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歴史のなかの新選組 (岩波現代文庫) 文庫 – 2017/11/17
宮地 正人
(著)
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新選組にまつわる言説はどこまでが史実でどこからが虚構なのか? 激動の幕末維新期に異彩を放ち、今なお多くの人を惹きつけてやまない新選組の実像に、維新史研究の第一人者が信頼に足る諸史料を駆使して迫る。幕末期のダイナミックな構造の中に不可欠の要素として新選組を改めて位置づけた画期的な“新選組史論"。研究の進展を踏まえた増補版。「浪士組・新徴組隊士出身地別一覧表」を付載。
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2017/11/17
- 寸法10.5 x 1.7 x 14.8 cm
- ISBN-104006003692
- ISBN-13978-4006003692
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商品の説明
著者について
宮地正人(みやち まさと)
1944年生まれ.東京大学史料編纂所教授,国立歴史民俗博物館館長を経て,現在,東京大学名誉教授.専攻は日本近現代史.著書に,『日露戦後政治史の研究』(東京大学出版会),『幕末維新風雲通信』(編著,東京大学出版会),『天皇制の政治史的研究』(校倉書房),『幕末維新期の社会的政治史研究』(岩波書店),『通史の方法』(名著刊行会),『幕末維新変革史』(上・下,岩波書店),『国民国家と天皇制』(有志舎),『地域の視座から通史を撃て!』(校倉書房)などがある.
1944年生まれ.東京大学史料編纂所教授,国立歴史民俗博物館館長を経て,現在,東京大学名誉教授.専攻は日本近現代史.著書に,『日露戦後政治史の研究』(東京大学出版会),『幕末維新風雲通信』(編著,東京大学出版会),『天皇制の政治史的研究』(校倉書房),『幕末維新期の社会的政治史研究』(岩波書店),『通史の方法』(名著刊行会),『幕末維新変革史』(上・下,岩波書店),『国民国家と天皇制』(有志舎),『地域の視座から通史を撃て!』(校倉書房)などがある.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2017/11/17)
- 発売日 : 2017/11/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4006003692
- ISBN-13 : 978-4006003692
- 寸法 : 10.5 x 1.7 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 235,598位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 162位明治維新
- - 371位岩波現代文庫
- - 591位日本史ノンフィクション
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たんたんと史料の分析と解釈が行われていて、興味深く読めました。
2018年4月8日に日本でレビュー済み
東京大学史料編纂所教授、国立歴史民俗博物館館長を務められた宮地正人さんの学識と研究者としての真摯な姿勢が伝わる名著です。伝聞史料についての史料批判も的確で、怪しい記述の史料を排除しながら、新選組の実像、近藤勇の考えの背景などを解き明かしている啓蒙書でした。
冒頭の「新選組は明治維新にいかにかかわったかを課題とした、歴史学の立場からする新選組史論である。」の軸が最後まで貫かれていました。文庫版にあたり収められた「補章 その後の新撰組研究」もその姿勢の延長線上にあり、研究史のまとめとしての役割も果たしていると思われました。
第二章「一会桑政権と近藤勇」で明確に論じられていますが、一会桑グループ内の有能な政治活動家の中にほかならぬ近藤勇が存在したこと、この点の確認が、今日の歴史学からする新選組論の第一の題目でなければならない。(7p)」とありました。芹沢鴨の殺害も「おそらく、会津藩の黙許を得た上で(54p)」実行されたようです。このあたりの位置づけが本書によって明確にされたことでしょう。
56pの8行目から14行目にかけての一文は280文字程度あり、さすがに長すぎます。どこかで文章を分けることは出来なかったのでしょうか。
