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マーティン・ルーサー・キング――非暴力の闘士 (岩波新書) 新書 – 2018/3/21
黒崎 真
(著)
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リンチ、脅迫、放火、爆破。アメリカ南部社会を覆う、人種差別の凄まじい暴力。われわれ黒人はもう待てないのだ。人びとを直接行動による社会変革へと導いたキング牧師(1929─1968)。栄光の前半生だけでなく、差別と貧困のないアメリカを夢見た彼の後半生こそ忘れてはならない。武器をとらず非暴力で闘い抜いた苛烈な生涯をえがく。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2018/3/21
- 寸法10.7 x 1.1 x 17.3 cm
- ISBN-104004317118
- ISBN-13978-4004317111
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商品の説明
著者について
黒﨑 真(くろさき まこと)
1971年生まれ.2003年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了,同年より神田外語大学外国語学部英米語学科講師を経て
現在─神田外語大学外国語学部英米語学科教授
専攻─米国史,米国黒人史
著書─『アメリカ黒人とキリスト教──葛藤の歴史とスピリチュアリティの諸相』(神田外語大学出版局,2015),『アメリカのエスニシティ──人種的融和を目指す多民族国家』共訳(明石書店,2013),『グローカリゼーション──国際社会の新潮流』共著(神田外語大学出版局,2009),『21世紀アメリカ社会を知るための67章』共著(明石書店,2002)
1971年生まれ.2003年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了,同年より神田外語大学外国語学部英米語学科講師を経て
現在─神田外語大学外国語学部英米語学科教授
専攻─米国史,米国黒人史
著書─『アメリカ黒人とキリスト教──葛藤の歴史とスピリチュアリティの諸相』(神田外語大学出版局,2015),『アメリカのエスニシティ──人種的融和を目指す多民族国家』共訳(明石書店,2013),『グローカリゼーション──国際社会の新潮流』共著(神田外語大学出版局,2009),『21世紀アメリカ社会を知るための67章』共著(明石書店,2002)
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2018/3/21)
- 発売日 : 2018/3/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4004317118
- ISBN-13 : 978-4004317111
- 寸法 : 10.7 x 1.1 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 130,816位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 25位教会
- - 63位アメリカ史
- - 226位キリスト教一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
キング牧師の名言にふれて、どんな人生を歩んだのか知りたくなり本書を読みました。アメリカ社会の黒人に対する凄まじい暴力、差別、貧困問題に非暴力で闘い続けた不屈の人だったということがよくわかりました。名言に、より重みを感じられるようになりました。
2018年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
言わずと知れた偉人中の偉人だが、キング牧師は I have a dream だけの人物ではない。数多くいた黒人解放運動家のうち、なぜ若いキングが公民権法成立までこぎつけたのか。本書が解として示すのが、キングが名演説家であり、優れた統率力を持つ指導者だったこと。また、差別に対抗する戦略として「非暴力」を選択し、白人全体を敵に回さなかったことである。
