基本的に鈴木大拙の著作は、伝えたいことをなんとかして正確に伝えたい気持ちが強いために、繰り返しが多く回りくどい言い回しが多用されている。しかし、この本作は比較的現代人にも理解しやすいものとなっている。
代表作ではないが、最初に取り組んでみても良い著書ではないだろうか。オススメ。
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東洋的な見方 (角川ソフィア文庫) 文庫 – 2017/8/25
鈴木 大拙
(著)
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東洋的な考え方を「世界の至宝」と語る、大拙思想の集大成!
「来るべき『世界文化』なるものに対して、われら東洋民族の一員として、それは大いに貢献すべきものをもっておる」--。
アメリカ、イギリスの諸大学で教鞭を執り、直に西洋思想にふれた大拙だからこそ看破できた東洋思想の優れた特性。曰く「世界の至宝」が、二分性の上に成り立つ西洋思想の不備を補い、互いに補完し合うことで、真の世界思想を可能にする。
帰国後に執筆され、大拙自ら「近来自分が到着した思想を代表するもの」という論文、十四編すべてを掲載。大拙思想を最もよく表す最晩年の論文集。
解説・中村元/安藤礼二
「来るべき『世界文化』なるものに対して、われら東洋民族の一員として、それは大いに貢献すべきものをもっておる」--。
アメリカ、イギリスの諸大学で教鞭を執り、直に西洋思想にふれた大拙だからこそ看破できた東洋思想の優れた特性。曰く「世界の至宝」が、二分性の上に成り立つ西洋思想の不備を補い、互いに補完し合うことで、真の世界思想を可能にする。
帰国後に執筆され、大拙自ら「近来自分が到着した思想を代表するもの」という論文、十四編すべてを掲載。大拙思想を最もよく表す最晩年の論文集。
解説・中村元/安藤礼二
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2017/8/25
- 寸法10.5 x 1 x 15 cm
- ISBN-104044002886
- ISBN-13978-4044002886
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商品の説明
著者について
●鈴木 大拙:本名、貞太郎。1870年、金沢市生まれ。東京帝国大学在学中に、円覚寺にて参禅し、大拙の道号を受ける。97年、渡米。帰国後、東京帝国大学、学習院、大谷大学で教鞭を執るほか、英文雑誌を創刊し、海外に仏教や禅思想を発信した。1936年、世界信仰大会に日本代表として出席。イギリス、アメリカの諸大学で教壇に立った。66年没。著書に、『無心ということ』『禅とは何か』『日本的霊性』などがある。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2017/8/25)
- 発売日 : 2017/8/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 224ページ
- ISBN-10 : 4044002886
- ISBN-13 : 978-4044002886
- 寸法 : 10.5 x 1 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 46,194位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2022年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年11月4日に日本でレビュー済み
前に『仏教の大意』を読んで、すごくよかったので続けて読んだ。
『東洋的な見方』の方は、コラムを集めたもので、大筋テーマが似ているが、それぞれ書かれている目的が微妙に違うので、読み進めていてこのままもっと!と思ったら、テーマがちょっとずれてしまって若干消化不良。
前半の「東洋思想の不二性」は、東洋がまだ物が二分しないところから考えていくのに対して、西洋は、物が二つに分かれてから物事を考えるという風にわかりやすく違いを提示している。なるほど。だから西洋の方には、東洋の曖昧さが許せないのだろうな。そしてその曖昧さ=妙という概念を語る段もある。それってなんかわかるな。日本人的。
すごく真宗的だと思う点は、東洋人は「考えれないところから出立する」というところ。西洋は「考えられない」ところをそのまま放置する。
この東洋的見方から、往還二相の回向は、一円相であると。循環端なき円環とする。二分性からはわからないとしている。往還二相の回向は、同時性があるということかな。分けられない。
もう一つ面白いテーマは「自由・空・只今」。禅的な解釈だけれども、現れるけれども、見えるときにもうそれは底に見れないというような話は面白い。
肯定して否定し、否定して肯定する矛盾の同一性である。これがわからぬと、上来の所述は全くわからなくなる。矛盾の連続でしかないと考えられよう。
わからないことが多いが、その中で「わからないということをわかっている」ということだな。
鈴木師の本は2冊しか読んでいないが、自分としては初心者には『仏教の大意』の方をお薦めする。こちらは鈴木師の哲学を少しずつエッセンスをしりたいという場合向き。意外なことに、その後この東洋と西洋の違いということで物事を見ていくとすごく現象把握がしやすくなったので、かなりおすすめ。
『東洋的な見方』の方は、コラムを集めたもので、大筋テーマが似ているが、それぞれ書かれている目的が微妙に違うので、読み進めていてこのままもっと!と思ったら、テーマがちょっとずれてしまって若干消化不良。
前半の「東洋思想の不二性」は、東洋がまだ物が二分しないところから考えていくのに対して、西洋は、物が二つに分かれてから物事を考えるという風にわかりやすく違いを提示している。なるほど。だから西洋の方には、東洋の曖昧さが許せないのだろうな。そしてその曖昧さ=妙という概念を語る段もある。それってなんかわかるな。日本人的。
すごく真宗的だと思う点は、東洋人は「考えれないところから出立する」というところ。西洋は「考えられない」ところをそのまま放置する。
この東洋的見方から、往還二相の回向は、一円相であると。循環端なき円環とする。二分性からはわからないとしている。往還二相の回向は、同時性があるということかな。分けられない。
もう一つ面白いテーマは「自由・空・只今」。禅的な解釈だけれども、現れるけれども、見えるときにもうそれは底に見れないというような話は面白い。
肯定して否定し、否定して肯定する矛盾の同一性である。これがわからぬと、上来の所述は全くわからなくなる。矛盾の連続でしかないと考えられよう。
わからないことが多いが、その中で「わからないということをわかっている」ということだな。
鈴木師の本は2冊しか読んでいないが、自分としては初心者には『仏教の大意』の方をお薦めする。こちらは鈴木師の哲学を少しずつエッセンスをしりたいという場合向き。意外なことに、その後この東洋と西洋の違いということで物事を見ていくとすごく現象把握がしやすくなったので、かなりおすすめ。