83pにありますが、新選組が京都の人々の評判が悪いのは通説通りですが、「禁門の変によって京都中心部をほとんど丸焼けにした大火は、会津藩が長州残党を狩り出すため不必要におこなった放火が原因だ、との感情が強く」とあり、同様に会津藩の評判の悪さが理解できました。
第10章「史実と虚構の区別と判別」はとても関心を覚えた内容が多く、新選組に対する一般的な記述に対して、歴史家としての丁寧な反証として読みました。史料吟味の醍醐味が伝わります。特に西村兼文「新撰組始末記」への検討は大事な指摘でした。
259pからの「浪士組・新徴組隊士出身地別一覧表」、続く新選組略年表は今後の新選組研究の礎になるような資料でしょう。あとがきも筆者の思いが強く前面に出ており、感心して読ませてもらいました。
若い頃から新選組には関心があり、結構いろいろな本を読んできました。本書でもたびたび紹介されている子母澤寛の『新選組始末記』や『新選組遺聞』、司馬遼太郎の『燃えよ剣・上下巻』や『新選組血風録・新装版』という名著や、大石学『新選組』や松浦玲『新選組』などハンディな体裁の啓蒙書も読んできました。
それらの書籍と違うのは、多くの史料を紹介しながら、史実を丹念に追い求めていく実証的な歴史研究者の真摯な姿勢だと受け取りました。
なお、新徳寺本堂、壬生の屯所、前川邸、八木邸、祗園の一力亭、島原の角屋、島原の大門、高台寺月真院、近藤勇の銅像、西本願寺の太鼓楼、御香宮神社、寺田屋、池田屋、近江屋をはじめ、伊東甲子太郎の暗殺場所、芹沢鴨の墓など、京都には新選組の舞台となった場所や史跡が多くありますので、本書を読了されたのち、機会があれば、散策されるのもよいでしょう。
冒頭の「新選組は明治維新にいかにかかわったかを課題とした、歴史学の立場からする新選組史論である。」の軸が最後まで貫かれていました。文庫版にあたり収められた「補章 その後の新撰組研究」もその姿勢の延長線上にあり、研究史のまとめとしての役割も果たしていると思われました。
第二章「一会桑政権と近藤勇」で明確に論じられていますが、一会桑グループ内の有能な政治活動家の中にほかならぬ近藤勇が存在したこと、この点の確認が、今日の歴史学からする新選組論の第一の題目でなければならない。(7p)」とありました。芹沢鴨の殺害も「おそらく、会津藩の黙許を得た上で(54p)」実行されたようです。このあたりの位置づけが本書によって明確にされたことでしょう。
56pの8行目から14行目にかけての一文は280文字程度あり、さすがに長すぎます。どこかで文章を分けることは出来なかったのでしょうか。
83pにありますが、新選組が京都の人々の評判が悪いのは通説通りですが、「禁門の変によって京都中心部をほとんど丸焼けにした大火は、会津藩が長州残党を狩り出すため不必要におこなった放火が原因だ、との感情が強く」とあり、同様に会津藩の評判の悪さが理解できました。
第10章「史実と虚構の区別と判別」はとても関心を覚えた内容が多く、新選組に対する一般的な記述に対して、歴史家としての丁寧な反証として読みました。史料吟味の醍醐味が伝わります。特に西村兼文「新撰組始末記」への検討は大事な指摘でした。
259pからの「浪士組・新徴組隊士出身地別一覧表」、続く新選組略年表は今後の新選組研究の礎になるような資料でしょう。あとがきも筆者の思いが強く前面に出ており、感心して読ませてもらいました。
若い頃から新選組には関心があり、結構いろいろな本を読んできました。本書でもたびたび紹介されている子母澤寛の『新選組始末記』や『新選組遺聞』、司馬遼太郎の『燃えよ剣・上下巻』や『新選組血風録・新装版』という名著や、大石学『新選組』や松浦玲『新選組』などハンディな体裁の啓蒙書も読んできました。
それらの書籍と違うのは、多くの史料を紹介しながら、史実を丹念に追い求めていく実証的な歴史研究者の真摯な姿勢だと受け取りました。
なお、新徳寺本堂、壬生の屯所、前川邸、八木邸、祗園の一力亭、島原の角屋、島原の大門、高台寺月真院、近藤勇の銅像、西本願寺の太鼓楼、御香宮神社、寺田屋、池田屋、近江屋をはじめ、伊東甲子太郎の暗殺場所、芹沢鴨の墓など、京都には新選組の舞台となった場所や史跡が多くありますので、本書を読了されたのち、機会があれば、散策されるのもよいでしょう。
2017年11月27日に日本でレビュー済み
2004年版の単行本の方を持っています。
幕末史における新選組の位置付けが一次史料から正しい解釈の元にしっかりと再検証されています。