白人による凄惨な黒人殺害が罪にも問われなかった当時の米南部で、キングはなぜ非暴力を選んだのか。抗議運動で白人の暴力をあえて受け、その姿をメディアを通じて全米・全世界に見せつけるためだ。米北部の穏健な白人世論を黒人側に引き寄せ、白人社会を分断する。この場合、相手の暴力は自分たちの武器になるから、暴力が激しいほど黒人側に有利になる。また非暴力抗議は老若男女参加できるため、参加者を増やしやすい。キングのもとには続々と有能な黒人運動家が集まった。
もう一つ、キングの公民権運動には特長がある。それぞれの抗議活動で「対象となる都市」「現実的な目標」「具体的なアクションの方法」を明示し、黒人を徹底的に忠実に行動させたことだ。最初のバスボイコット運動で市当局への改善要求を認めさせて以降、キングは注目を浴びた。目標実現は極めて困難で、オールバニのように全く達成できない抗議活動も多かった。だが、ここでもキングは優れていた。運動での失敗から教訓や決意を学び、次からの抗議活動に生かしていたことだ。暴力的なデモや黒人コミュニティの内部対立で抗議が失敗すると、徹底した計画で活動に臨む必要があることをキングは理解した。
こうして実現したのがバーミンガム運動だった。黒人への暴力を厭わない強硬派の市幹部がいる都市を選び、非暴力訓練を受けた参加者による統制された抗議行動はメディアの恰好の取材対象となり、「白人警官による放水」という、メディア的に「おいしい」写真による米世論の変化で運動は要求は実現した。さらには世論は連邦政府を動かし、公民権法を求める「I have a dream」のワシントン大行進につながった。
大目標だった公民権法成立後、黒人運動は内部分裂し、キングもベトナム反戦や清掃労働者の賃金引上げといった貧困問題に取り組んだために、かつてのような全米の支持は得られなかった。しかし、メンフィスでストライキは往年の輝きを取り戻していた。死去前日の、あたかも死を知っていたかのような演説は聴衆の熱狂のうちに終わる。代表的な演説では一部を引用しているが、'go ahead' 'yes'といったセンテンスごとに入る聴衆の合いの手も採録していて、キング演説が黒人聴衆との掛け合いで作り出されていたことが理解できる、適切な引用だ。
演説や引用を多用し、演説家キングの肉声を多く読者に伝えようとするわかりやすい文章である。全体として叙述に重きを置くが、メンフィスを語る6章の直前から文章に情感があふれでてくる。劇的な生涯がいよいよ「山頂に来た」ことを読後感から理解させる、よく練られた修辞だった。
本書を読み、日本のグラスルーツ政治運動の遅れを思う。反原発にしろ安保法制にしろ大きな政治的ムーブメントにこそなったが、結局、国民を動かなかった。命がけではないし、自分たちが正しいと信じて意に沿わない主張に耳を傾けず、国民の広い支持を取り込むという発想がない。何よりも失敗を受けてより運動を改善しようとする機運がなかった。草の根運動の成否は、強硬派から権力者や中間派・穏健派を分断してどう取り込むか。そして失敗を次にどう生かすかだ。この点で、日本の市民運動は半世紀前のキング牧師より遅れている。ビジョンなき暴動やデモは百姓一揆と同じで社会は変わらない、偉人というより、優れた抗議運動指導者・キング牧師が市民運動へ力強い助言を与える本である。
白人による凄惨な黒人殺害が罪にも問われなかった当時の米南部で、キングはなぜ非暴力を選んだのか。抗議運動で白人の暴力をあえて受け、その姿をメディアを通じて全米・全世界に見せつけるためだ。米北部の穏健な白人世論を黒人側に引き寄せ、白人社会を分断する。この場合、相手の暴力は自分たちの武器になるから、暴力が激しいほど黒人側に有利になる。また非暴力抗議は老若男女参加できるため、参加者を増やしやすい。キングのもとには続々と有能な黒人運動家が集まった。
もう一つ、キングの公民権運動には特長がある。それぞれの抗議活動で「対象となる都市」「現実的な目標」「具体的なアクションの方法」を明示し、黒人を徹底的に忠実に行動させたことだ。最初のバスボイコット運動で市当局への改善要求を認めさせて以降、キングは注目を浴びた。目標実現は極めて困難で、オールバニのように全く達成できない抗議活動も多かった。だが、ここでもキングは優れていた。運動での失敗から教訓や決意を学び、次からの抗議活動に生かしていたことだ。暴力的なデモや黒人コミュニティの内部対立で抗議が失敗すると、徹底した計画で活動に臨む必要があることをキングは理解した。
