてきた問題が「科学哲学」の対象になった点にあります。本書の目的は、もはや「科学を視野に入れない哲学」も「哲学を視野に入れない科学」も成立しないという観点から、改めて20世紀を代表する「知の巨人」たちが繰り広げた原点の論争を振り返り、「科学と哲学の融合」のイメージを味わっていただくことにあります。全30章・456ページという新書は、これまでに私が上梓してきた中でも最も分厚い作品ですが、どなたにもわかりやすくスムーズに読んでいただけるように、ユーモラスで知的な対話を心掛けたつもりです。
『フォン・ノイマンの哲学』(講談社現代新書)は、20世紀を代表する天才のなかでも、ひときわ光彩を放っているジョン・フォン・ノイマンの生涯と思想、つまり「人生哲学」に焦点を当てました。ノイマンは、わずか53年あまりの短い生涯の間に、論理学・数学・物理学・化学・計算機科学・情報工学・生物学・気象学・経済学・心理学・社会学・政治学に関する150編の論文を発表しました。天才だけが集まるプリンストン高等研究所の教授陣のなかでも、さらに桁違いの超人的な能力を発揮したノイマンは、「人間のフリをした悪魔」と呼ばれました。「コンピュータの父」として知られる一方で、原子爆弾を開発する「マンハッタン計画」の科学者集団の中心的指導者でもあり、「ゲーム理論」と「天気予報」の生みの親でもあります。どのページにも驚愕の事実があると思います。
『自己分析論』(光文社新書)は、これまでに私が大学生や卒業生から相談を受けてきた「自己分析」について、「就職活動・人間関係・人生哲学」の3つの視点からアプローチしたのが特徴。「自己分析」についてのノウハウ本やワークブックは世に溢れていますが、本書のように3つの異なる分野に深く踏み込んで読者をサポートする書籍は、他に類を見ないものと自負しています。「就活生は必読!」であり、「転職」が頭に浮かんだり「いかに生きるべきか」悩んでいる読者にも、ぜひ読んでいただきたいと思います。
『反オカルト論』(光文社新書)は、『週刊新潮』の連載に加筆修正を行った内容。帯に「STAP事件は現代のオカルト!」とあるようにSTAP事件を徹底的に総括しました。フォックス事件の真相やコナン・ドイルがスピリチュアリズムに騙された理由、さらに霊感セミナーや江戸しぐさなど「現代も生き続ける〝トンデモ〟を科学的思考でめった斬り」にしたつもりです。
★自己紹介(たかはし・しょういちろう)
情報文化研究所所長・國學院大學教授。青山学院大学・お茶の水女子大学・上智大学・多摩大学・東京医療保健大学・東京女子大学・東京大学・日本大学・放送大学・山梨医科大学・立教大学でも兼任講師を歴任。ミシガン大学大学院哲学研究科修了後、テンプル大学専任講師、城西国際大学助教授を経て現職。
朝日カルチャーセンター・NHK文化センター・中日文化センター・ヒューマンアカデミーでも講座を担当。
専門は論理学・科学哲学。幅広い学問分野を知的探求!
著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『フォン・ノイマンの哲学』『ゲーデルの哲学』(以上、講談社現代新書)、『20世紀論争史』『自己分析論』『反オカルト論』『新書100冊』(以上、光文社新書)、『愛の論理学』(角川新書)、『東大生の論理』(ちくま新書)、『小林秀雄の哲学』(朝日新書)、『実践・哲学ディベート』(NHK出版新書)、『哲学ディベート』(NHKブックス)、『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(筑摩選書)、『科学哲学のすすめ』(丸善)、『天才の光と影』(PHP研究所)など多数。
監修書は『記号論理学』『数理論理学』『不完全性定理』(以上、丸善)、『パラドックス大図鑑』『論理的思考』『科学大百科』(以上、ニュートンプレス)、『認知バイアス事典』『認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編』(以上、フォレスト出版)など多数。
趣味はJazz+Wine+将棋四段。Japan Skeptics 副会長。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
今回はこの「限界シリーズ」ともいえる三部作品目として感性を焦点として書かれている。
内容は大きくけて3つ。
1 行為の限界
2 意志の限界
3 存在の限界 (それぞれ目次から引用)
行為の限界は、有名なパブロフの犬やアンカリングを例に人間の行為が自分の期待とは別にも支配されてしまうことが書いてある。
意志の限界では、自律的システムと分析的システムを用いて、
論理的な考えと欲求の矛盾から人間自身と遺伝子の摩訶不思議な関係を扱っている。
最終章の存在の限界では、カミュの作品をはじめとする個人の死から、
レーガン政権が着手しようとしたスターウォーズ計画という地球規模にまで発展されている。
科学・哲学・行動経済学などの多彩な学問からそれぞれの立場を明確にかつ簡潔に表現し、
読者にもわかりやすく書かれているのには毎度のことながら感心させられた。
個人的には第二章の決定論と非決定論とそれに対する神への存在の有無についてものすごく興味を持った。