このような学術的史観でみると、書店でよく見かける研究本がいかにただの俗っぽいエセ歴史観で書かれているのか
ちまたの新選組像、特に近藤勇の印象がそんな俗説本によってどれだけ歪められていたのかと驚愕します。
一般的な新選組本を読むとなぜかモヤモヤしていたのですが、あれがどうにも史実とは思えず
俗説雑学本の域を越えていない事にモヤモヤしていたんだなと、この本を読んでよくわかりました。
たとえば書店で手に取りやすい菊池氏らの本は、言ってしまえばオレ史観で書かれている「空想歴史読本」。
歴史としての実証ではなく「自分のこうであってほしいと思う新選組像」に寄せて書いているものです。
宮地氏は本書の中で、新選組研究の現状について「裏付けの材料もなく一点の史料から10も20も虚構をつむぎだすべきものではない」、
「依然として時代小説的な空想や虚構から訣別できているとはいい難い」と、この手の研究本に苦言を呈しています。
菊池氏は一次史料のまとめには貢献しているとは思いますが「史実と虚構の区別と判別」が出来ていないのだと
この本を読んだおかげで認識することが出来ました。
憶測を研究と称する俗な本がすたれることはないでしょうが、まっとうな歴史家である呉座勇一氏や磯田道史氏らの若手の台頭を見ると
菊池氏らの本が「どうもおかしい」と気付いた方がこういった学術研究本にシフトする時代に入っているように思えます。
そんなわけで、本格派の真の新選組像を求めている方には、これはむしろ必読書です。本来の歴史研究とはこういうもので
自分にとっては「史実と虚構」をしっかりと分けて考えることが出来るきっかけとなった最良のガイド本です。
このような良書こそ「新選組のスタンダード」であるべきと思っていたので、ぜひ定番として再販し続けてほしいものです。
松浦玲氏の「新選組」も併せて読むことをオススメします。
幕末史における新選組の位置付けが一次史料から正しい解釈の元にしっかりと再検証されています。
このような学術的史観でみると、書店でよく見かける研究本がいかにただの俗っぽいエセ歴史観で書かれているのか
ちまたの新選組像、特に近藤勇の印象がそんな俗説本によってどれだけ歪められていたのかと驚愕します。
一般的な新選組本を読むとなぜかモヤモヤしていたのですが、あれがどうにも史実とは思えず
俗説雑学本の域を越えていない事にモヤモヤしていたんだなと、この本を読んでよくわかりました。
たとえば書店で手に取りやすい菊池氏らの本は、言ってしまえばオレ史観で書かれている「空想歴史読本」。
歴史としての実証ではなく「自分のこうであってほしいと思う新選組像」に寄せて書いているものです。
宮地氏は本書の中で、新選組研究の現状について「裏付けの材料もなく一点の史料から10も20も虚構をつむぎだすべきものではない」、
「依然として時代小説的な空想や虚構から訣別できているとはいい難い」と、この手の研究本に苦言を呈しています。
菊池氏は一次史料のまとめには貢献しているとは思いますが「史実と虚構の区別と判別」が出来ていないのだと
この本を読んだおかげで認識することが出来ました。
憶測を研究と称する俗な本がすたれることはないでしょうが、まっとうな歴史家である呉座勇一氏や磯田道史氏らの若手の台頭を見ると
菊池氏らの本が「どうもおかしい」と気付いた方がこういった学術研究本にシフトする時代に入っているように思えます。
そんなわけで、本格派の真の新選組像を求めている方には、これはむしろ必読書です。本来の歴史研究とはこういうもので
自分にとっては「史実と虚構」をしっかりと分けて考えることが出来るきっかけとなった最良のガイド本です。
このような良書こそ「新選組のスタンダード」であるべきと思っていたので、ぜひ定番として再販し続けてほしいものです。
松浦玲氏の「新選組」も併せて読むことをオススメします。
2008年10月23日に日本でレビュー済み
時代小説、漫画、時代劇などによって創出・増幅されてきた新選組の虚像を排し、歴史学の手法に基づいて実像に迫った意欲的な著書。
本書の第1の特徴は幕末の政治史に関する最新の研究成果を踏まえ、その文脈の中で新選組の政治的役割を捉え直した点にある。“勤王対佐幕”あるいは“薩長対幕府”といった通俗的な図式に囚われるのではなく、一会桑政権と新選組との関係に注目することで、「幕府の犬」として描かれがちな新選組を幕末の政治史の中に正確に位置づけ、ひいては新選組を含み込んだ幕末期の全体像を提示する。