こうして実現したのがバーミンガム運動だった。黒人への暴力を厭わない強硬派の市幹部がいる都市を選び、非暴力訓練を受けた参加者による統制された抗議行動はメディアの恰好の取材対象となり、「白人警官による放水」という、メディア的に「おいしい」写真による米世論の変化で運動は要求は実現した。さらには世論は連邦政府を動かし、公民権法を求める「I have a dream」のワシントン大行進につながった。
大目標だった公民権法成立後、黒人運動は内部分裂し、キングもベトナム反戦や清掃労働者の賃金引上げといった貧困問題に取り組んだために、かつてのような全米の支持は得られなかった。しかし、メンフィスでストライキは往年の輝きを取り戻していた。死去前日の、あたかも死を知っていたかのような演説は聴衆の熱狂のうちに終わる。代表的な演説では一部を引用しているが、'go ahead' 'yes'といったセンテンスごとに入る聴衆の合いの手も採録していて、キング演説が黒人聴衆との掛け合いで作り出されていたことが理解できる、適切な引用だ。
演説や引用を多用し、演説家キングの肉声を多く読者に伝えようとするわかりやすい文章である。全体として叙述に重きを置くが、メンフィスを語る6章の直前から文章に情感があふれでてくる。劇的な生涯がいよいよ「山頂に来た」ことを読後感から理解させる、よく練られた修辞だった。
本書を読み、日本のグラスルーツ政治運動の遅れを思う。反原発にしろ安保法制にしろ大きな政治的ムーブメントにこそなったが、結局、国民を動かなかった。命がけではないし、自分たちが正しいと信じて意に沿わない主張に耳を傾けず、国民の広い支持を取り込むという発想がない。何よりも失敗を受けてより運動を改善しようとする機運がなかった。草の根運動の成否は、強硬派から権力者や中間派・穏健派を分断してどう取り込むか。そして失敗を次にどう生かすかだ。この点で、日本の市民運動は半世紀前のキング牧師より遅れている。ビジョンなき暴動やデモは百姓一揆と同じで社会は変わらない、偉人というより、優れた抗議運動指導者・キング牧師が市民運動へ力強い助言を与える本である。
2020年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わたしたちは公民権運動の象徴としてだけでなく、民主主義社会における弱者、貧困者の救済のためにも活動していたキング牧師の人物像を知るべきだと思った。その人物像を知ると、決して、1960年代のアメリカだからこそ活躍した思想家なのではなく、現代にもある問題に早くから取り組んでいた活動家だとわかる。
また、非暴力の戦略とはどのような内容であるかについて理論立てて記載してあり読みやすく、実行のために必要な努力、訓練、集団的な統率について理解できた。
また、非暴力の戦略とはどのような内容であるかについて理論立てて記載してあり読みやすく、実行のために必要な努力、訓練、集団的な統率について理解できた。
2018年7月26日に日本でレビュー済み
黒崎真著 『マーケティン・ルーサーキングー非暴力の闘士』
非暴力をなすために、ロールプレイで白人と黒人の役を決めてするとは、徹底している。そして、キングのノーベル平和賞の賞金をすべて、寄付し、死んだときの資産は貧困ラインすれすれだったとは。
そして、キングの演説口調はリズミカルで、同じ言葉を何度も繰り返す。我々が朝礼をしたり、何かの時に話す時に参考になった。
1 キングは自宅の壁に、ガンディーの存在を感じられるように、肖像画を飾った。キングはこのガンジーにあこがれて、非暴力を学んだ。
2 キングは、三世代にわたる牧師の家系に生まれる。バプテスト教会の牧師であった。
3 キングは、三点において、共産主義はキリスト教信仰とは相容れないとした。
第一に、神の場所を認めない唯物論的歴史解釈において
第二に、「目的は手段を正当化する」という倫理的相対主義において
第三に、個人の自由を軽視する政治的全体主義においてである。
しかし、階級なき社会への関心は正しいとした。
4 キングはコレッタと結婚するが、価値観を共有した。キングは、中産階級の出自で自分で勝ち得たものではないから、南部で黒人教会で大衆のために奉仕したいという。同じ思いがコレッタにもあった。
5 説教を通じて、会衆は、神におる解放が一瞬到来した感覚になる。会衆は語られる内容だけでなく、、説教者の語り口、リズム、反復、口調の中に、「神に臨在」を確認。説教者の語りに対して、会衆は、「そうです(yes)」「繰り返して(repeat that)」「アーメン」などを語り返す。それが会衆が説教の中で「神の臨在」を確認していること説教者に知らせる方法だった。
