ロボット工学のことを著者はロボット学と呼ぶ。人間に似たロボットを開発し、それを用いて、人間を理解する学問。
本書は著者が最近10年間で取り組んできたロボット学の研究を紹介しながら、ロボットと人間の本質について述べた本である。
一、目次
プロローグ。1、ロボット研究から学ぶ人間の本質。2、対話ロボットとロボット社会。3、アンドロイドの役割。4、自律性とは何か。5、心とは何か。6、存在感とは何か。7、対話とは何か。8、体とは何か。9、進化とは何か。10、人間と共生するロボット。
エピローグ。
二、私的感想
○2章まではロボット一般の話であったのだが、第3章から女性アンドロイドの話になって、急に面白くなってくる。
○3章は、you tube等でおなじみの自律対話ロボット(美女アンドロイド)エリカが登場。エリカの対話の進め方の解析、対話相手の選好モデル推定機能の解説が興味深い。
○5章は、ロボット演劇の実践を通じての人間の心の問題の解析。心のないアンドロイドが演じるロボット演劇でも観衆を感動させることができることから、心とは、相手の発話、動作からその存在を感じ合う、神経回路によってもたらされるもの、という論理に発展する。面白いが、これで人間のさまざまな感情が説明できるのかな?? ちょっと強引な感。
○7章はタッチパネル対話により、男性客のカラーコーディネイトをして服を売る美女アンドロイドミナミの話。セールスの極意のような対話構造が面白い。
○8章は遠隔操作ロボットを使っていると、操作者はロボットの体を自分の体の一部のように感じるという話でたいへん興味深い。この原理によって、人間の身体性は拡張され、人間は時間空間を超え、活動できるようになる。さらには、身体の必要もなくなる??
○9章は未来の人類は有機物の体を持つ必要はなく、無機物化(ロボット化)するのではないかというなかなか怖い話。
三、私的結論
○大変興味深い話を聞かせていただいた。著者の選好モデルと類似モデルはだいたい推定できた。
四、蛇足
○5章の先には恋愛の問題が、7章の先には性の問題が出てくると思うが、ここでは触れられていない。
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ロボットと人間 人とは何か (岩波新書 新赤版 1901) 新書 – 2021/11/22
石黒 浩
(著)
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ロボットを研究することは、人間を深く知ることでもある。ロボット学の世界的第一人者である著者は、長年の研究を通じて、人間にとって自律、心、存在、対話、体、進化、生命などは何かを問い続ける。ロボットと人間の未来に向けての関係性にも言及。人と関わるロボットがますます身近になる今こそ、必読の書。
- 本の長さ286ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2021/11/22
- 寸法10.7 x 1.2 x 17.3 cm
- ISBN-104004319013
- ISBN-13978-4004319016
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商品の説明
著者について
石黒 浩(いしぐろ ひろし)
ロボット工学者。大阪大学基礎工学研究科博士課程修了。工学博士。京都大学情報学研究科助教授、大阪大学工学研究科教授を経て、2009年より大阪大学基礎工学研究科教授(栄誉教授)。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。遠隔操作ロボットや知能ロボットの研究開発に従事。人間酷似型ロボット(アンドロイド)研究の第一人者。2011年大阪文化賞受賞。2015年文部科学大臣表彰受賞およびシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞受賞。2020年立石賞受賞。2021年オーフス大学名誉博士。
著書には、『ロボットとは何か──人の心を映す鏡』(講談社現代新書)、『どうすれば「人」を創れるか──アンドロイドになった私』(新潮文庫)、『僕がロボットをつくる理由──未来の生き方を日常からデザインする』(世界思想社)ほかがある。
http://www.irl.sys.es.osaka-u.ac.jp/
http://www.geminoid.jp/ja/index.html
ロボット工学者。大阪大学基礎工学研究科博士課程修了。工学博士。京都大学情報学研究科助教授、大阪大学工学研究科教授を経て、2009年より大阪大学基礎工学研究科教授(栄誉教授)。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。遠隔操作ロボットや知能ロボットの研究開発に従事。人間酷似型ロボット(アンドロイド)研究の第一人者。2011年大阪文化賞受賞。2015年文部科学大臣表彰受賞およびシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞受賞。2020年立石賞受賞。2021年オーフス大学名誉博士。
著書には、『ロボットとは何か──人の心を映す鏡』(講談社現代新書)、『どうすれば「人」を創れるか──アンドロイドになった私』(新潮文庫)、『僕がロボットをつくる理由──未来の生き方を日常からデザインする』(世界思想社)ほかがある。
http://www.irl.sys.es.osaka-u.ac.jp/
http://www.geminoid.jp/ja/index.html
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2021/11/22)
- 発売日 : 2021/11/22
- 言語 : 日本語
- 新書 : 286ページ
- ISBN-10 : 4004319013
- ISBN-13 : 978-4004319016
- 寸法 : 10.7 x 1.2 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 184,086位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 99位メカトロ・ロボット工学