第2点は、第1点とも関連するが、新選組を単なる剣客集団、治安維持部隊としてのみ理解するのではなく、奇兵隊など長州諸隊組織とも相通じる性格を持つ有志集団(有志結合組織)と評価し、その思想性・イデオロギー性を明らかにした点である。特に近藤勇の書簡の蒐集・分析を通じて、無骨な剣客で政治的展望には欠けるというイメージが強い局長近藤勇の政治思想に肉迫し、卓越した現状認識や交渉能力を指摘した点は興味深い。近藤が高度な戦略性を持った「政治家」として像を結んだ初めての瞬間と言えよう。近藤の在京老中への「我々は尽忠報国の有志であり、市中見回りのために上京したのではない」という訴えも面白い。
第3点は、新選組関係史料に対する史料批判、すなわち「新選組研究の史料論」を行っている点である。従来、新選組研究の根本史料として活用されてきた西村兼文の『新選組始末記』の錯誤や創作の多さに言及し、西村が直接見聞したこと以外の記述については必ず別の史料から裏付けを取る必要があると説く。本書では永倉新八『新選組顛末記』を再評価すると共に、西川吉輔編集の風説留(事件の当事者以外の者が、他人から聞いた噂話を書き留めた記録)をはじめ複数の風説留の交錯活用(クロスチェック)することで、史実に接近している。有名な大和屋庄兵衛焼打事件の芹沢鴨犯行説を明確に否定するところなど、実に小気味よい。
本書は必ずしも新選組の活動を時系列的に追ったものではなく、いわゆる「通史」の形をとっていない。それゆえ、幕末に関してある程度知識を持っていないと、内容を理解することが困難であろう。その意味でやや「敷居が高い」本ではあるが、新選組ファン・幕末ファンの方にも是非一読をオススメしたい。
本書の第1の特徴は幕末の政治史に関する最新の研究成果を踏まえ、その文脈の中で新選組の政治的役割を捉え直した点にある。“勤王対佐幕”あるいは“薩長対幕府”といった通俗的な図式に囚われるのではなく、一会桑政権と新選組との関係に注目することで、「幕府の犬」として描かれがちな新選組を幕末の政治史の中に正確に位置づけ、ひいては新選組を含み込んだ幕末期の全体像を提示する。
第2点は、第1点とも関連するが、新選組を単なる剣客集団、治安維持部隊としてのみ理解するのではなく、奇兵隊など長州諸隊組織とも相通じる性格を持つ有志集団(有志結合組織)と評価し、その思想性・イデオロギー性を明らかにした点である。特に近藤勇の書簡の蒐集・分析を通じて、無骨な剣客で政治的展望には欠けるというイメージが強い局長近藤勇の政治思想に肉迫し、卓越した現状認識や交渉能力を指摘した点は興味深い。近藤が高度な戦略性を持った「政治家」として像を結んだ初めての瞬間と言えよう。近藤の在京老中への「我々は尽忠報国の有志であり、市中見回りのために上京したのではない」という訴えも面白い。
第3点は、新選組関係史料に対する史料批判、すなわち「新選組研究の史料論」を行っている点である。従来、新選組研究の根本史料として活用されてきた西村兼文の『新選組始末記』の錯誤や創作の多さに言及し、西村が直接見聞したこと以外の記述については必ず別の史料から裏付けを取る必要があると説く。本書では永倉新八『新選組顛末記』を再評価すると共に、西川吉輔編集の風説留(事件の当事者以外の者が、他人から聞いた噂話を書き留めた記録)をはじめ複数の風説留の交錯活用(クロスチェック)することで、史実に接近している。有名な大和屋庄兵衛焼打事件の芹沢鴨犯行説を明確に否定するところなど、実に小気味よい。
本書は必ずしも新選組の活動を時系列的に追ったものではなく、いわゆる「通史」の形をとっていない。それゆえ、幕末に関してある程度知識を持っていないと、内容を理解することが困難であろう。その意味でやや「敷居が高い」本ではあるが、新選組ファン・幕末ファンの方にも是非一読をオススメしたい。
2007年12月6日に日本でレビュー済み
新撰組が学会レベルで初めて評価された本。
それまでの俗説、妄説を排して一次史料を精査した後に評価を定めた本でも有る。
従来の新撰組研究を評価しながらも、商業的見地から脱却できなかった俗説を批判し、改めて新撰組の歴史的位置(尊皇攘夷派の志士としての政治結社)を表した。今までも地方史家である平尾道雄が「新撰組史録」で新撰組の歴史的地位を現したが、本稿は平尾研究を加味した上で、従来「新撰組研究家」を称した諸氏への批判を含め、司馬遼太郎などの作家が生み出した新撰組史観を真っ向から否定する本でもある。
現時点で新撰組研究家よりの学説批判は一切ない。宮地氏は新撰組研究家のワークを評価しながらも、結局は基礎文献を見てみぬふりをしたスタンスを間接的に批判したといってもいい。なぜなら、宮地氏の提示した基礎文献・一次史料共に歴史ファンが普通に閲覧できる文献ばかりだからである。