こうして、キングはデクスター教会での第一歩を始めてた。
6 キングの説教のスタイルは、最初は、準備原稿をゆっくり読む。そして徐々に、原稿を離れ即興的になる。口調も速くなり、感情的になる。抽象論を語らず、日々の経験や生活に即して語った。
7 敵をいかに切り崩すかが重要。非暴力の抗議者を敵が暴力で攻撃すると、敵の道徳的正統性は失われる。そして、内部分裂となる。メディアを活用すると、世界世論を味方につけられる。メディアの前では、敵も無制限の暴力を慎む傾向になる。こうした柔術的メカイズムが自衛へとつながる。
8 キングはニューヨーク市のハーレムで自著に署名中、精神錯乱の黒人女性に左胸を刺される。
幸い、手術が成功し、キングは、人を刺す行為に及ぶほど苦しんでいた女性の状況を思いやり、その女性を「許す」と述べた。
非暴力を自らの生き方としたキングを公的に知らしめた。
9 非暴力哲学を実践するために、黒人たちは、ロールプレイをする
南部白人役の者は、参加者に「このニガー」「猿」「神は白人だぞ」と罵る。小突く、顔からケチャップをかける。顔に唾を吐く。椅子を揺らして引きずる。参加者は冷静を保ち、礼儀正しい言葉を使い、非暴力を貫く訓練をする。
ロールプレイの参加者は、毎回、どんな反応をしたか、感情を持ったか、非暴力を貫くには何が必要かを参加者同士で話し合う。これを繰りえ返し、自己統制ができるようになる。
参加者は身を守る方法も訓練する。相手が殴りかかってくると、両手で頭部を抱え頭蓋骨を守る。顔を傷つけないように両肘をくっつけて目の前に持っていく。
相手が引きずり倒し蹴ってきたら、身体を丸めて膝を顎まで引き寄せて、胸部や腹部を守り、両手で頭部を守る。一人が殴られていたら、相手に向かうのではなく、殴られている者に覆いかぶさり、殴打の衝撃を和らげる。こうして、黒人の参加者は公民権運動を牽引していった。
10 キングはワシントン行進をする。リンカーン像を前に演説をする。「私には夢がある」I have a dream演説。もし、準備原稿通り済んでいれば、11分で終わるはずだった。しかし、準備原稿を読み終わる寸前に、思い立ち、アドリブで五分間の演説を加える。これが歴史的演説となる。
「私たちは明日も困難に直面するでしょう。しかし、私には夢がある。(そうですyes) それはアメリカの夢に深く根差している夢です。私には夢があります。・・・・・いつの日か、自分の四人の子供たちが、皮膚の色によってではなく、人格の中身によって評価される国に住むようになるであろうという夢です。」
音階的抑揚を伴う「私には夢がある」のリズミカルな反復。キングと聴衆の絆は一段と強まる。
11 1964年10月、キングはノーベル平和賞を受賞する。12月のノルウェーの演説で、「この賞は公民権運動に関わった全ての人々が獲得したものである。」だから、キングは賞金5万4千ドル全額を、公民権諸団体と関連する特別基金に寄付をした。
12 キングは個人の自衛原理自体を否定しなかった。組織的な抵抗運動において、非暴力の方が道徳的にも戦術的にも実際的であった。
一方、マルコムXは非暴力を無抵抗と捉えた。だから、キングとマルコムXは公民権運動を自衛を公式に加える点で、キングと意見が合わなかった。
13 キングはついに、暗殺されるが、彼自信、死の二か月前に教会で説教をする。死はつねに、時間の問題だと考えていた。自分の葬儀の時には、こう言って欲しいと語る。
「私はだれかに、キングは他者に仕えるために命を捧げようとしたと言って欲しい。(そうですyes)・・・・誰かを愛そうとしたと言ってほしい。飢えた人に食べさせようとした、(そうですyes)・・・・・もし、皆さんが私は目立ちたがり屋だったと言いたければ、どうか正義のために目立ちたがり屋だったと言って欲しい。私は後に遺すいかなる金も持つつもりはない。後に遺す立派で贅沢な人生の品々も持つつもりはない。私はただ、捧げ尽くした人生を遺していきたい。(アーメン)それが私の言いたいことのすべてだ。」と。
実際、キングが凶弾で倒れた時、キングの預金口座には、当時六人家族の貧困ラインとされる年間所得とされる五千ドルしかなかった。
非暴力をなすために、ロールプレイで白人と黒人の役を決めてするとは、徹底している。そして、キングのノーベル平和賞の賞金をすべて、寄付し、死んだときの資産は貧困ラインすれすれだったとは。