行動、意志、存在、の限界について、各界の架空の代表者が議論を進める。
人類の能力の限界について議論なので、憂鬱になることが多いが、印象的だったのは
意志の限界のところ。
①人の認知過程は、直感的自律システムと理論的分析システムの2つのシステムのバランスの上に成り立っている。
②直感的自律システムとは、飛んできたボールを反射的によけるとか、苦いものを吐き出すとか、異性に惹かれるとか、というような自己の安全・生理的欲求を認知し対応するシステム。
③理論的分析システムとは、自分自身を向上させたいとか、こうした方が儲かるとか、こうすれば社会がよくなるとか、というような個人的欲求を認知し対応するシステム。
④直感的自律システムは、リチャード・ドーキンスの言う「利己的な遺伝子」の利益(個人の利益より遺伝子(種)の利益=増殖を優先)を優先している。理論的分析システムは個人・社会の利益を優先している。
⑤上記、自律システムと分析システム間に葛藤が生じるような事態に人が直面すると、混乱が生じ、より根源的な自律システムに支配された行動を取る可能性が強い。
ex.ミルグラムの服従実験、アイヒマンの行動
要するに、人は「利己的な遺伝子」のプログラムに沿ったロボットとして生まれてきたが、分析システムを発達させることにより、そのプログラムに反逆することができる。ex.苦いコーヒーを飲む、避妊他。
この反逆こそが人の自由意志である。
「感性の限界」というタイトルながら、
美術や音楽などの芸術分野のテーマにはほとんど話は広がらず、
どちらかと言えば言語思考をベースにした
科学と哲学分野の話に始終してしまっていました。
というわけで、この本はタイトル通りのテーマではなく、
「理性の限界」「知性の限界」の続編かつ補足版、
という位置づけで読むのがいいかと思います。
また、これは私が常々思っていることなのですが、
感性といった「非言語的」なセンスを
このように「書籍」(言語で表現する方法)で解説すること自体、
ある意味矛盾しているというか
それこそ「知性の限界」で触れられている
「言語の限界」というテーマで取り扱ってもよかった
内容なのではないかと思います。
それが悪いことだ、というわけではなくて
むしろこういう事象を含めての「限界」を
私たちは普段の生活で知る機会が少ないから、
こういう本を読んで教養として知っておくことが
大切なんじゃないかと思うのですね。
なので、本の内容自体は
前著2巻に勝るとも劣らない興味深さで
★は4つです。
ただ、このシリーズは最初の「理性の限界」の
面白さが(あくまで主観的ですが)格段に飛び抜けているので、
どうしても後の2巻は「知的興味深さ」という意味合いでは
劣ってしまうのかな、と思います。
哲学入門という意味では良書ですが、
あまり時間が取れないかたは「理性の限界」だけを読んでも
十二分に勉強になることと思います。
感情というものや、宗教、ということに一言踏み込んだ本、
だと思います。限界シリーズの3冊目、面白かった。
読んだことのない内容だったので、大分知的刺激になりました。
それを一般の読者に理解できるように記述しようという大胆な試みで、かなり読み応えがあった。ただし、3つとも厳密な証明は示されていない。これは仕方の無い事で、厳密に証明していたら新書数十冊になる上に、一般の読者にはとても理解できない代物になってしまう。とにかく、数学や物理学は確実な答えがあるのがいやで、文系に進んだというような人には目からウロコだったと思う。
「知性の限界」は完全に哲学書で、一般の読者でも哲学に明快な答えがあると思っているは少ないと思われるので、「目からウロコ」という事こそ無かったが、哲学の中でも究極の理論が示されていて、それなりに読み応えがあった。究極的な哲学は矛盾に突き当たってしまう、実はそれは、人間個人、国家、国際政治等々が本質的に抱える矛盾と密接に連関しているというのは面白かった。
で、シリーズ3作目の「感性の限界」ですが、この本は「生と死」「愛」「自由」といったほとんどの人が曖昧だと思っている事を、曖昧であると論じただけで、前2作ほどの面白さはなかった。前2作が予想に反して売れたので、無理矢理書いた印象が否めない。
シリーズ4作目は「限界シリーズの限界」か?
たくさんの登場人物が、わあわあといろんな意見を述べ、それを司会者が「その話は別の機会にお願いします。」というセリフを武器に絶妙にさばく。
そうこうするうちに、「人間の限界とその矛盾」という大問題が見えてくる。
画期的なプレゼンテーションであり、多くの方に楽しんでいただきたい1冊である。
1弾、2弾ともに面白く、第3弾まで一気に読みました。
今回は人間の行動経済学、意思やその存在意義がメインで構成
されています。
判断根拠が明確でない状況では、どれだけ先入観に影響されるか。
周りのグループに所属するために、どれだけ理屈に合わない行動を
してしまうか、等から始まります。
中盤では、人間の脳内のシステム(自律システム/分析システム)の
話やになり、最後には遺伝子の目的やその器の細胞の存在意義、
神経経路などの伝達システムについての討議がされています。
大まかに、人間の行動や存在意義についてこの1冊で学べるように
なっていて面白かったです。
ぜひ一度読んでみてください!
では。