この本の出版後、新撰組本は「歴史研究」を主軸に置く本と、フィクションを楽しむノベライズ本に分離してきたが、それはそれでいいと思う。今後は新撰組はフィクション、ノン・フィクション双方から楽しむのがいいのではないか。グレーゾーンにいる新撰組研究家が淘汰されるのはやむ負えないであろう。
それまでの俗説、妄説を排して一次史料を精査した後に評価を定めた本でも有る。
従来の新撰組研究を評価しながらも、商業的見地から脱却できなかった俗説を批判し、改めて新撰組の歴史的位置(尊皇攘夷派の志士としての政治結社)を表した。今までも地方史家である平尾道雄が「新撰組史録」で新撰組の歴史的地位を現したが、本稿は平尾研究を加味した上で、従来「新撰組研究家」を称した諸氏への批判を含め、司馬遼太郎などの作家が生み出した新撰組史観を真っ向から否定する本でもある。
現時点で新撰組研究家よりの学説批判は一切ない。宮地氏は新撰組研究家のワークを評価しながらも、結局は基礎文献を見てみぬふりをしたスタンスを間接的に批判したといってもいい。なぜなら、宮地氏の提示した基礎文献・一次史料共に歴史ファンが普通に閲覧できる文献ばかりだからである。
この本の出版後、新撰組本は「歴史研究」を主軸に置く本と、フィクションを楽しむノベライズ本に分離してきたが、それはそれでいいと思う。今後は新撰組はフィクション、ノン・フィクション双方から楽しむのがいいのではないか。グレーゾーンにいる新撰組研究家が淘汰されるのはやむ負えないであろう。
2008年3月8日に日本でレビュー済み
新選組とは何か。
これまで世に出た歴史書・歴史書もどき・小説を問わず、その存在意義は「剣客集団」として描かれていたように思う。
しかし、この本では新選組のスタンディングポジションを「有志集団」と位置づけ、その根拠を首領・近藤勇の手紙や当時の風聞記事を基に丁寧に検証・批判することで明確に示している。
歴史学としては当然のことであるが、その当然が成されていなかった新選組研究に於いて、間違いなく一石を投じた名著だと言える。
大学生あたりは岩波新書「新選組」(松浦玲著)と合わせて読んで頂きたい。
惜しむべきは、手に入りにくい点と、なぜか幹部・永倉新八の残した回想録「新撰組顛末記」は使用しているにもかかわらず、「浪士文久報告記事」は使用していない点である。
後者についてはPHP新書「新選組日記」(木村幸比古著)として刊行されているので、こちらもぜひ参照にされたい。
これまで世に出た歴史書・歴史書もどき・小説を問わず、その存在意義は「剣客集団」として描かれていたように思う。
しかし、この本では新選組のスタンディングポジションを「有志集団」と位置づけ、その根拠を首領・近藤勇の手紙や当時の風聞記事を基に丁寧に検証・批判することで明確に示している。
歴史学としては当然のことであるが、その当然が成されていなかった新選組研究に於いて、間違いなく一石を投じた名著だと言える。
大学生あたりは岩波新書「新選組」(松浦玲著)と合わせて読んで頂きたい。
惜しむべきは、手に入りにくい点と、なぜか幹部・永倉新八の残した回想録「新撰組顛末記」は使用しているにもかかわらず、「浪士文久報告記事」は使用していない点である。
後者についてはPHP新書「新選組日記」(木村幸比古著)として刊行されているので、こちらもぜひ参照にされたい。
2004年10月20日に日本でレビュー済み
著者は幕末史のみならず、日本近代史研究において有名な歴史家である。日本近代史を専門とする歴史家を目指す人は、宮地氏の著書を読まないということは決してないだろう。
その著者が、公刊されていないものも含め、貴重な史料を駆使して描いた新選組史料論。
内容がいい加減なはずはない。
ちなみに、巷に溢れている新選組関連書籍には、いい加減な内容のものが多い。
少なくとも、「歴史学」の観点から見た場合である。
フィクションとしての新選組ではなく、史実の新選組、つまりは新選組の真の姿を知りたい方は、本書と、松浦玲『新選組』(岩波新書、2003年)を読むべし。
その著者が、公刊されていないものも含め、貴重な史料を駆使して描いた新選組史料論。
内容がいい加減なはずはない。
ちなみに、巷に溢れている新選組関連書籍には、いい加減な内容のものが多い。
少なくとも、「歴史学」の観点から見た場合である。
フィクションとしての新選組ではなく、史実の新選組、つまりは新選組の真の姿を知りたい方は、本書と、松浦玲『新選組』(岩波新書、2003年)を読むべし。