そして、キングの演説口調はリズミカルで、同じ言葉を何度も繰り返す。我々が朝礼をしたり、何かの時に話す時に参考になった。
1 キングは自宅の壁に、ガンディーの存在を感じられるように、肖像画を飾った。キングはこのガンジーにあこがれて、非暴力を学んだ。
2 キングは、三世代にわたる牧師の家系に生まれる。バプテスト教会の牧師であった。
3 キングは、三点において、共産主義はキリスト教信仰とは相容れないとした。
第一に、神の場所を認めない唯物論的歴史解釈において
第二に、「目的は手段を正当化する」という倫理的相対主義において
第三に、個人の自由を軽視する政治的全体主義においてである。
しかし、階級なき社会への関心は正しいとした。
4 キングはコレッタと結婚するが、価値観を共有した。キングは、中産階級の出自で自分で勝ち得たものではないから、南部で黒人教会で大衆のために奉仕したいという。同じ思いがコレッタにもあった。
5 説教を通じて、会衆は、神におる解放が一瞬到来した感覚になる。会衆は語られる内容だけでなく、、説教者の語り口、リズム、反復、口調の中に、「神に臨在」を確認。説教者の語りに対して、会衆は、「そうです(yes)」「繰り返して(repeat that)」「アーメン」などを語り返す。それが会衆が説教の中で「神の臨在」を確認していること説教者に知らせる方法だった。
こうして、キングはデクスター教会での第一歩を始めてた。
6 キングの説教のスタイルは、最初は、準備原稿をゆっくり読む。そして徐々に、原稿を離れ即興的になる。口調も速くなり、感情的になる。抽象論を語らず、日々の経験や生活に即して語った。
7 敵をいかに切り崩すかが重要。非暴力の抗議者を敵が暴力で攻撃すると、敵の道徳的正統性は失われる。そして、内部分裂となる。メディアを活用すると、世界世論を味方につけられる。メディアの前では、敵も無制限の暴力を慎む傾向になる。こうした柔術的メカイズムが自衛へとつながる。
8 キングはニューヨーク市のハーレムで自著に署名中、精神錯乱の黒人女性に左胸を刺される。
幸い、手術が成功し、キングは、人を刺す行為に及ぶほど苦しんでいた女性の状況を思いやり、その女性を「許す」と述べた。
非暴力を自らの生き方としたキングを公的に知らしめた。
9 非暴力哲学を実践するために、黒人たちは、ロールプレイをする
南部白人役の者は、参加者に「このニガー」「猿」「神は白人だぞ」と罵る。小突く、顔からケチャップをかける。顔に唾を吐く。椅子を揺らして引きずる。参加者は冷静を保ち、礼儀正しい言葉を使い、非暴力を貫く訓練をする。
ロールプレイの参加者は、毎回、どんな反応をしたか、感情を持ったか、非暴力を貫くには何が必要かを参加者同士で話し合う。これを繰りえ返し、自己統制ができるようになる。
参加者は身を守る方法も訓練する。相手が殴りかかってくると、両手で頭部を抱え頭蓋骨を守る。顔を傷つけないように両肘をくっつけて目の前に持っていく。
相手が引きずり倒し蹴ってきたら、身体を丸めて膝を顎まで引き寄せて、胸部や腹部を守り、両手で頭部を守る。一人が殴られていたら、相手に向かうのではなく、殴られている者に覆いかぶさり、殴打の衝撃を和らげる。こうして、黒人の参加者は公民権運動を牽引していった。
10 キングはワシントン行進をする。リンカーン像を前に演説をする。「私には夢がある」I have a dream演説。もし、準備原稿通り済んでいれば、11分で終わるはずだった。しかし、準備原稿を読み終わる寸前に、思い立ち、アドリブで五分間の演説を加える。これが歴史的演説となる。
「私たちは明日も困難に直面するでしょう。しかし、私には夢がある。(そうですyes) それはアメリカの夢に深く根差している夢です。私には夢があります。・・・・・いつの日か、自分の四人の子供たちが、皮膚の色によってではなく、人格の中身によって評価される国に住むようになるであろうという夢です。」
音階的抑揚を伴う「私には夢がある」のリズミカルな反復。キングと聴衆の絆は一段と強まる。
11 1964年10月、キングはノーベル平和賞を受賞する。12月のノルウェーの演説で、「この賞は公民権運動に関わった全ての人々が獲得したものである。」だから、キングは賞金5万4千ドル全額を、公民権諸団体と関連する特別基金に寄付をした。
12 キングは個人の自衛原理自体を否定しなかった。組織的な抵抗運動において、非暴力の方が道徳的にも戦術的にも実際的であった。