- - 886位岩波新書
- - 1,061位コンピュータサイエンス (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年11月27日に日本でレビュー済み
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2023年2月16日に日本でレビュー済み
めちゃくちゃ面白かったです。ロボット知識のない全くの素人でも、最後まで一気に読めました。
ロボット演劇はぜひ観てみたいと思いました。
ロボット演劇はぜひ観てみたいと思いました。
2022年1月10日に日本でレビュー済み
ネット・IT機器で普通に使われるAIに対する期待は、少し前は過剰でしたが今は少しずづ現実的になってきました。それにつれて人間的知能に関する認識も変わってきたと思います。百科事典を全部覚えるのは、知識で会って、知能ではない。善悪判断と知能は同じではない。人間の知的な活動に関して分析が深まっています。
この本を読んでいくとロボットに関しても、今期待できることと、理想との差が見えてきます。特に人間の振る舞い、コミュニケーションに関しての理解が深まります。話し相手がどこまで共感してくれているのか?話しやすいを演出するハウツー本はありますが、それと一緒に読むと楽しさ倍増です。
この本を読んでいくとロボットに関しても、今期待できることと、理想との差が見えてきます。特に人間の振る舞い、コミュニケーションに関しての理解が深まります。話し相手がどこまで共感してくれているのか?話しやすいを演出するハウツー本はありますが、それと一緒に読むと楽しさ倍増です。
2021年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「なか見!検索」が出来ないので参考のため目次を記します。「プロローグ」に続いて
1章 ロボット研究から学ぶ人間の本質
2章 対話ロボットとロボット社会
3章 アンドロイドの役割
4章 自律性とは何か
5章 心とは何か
6章 存在感とは何か
7章 対話とは何か
8章 体とは何か
9章 進化とは何か
10章 人間と共生するロボット
理系の社会人です。ロボットに関する本は読んだ事がありません。
本書は典型的な良い意味での「〇〇新書」つまり高校生、専門外の大学生、一般社会人のための啓蒙書(数式がないので通俗書?) 理系の本なので、専門外の大学生とは主として文系の大学生を指します。
数式や専門用語に対する技術的な説明は一切ないので、逆に理系特に工学部の大学生には物足りないかもしれません。
印象に残ったこと、感想は
○ 全体を通じて、著者は楽天主義者と思いました。
○ 1章 ジェミノイド(人間と双子の遠隔操作アンドロイド)は初めて聞く言葉ですが、技術的な話なしで良く説明されている。
○ 1章 p36 ディープラーニング(深層学習)により画像認識や音声認識の技術が一定レヴェルで確立された → 数頁でよいから技術的な説明が欲しかった。
○ 3章 p91 人工筋肉と人口皮膚の実現が重要 → 意外なものが重要なんですね。
○ 3章 p105 アンドロイドの声も重要 テキストトゥスピーチ(TTS)というプログラムを用いる → やはり数頁でよいからTTSの技術的な説明が欲しかった。
○ 4章 p125~131 このような反射行動をたくさん準備してロボットを動かす仕組みは「サブサンプションアークテクチャ」と呼ばれる。・・・ → 図とその説明が分り難い。
○ 6章 p179 不気味の谷の話が参考になった。 シャンパンには熟成に応じて3回ピークがあると云われてます。P1(市販)とP2の間、P2とP3の間のようなものか?
○ 8章は章全体が面白かった。 「p222 ジェミノイドを使って、人としばらく話をすると、操作者はジェミノイドの体を自分の体のように感じ始める」から始まって最終頁(p240)まで分り易く面白い。
ジェミノイド、ディープラーニング(深層学習)、人工筋肉と人口皮膚、TTSについては別途勉強したいという気持になりました。本書はやはり高校生、文系の大学生、一般社会人向けの本だと思いました。
1章 ロボット研究から学ぶ人間の本質
2章 対話ロボットとロボット社会
3章 アンドロイドの役割
4章 自律性とは何か
5章 心とは何か
6章 存在感とは何か
7章 対話とは何か
8章 体とは何か
9章 進化とは何か
10章 人間と共生するロボット
理系の社会人です。ロボットに関する本は読んだ事がありません。
本書は典型的な良い意味での「〇〇新書」つまり高校生、専門外の大学生、一般社会人のための啓蒙書(数式がないので通俗書?) 理系の本なので、専門外の大学生とは主として文系の大学生を指します。
数式や専門用語に対する技術的な説明は一切ないので、逆に理系特に工学部の大学生には物足りないかもしれません。
印象に残ったこと、感想は
○ 全体を通じて、著者は楽天主義者と思いました。
○ 1章 ジェミノイド(人間と双子の遠隔操作アンドロイド)は初めて聞く言葉ですが、技術的な話なしで良く説明されている。
○ 1章 p36 ディープラーニング(深層学習)により画像認識や音声認識の技術が一定レヴェルで確立された → 数頁でよいから技術的な説明が欲しかった。
○ 3章 p91 人工筋肉と人口皮膚の実現が重要 → 意外なものが重要なんですね。
○ 3章 p105 アンドロイドの声も重要 テキストトゥスピーチ(TTS)というプログラムを用いる → やはり数頁でよいからTTSの技術的な説明が欲しかった。
○ 4章 p125~131 このような反射行動をたくさん準備してロボットを動かす仕組みは「サブサンプションアークテクチャ」と呼ばれる。・・・ → 図とその説明が分り難い。
○ 6章 p179 不気味の谷の話が参考になった。 シャンパンには熟成に応じて3回ピークがあると云われてます。P1(市販)とP2の間、P2とP3の間のようなものか?
○ 8章は章全体が面白かった。 「p222 ジェミノイドを使って、人としばらく話をすると、操作者はジェミノイドの体を自分の体のように感じ始める」から始まって最終頁(p240)まで分り易く面白い。
ジェミノイド、ディープラーニング(深層学習)、人工筋肉と人口皮膚、TTSについては別途勉強したいという気持になりました。本書はやはり高校生、文系の大学生、一般社会人向けの本だと思いました。