一方、マルコムXは非暴力を無抵抗と捉えた。だから、キングとマルコムXは公民権運動を自衛を公式に加える点で、キングと意見が合わなかった。
13 キングはついに、暗殺されるが、彼自信、死の二か月前に教会で説教をする。死はつねに、時間の問題だと考えていた。自分の葬儀の時には、こう言って欲しいと語る。
「私はだれかに、キングは他者に仕えるために命を捧げようとしたと言って欲しい。(そうですyes)・・・・誰かを愛そうとしたと言ってほしい。飢えた人に食べさせようとした、(そうですyes)・・・・・もし、皆さんが私は目立ちたがり屋だったと言いたければ、どうか正義のために目立ちたがり屋だったと言って欲しい。私は後に遺すいかなる金も持つつもりはない。後に遺す立派で贅沢な人生の品々も持つつもりはない。私はただ、捧げ尽くした人生を遺していきたい。(アーメン)それが私の言いたいことのすべてだ。」と。
実際、キングが凶弾で倒れた時、キングの預金口座には、当時六人家族の貧困ラインとされる年間所得とされる五千ドルしかなかった。
2018年6月2日に日本でレビュー済み
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マーティン・ルーサーキングは、南部の法的人種隔離制度の不公正さを告発し、非暴力という戦略で公民権法の制定を勝ち取った。他方、晩年は「人種差別と貧困と戦争の三つ組みの悪」の根絶や「仕事と年間所得保障」に取り組んだ。
本書はキングのたたかいの非暴力という極めて戦闘的である「戦術」とその意味、バスボイコット、シットイン、ワシントン大行進へと続く、大衆と様々な運動体を巻き込んで取り組まれた運動の発展が時々のキングの葛藤と共に解説される。論文形式ではあるが、運動の臨場感とキングのそのときの悩みが描かれる様は、小説のように読む者の理解を促していく。
しかし、公民権を獲得してもなお、黒人の生活は貧困状態に置かれたままだ。白人が既得権を手放さない、ベトナム戦争は国家予算の多くを費やし、貧困問題の解決には回されない、貧困に苦しむ黒人はベトナム戦争にかり出されていく、キングは黒人を含めた格差と貧困とベトナム戦争の因果関係について理解を深め、反戦を唱える。まだ、多くのアメリカ国民がベトナム戦争を支持していたときにだ。
そして、暗殺。未だに、暗殺の首謀者は明らかになっていない。
「アメリカはキングの『夢』にどれだけ近づいただろう。晩年のキングが重視した貧困根絶の取り組みにおいては、むしろ遠ざかっている」と著者は指摘している。公民権法の獲得は人道問題であり、南部の問題であったのに対して、晩年キングの問題意識は貧困問題であり、北部も含めてすべてのアメリカ人を巻き込んだ極めて政治的問題であるがゆえだ。
アメリカではトップ1%の超富裕層がアメリカの総資産39%を保有する。貧困ライン以下の人は4100万人にも上り黒人の貧困率は、白人の二倍以上の22%であり、相対的格差はキングが活動した60年代と変わらない。
本書はキングのたたかいの非暴力という極めて戦闘的である「戦術」とその意味、バスボイコット、シットイン、ワシントン大行進へと続く、大衆と様々な運動体を巻き込んで取り組まれた運動の発展が時々のキングの葛藤と共に解説される。論文形式ではあるが、運動の臨場感とキングのそのときの悩みが描かれる様は、小説のように読む者の理解を促していく。
しかし、公民権を獲得してもなお、黒人の生活は貧困状態に置かれたままだ。白人が既得権を手放さない、ベトナム戦争は国家予算の多くを費やし、貧困問題の解決には回されない、貧困に苦しむ黒人はベトナム戦争にかり出されていく、キングは黒人を含めた格差と貧困とベトナム戦争の因果関係について理解を深め、反戦を唱える。まだ、多くのアメリカ国民がベトナム戦争を支持していたときにだ。
そして、暗殺。未だに、暗殺の首謀者は明らかになっていない。
「アメリカはキングの『夢』にどれだけ近づいただろう。晩年のキングが重視した貧困根絶の取り組みにおいては、むしろ遠ざかっている」と著者は指摘している。公民権法の獲得は人道問題であり、南部の問題であったのに対して、晩年キングの問題意識は貧困問題であり、北部も含めてすべてのアメリカ人を巻き込んだ極めて政治的問題であるがゆえだ。
アメリカではトップ1%の超富裕層がアメリカの総資産39%を保有する。貧困ライン以下の人は4100万人にも上り黒人の貧困率は、白人の二倍以上の22%であり、相対的格差はキングが活動した60年代と変わらない。